管理職の正しい勤怠管理とは?義務化の背景や労働時間の管理方法を解説

記事更新日:2022/11/28

勤怠管理システム

管理職の勤怠中の様子

労働安全衛生法の改正により、「労働時間の客観的な把握」が義務付けられました。この労働時間の把握は、管理職を含むすべての従業員が対象となっています。これにより、管理職の業務量がさらに増えてしまったという企業も少なくありません。

法令遵守のためだけでなく、過重労働を避けるためにも、企業は勤怠管理を厳密に行わねばなりません。それは、管理職の勤怠管理に対しても同様です。そこで今回は管理職の勤怠管理義務化の背景、注意点、管理方法を解説します。

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管理監督者の勤怠管理が義務化

2019年4月より、労働基準法労働安全衛生法労働時間等設定改善法など働き方改革に向けた法の改正が順次施行されました。

労働安全衛生法第66条には、勤怠管理について以下の通り記載されています。

第六十六条の八の三 事業者は、第六十六条の八第一項又は前条第一項の規定による面接指導を実施するため、厚生労働省令で定める方法により、労働者(次条第一項に規定する者を除く。)の労働時間の状況を把握しなければならない。

[出典:労働安全衛生法 第六十六条の八の三]

従業員の労働時間の把握が法によって義務化されたことにより、企業は社員の長時間労働をはじめとした、労務環境の見直しを迫られることになりました。

併せて、一般社員の業務負担を軽減させるための労働を、管理職が強いられるケースが想定されるため、これまで適用外であった管理監督者の労働時間の把握も義務付けられたのです。

管理監督者と管理職はイコールではない

管理監督者とは、労働条件の決定に対する権限を含む労務管理について、経営者と一体といえる立場にある従業員のことです。

労働基準法第41条では、以下の通り定義されています。

二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者

[出典:労働基準法 第四十一条 二項]

また、管理監督者として認められる基準としては、厚生労働省により、以下の4つの条件が定義付けられています。

<管理監督者として認められる条件>

  • 重要な職務内容を有している
  • 重要な責任と権限を有している
  • 労働時間に関しての制限を受けていないこと
  • 賃金などについて相応の待遇がなされていること

[参考:厚生労働省「労働基準法における 管理監督者の範囲の適正化 のために」]

上記の条件を満たし、「管理監督者」と認められる場合は、一般の従業員とは異なり、労働基準法に定められた労働時間、休憩、休日などの規定は適用されません。それゆえ、企業側は、法律上、時間外労働や休日の労働に対する割増賃金を支払う必要はありません。

一方の管理職については、法による定義はなく、企業で一般的に使われる部下を管理する立場にいる従業員の呼び名にすぎません。管理職であっても、管理監督者としての条件を満たしていない場合は、法律上の「管理監督者」には該当しないことになります。その場合、一般社員と同じように、労働時間、休憩、休日などの規定を適用する必要があるため、注意しましょう。

以上の通り、管理監督者と管理職は、法律上、必ずしも一致する立場ではないこと、さらに、法改正によって、管理監督者も労働時間を含む勤怠管理が必要になったことの2点に留意してください。

厚生労働省が定めた管理監督者の定義

法律上、管理監督者として認められるか否かについては、役職名ではなく、あくまで実態に基づいて判断されます。そこで、厚生労働省では、前述の通り、管理監督者として認められるための4つの基準を定めています。その定義について、詳しく確認していきましょう。

重要な職務内容を有している

厚生労働省が発表した管理監督者の定義では、「労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な職務内容を有していること」とあります。

つまり管理監督者は、経営に関する意思決定への関与や、部門を統括する指揮など企業活動にとって重要な職務を担っていなくてはなりません。一般の従業員とは異なる職務内容のため、労働条件も異なってくるのです。

重要な責任と権限を有している

管理監督者の定義の2つ目は、「労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動せざるを得ない重要な責任と権限を有している」と示されています。

これは「名ばかりの管理職」ではなく、自らの裁量で判断できる権限を与えられているなど、ある程度、業務遂行の指揮権が与えられていることを意味しています。例えば部下の人事評価や賃金・労働条件の決定、予算管理や費用管理などにおいても責任と権限があるといえます。

