オープンソースのCRMツールとは?メリットやおすすめ5選を紹介
CRMの導入を検討しているけど、まずは無料のCRMツールを利用したいという方もいらっしゃるかと思います。そのような時、オープンソースのCRMツールがおすすめです。本記事ではオープンソースのCRMツールについて解説し、メリットやおすすめ5選を紹介します。
目次
オープンソースソフトウェア(OSS)とは?
オープンソースソフトウェアとは、ソースコードが公開されているソフトウェアのことです。無料で使用できるソフトウェアも多いため、コストを押さえてサービスを利用したい場合に活用されています。
また、公開されたソースコードは変更することが認められており、企業に合わせてカスタマイズできます。カスタマイズの際は、プログラミングを用いて開発する方法が主流であり、開発会社との打ち合わせも重要です。
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オープンソースのCRMとは
オープンソースのCRMとは、無償で使えるオープンソースで開発されたCRMのことです。CRMは、顧客の管理情報を社内で一括管理すること、あるいはそのような管理を目的とするツールを指します。
CRMツールを使うと顧客情報のデータ化と社内共有が容易になり、正確な顧客把握と業務の効率化が期待できます。
一般的なCRMツールは、パッケージ代金や月額料金など何らかのコストがかかるため、かえってCRM導入が負担になるケースが少なくありません。そのような場合は、オープンソースのCRMを導入することで、CRM導入コストを軽減できます。
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オープンソースのCRMツールを導入するメリット
有料のイメージが強いCRMツールですが、無料のオープンソースCRMを導入する企業も増えてきました。
オープンソースのCRMを導入する理由としてコスト面、カスタマイズ、安定性と3つの観点でメリットが挙げられます。ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
コストを抑えながら運用できる
オープンソースのCRMの多くは、無料で導入できます。そのため、初期費用や月額利用料に掛かるコストを削減することが可能です。
また、CRMツールはどのようなものなのかを知るために試しに利用したい場合も同様です。有料のCRMでは、試用期間が決められている場合がありますが、無料のオープンソースCRMであれば、期限を気にする必要がありません。
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自由にカスタマイズができる
オープンソースのCRMを導入した場合、自社で使いやすいようにカスタマイズすることができます。そのため、管理項目や機能の追加、既存システムとの連携など、自社ニーズに合わせた柔軟な拡張が可能です。
ただし開発にはプログラミング技術が必要となるため、社内エンジニアあるいはシステム開発会社の協力が欠かせません。
長期的で安定した運用ができる
ベンダーが提供する有料のCRMツールは、機能やサービスのアップデート、あるいはシステムの提供そのものが終了する可能性があります。
アップデート終了後は操作性や機能性、セキュリティなどの向上が見込めなくなりますし、システム自体の提供が終了すれば業務が停止しかねません。
一方で、オープンソースのCRMツールは提供が停止される心配がないため、長期的で安定した運用ができることがメリットの一つです。
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オープンソースのCRMツールを導入するデメリット
オープンソースのCRMツールを導入することには、数多くのメリットがある一方、デメリットもあります。代表的なデメリットとしてあげられるのは、技術力を持った人材の確保、セキュリティ、海外製品の障壁の3つです。
しかし、これらのデメリットは導入前の準備段階で改善することが可能です。ここでは、オープンソースのCRMを導入するデメリットについて解説します。
技術力の高いエンジニアメンバーが必要
オープンソースのCRMに機能を増やす場合は、ソースコードを改修しなければなりません。そのため、プログラミングなどのスキルを有した技術力の高いエンジニアが必要です。
また、CRMツールのメンテナンスを行う場合もセキュリティ面や運用面に詳しい人材が必要になってきます。
自社に対応できるエンジニアが在籍している場合は問題ありませんが、社内でエンジニアを確保するのが難しい場合は、外部からエンジニアを招致しなければなりません。
セキュリティに不安がある
オープンソースのCRMは、自社でツールの管理を行うためセキュリティが不安視される場合があります。
例えば、自社用のCRMをカスタマイズすると、追加した機能に脆弱性が発生する可能性があります。また、セキュリティのアップデートを行っていない場合、セキュリティのリスクは高くなるでしょう。
CRMツールでは膨大な個人情報を取り扱うため、セキュリティ面が特に重要になってきます。
