営業部門のDXにCRMが重要な理由は?導入効果や最新の活用事例を紹介

最終更新日時:2022/11/29

CRM(顧客管理システム)

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昨今のDXが注目される中で、営業部門のDX化に向けてCRMシステム(顧客関係管理)が重要であると言われています。本記事では、営業部門におけるDX化の重要性やDX化実現のためのCRMシステムの導入効果についてご説明します。またCRMシステムの活用事例も紹介しますので参考にして下さい。

CRM(顧客管理システム)とは

CRM(Customer Relationship Management:顧客管理システム)は、顧客情報を一元管理するシステムです。顧客ごとに担当者・販売実績・商談状況などを可視化でき、蓄積したデータを営業戦略へ反映できます。

個々のニーズに沿った営業戦略によって顧客満足度を高め、リピート率や購入単価向上を実現します。アナログ形式の管理では顧客数が増える程情報管理が難しくなり、顧客離れにつながりかねません。

CRMシステムは、顧客情報を全てシステム上に保存できるため、担当者別に点在して管理されていた情報がデータベース上ですぐにアクセスできるようになり、営業活動における全体的な効率化やより最適な営業アプローチを行うための基盤になります。

CRMが必要とされている背景

CRMが必要とされている理由は以下の4点です。

  • 既存顧客との関係強化
  • 新規顧客獲得のハードルの高さ
  • 案件の受注精度向上
  • 業務効率改善

一つずつ内容を見ていきましょう。

既存顧客との関係強化

既存顧客との良好な関係を築けると、中長期的に安定した売上が期待できます。顧客ロイヤルティが高く、安定したリピートが望めるからです。

自社商品・サービス・コンセプトに愛着を抱いているため、新商品が市場に出たとしても他社への乗り換えを簡単に考えられるケースが少なくなるでしょう。

例えば、日本ではiPhoneユーザーが全体の4〜5割程度を占めており、特に10代、20代の女性からの支持が厚く、共に7割以上がiPhoneのOSを使用しています(※2021年12月時点「MMD研究所 調査データ」より)。

iPhoneを使い続ける理由として「Appleブランドが1番好きだから変えたくない」との意見が、全体の45%と最も多くの意見を集めました。一度顧客が製品や企業ブランドに魅力を覚えれば、継続的な利用が見込めるとわかります。

また、顧客ロイヤリティの向上によって口コミによる拡散効果が期待でき、低コストで不特定多数の方々に自社商品をアピールできます。多額の広告費が掛かるテレビ・ラジオ・新聞などを使わなくても、安定した集客を実現できる可能性が高くなります。

新規顧客獲得のハードルの高さ

一人の新規顧客を獲得するためには多くのコストが掛かります。市場には優れた機能を持つ類似製品が多数存在しており、競合他社との差別化が難しいからです。

実際、アメリカのコンサルティング企業が提唱した1:5の法則によると、既存顧客の関係維持と比べて新規顧客獲得には約5倍のコストが掛かります

新規顧客を獲得するためには、多様化するニーズに応えなければなりません。見込み顧客の年齢・性別・年収・趣味など、ライフスタイルを細かく分析し、最適なペルソナを設定します。

ユーザーニーズに合致した商品やサービスを展開して購買意欲を高め、多くの予算を投じてマーケティング施策を実践することでようやく新規顧客獲得へとつながるのです。

案件の受注精度向上

データの蓄積によって営業プロセスの見直しの精度を高め、失注した理由を解析し、次なる営業活動の受注精度を高めます。

これは既存顧客との関係深化と新規顧客獲得、どちらにも必要なプロセスです。失敗した原因を社内で共有でき、顧客ニーズを汲み取った提案ができるようになるからです。

商談の進め方・商品選定・コミュニケーションの取り方など、失注した原因を可視化し、ユーザー目線に沿った提案やマーケティング戦略の立案につなげます。

業務効率改善

作業の自動化や情報の一元管理を実現し、業務効率を高めることも可能です。

CRMの自動配信メール機能によって新商品販売・イベント・キャンペーンなどの告知を幅広いユーザーに、短時間で配信できます。

また、営業担当者ごとに担当する顧客の担当者名・連絡先・購入履歴などを一元管理することが可能なので、顧客に関する詳細データや過去の活動履歴を素早く確認することができ、営業活動全体のスピードアップを図ります。