勤務時間の制限を受けていない

続いて3つ目の管理監督者の定義では、「勤務態様も労働時間の規制になじまないようなものである」とされています。

管理監督者は、経営に影響する判断や決定にも深く関わり、時には、それらの緊急な対応を行う場合もあるため、出退勤時間を厳密に定めることが困難です。そのため、労働時間について制限を受けている場合は、これらの地位にないと判断され、管理監督者とは認められません。

賃金など職務相応の待遇を受けている

4つ目は「賃金等について、その地位にふさわしい待遇がなされている」という定義についてです。

管理監督者は従業員であると同時に、経営者と同様の立場で重要な職務を担っています。一般従業員の労務管理、業務の進行管理、時には経営に関わる重要な判断や決定も行うため、それにふさわしい待遇を受けなければなりません。

管理監督者は残業代の支給対象外なので、待遇が十分でないと一般従業員よりも給与が少なくなる場合があります。「管理職になって残業代がなくなり、給与の総額が落ちた」という場合は、管理監督者として相応な待遇とはいえません。定期給与や賞与などは一般従業員よりも高いのが通常です。

[参考:厚生労働省「労働基準法における 管理監督者の範囲の適正化 のために」]

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管理監督者における労働時間管理の6つの注意点

管理監督者を設置する際、管理職の労働時間の管理について注意しておくことが6つあります。ひとつずつ詳しく確認していきましょう。

1.企業は管理監督者に対する安全配慮義務がある

管理監督者には、労働基準法に定められた労働時間、休憩、休日などの規定は適用されないことをお伝えしましたが、いくら適用されないからといっても、管理監督者であれば、何時間働かせてもいいということはありません

管理監督者には、休憩に関する法的な規則や法定休日などもないため、極端な言い方をすれば、休憩や休日を取らせずに働かせたとしても、違法とはなりません。ただし、企業には安全配慮義務が課せられており、従業員が生命・身体の安全を確保しつつ労働ができるように、必要な配慮を行う義務があります(労働契約法第5条)。

この安全配慮義務は、管理監督者にも適用されるものです。企業は管理監督者に対しても、勤怠の状況を把握し、心身の健康に配慮した働き方ができているかを確認しなくてはなりません。

2.残業代なしは適法だが深夜手当は支給する必要がある

残業代は正式には残業手当といい、所定労働時間又は法定労働時間を超えて働いた場合に支払われる賃金のことです。

くり返しになりますが、管理監督者には、労働基準法にある労働時間に関する規定は適用されないため、そもそも「時間外労働」といった概念がないことになります。そのため、企業も残業手当(時間外割増賃金)を支払う義務はありません。

一方で、深夜残業手当といって、22時から翌朝5時まで深夜の時間帯に働かせた場合に支払う義務のある賃金(労働基準法第37条)については、管理監督者にも適用されます。深夜の労働が発生した場合は、管理できる体制を整えておきましょう。

3.休日の規定はないが有給の取得義務は適用される

労働基準法では、一般の従業員に対して取得を定めている「1週に1日以上の休日」または「4週4日以上の休日」の法定休日の規則があります(労働基準法第35条)。しかし、管理監督者には、この法定休日の規則も適用されません。

これは、管理監督者には休日という概念がないことが理由です。ただし、年5日の有給休暇については取得義務の対象になっています。

そのため、管理監督者の有給休暇の取得状況については、企業として管理しておく必要があります。

4.休憩・休日は「過重労働を避けるための管理」が必要である

一般の従業員に対しては、休憩時間についても、労働時間が6時間以上、8時間未満の場合は最低でも45分、8時間を超える場合には最低1時間の休憩が必要といった法律上の定めがあります(労働基準法第34条)。

しかし、管理監督者には、休憩時間の定めはありません。とはいえ、過剰労働で健康を害するような労務環境は、企業が安全配慮義務を果たしているとはいえません。過剰な負担を避けるためにも、いつ、どれだけ働いているのかの勤怠管理が必要とされているのです。

5.遅刻・早退による賃金控除はないが欠勤控除はある

管理監督者は、出退勤時間については自由であることが、重要な要件の1つとなっています。そのため、遅刻や早退をしたとしても、賃金控除はされません。

ただし、控除されないからといって、好き勝手に遅刻や早退をして良いわけではありません。これらは、管理監督者の役割を果たした上での自己裁量となります。一般的に考えれば、部下よりも毎日遅く出勤し、早く退勤するという状況は、部下を管理する役割が果たされていないと判断されても仕方がないといえるでしょう。

