経費精算が期限に間に合わない!よくある遅い原因と改善策を紹介!

2022/2/25 2022/02/25

経費精算システム

電卓と現金・領収書

「毎月の経費精算が、期限内に間に合わない」といった課題を抱えている企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。さまざまな理由があるとはいえ、経費精算の遅滞は、労使間の信用問題にもつながりかねません。この記事では、経費精算が遅い原因や期限の考え方、遅滞で起きる問題点と改善策を解説します。

経費精算が遅い!その原因とは?

「経費精算」とは、従業員が立て替えたお金を会社に請求することを指します。つまり、従業員が会社の事業活動を行うにあたって必要となった支出、例えば営業や出張の際の交通費や交際費、物品の購入の際の費用を会社に申請し、払い戻してもらうことです。

従業員からすると業務を行うために支払った「経費」であるため、会社が払い戻すのは当然と考えるでしょう。しかし、この経費精算が、さまざまな理由により遅れてしまうことがあるのです。ここでは、経費精算が遅くなる原因について具体的にご紹介します。

(1)経費精算の期限が曖昧になっている

経費精算に遅れをきたす原因の1つが、従業員が経費精算の申請や提出を後回しにしてしまうというケースです。そして、このような問題は、社内に明確な経費精算の申請や提出期限の設定がない、もしくは、あったとしても従業員への周知が徹底されていないことを前提として起きていると考えられます。

当然、従業員には、それぞれに課された日常業務があります。経費精算の期限が曖昧であれば、日々のタスクを優先し、経費処理を後回しにしてしまうのは、ある意味、仕方ないことともいえるでしょう。

また、従業員は適切に申請しているにもかかわらず上司の承認作業が遅くなり、結果として経費精算が遅くなる場合も少なくありません。

(2)経費精算のフローが複雑で時間がかかる

一般的な経費精費は、まず従業員が支払いを立て替え、立て替えた領収証を社内規定の書式に添付して上司に申請、上司の承認をもらって、経理部で内容の確認後、精算されるという流れで行われます。

このようなフローの場合、まずひとつ、上司が離席がちでなかなか承認されないといったことがあります。また、無事に経理部まで書類が辿り着いたものの、仕分けなどの書式の記載に問題があり、差し戻されるといったケースもあるでしょう。この場合、申請者本人が、常にオフィスにいるのであればいいですが、外回りが多い営業職などの場合は、些細な書類の修正であっても時間を要することになります。これらのタイムラグの積み重ねが、結果として、経費精算を遅らせてしまうのです。

経費精算の期限の考え方

税法上における経費精算の期限は、原則として年度内となっています。では、1年分の経費精算をまとめて年度末に申請することは可能なのでしょうか。ここからは、企業内における経費精算の期限の考え方について解説します。

社内の経費精算は会社規定に従う

税法上の経費精算の期限は年度内ですが、企業と従業員間における経費精算の期限は、会社規定のルールに従うのが一般的です。大抵の場合、前月の経費は翌月内に精算するといったように、1ヶ月〜1ヶ月半程度の期間を精算期限としているケースが多いでしょう。

法律上の期限は、1事業年度内となっているため、年度末にまとめて精算しても問題はありません。しかし、そうなってしまうと経営側による、適時の財務状況の確認ができなくなり、適切な経営判断ができないといったデメリットが発生してしまいます。また、年度末のみに経費処理業務が集中してしまうと、経理部の人的リソースに無理が生じてしまう問題もあるでしょう。そのため、社内独自の期限を設けている企業が多いのです。

税法上の期限が年度内となっている理由

経費精算の期限の原則が、年度内となっている理由には、すべての企業に対し年1回の作成が義務付けられている「決算書」が大きく関わっています。この決算書には、その年の収益と費用を示す「損益計算書」という、会社の財務状況を表す書類のひとつが含まれており、従業員が使用した経費も、主にこの費用に含まれます。そのため、法律上の経費精算の期限が、原則として1事業年度内となるのです。