外国製品が多い
オープンソースのCRMツールは海外で制作されたものが多く、基本的にはドキュメント(資料や文書)は英語表記となっています。また、Webサイトに掲載されるFAQやトラブルシューティングなども英語であることがほとんどです。
そのため、自社で翻訳する、あるいは日本語に対応するようシステムをカスタマイズするなどの対策が必要です。
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おすすめのオープンソースのCRMツール5選
オープンソースのCRMツールは海外を中心に多くの企業が開発・提供しています。
そのため、ツールによっては機能やサポート体制、日本語への対応などが異なる点に注意が必要です。ここでは、日本でも導入しやすいおすすめのCRMツールをご紹介します。
1.SugarCRM
SugarCRMは、アメリカでオープンソースを提供して10年以上の経歴を持つSugarCRM社が開発したオープンソースのCRMです。世界50カ国で導入されています。
AI機能を駆使したプラットフォームが使われており、顧客データや営業データなどをもとに、洞察や感情分析、結果予測などを行えます。
操作自体もドラッグアンドドロップやクリックなどで進められるため、初めてCRMに触れる社員が多い企業に向いているでしょう。
2.VtigerCRM
VtigerCRMは、アメリカとインドに会社を構えるVtigerCRM社が2004年からサービスを提供しており、現在では30万社以上のユーザーが導入しています。
顧客管理だけでなく、販売促進などのマーケティングにも特化した機能があり、業務の効率化と利益向上が期待できます。また、サポートも手厚く、日本語への対応や24時間チャットボットによる相談も可能なのが魅力の一つです。
3.SuiteCRM
SuiteCRMとは、SalesAgility社が2013年に提供を開始し、世界で450万人が使用しています。また、日本語変換ツールが提供されているため、翻訳の手間が省けることがメリットといえるでしょう。
特徴は、CRMを視覚的にカスタマイズできることや、他システムとの連携ができるAPIファーストのシステムであることなどが挙げられます。
4.F-RevoCRM
F-RevoCRMとは、日本の会社であるシンキングリード株式会社が提供しているCRMツールです。日本で開発されているため、問い合わせや相談も気軽に行うことができ、導入もスムーズに行えます。
提供時期は公開されていませんが、多くの大企業が導入しており、多数の連携サービスが開発されています。
特徴は、CRMに加えてSFA(営業支援システム)の機能も備えていることです。そのため顧客情報管理や案件管理、マーケティング活動管理や販売管理までを一元化できます。
また、情報をポータル化することで、社内での情報共有や顧客との情報共有に対してのペーパーレス化も実現可能です。
5.CiviCRM
CiviCRMは、アメリカのCiviCRM社が10年以上前から提供している、非営利団体のユーザーを対象としたオープンソースCRMです。
そのため支援者や会員の管理、寄付金やグッズ販売管理など、NPO活動をサポートする機能が搭載されています。
また、CiviCRM Japanが提供するカスタマイズ方法を参考にすることで日本語化も可能です。
無料プランがあるCRMツール7選
一般的なCRMツールには、すべて無料で使用できるツールと一部無料で使えるツールがあります。ここでは、有料プランの中に一部フリープランが含まれるCRMツールをご紹介します。
1.HubSpot CRM
HubSpot CRMは、HubSpot社が開発したCRMで、日本ではHubSpot Japan株式会社が2016年7月からサービスを提供しています。
「使いやすさ」と「高度な機能」を重視したCRMサービスにより、現在世界120カ国以上で15万社以上の企業が導入しています。
基本的な顧客へのコンタクト管理、タスク管理、メールなどのコンテンツ管理などは無料です。また、、HubSpotのロゴ削除やメール件数上限やコンテンツのデザインを増やしたい場合は有料になります。
2.Zoho CRM
zohoは、アメリカのZOHO Corpが開発したCRMで、世界中で600万人ものユーザーが利用しています。
社内管理や販売管理などをプラットフォームから追加して使用することができ、比較的簡単な機能は自身で追加できます。
また、無料お試し期間として15日間3ユーザーまで、すべての機能を使うことができ、使用感や機能の確認が可能です。無料期間の終了後に利用を継続する場合は、有料プランへ切り替えとなります。
3.Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudはセールスフォース社が開発した世界で最も普及しているCRMです。売上管理や顧客管理といった基本的な機能から、AIを使った売上予測など高度な機能も揃っています。
30日間の無料トライアル期間があり、導入時の運用や課題をトライアル期間中に確かめることも可能です。トライアル期間終了後はユーザー数やカスタマイズによって料金も変化するため、継続で使用するならばトライアル期間中にプランを検討しておきましょう。