CRM(顧客関係管理)とは?機能や重要性など基本知識をわかりやすく解説

CRMの基本機能

CRMに搭載されている基本機能をまとめました。顧客データを有効活用し、営業活動はもちろん、同時に伴うマーケティングやカスタマーサポートにおいても非常に役立つことがわかります。

内容メリット
顧客管理

  • 担当顧客の氏名・所属部署・連絡先を掲載
  • 商談状況の可視化
  • クーポン購入履歴
  • サポートセンターへの問い合わせ有無

  • 顧客の特徴を可視化
  • 各部門のデータ連携強化
  • 営業活動やマーケティング戦略に反映可能
  • ユーザーニーズの把握
自動配信

  • 新商品やイベント告知
  • メールマガジン
  • 問い合わせへの回答

  • 業務負担軽減
  • 不特定多数のユーザーへの情報発信
顧客分析

  • 取引頻度
  • 商品別の販売実績

  • 採用率が高い商品傾向の把握
  • 顧客との取引状況を可視化
  • キーマンの再選定
マーケティング

  • イベントやセミナー参加者の個人情報を記録
  • ECサイト利用者の購入履歴や行動を分析
  • 売れ筋商品の見極め

  • 新規ユーザー獲得
  • 売上拡大
  • 顧客単価向上
カスタマーサポート

  • 商品やサービスへの問い合わせ対応
  • 対応した内容の記録

  • 迅速な対応を実現
  • トラブル防止
  • 顧客満足度向上

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX(Digital Transformation)とは、クラウドサービス・AI・IoT製品などを活用し、人々のライフスタイルや企業経営に有益な価値を生み出すビジネスそのものの変革を指します。

最先端技術の活用でユーザーニーズの意図を汲んだサービス・商品を提供でき、生活での利便性を高められます。

例えば、カーシェアリングサービスの発展によって、利用者側は車を「必要な時に必要な分」だけ利用できる環境が整い、無駄なコストをかけずに車を利用できる状況になりました。

一方、所有者側は車を使用していない時間で手間をかけずに収益を得られる状態となり、メリットが非常に大きい仕組みだと言えます。

このように、デジタル技術を駆使してビジネスモデルを発展させ、ユーザーニーズに即した新たな価値提供や課題解決を起こすことこそDXの本質といえるでしょう。

日本におけるDX推進の現状

国内企業でのDX推進は人材・資金面で余裕のある大企業に留まっています。2021年にクラウド型の採用ツールを提供している株式会社ネットオンが行った調査では、約300社のうち74%の企業が「DXを知らない」と回答しました(※)。

大前提として、経営者層がDX推進によるメリットや必要性を把握していないと、予算や人材を投じてDXを推進することは不可能です。

経済産業省では、数年前から「2025年の崖」と称し、DX推進の遅れに伴って発生する経済損失の可能性について警鐘を鳴らしてきました。

基幹システムの老朽化や廃止に伴い、ランニングコスト・データ流出のリスク増大など、企業の競争力低下につながる要因ばかりです。

【2025年の崖について】

懸念される内容予想されるデメリット
基幹システムの老朽化

  • 機能維持に掛かるメンテナンスコスト増大
  • 部門間でのデータ連携に乏しく作業効率が低迷
  • 市場変化への対応が困難

  • ランニングコスト増大
  • 顧客満足度の低迷
  • 経済利益損失
  • 社会的信用の失墜
  • 企業ブランドの失墜
  • アクシデントからの復旧に多大な時間とコストが必要
セキュリティ

  • サイバー攻撃や自然災害に伴うデータ流出のリスク増大
  • 取引先のデータが流出した場合、今後の経営に大打撃
人材

  • 優れたITスキルを持つ獲得が困難
  • 自社システムに精通した人材の不足
  • 企業データの継承が困難

※出典:「DXを知らない」は74.1%。中小企業のDX推進には認知向上が不可欠|中小企業におけるDXの実態調査

2025年の崖とは?経産省のレポートの要点やDX推進のシナリオについて

混同されるDX化とIT化の違い

IT化はDXを実現するための方法の一つです。IT化は、データやデジタル技術を活用し、業務効率化を目指します。例えば、カレンダー・ファイル共有・ワークフローなどを搭載したグループウェアの導入は、IT化の一種です。

例えば、カレンダーツールやワークフローシステムの導入によって、上司や他メンバーのスケジュールや業務の進捗具合が可視化され、スムーズな情報共有を実現できます。

一方、DX化は最先端のデジタル技術を駆使して新たなビジネスモデルや顧客体験の創出など、新しい価値の創出を目的としており、ビジネスそのものに影響を与える取り組みです。

表:DXとIT化の比較

DXIT化
目的

  • 新たなサービス・顧客体験の創出
  • 多様な働き方の実現
  • 市場ニーズに合わせたビジネスモデルへの転換

  • 社内の業務効率化
事例

  • 動画配信サービスの普及
  • 人事評価制度の刷新
  • 在宅勤務の実現
  • 無人コンビニの実現

  • グループウェア導入
  • ペーパーレス化
  • 自動オーダーシステム

DX化とIT化の違いとは?必要性や推進する方法も合わせて簡単に解説!

