SaaS導入の際の選び方やポイント|注意すべき点やおすすめのサービスについて

最終更新日時:2023/08/14

SaaS

saasの選び方

利便性やコストの安さなどにより、SaaSサービスを導入する会社が増えています。手軽に利用できるサービスも増加し、どのようなサービスを導入するべきか迷っている会社も多いのではないでしょうか。本記事では、導入するSaaSサービスの選び方や注意点を解説します。

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SaaSサービスの選び方6選

数あるSaaSサービスのなかから、最適なサービスを見極めるための選び方を6つ紹介します。具体的には、次の判断基準をもとにサービスを選定するとよいでしょう。

  • 料金体系を基準に選ぶ
  • 提供方式を基準に選ぶ
  • 機能を基準に選ぶ
  • セキュリティの高さを基準に選ぶ
  • サービスの将来性を基準に選ぶ
  • カスタマイズの有無を基準に選ぶ

1.料金体系を基準に選ぶ

SaaSサービスの料金体系には月額制が多くみられますが、従量課金制のものもあります。そのため、自社が支払いを管理しやすい料金体系のものを選ぶとよいでしょう。

ただ、月額料金でユーザー数に限りがある場合もあるため、追加ユーザーごとにいくらかかるのかまで確認しておくことが重要といえます。また、初期費用がかかる場合もあるため、こちらも事前の確認が必要です。

2.提供方式を基準に選ぶ

SaaSサービスは、「シングルテナント」と「マルチテナント」の2つの提供方式があります。シグナルテナントはシステムやサーバーを1社のみで占有するのに対し、マルチテナントは複数の企業や個人で共有するというものです。

マルチテナントは1つのシステムやサーバーがあれば、多数のユーザーで利用できるため、導入や運用にかかるコストを抑えられます。それに対し、シングルテナントはシステムやサーバーを1社のみで占有するため、セキュリティ性が高まるといえるでしょう。

このように、提供方式によって特徴が異なるため、自社に適した方式を採用しているSaaSを見極めることが大切です。



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3.機能を基準に選ぶ

SaaSサービスによって機能や管理対象が異なるため、自社が必要とする機能の有無を基準に選ぶことが大切です。SaaS導入を急ぐばかりに、利用開始後に「必要な機能が搭載されていなかった」という事態に陥らないように事前の確認が必須になります。

また、機能が多すぎると使いこなせないというケースも考えられます。自社が抱える課題・求める機能・使いやすさなどを照らし合わせながら見極めましょう。

4.セキュリティの高さを基準に選ぶ

SaaSサービスを利用するにあたって、社外秘の情報や顧客情報も扱います。しかし、SaaSサービスは基本的にインターネット環境があればマルチデバイスで利用できるため、セキュリティ面が懸念されます。

したがって、自社に必要なセキュリティレベルを把握したうえで、そのセキュリティレベルを満たすSaaSを選ぶことが大切です。

5.サービスの将来性を基準に選ぶ

SaaS業界では新たなサービスが登場し続けており、企業間での競争が激化しています。競争に負けたベンダーはSaaSサービスの提供を終了する恐れがあり、逆にニーズの変化に対応するべくベンダーがアップデートを繰り返すこともあり得ます。

SaaSサービスをうまく活用し操作に慣れていても、サービスが終了したりアップデートが繰り返されれば、新たなSaaSサービスへ変更する必要やアップデートに適応しなければなりません。これは、SaaSサービスの活用が定着している企業ほど、対応が難しくなるでしょう。

そのため、ベンダーが今後どのような事業展開を目指しているのか、成長の余地はあるのかなど、ベンダーとサービスの将来性にも目を向ける必要があるのです。



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6.カスタマイズの有無を基準に選ぶ

SaaSサービスはクラウドサーバー上に存在するため、カスタマイズの自由度はほとんどなく、ベンダーが提供する範囲を超える機能・サービスは利用できません。ただ、要望によってはカスタマイズに応えてくれるベンダー・SaaSサービスもあります。