4. Zendesk Support
Zendesk Supportとは、アメリカに本社を置く株式会社Zendeskが開発したCRMです。
特徴は顧客からのフォロー・サポート業務に特化していることです。顧客の購入履歴や嗜好品などをプロフィール管理して、購入率のアップや、チケットと呼ばれる制度で顧客情報を社内共有できます。
CRM自体のサポートも充実しており、チャットやTwitterから24時間お問い合わせも可能です。また、無料トライアル期間を設けているので、Zendesk Suite Professionalプランが14日間無料で導入できます。
5.Ambassador Relations Tool
Ambassador Relations Toolは、大阪の株式会社コンファクトリーが提供しているCRMです。顧客管理機能もありますが、MAツールやメールマーケティング、NPS計測などマーケティングを援助する機能が多数備わっています。
フリープランで1回当たりのメール送信数が10,000通まで、顧客総数が10,000人まで管理できます。有料プランとの違いは、メール送信数が10,000通以上であることや、個別カスタマイズができる点、顧客情報を自動で連動できる点です。
6.FlexCRM
広島のノイアンドコンピューティング株式会社が開発したCRMです。自社独自の顧客データベースを簡単に作成できる機能があるため、自社で活用しやすいデータ形式で運用できます。
社内管理のフローや、顧客問い合わせの対応に関するきめ細やかな機能もあり、営業活動における一連の業務を一元化することが可能です。
また、有料プランのみのサービスですが、90日間無料のトライアル期間もあり、スタンダードとプレミアムプランで使用できる機能を試せます。
7.Knowledge Suite
Knowledge Suiteは、日本のナレッジスイート株式会社という会社が開発したCRMです。SFAや顧客管理機能など基本的な機能から、グループウェア、他アプリ連携が最初から使用できるオールインワンサービスが特徴です。
機能の追加、削除設定が簡単に行えるため、自社が使いやすい機能に限定したうえでCRMツールを使い始められます。
無料トライアルもありますが、期間が明記されていないので詳細は問い合わせる必要があるでしょう。
オープンソースのCRMツールの選び方と注意点
オープンソースのCRMツールを選ぶ際、導入コストが低いため導入時の注意点を深く考えずに導入してしまう企業も少なくありません。
導入コストは低くても、人的労力やセキュリティ面が必要なため、あまり考えずにCRMツールを導入すると社内トラブルのもととなる場合や、経営の負担になってしまう可能性があります。導入前に、以下の注意点をご確認ください。
活用できる人材が社内にいるか
オープンソースのCRMツールのカスタマイズや運用するためには、活用できる人材が社内にいるかが重要です。
自社内でエンジニアを確保しておくか、それが出来ない場合は外注するなど、導入前に人材を確保しておく必要があります。また、エンジニアのスキルをチェックしておくことで、対策も立てられるでしょう。
日本語に対応しているかどうか
CRMツールのカスタマイズやトラブル解決を行う際に、CRMツールが日本語に対応していることで業務の負担が激減します。
CRMツールの多くは海外で開発されているため、導入してもFAQや説明が英語であり、翻訳など理解するのに時間がかかってしまう事態も考えられます。
そのため、エンジニアの英語対応力向上が進んでいない場合は、CRMの導入前にサポートサービスやドキュメントを確認して日本語に対応しているか確認しておくことが大切です。
サポート体制・コミュニティは活発か
導入する上で最新の情報を手に入れるためには、サポート体制やコミュニティの情報量なども確認が必要です。
オープンソースのCRMには基本的にはサポートがありません。しかし、多くのオープンソースCRMでは、開発者や利用者によってコミュニティが構築され、情報が公開されています。
コミュニティで頻繁に情報共有を行っている場合は、セキュリティの情報や脆弱性の情報をキャッチアップできるため、メンテナンス対応で安全な運用を行うことが可能です。
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まずはオープンソースのCRMツール導入しよう
CRMツールは顧客管理の負担になっていた業務やマーケティングの効率化など、導入することで大きなメリットを生み出すことが可能です。
しかし、CRMツールの運用に必要なエンジニアの確保やサポート体制が整っていないと、経営の負担になってしまう場合があるので注意しなければなりません。
CRMツールの導入を検討している場合は、運用体制を整えるためにも、まずは無料のオープンソースCRMを導入することをおすすめします。その上で自社に合うツールを見極めていきましょう。
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