営業部門のDX推進にCRMが重要な背景

以下の4点が営業部門のDX推進にCRMが必要な背景です。

  • 多様化するニーズに沿った個別対応の実現
  • 営業担当者のマンパワー不足解消
  • 既存顧客との関係強化
  • 新規顧客獲得までのコスト高騰

既存顧客との関係維持や新規顧客獲得実現に向け、一人ひとりの求めるニーズを汲み取った丁寧な対応が求められます。市場競争が激化しており、他社と差別化を図るためには顧客満足度を高める必要性が高まっているためです。

しかし、全ての業務をハイレベルにこなすためには相当な手間が掛かります。業務効率化と成約率向上を両立するためには、営業活動に欠かせない機能を搭載したCRMの導入が重要です。

そもそも営業部門のDX化とは

営業部門のDX化とは、CRM・SFA・オンライン商談ツールなど、デジタル技術を活用した営業活動の効率化を指します。売上拡大と営業活動の効率化が求められており、両立にはデジタル技術の導入が欠かせません。

既に訪問回数や個人のスキルによって営業成績が左右する時代は過ぎ去りつつあります。オンライン上でスムーズに情報を管理・共有したり、営業そのものをオンラインで実施できる環境が整っているからです。

気になる商品・サービスは自ら情報収集できるため、顧客としては必ずしも対面営業を受ける必要性はありません。

対面営業にはもちろん対面営業ならではのメリットがありますが、非対面営業においても、場所に捉われず実施できる・移動時間の削減・資料のスムーズな共有が可能などの多くのメリットがあります。

働き方改革の推進やテレワークの普及によって、多くの企業がオンラインによる非対面営業を導入し始めているのです。

インサイドセールスの重要性

顧客との接点を失わずに営業効率を高めるためにも、DX化に伴うインサイドセールスの導入が重要です。インサイドセールスとは、オンライン商談や電話・メールのやりとりで顧客と次なる商談機会の創出を担う非接触形式での営業活動です。

対面営業よりも一日で多くの顧客と商談を実施でき、内容によって見込み顧客の振り分けも行います。商品・サービスへの関心の高さを会話内容から推察し、次なる営業アプローチの優先順位を明確にして効率化することが可能です。

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営業部門がDX推進を必要としている3つの理由

以下の3点がDX推進を必要としている理由です。

  • 生産性向上
  • BCP(事業継続計画)の観点
  • 市場変化への対応

一つひとつ内容を見ていきましょう。

生産性向上

人手不足や業績拡大のためには、営業担当者一人ひとりの生産性向上が欠かせません。CRMのメール自動配信機能を活用して日程調整を自動化し、プレゼン資料作成やトークスクリプトの見直しなど、人的リソースを割くべき作業の時間を確保できます。

また、商談状況や顧客データの可視化によって営業対象の優先順位を明確化し、営業活動の成約率の向上や営業活動数の増加を実現します。

BCP(事業継続計画)の観点

BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)が明確に定められていれば、自然災害や感染拡大が起きた場合でも柔軟に対応できます。緊急時に取るべき対応が明確化されており、行動に迷いが無くなるためです。

DX化によって業務に必要なデータがクラウドに移行されていれば、営業担当者が在宅でも顧客との商談に望むことが可能です。BCPの充実によって取引先からの信用が高まる他、従業員が緊急時においても時間や場所に縛られずに安心して働くことが可能です。

市場変化への対応

現代の高度な情報化社会では、溢れる情報に晒されながら人々は生活しています。それは同時に、多くの選択肢が人々に提供されており、かつかなりのスピードでニーズやマーケットそのものが変化し続けているのです。

こうした変化が激しい市場の中で、競合優位性を確立し、事業成長させるには、いかに市場の変化や新たなニーズを捉えて、営業活動や戦略に反映させていくかが非常に重要です。