自社に最適なカスタマイズをしたいと考えているのであれば、カスタマイズ可能なSaaSサービスを探す必要があるでしょう。

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SaaSサービス導入で確認するポイント

SaaSサービスを導入する前に確認しておきたいポイントが3つあります。具体的には次の点です。

  • インターネットの環境
  • サービス品質保証(SLA)
  • セキュリティレベル

インターネットの環境

SaaSサービスはインターネット経由で利用するため、通信環境を整備することが大切です。ただインターネットがつながるだけでは、サービスを円滑に利用できない可能性があるため、十分な速度と通信の安定性が高い環境を整備しましょう。

また、SaaSサービスは社内だけでなく、外出先や自宅などで利用する機会もあるでしょう。そのため、使用するデバイスや各従業員の自宅におけるインターネット環境をあらかじめ調査しておくことが大切です。必要に応じて、通信環境を整備する制度や支援を検討しましょう。

サービス品質保証(SLA)

SaaSサービスの契約内容を確認する際、SLA(Service Level Agreement)も確認することが重要です。SLAはサービスの内容や範囲、提供時間など、サービスに関するさまざまな項目を明記したもので、ベンダーが保証するサービス品質ともいえます。

SLAに記載されたサービスを受けられないという問題が起これば、利用料金の減額や契約期間の延長など、問題に応じた措置がとられるでしょう。

SLAを確認することで、「自社が本当に必要とする機能が備わっているのか」「サービスの品質は本当に高いのか」などを見極められます。

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セキュリティレベル

SaaSサービスは種類によってセキュリティレベルが異なると同時に、企業が求めるセキュリティレベルも異なります。そのため、SaaSサービスを選定する際は、自社が求めるセキュリティレベルをそのサービスがクリアしているのか確認することが大切です。

SaaSやベンダーのセキュリティレベルを判断する際は、「プライバシーマーク」「ISO」などの認証規格の取得状況をみることがおすすめです。各認証規格には評価基準が設けられており、その基準をクリアしなければ取得できません。

つまり、認証規格を取得しているベンダーやSaaSはある程度のセキュリティレベルがあると判断できるのです。

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SaaSサービスの導入方法

SaaSサービスを導入する方法について、下記8つの手順にそって解説します。

  • 目的を明確にする
  • スケージュールを立てる
  • 必要機能の比較
  • サービス内容の比較
  • 試運転を行う
  • 契約の締結
  • 運用の準備を行う
  • 本格的に運用を開始する

目的を明確にする

まずは、SaaSサービスを導入する目的を明確にしましょう。

SaaSにはさまざまな種類があり、機能やサービス内容が異なります。目的が明確になっていなければ、必要な機能を把握できず、自社に適したSaaSを見極められない可能性があるのです。

また、目的が不明確なまま導入すると、社内で定着が進まなかったりうまく活用できないなど、導入コストに見合った効果が得られない恐れもあります。

SaaSの導入で成果をあげるためには、どのような課題を解決するためにサービスを導入するのかについて全社で共有し、目的や意義、メリットなどを社員に理解してもらうことが重要です。

スケージュールを立てる

SaaSの導入に向けてスケジュールを立てましょう。SaaSを導入する日だけでなく、導入に関する事前の説明会や情報セキュリティ教育・研修など、さまざまな日程を組まなければなりません。

サービスの利用にはランニングコストがかかるため、導入後すぐに活用できるよう、あらかじめ準備する必要があります。

もしSaaSの導入や運用に関して疑問や不安があれば、事前にベンダーへ問い合わせる必要があります。導入支援サービスを提供している事業者もあるので、スケジュールの作成とあわせてベンダーの支援体制も確認しておきましょう。

必要機能の比較

自社に必要な機能が何かを洗い出しましょう。自社の抱える課題や達成したい目標などから、どのような機能があったら課題を解決できそうかなどを検討します。

SaaSは使い方によってさまざまな場面で活用できるため、多機能なものを選びがちですが、持て余すリスクもあります。そのため自社の業務内容や現状を把握した上で、必須となる機能を選別することが大切です。

サービス内容の比較

求める機能が備わったサービスをいくつか選定し、比較検討しましょう。SaaSはカスタマイズの自由度が低いため、はじめから必要な機能がすべて揃っているサービスを探すことが重要です。