ただし、確定申告の期限は、決算日から2ヶ月以内とされています。よって、決算日が3月末日であれば、確定申告の期限は5月末日です。そのため、前年度末(決算日)を過ぎていても、5月末までは、前年度分の経費精算が可能ということになりますが、会社が前年度の会計処理を終えている場合は、たとえ申告期限前であっても、経費精算をするのは難しいと考えておいた方が良いでしょう。

従業員が払い戻しを請求できる期間は5年間

これまでお伝えしたように、会社の経理処理上の関係上、経費精算の期限は原則として年度内となります。

ただし、この期限はあくまで会計処理の上での考え方であり、期限を過ぎた途端に、従業員が立替払いを行った経費を請求する権利、つまり債権自体がなくなるわけではありません。この債権については、原則として5年が消滅時効とされています。そのため、従業員側は、会社規定の精算期限が過ぎていたとしても、消滅時効前であれば、経費の払い戻しを受ける権利があります。

[参考:e-Gov 民法 第166条(債権等の消滅時効)]

会社規定よりも厳守すべき法律上の期限にご注意を

経費精算の期限には、大きく分けて税法上と会社規定の2つの期限があることをご説明しました。当然ですが、会計処理において税法上の期限は、会社規定よりも、より厳格に守らなければならない期限です。

また、会社規定の精算期限を過ぎた経費についても、社内の期限を守らなかったからといって、支払いを拒否することは、原則認められません。これは、一般的に会社規定に法的な効力はなく、先にご説明した民法の定めを優先すべきだと考えられるからです。

とはいえ、ルールを守らなくてもお咎めなしとなれば、経費精算の遅延はいつまでたってもなくなりませんし、会計処理の手間も増えてしまいます。ルール違反に対するペナルティーは、あらかじめ罰則を規定しておいたり、人事考課の際に判断材料とするといった対応をするようにしましょう。

会社の期限を守った経費精算が大切な理由

厳守すべき法律上の精算期限についてお伝えしてきましたが、従業員においては、経費精算の会社のルールは、必ず守るべきであると認識しておく必要があります。ここでは、経費精算を会社規定の期限内に終えるべき3つの理由について解説します。

(1)経費はタイムリーな把握が必要である

事業の状況を把握するには、売上高といった利益だけでなく、利益を上げるために、どの程度の費用がかかっているのかも把握しなければなりません。そのため、期限を守った経費精算により企業が正確な経費を把握することは、事業計画といった重要な経営判断にも大きく関係しているのです。

また、経費を適時把握することは、不要な経費の削減や無駄使いの是正といった業務の改善にもつながります。できる限りタイムラグのない経費精算を行うことで、より良い会社の経営が可能になるのです。

(2)経理担当者の負担を軽減するため

経費精算を行う際には、集計や帳簿への記録などさまざまな経理処理を行います。この経費精算は、多くの企業の場合、経理部門の毎月の業務となっているはずです。一方、決算書の作成も経理部門のもっとも大切な業務のひとつであり、年に一度の「大仕事」でもあります

そのため、たとえば従業員が毎月の精算期限を守らず、年度末に経費の精算をまとめて提出した場合、ただでさえ業務の負担が大きな時期に、さらに想定外の負担がかかってしまうことになるのです。決算書は、企業を評価する際の基準となる重要な書類であり、融資審査や信用調査の判断材料としても使用されます。

人によっては「たかが経費処理」と考える従業員もいるかもしれませんが、精算期限を守らないことが、このような重要な書類に影響を与える可能性もあるということを認識しておく必要があります。

(3)未精算による企業のリスクを軽減

期限内に精算されていない経費が蓄積してしまうと、経理担当者はその対応に手間を取られることになります。さらに、未精算の経費に関して、企業と従業員が法的に争うようなことがあれば、たとえ原因が期限を守らなかった従業員にあったとしても、企業イメージの低下を招くことになる可能性があります。

このようなトラブルは、最悪の場合、決算書の信憑性を低下させてしまうというリスクにもつながりかねません。さまざまなリスクを軽減するためにも、経費精算は会社のルールに従って期限内に終える必要があるのです。

