経費精算の仕訳方法ガイド!一連の流れや注意すべきポイントを徹底解説

最終更新日時:2023/02/02

経費精算システム

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経理担当者なら社員が立替えた経費を精算する機会が多いです。本記事では、経費精算に必須の仕訳の基礎知識や一連の流れ、チェックポイントを紹介します。後半には経費精算業務を効率化する方法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

経費精算の仕訳とは?

経費精算における仕訳とは、取引ごとの勘定科目や金額などの情報を仕訳帳に記載する作業です。仕訳によって経費の情報が適切に分類されると、企業はその情報を活用して収益性とコスト分析を行うことができます。

情報の分析が進むことで、企業はどの経費を削減すべきか、どこに追加投資すべきかなどの判断をより的確に行えます。一方で、仕訳のミスによって内容に間違いが発生すると、経費の使い過ぎや利益の減少につながるため、注意が必要です。

仕訳は会計基準を守りながら、透明性の確保や財務状況の把握などに役立てられる作業といえます。

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経費精算の一連の流れ

経費精算を通じて、社員に立替経費の払い戻しを行うまでには、主に4つのステップがあります。

  1. 経費を立替払いする
  2. 経費精算申請書を作成し承認を受ける
  3. 経費精算する
  4. 仕訳を行う

(1)経費を立替払いする

出張費や交通費など、事業活動で必要な費用は経費精算による払い戻しが可能です。

事業活動で費用が発生する場合、まずは社員自身が費用の立替払いを行います。支払いの妥当性を証明するためにも、社員に対して支払い先から領収書を忘れずに受け取るように周知することが重要です。

また、出費が高額になると、社員の所持金だけで支払うことが困難なケースもあるでしょう。この場合は仮払い申請を通じて、購入の前段階で必要な金額を確認し、社員に支払うことができます。

(2)経費精算申請書を作成し承認を受ける

立替払い後、社員が規定の経費精算申請書に支払い日時・用途・金額などを記載し上司へ申請します。

申請書類を上司が確認し、内容が経費として正当であると判断された場合は承認、問題点がある場合は社員に差し戻します。

仮払いがある場合は、実際に社員が使用した金額・日時などを申請書に記載してもらい、領収書と併せて内容をチェックします。

(3)経費精算する

申請書の上長承認が完了すると、経理部門に経費清算申請書が届きます。ここで書類の内容をチェックするのが経理部門の役割です。

申請書の記載内容や領収書を確認し、問題なければ精算手続きへと進みます。給与支払いのタイミングに合わせて、立替払い分を精算するのが一般的です。払い戻しの金額によっては、経費精算用の小口現金から精算する場合もあります。

不備が見つかった場合は書類の差し戻しを行い、書類を承認するまで差し戻しと再申請を繰り返します。申請書類のチェック内容が複雑化していると、申請者の上司のチェック精度も落ちてしまうでしょう。経理部門の負担を軽減するためにも、チェックのしやすいフォーマットを用意することが重要です。

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(4)仕訳を行う

経費精算申請書の確認が完了した後は、会計ソフトや仕訳帳に書類の内容に合わせて仕訳を行います。仕訳が済んだ経費精算書は、領収書などと一緒に保管しましょう。税法では7年、会社法では10年の保存期間が定められています。

経費精算における仕訳のチェックポイント

経費精算で仕訳を滞りなく進めるためには、次の3つのチェックポイントに当てはめて考えてください。

(1)そもそも経費として処理できるか

経費精算の仕訳を円滑に進めるためには、領収書が提出された時点で、経費として処理できるかを判断しましょう。事業に関係ない個人的な支出や、法人税や法人住民税などは経費として計上できません。

また、経費計上のタイミングは商品・サービスの提供日や完了日になります。物品の前払いや作業完了前の外注費などは、最終的な受け取りが終わるまで経費にできないため、注意が必要です。