コスト・サポート・セキュリティレベル・導入実績など、機能以外のさまざまな要素も踏まえて検討しましょう。



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試運転を行う

SaaSサービスでは無料トライアルを行っている企業も多く、実施していれば必ず活用し、実際の使用感を知ることが大切です。

また、試運転を行う際は導入後に主なユーザーとなるであろう社員にも参加してもらいましょう。高性能な機能がどれだけ備わっていても、社員にとって使いにくいものであれば、いずれ活用されなくなります。

長期的に活用してもらうためにも、導入するSaaSを選ぶ際は、現場の意見を取り入れることが大切です。

契約の締結

自社に最適なサービスが決まれば、実際に契約を締結していきましょう。契約時は基本契約の内容だけでなく、SLAも詳細まで把握することが大切です。

そして、納得できないことや疑問点は契約前にすべて解決しておくと、導入後に後悔することも少なくなるでしょう。

運用の準備を行う

SaaSサービスの利用にあたっては、インターネット環境やデバイスの整備など、スムーズに導入できるようにあらかじめ準備しておきます。

事前の社員教育や研修プログラムが必要な場合は、このステップで実施することになります。

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本格的に運用を開始する

準備ができたら本格的に運用を開始します。SaaSは導入後も、効果が出ているのか定期的に確認することが重要です。

また、社員がSaaSに慣れるまで時間がかかることもあるため、短期的な効果を期待してはいけません。運用開始後、長期的に活用しても効果が出ないようであれば、自社に適していない可能性があります。運用方法の見直しやSaaSサービスの変更を検討しましょう。



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SaaSサービス導入で注意すべき点

SaaSサービスはソフトウェアをダウンロードする必要がなく、インターネット環境があれば利用できる便利なサービスです。ただ、このような手軽さがある反面、以下のような注意点も考えられます。

  • カスタマイズの少なさ
  • セキュリティ面の不安
  • コストの負担

カスタマイズの少なさ

SaaSサービスには、カスタマイズ性の高いものはほとんどなく、自社にとって最適なツールへと変更を加えていくような自由度がありません。そのため、ベンダーによって搭載された機能・サービスの範囲内で活用していくことになります。

SaaS導入後に必要な機能・サービスの不足に気づいても、SaaSサービスそのものを変更するか、現在のサービス範囲内で活用できるよう業務フローを変更するなどの対策をとらなければならないのです。

セキュリティ面の不安

インターネットを経由すれば時間や場所にとらわれず利用可能なSaaSは、セキュリティ面にも不安が残ります。クラウドサーバー上でトラブルが起こった場合には、機能が一時的に使えなくなるなど、ユーザーはベンダーおよびサーバー側におけるトラブルの影響を大きく受けるのです。

また、インターネット環境やデバイスのセキュリティだけでなく、利用者のセキュリティ意識も高める必要があります。SaaS導入前に情報セキュリティ教育やSaaSに関する研修を開催するなどの対策をとりましょう。

コストの負担

SaaSを利用するには必ず金銭的なコストがかかり、サービスの種類によっては高額に感じることもあるでしょう。しかし、自社に適したサービスを見極められれば、SaaSの利用にかかるコスト以上に削減できるコストのほうが大きいといえます。

SaaSの導入で削減できるコストは、金銭的コストだけでなく、業務効率化による人的コストも含まれます。そのため、導入による削減コストを算出する際には、2つのコストから判断する必要があるのです。

また、規模の小さな業務にSaaSを導入する際、削減できるコストも限定的になる場合がある点には留意しておきましょう。

実際には業務効率化や従業員の働き方の多様化などにつながったのにもかかわらず、「SaaSを導入したのに大きなコストカットにつながっていない」と判断し、サービスの利用を中止してしまうケースもあるのです。