そのためにも、顧客データや活動履歴を蓄積・分析する仕組みや検証数を最大化するための効率化に貢献するDXの推進が欠かせないのです。

CRM導入のメリット・デメリットとは?初心者にもわかりやすく解説

営業部門にCRM導入がもたらすDX推進の効果

CRM導入で得られる大きなメリットは以下の3つです。

  • 顧客情報管理の効率化
  • データ活用による営業活動の利益最大化
  • 他システムとの連携による業務効率化

顧客情報管理の効率化

CRMで担当者名・連絡先・部署・営業活動履歴など、顧客情報管理を一元化できるため、普段の情報共有や確認の工数、担当者変更に伴うトラブルのリスクを最小限に抑えられます。

業務に必要なデータや進行中の案件は全てCRMに保存されており、前担当者に都度ヒアリングする必要は無くなるのです。

営業活動で得たデータをスムーズに継承できる体制が整い、社内連携や営業活動の精度の向上によって、結果的に顧客との良好な関係を継続的に構築することにも役立ちます。

CRMにはどんな種類がある?種類別の利用目的や特徴を簡単に解説

データ活用による営業活動の利益最大化

CRMで、キーマン・採用傾向・予算・温度感など、顧客ごとに細かいデータを一元管理できるため、一人ひとりに合ったきめ細かい提案を行えます。

顧客ニーズに合致した提案によって顧客が抱える悩みを解決でき、顧客満足度を高められます。営業担当者への信頼が厚くなると購入単価やリピート率が高まり、安定した売上を実現可能です。

また、メールやチャットを使わなくても他部署から気軽にアクセスできるため、マーケティング部や新商品開発部と連動した提案も可能となり、全社の観点でビジネスの利益最大化にもつながるでしょう。

他システムとの連携による業務効率化

部門ごとに独立した基幹システムを使用している場合、CRMの連携機能によって部門間でのデータ連携がスムーズになります。必要な情報をすぐに可視化できる状態が作られ、複数のシステムを見比べる必要が無くなるためです。

例えば、MAツールと連携した場合、マーケティング施策から営業活動までのデータを一貫して確認することが可能になります。

成約につながりやすいキャンペーン施策やコンテンツを判別することができ、さらなる施策のブラッシュアップへとつなげることができるでしょう。

マーケティングDXとは?推進ポイントや成功事例・おすすめツールを解説

営業部門のDX推進におけるCRM導入の活用事例

営業部門にCRMを導入し、DXを推進することで以下の3つの観点で変化が起きています。

  • リード獲得方法の変化
  • リード育成方法の変化
  • リード情報の分析方法の変化

それぞれ具体的な活用事例も合わせて解説していきます。

1.リード獲得方法の変化

これまでの営業活動におけるリード獲得では、とにかく飛び込み営業でアタックする、テレアポを実施する、オフラインのマーケティング施策を実施するなども多く実施されていましたが、現代においては非常に非効率となってきており、費用対効果が悪く採算がとれないケースも多いです。

また、新型コロナウイルスの拡大に伴い、対面での接触はリスクがあることも踏まえて、リード獲得方法が急速にオンライン化しています。

具体的には、営業メールの増加、Webコンテンツの拡充、デジタル広告への出稿などが挙げられます。これらに共通するのは、市場や見込み顧客の動向を読み取り、データを駆使しながら仮説検証を繰り返すことでリード獲得数の最大化が図れるという点です。

ひたすら足を動かすという時代から、データを駆使して最小限の工数・予算で成果を最大化させるという考え方が必要になってきます。

2.リード育成方法の変化

先ほど述べた新型コロナウイルス感染症の防止や営業活動の効率化に向け、オンライン商談の導入が注目されています。オンライン商談の実施は次のような大きなメリットがあります。

  • 交通費など余分なコストの削減
  • 移動時間の削減
  • 場所や時間を問わず商談が可能
  • 営業対象エリアの拡大
  • ペーパーレス化の促進
  • 営業活動数の最大化

しかし、対面営業とは異なり、相手の表情・ボディランゲージ・声のトーン・場の雰囲気・相手の温度感など、視覚・聴覚情報が伝わりづらく、信頼関係の構築に時間が掛かる点が課題です。

メールやチャットなどのオンライン上のやりとり頻度を増加させたり、提案資料の事前配布など、コミュニケーション不足を補うための取り組みが求められます。

CRMでリードナーチャリングの成果を上げるには?効果的な活用方法を解説

3.リード情報の分析方法の変化

CRMの顧客管理・分析機能によって、顧客ごとに最適化された営業戦略をデータを駆使してスピーディーに立てられます。顧客が抱える課題・商談の進捗状況・購入率が高い商品データなど、案件獲得に必要なデータに即座にアクセスが可能であり、一目で把握できるためです。