(2)領収書と経費精算書の金額は合ってるか

仕訳作業は、経費精算書で大きく工数が変わります。経費が会社の方針に沿っているかどうかを確認するためには、領収書と経費精算書の一致が不可欠です。

金額をはじめ、日付、数量、品目の種類と、経費精算書の内容に違いがないかを確認し、事業との関連性を踏まえて経費として計上すべきかを判断します。

(3)どの勘定科目に当てはまるか

仕訳の際は、経費精算書と領収書の内容から、どの勘定科目に当てはめるかを判断します。会社では利用目的に応じて勘定科目を決めているケースがあるため、簡単な振り分けリスト等を作成していると社員も判断しやすいでしょう。

もしリストに記載がなく、判断に迷うような状況のときは、独断で勘定科目を決めず、税理士や会計士に相談しましょう。もし誤った判断をしてしまうと、訂正に時間がかかったり、追徴課税が科されたりする可能性もあります。そのため、専門家の意見を取り入れたほうが、結果的に無駄な工数を減らすことができます。

代表的な経費精算の勘定科目

ここでは経費精算の代表的な勘定科目として、7つの科目について解説します。

  • 旅費交通費
  • 交通費
  • 福利厚生費
  • 消耗品費
  • 会議費
  • 新聞図書費
  • 雑費

(1)旅費交通費

旅費交通費とは、遠隔地に向かうための旅費や交通費のことです。一般的には出張・海外・赴任などの際に発生する、新幹線や飛行機の交通費、ホテルの宿泊費などを処理する勘定科目です。

旅費の該当範囲は、会社の旅費規程によって定められるため、旅費規程外で発生する費用は、別の勘定科目に当てはめます。

旅費精算とは?勘定科目や精算方法・書き方や効率化する方法を解説!

(2)交通費

交通費とは、商談などを目的に、勤務先とは異なる場所に移動する際の費用です。一般的には電車やバス、タクシーなどの運賃、パーキングエリアの駐車場料金、交通道路で発生する有料道路料金などが当てはまります。

(3)福利厚生費

福利厚生費とは、社員に提供される福利厚生費用のことです。例えば、住宅手当、慶弔見舞金、食事補助など、すべての社員が平等に受けられる福利厚生が該当します。

福利厚生には法律で定められている法定福利厚生と、会社が独自の判断で定める法定外福利厚生の2種類がありますが、福利厚生費は法定外福利厚生が当てはまります。法定福利厚生にかかる費用は、法定福利費として計上するのが一般的です。

(4)消耗品費

消耗品費とは、業務上必要な消耗品の購入に使用する費用です。取引価格が10万円未満、あるいは法定耐用年数が1年未満の物品購入が対象です。

例えば、文具や用紙などの事務用品、電池や清掃道具などの日用品、パソコンやケーブル類などのパソコン用品、カメラや加湿器などの電化製品が当てはまります。

(5)会議費

会議費とは、社内外での打ち合わせや会議で発生する費用のことです。会議で使用する資料費や飲食費などが当てはまります。

混同されやすい科目として接待交際費がありますが、会議費と異なるのが実施目的です。接待交際費は取引先の接待を目的としているため、一定の費用が発生します。

一方で会議費は商談や会議を目的としており、飲食が発生しても少額に収まるため、飲食費が5,000円を下回る場合、一般的には会議費に振り分けられます。

(6)新聞図書費

新聞図書費とは、事業成長に必要な知識の習得や情報収集を目的とした書籍の購入費のことです。新聞や雑誌などの紙媒体だけでなく、電子書籍やメールマガジンなど、Web媒体の費用も含まれます。

新聞図書費としての計上可否は、事業との関連性が大きく影響します。業種・職種の専門誌や統計資料などが新聞図書費に該当する一方で、事業と関係ない雑誌やノウハウ本などは新聞図書費として計上できません。

(7)雑費

雑費とは事業で発生した費用に対して、他の勘定科目に該当しない場合に用いられる科目です。例えば、振込手数料や解約違約金などが当てはまります。

しかし、既存の勘定科目に当てはまらない場合でも、継続的に発生する費用を雑費として処理するときには注意が必要です。雑費はあくまで事業上やむを得ず発生した、一時的で少額な費用を指します。

あれもこれもさまざまな費用を雑費に振り分けると、雑費が異常に膨らむだけでなく、内訳が細分化してしまい、帳簿管理が複雑になります。

そのため、継続的な費用の発生があらかじめ分かっている場合は、新たな勘定科目を作成し、雑費と区別しましょう。

経費精算時の費用はどの勘定科目に該当?科目ごとに具体例を一覧で紹介!