SaaSサービスの適用範囲における適切な導入効果を見極めて、サービスの継続や中止の判断をおこなう必要があるでしょう。



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Saasサービス導入するメリット

ここからはSaasサービスを導入するメリットについて紹介していきます。

導入〜運用のコストが安い

自社でソフトウェアを開発してサービスを作るとなると費用や手間がかかるのに対し、Saasは比較的安価な価格で導入〜運用できるのが特徴です。

また、ほとんどのSaasはサブスクリプションシステムで決まった料金を支払うだけで済むので、全体のコストを把握した上で予算をあらかじめ決めることもできます。

簡単に導入にできる

Saasはインストールしたり、環境を設定したりする必要もなく課金するだけで簡単に導入できるのが特徴です。

また、導入後のソフトウェアの管理についてもベンダー側が全て行ってくれるため、運用する上での作業負担やコストについても一切不要で利用できます。

時間や場所に限らずに利用できる

自社で開発したシステムやインストール型システムの場合は、特定のパソコン・場所に利用が限定されてしまうリスクがあります。

しかし、Saasはネット環境があればいつでもどこでも利用できのが特徴です。そのため、テレワークの推進や働き方の多様化にも対応することができます。



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おすすめのSaaSサービス

SaaSサービスはさまざまなビジネスシーンで活用されています。ここでは、おすすめのサービスを5つ紹介します。

  • Chatwork
  • Office365
  • freee会計

Chatwork

Chatworkは中小企業向けのビジネスチャットで、導入企業は37万6000社を超え、国内利用者数はトップを誇ります(2022年11月時点)。

Chatworkは社内だけでなく、クライアントとの連絡にも役立ちます。気軽に連絡を取り合えることから、コミュニケーションの活性化が期待でき、情報伝達の漏れ・ズレも防止できるでしょう。

Chatworkはチャット機能のほかにも「ビデオ/音声通話」「タスク管理」「ファイル管理」などの機能が備わっています。

提供元Chatwork株式会社
初期費用無料
料金プラン
  • フリー:0円
  • ビジネス(年間契約):税抜500円(1ユーザー/月)
  • エンタープライズ(年間契約):税抜800円(1ユーザー/月)
導入実績37万6000社
機能・特徴
  • チャット
  • タスク管理
  • ファイル管理
  • ビデオ/音声通話
  • ユーザー管理
  • モバイルアプリ
  • 多言語対応
  • 高水準セキュリティ
  • API連携
URL公式サイト

Office365

マイクロソフトが提供する「Office365」には、ビジネスシーンでよく使われてるWord、Excel、PowerPointといったツールが含まれます。場所にとらわれることなく、複数のメンバーで同じドキュメントを編集できるなど、共同作業の効率化を目指せるでしょう。

また、お気に入りのアプリを1つのプラットフォームにまとめることで、作業効率や利便性の向上を図れます。モバイルアプリも提供しているため、パソコンがなくても管理できることもメリットのひとつです。

提供元Microsoft
初期費用無料
料金プラン
  • Microsoft 365 Business Basic:650円(ユーザー/月)
  • Microsoft 365 Apps for business:900円(ユーザー/月)
  • Microsoft 365 Business Standard:1,360円(ユーザー/月)
  • Microsoft 365 Business Premium:2,390円(ユーザー/月)

※一般法人向け

機能・特徴
  • Word、Excel、PowerPointほか
  • チャット
  • ビデオ通話
  • スケジュール管理
  • ファイル共有
URL公式サイト

freee会計

freee会計は経理業務や確定申告を効率化できるサービスで、個人事業主や中規模法人向けに提供されています。freee会計を利用すれば、簿記や経理の知識・経験がなくても簡単に業務を行えます。操作も分かりやすいため、入力ミスの防止にもつながるでしょう。

また、請求書や領収書などもワンクリックで発行できるため、人的コストの大幅な削減が期待できます。いくつかのプランから選べるため、必要な機能が揃っていれば最もコストのかからないプランを選ぶとよいでしょう。

提供元freee株式会社
初期費用無料
料金プラン
  • ミニマム(年間契約):税抜1,980円/月
  • ベーシック(年間契約):税抜3,980円/月
  • プロフェッショナル(年間契約):税抜39,800円/月