万が一経費精算が遅れてしまった時の対処法

経費精算には会社の期限と法律上の期限の2つの考え方があることをお伝えしました。

いずれにしても、経費精算が遅れてしまった場合は、まず分かった時点ですぐに会社に報告することが大切です。また、どのぐらい遅れてしまっているかなど、把握すべき重要なポイントもいくつかあります。ここでは、具体的な対処方法について見ていきましょう。

まずは会社にすぐに報告する

遅れてしまった場合、まずは上司を通して経理担当者に報告した上で、指示を仰ぐ必要があります。

会社の規定によってはルール違反による罰則等のペナルティがある場合もあるでしょう。しかし、経費精算が遅れる場合には会社内の問題に留まらず、社会的な影響がある可能性も生じるため、すぐに報告し、対応しなければなりません。

経費精算がどのくらいの期間遅れているかを確認

経費精算がどのくらいの期間遅れているのかを確認する必要があります。

月をまたぐ場合、四半期や半期といった一定の区切りをまたぐ場合、年度をまたぐ場合(決算期をまたぐ場合)があり、この3つはそれぞれに対応も異なります。それぞれを詳しく見ていきましょう。

(1)月またぎの場合

月またぎの場合とは、例えば7月末までに精算すべき経費の期限を守らずに、翌月になって気づいたケースです。

この場合は、7月分ではなく、翌月分として処理するのが一般的です。ただし、処理してもらえるとはいえ、「少々遅れても平気」と考えてしまうのは厳禁です。経費精算に、なぜ期限のルールがあるのかを改めて認識するようにしましょう。

(2)四半期・半期またぎの場合

四半期・半期またぎの場合は、月またぎの場合とは対応が異なります。

多くの企業、特に上場企業においては、四半期(3ヶ月)ごとのタイミングで、当該期間の業績を開示しています。そのため、四半期・半期をまたぐ場合は、会社における一定の区切りを過ぎており、厳密にいえば、このような報告書の修正が必要となります。

ただし、少額の経費精算であり、かつ、年度内であれば精算期限後であっても、精算処理を行ってもらえることが多いでしょう。

(3)年度またぎの場合(決算期をまたぐ場合)

年度またぎの場合は、前者の2つとは対応が大きく異なります。

会社規定を大きく逸脱していることになり、企業の年度末の会計処理が終わっているのであれば、経費精算は難しいと考えるのが妥当です。

一方で、決算日を過ぎていても、確定申告前であれば、その年度の経費として処理することが可能となる場合もあります。いずれにしても、期日を遅れてしまった場合には速やかに会社の経理担当者に報告し、指示を仰ぐことが大切です。

ただし、経費として処理することが難しいと判断されたとしても、原則として、従業員は民法における債権の消滅時効の適用を受けることができます

経費精算の期限が遅いと起こる問題

経費精算の遅れの原因が、従業員の単なるうっかりミスであったとしても、その結果は、看過できないほどの大きな損失を引き起こすことがあります。ここでは、経費精算の期限が遅いことで起こる4つの問題について解説します。

(1)決算の信用性が低くなる

前述のとおり、決算書には、その年の収益と費用を示す「損益計算書」が含まれています。しかし、対象となる期間内の、経費を含む費用が正しく計算がされていないとなれば、損益計算書の内容そのものの信憑性も低下してしまうでしょう。さらには、「ずさんな会計処理をしている企業」として、社会的な信用を失うリスクすらあります。

(2)余分な業務やコストが発生する

期限を守らない従業員への対応は、処理そのものに時間を取られる上、月次の報告書といった社内用の書類の修正が発生することもあります。それにとどまらず、決算修正まで必要になってしまった場合は、かなりの時間と手間を取られることになるでしょう。期限が守られていれば、発生することのなかった業務のために、かなりの労働力とコストを要することになるのです。

(3)正しい経営管理が出来なくなる

会社に関わる経費がいつ、いくら発生しているのかを把握することは、会社を経営していく上で非常に大切なことです。

従業員1人が期限を守らなくても、実際に大きな影響はないでしょう。しかし、それが悪しき前例を作り、積み重なってしまうと、経営判断だけでなく、経営そのものに悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)会社と従業員の信頼関係が崩れる