欠勤の賃金控除については、明確な基準やガイドラインはありませんが、欠勤した管理監督者に対して賃金控除をすることは可能です。一般的な企業の実情としては、概ね欠勤が一定期間以上になった場合に控除を行っているようです。

管理職の正しい勤怠管理方法とは

管理職の勤怠管理はどのように行うのが良いのでしょうか。ここでは、管理職の正しい勤怠管理方法についてお伝えします。

勤怠管理システムを使用する

管理職の勤怠管理方法として、勤怠管理システムの使用があげられます。勤怠管理システムは、社員の出退勤の時間を管理するものです。勤務時間や残業時間、欠勤などが可視化でき、効率的に管理できます。

勤怠管理システムには、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどから利用が可能なものもあります。そのため、フレックスタイムやテレワークなど、多様な働き方にもフィットしやすいでしょう。

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エクセル等で出勤簿を作成する

出勤簿をエクセル等で作成して利用するのも、管理職の勤怠管理方法の1つです。

手書きと違いエクセルの出勤簿であれば、集計作業が楽なので労働時間の管理や賃金計算も便利になります。ただし、始業や終業の時刻は申告や入力作業が必要です。

タイムカードやICカードなどを利用していない場合は、エクセルで作成した独自の書式・様式の出勤簿で勤怠管理するのも良いでしょう。

タイムカードで打刻する

タイムカードで管理職の勤怠管理をする方法もあります。打刻機を導入し、紙のタイムカードで始業・終業時刻を管理するオーソドックスなものです。なかには、月間の労働時間を自動算出できるものなど、機能性の高いものもあります。

ただし、タイムカードは外回りの従業員が多い企業や、テレワークを導入している場合には向いていません。また、転記・集計などの手作業で行う工程が多く、ミスが生じることもあります。

おすすめの勤怠管理システム3選

勤怠管理システムは従業員をはじめ、管理職の出退勤時間も正確に管理できるというメリットがあります。ここでは使いやすく機能性に優れたおすすめの勤怠管理システムを3つ紹介します。

1.ジンジャー勤怠

「ジンジャー勤怠」はjinjer株式会社が運営するクラウド型勤怠管理システムです。

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも利用が可能。シフト管理や休暇管理など、管理側のサポート機能も充実しているのが魅力です。残業の超過や打刻漏れがあれば、アラートで通知される仕組みのため、抜けや漏れのない勤怠管理が行えます。

勤怠管理システムの導入がはじめてでも、電話やチャット、Webなどの設定サポートが充実しているため安心です。

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2.ジョブカン勤怠管理

「ジョブカン勤怠管理」は、株式会社DONUTSが提供するクラウド型の勤怠管理システムです。幅広い業種や業態で利用されており、導入実績70,000社以上を誇ります。

変形労働、フレックスタイム、管理職などの裁量労働、あらゆる勤務形態に対応可能です。またサポート体制も万全で、導入前の相談や最適な活用法の提案も受けられます。

出退勤管理や休暇申請管理など、勤怠管理に必要な機能はもちろん、その他の機能も充実。シンプルで使いやすく、初期費用無料、1ユーザーあたり月額200円からとリーズナブルな点も魅力です。

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3.KING OF TIME

「KING OF TIME」は、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供するクラウド型の勤怠管理システムです。

多彩な打刻方法が用意されているため、自社の業務形態に合った方法が選択できます。また、一般従業員、管理職ともに誰でも簡単に使えるシンプルな画面構成が特徴です。

またワークフローやシフト管理・工数管理など、勤怠管理以外の機能も充実。これらの機能がすべて、1ユーザーあたり月額300円で利用できます。30日間無料体験もあるので、初めてのシステム導入にもおすすめです。

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長時間労働を避けるため管理職の勤怠管理も重要

働き方改革は労働時間の短縮やテレワークの導入など、働きやすい環境を整えることを目標としています。しかし、一般社員の長時間労働を改善する過程で、管理職に対して過重労働を強いるような状況が発生していては、働き方改革とはいえません。

管理職に過度な負担がかからないためには、適切な勤怠管理が重要です。お伝えした、管理職の勤怠管理の方法や注意点などを参考にしながら、適切な管理を心がけましょう。また、勤怠管理の効率化のために、ツールの導入も積極的に検討してください。






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