※20名以下の法人

機能・特徴
  • 明細自動記帳
  • OCR機能
  • 見積/納品/請求書の作成
  • 各種帳簿作成
  • レポート関連機能
URL公式サイト

SaaSサービス導入の成功事例

ここでは、SaaSサービスを実際に導入し、コスト削減などの課題解決に成功した企業事例をみていきましょう。

  • 生活協同組合コープさっぽろ
  • 塩野義製薬株式会社
  • コニカミノルタ株式会社
  • ベルトラ株式会社
  • 森永乳業株式会社

生活協同組合コープさっぽろ

コープさっぽろでは、Webサイトやアプリから注文できるECサービスを提供しています。しかし、ユーザーから「パスワードを忘れることが多いのでなくして欲しい」との声がたびたびあがっていたそうです。

そこで、認証基盤を改善するSaaSを導入しました。パスワードレスの仕組みを取り入れ、SMS/SNS認証・Apple・LINEなど、複数の認証形態を揃えたのです。

その結果、「パスワードを忘れた」という問い合わせが減り、同時に利便性が増したことから、新規ユーザーやアクティブユーザーが増えたといいます。

塩野義製薬株式会社

塩野義製薬では新薬の開発を進めるにあたって、社内にあるオンプレミスのGPUマシンを活用していました。しかし、既存マシンのスペックやサーバー増設などの点で課題を感じたことをきっかけに、クラウドサービスの導入を決めました。

このクラウドサービスを有効活用するためには、自社の現状を把握することも必要でした。ただし、現状を把握するためにデータを分析するにも、クラウドサービスでは膨大なログをチェックしたり、ユーザーの処理を検索したりするのに手間がかかっていたのです。そこで、ログ管理・分析を得意とするSaaSを導入しました。

SaaSを導入したことで研究開発の環境を整備できたと同時に、運用の手間とコストの削減にも成功したそうです。

コニカミノルタ株式会社

コニカミノルタでは、販促物制作のデジタル化を支援する、「Go Works(ゴーワークス)」というプラットフォームを提供していました。しかし、外部機能との連携が難しいことから、クライアントには何度も契約を見送られたそうです。

そこで、同社ではGo Worksとの外部連携を可能とするため、認証基盤の役割を持つSaaSを導入しました。多くの外部ツールに対応していることと、同社が想定していたコストを大きく下回ったことが決め手となりました。

SaaSによって、自社サービスへ認証基盤をスムーズに導入できました。また、認証基盤の開発が必要なくなったため、そこで生まれたリソースをコア業務に回せるようになったそうです。

ベルトラ株式会社

ベルトラは、海外における現地オプショナルツアーを販売する「VELTRA」というWebサイトを運営しています。Webサイトの運営にあたって、「デジタルコンテンツの一元管理」「デバイス環境に適したフォーマットでの配信」「表示の自動化」といった機能が使えるツールを利用していました。

同社の主要事業は旅行・観光にかかわるものであるため、季節や時期によってアクセス数が大きく変動します。しかし、既存ツールは月額料金が固定された料金形態であったため、柔軟性がなく自社に最適でないと感じ、課金形態のSaaSへと変更したのです。

新たに導入したSaaSは、既存ツールのサービス内容と大きな違いはありませんでしたが、時期によるアクセス数の変化に応じて柔軟な課金形態が適用されるようになったことで、コストの最適化に成功しました。

森永乳業株式会社

森永乳業では、コーポレートサイトをはじめ各製品のブランドサイトなど、多数のWebサイトを運営しています。しかし、実際は運用のほとんどを外部ベンダーに任せていたため、脆弱性が発見された際の対応やセキュリティチェックの業務プロセスなどが統一されていませんでした。

そこで、同社はWebサイトの構築や運用を内製化するため、SaaSを導入したのです。導入したSaaSはベンダーによるサポート体制が手厚かったため、疑問や課題に対して適切なサポートを受けることができました。

SaaSのサポートに支えられながら、Webサイトの実運用を想定したセキュリティ標準を作成したほか、各サイトに適した構成を作成・実装できるようになったのです。

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目的に合わせたSaaSサービスを選択しよう

SaaSは業界・抱える課題・コストなどさまざまな面から、最適なサービスを見極めることが重要です。

自社に適していないSaaSを活用しても、ほとんど効果はみられず、コストを無駄にすることになります。自社の現状を把握し、目的を明確化したうえで、最適なSaaSサービスを選定しましょう。

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