経費計算の期限の厳守に限らず、会社の規定を順守するのは、従業員としてだけでなく、社会人としての最低限のマナーです。そのため、ルール違反をくり返せば、人事評価に影響するのはもちろんのこと、会社から信用すらしてもらえなくなるのは、ある意味当然のことといえます。

また、経費精算について、規程を整えて、その内容を従業員に周知するのは、企業の責任です。従業員が期限を守らないことに対して、企業側が不正や遅延が起こらないような環境づくりをしていなかった、というような捉え方をされることもあるため注意しましょう。

経費精算で間違いのミスが多すぎる!差し戻しを最小限に抑える方法とは?

経費精算が遅い場合の改善策

経費精算の期限を厳守させるには、どうしたらいいのでしょうか。ここでは、経費精算が遅れてしまう問題に対する、実際の解決策や改善策を5つご紹介します。

(1)経費精算の期日を明確に決める

経費精算の目安を月内など明確に決めることが大切です。

例えば、会社の規定やマニュアルなどの社内でのルールに、「前月の経費精算は、翌月月初3営業日までに申請」「領収書を受領から1週間以内に申請」など、具体的な精算期限を明記します。場合によっては、期限を守らなかった場合の罰則も設けておくと効果的です。

詳細を明記することで、従業員へ「期限を守らなければルール違反になる」という意識を持たせることが可能です。

(2)期限の周知を徹底する

経費精算の期限を守るようにするためには、期限の周知を徹底することも大切です。

経費精算のルールや期限の周知は、従業員全員が理解し、守れるようになるまで続ける必要があります。また、周知の方法も、単に文字だらけのマニュアルを作成して、一方通行的なアナウンスだけで終わらせるのではなく、従業員の理解を得るための工夫をするようにしましょう。

(3)経費精算を効率化するシステムを導入する

経費精算を効率化するためには、社内ルールや手続きの見直しと並んでシステムの導入を検討するのもひとつの方法です。ここでは、経費精算に関連する業務をシステム化するメリットをご説明します。

領収書の電子化

法人の場合、領収書の保管は、法人税法により以下の定めがあります。

1 帳簿書類等の保存期間
法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成又は受領した書類(注1)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注2)保存しなければなりません。

[出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」]

領収書は、上記の定めの中の「書類」に含まれています。そのため、7年間分の領収書となれば膨大な量を保管しなければならず、保管場所に悩む企業も少なくありません。

領収書を電子化することで、保管場所に悩むことなく容易に確認できるようになり、経理業務の効率化も図ることができます。

経費精算システムの導入

経費精算システムとは、経費を精算する上で必要な申請書の作成や承認など、これまで紙ベースで行っていた業務の包括的なデジタル化が図れる業務システムのことです。

従業員による申請、上長による承認がスムーズになるだけでなく、経理部門内での処理から、会計上の仕分けまで自動で完了してしまう機能もあるため、経理担当者の業務負担を大幅に削減することが期待できます。

(4)社内ルールや手続きはできる限り簡単に

経費精算の期限にルールは必要不可欠ですが、そのルールや手続きが誰でも対応できるシンプルで分かりやすいものでなければ、逆効果です。そのため、社内のルールや手続きの流れは、できる限り簡素化し、最小限のルールにとどめておくようにしましょう

(5)必要な人員確保ができているか組織を見直す

経費精算は、会計処理上、多くの工程を踏まなければなりません。主に、経費精算が集中する締日の前後は、経理担当者は膨大な作業量をこなすことになります。そのため、そもそも必要な人員を確保することができているのか、人的リソースを見直すことも必要です。

期限を守る仕組み作りをして正しく経費計算を!

経費精算の申請は、日々の業務に追われているとついつい後回しになってしまいがちです。しかし、一見ささいなことと思われがちな、経費精算の期限も、ルールが守られないことが積み重なると企業としての大きな危機につながってしまうこともあります。そのため、期限を守り適切に経費精算を処理することが大切です。

ルールを明確に定めて周知する、経費精算システムを導入するなどの方法を取り入れ、企業の状況に合わせた改善策を実施していきましょう。

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