経費精算で注意すべきポイント

経費精算の際に注意すべきポイントは、次の5つです。

  • 経費精算のルールを作る
  • 分かりやすい勘定科目を使う
  • 給与と経費を一緒に処理しない
  • こまめに処理をする
  • わかりやすく伝票に記載する

(1)経費精算のルールを作る

経費精算は経理部門だけでなく、社員による経費精算申請書の提出や上長承認など、関与者が多いです。だからこそ、ルールを明確化して全社員に周知することが重要になります。

ルールを定めるためには、次のような指標を決めていくことが重要です。

  • 経費精算申請書の提出・承認期限
  • 仮払い申請の対象となる金額
  • 経費計上の判別基準

経費を適切に管理するためにも、経費精算プロセスで非効率な部分を定期的に分析し、改善につなげることを心がけましょう。

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(2)分かりやすい勘定科目を使う

経費精算では誰もが分かりやすい勘定科目を使うことが重要です。特に新たな勘定科目を設定する際は、今後の引き継ぎ等も考慮し、分かりやすい名前を設定しましょう

経費の用途と結びつけた勘定科目をリスト化することで、担当者間での情報共有をスムーズに進めるだけでなく、自身の備忘録としても機能するでしょう。

また、部門やプロジェクトチーム単位で支出を細かく分類・追跡できるような勘定科目を設定できると、予算と支出を可視化し、財政管理にも役立てることができます。

(3)給与と経費を一緒に処理しない

給与と経費を一緒に処理すると、課税対象として誤認識されるリスクがあります。万が一の場合、経費にも課税されてしまうため、注意が必要です。

防止策としては、経費と経費のプロセスを分離し、別々に処理する必要があります。その際、承認プロセスの整備や経費の一元管理などを行うことで、経費の重複請求やヒューマンエラーの予防にもつながるでしょう。

(4)こまめに処理をする

経費は申請のタイミングでこまめに処理することが望ましいですが、差し込みタスクが頻繁に発生してしまうと、通常業務を進めることが困難になります。

そのため、あらかじめ経費申請の確認時期を定め、定期的に処理を行うことが大切です。その際、不備の発見を想定してスケジュールを組まないと、経費精算が間に合わなくなってしまう可能性があるため、注意しましょう。

(5)わかりやすく伝票に記載する

勘定科目だけでなく、伝票も第三者チェックや引き継ぎを考慮して、わかりやすく記載することが大切です。

特に必須記入事項の中でも人によって書き方が変わりやすい摘要欄は、あらかじめ記載ルールを設けることで、不透明な伝票になることを防止できるでしょう。

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業務効率化には経費精算システムの導入がおすすめ

経費精算は経理部門に加え、申請者と承認者が関わるため、承認プロセスやインターフェイスを整備することが業務効率化に影響を与えます。

これらの手段として用いられるのが、経費精算システムです。ここでは経費精算システムの導入メリットを3つご紹介します。

  • 経費を申請するときのメリット
  • 承認するときのメリット
  • 精算・仕訳するときのメリット

(1)経費を申請するときのメリット

経費の申請者にとってのメリットは、申請書作成の工数削減です。従来の経費申請では、領収書の内容に沿って、紙の書類に情報を記入することが一般的でした。しかしこの方法では記入に工数がかかり、書類に領収書を添付するためにわざわざ出社する必要があります。

しかし、経費精算システムであれば、各種クレジットカードや交通系ICカード、QRコード決済アプリと連携できます。そのため決済情報が経費精算申請書と結びつき、クラウド上で気軽に申請が可能です。