個人が、Excelや別々の管理ツールで商談状況や顧客情報を管理していると、リアルタイムで状況が確認できない上に、管理するデータのフォーマットも異なるため、部署内での情報共有に時間がかかってしまいます。

結果的に、データの精度も低下し、温度感の高い見込み顧客へのアプローチのスピードも遅くなってしまうため、本来受注できた案件を失注してしまうといった機会損失が発生する可能性が高くなってしまうのです。

DXの成功事例15選!先進企業から学ぶDX推進を成功させるポイント

営業部門のDX推進を実現する方法

最後に、営業部門のDXを推進していくための方法を解説していきます。基本的な3つのステップで解説するのでぜひ参考にしてください。

1.現状の課題と実現したいことを明確化する

まず最初に、自社が抱える課題を明確化してください。内容によってDXを進める方向性が異なるからです。例えば、顧客情報が社内に点在していて、営業活動が非効率になってしまっている、上司や経営陣が現場の状況を把握できないと悩んでいる場合は、CRMシステムを提案します。

一方、インサイドセールスを強化したい場合は、CRMシステムと合わせてMA(Marketing Automation)ツールを導入し、営業活動とマーケティング施策の連携を深め、リード獲得数の最大化を目指すための提案をします。

このように、何が課題でどのように解決したいのかによって、CRMはもちろん、他のシステム導入などの選択肢も変化してくるので、まずは現状の課題と実現したい状態を明確にすることが重要です。

2.CRMやSFA・MAツール・オンライン商談ツールの導入

本記事で説明してきたCRMの導入だけでは、営業部門のDXを完全に実現することは厳しいことが多いです。多くの場合は、SFA・MA・オンライン商談ツールの導入も欠かせません。

以下にそれぞれの機能や利用するメリットを表でまとめたので、自社の抱える課題に応じて導入をご検討ください。

表:SFA・MA・オンライン商談ツールの比較

SFAMAオンライン商談ツール
主な機能

  • 顧客管理
  • 案件管理
  • プロセス管理
  • 予算実績管理
  • 見積書作成
  • データ分析・レポート

  • 見込み顧客の一元管理
  • スコアリング
  • キャンペーン管理
  • メール配信
  • アクセスログ
  • ランディングページや問い合わせフォーム作成

  • ビデオ通話
  • 画面共有
  • チャット
  • 通話の自動記録
  • カレンダーとの連携
  • SFAとの自動連携
メリット

  • 営業活動の可視化
  • 営業担当者の業務負担軽減
  • 受注率向上

  • 不特定多数の方へ個々のニーズに合わせた情報発信を実現
  • 購買意欲の高い見込み顧客の判別
  • マーケティング業務の効率化

  • 交通費削減
  • 商談機会増加
  • 営業活動の効率化
  • 営業エリア拡大

マーケティングオートメーション(MA)ツール活用のメリット・デメリットとは?

3.それぞれのシステムを連携させる

2のステップで紹介したSFAやMAツールは、CRMと連携可能なサービスがほとんどです。CRMに蓄積された顧客情報と営業活動の詳細データやマーケティング施策のデータを連携させることで、より営業活動全体を効率化し、同時に成果の最大化も可能になると考えられます。

システムの連携には、技術的な知見を持った専門人材が必要になるケースも多く、すぐに実現できるかどうかは企業によって様々ですが、外部のIT人材やベンダーのサポートも活用しながらぜひシステム連携まで実現することをおすすめします。

営業部門のDX推進にはCRMは欠かせない重要な要素

改めて本記事で解説してきた、CRM導入によって営業部門にもたらすメリットは以下の3点です。

  • 顧客情報管理の効率化
  • データ活用による営業活動の利益最大化
  • 他システムとの連携による業務効率化

顧客情報をCRM上で一元管理できる体制が整い、担当者変更や対応遅れに伴うトラブル発生のリスクは最小限に抑えられます。また、購入確率が高い商品や成功事例の特徴など、商談から得られるデータを最大限活用し、成約率向上へ結び付けます。

そして、合わせてSFA・MAツール・オンライン商談ツールを導入することで、営業活動の質を落とさずに成果の最大化を実現できる可能性が高いので、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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