経費精算でクレジットカード明細は利用可能?領収書の要否や注意点を解説

(2)承認するときのメリット

経費の承認者にとってのメリットは、承認に時間や場所を選ばないことです。従来の経費承認では、紙の書類を確認して、内容に問題なければハンコを押して承認することが一般的でした。

しかし、経費精算システムを活用すれば、パソコンやスマートフォンで内容を確認し、そのままクラウド上で承認が行えます。近年は内容に問題がありそうな申請書に対して、事前にアラート表示する機能が搭載されたシステムも登場しており、メリハリをつけた申請書のチェックが可能です。

(3)精算・仕訳するときのメリット

経理担当者にとってのメリットは、精算・仕訳の際に発生する個別対応が軽減される点です。経費精算システムでは、利用頻度の高い公共交通機関の交通費などを一括承認する機能や、申請内容に応じて仕訳を自動で行う機能が搭載されています。

また、承認後の申請情報に沿って振り込みを実行する際、データ連携によって振込情報を自動で生成することもできます。これらの機能によって、確認や転記の工数が減少し、経費精算を効率的に進めていけるでしょう。

【最新】おすすめ経費精算システム20選!特徴・機能・費用を徹底比較!

仕訳をラクにする経費精算システム3選

ここからは具体的な経費精算システムを3つご紹介します。

(1)楽楽精算

楽楽精算は、株式会社ラクスが提供するクラウド型の経費精算システムです。カスタマイズ性が高く、レイアウトや承認フローを自由に変更し、既存の利用フォーマットに合わせることができます。

提供元株式会社ラクス
初期費用11万円(税込)
料金プラン33,000円(税込)/月~
導入実績導入企業数10,000社

※2022年4月時点

機能・特徴
  • ルール違反申請を自動ブロック
  • 仕訳データ・振込データの自動作成
  • 経路検索ソフトの内臓
  • 電子帳簿保存法対応
URL公式サイト

(2)Concur Expense 経費精算システム

Concur Expense 経費精算システムは、株式会社コンカーが提供するクラウド型の経費精算システムです。交通系ICカードに加えて、法人クレジットカードやQRコード決済アプリの利用明細を自動で取り込むことで、経費精算申請書の入力工数を削減できます。

提供元株式会社コンカー
初期費用要問合せ
料金プラン要問合せ
機能・特徴
  • 交通系ICカード・QRコード決済アプリとの連携
  • OCRによる領収書情報の自動取り込み
  • 電子帳簿保存法対応
URL公式サイト

(3)マネーフォワード クラウド経費

マネーフォワード クラウド経費は、株式会社マネーフォワードが提供するクラウド型の経費精算システムです。各機能に加えてBPOサービスを付帯しており、システム導入後に残る経理部門の煩雑な業務を代行してくれます。

提供元株式会社マネーフォワード
初期費用要問合せ
料金プラン年額プラン:3,278円(税込)/月〜

※39,336円(税込)/年~

月額プラン:4,378円(税込)/月〜

導入実績4,000社以上の導入実績

※2023年1月時点

機能・特徴
  • 利用明細の自動取得
  • 領収書データの自動収集
  • 不備入力のアラート表示
  • チェック業務・電子化の代行
  • 電子帳簿保存法対応
URL公式サイト

仕訳を理解して効率よく経費精算しよう

本記事では、経費精算業務を効率化するための仕訳方法や注意点などを解説しました。

経費は適切に計上することで節税効果が見込める一方で、仕訳の判断基準があいまいになってしまうことがあります。

近年は経費精算システムのクラウド化によって、仕訳の簡素化が進んでいますが、自動処理できない場面が発生した際に、判断基準を明確化できていなければミスが生まれることもあるでしょう。

そのようなミスや工数を削減するためには、経費清算システムの導入がおすすめです。仕訳の透明性を担保するためにも、判断基準を整え、周知するための環境づくりに取り組みましょう。

無料で使える経費精算システム10選徹底比較!無料トライアルや低価格サービスも!

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