請求書発行をエクセルで実施するメリットは?システム導入の必要性
この記事では請求書発行をExcelで行い、管理する方法を紹介します。またExcelで請求書発行を行うメリットとデメリット、課題解決に欠かせないシステム導入についても解説しています。Excelから切り替えやすいおすすめシステムも紹介しているので参考にしてください。
目次
請求書発行はExcelで可能
取引先に納品した商品やサービスの対価を請求するための書類である請求書は、Excelを使って作成することができます。さらに、Excelでフォーマットを作成しておけば、その都度請求書を作成する手間が省けて便利です。
ここでは、Excelを使った請求書の発行方法について紹介していきます。
(1)テンプレートを使用する
Excelを使って請求書を発行するときに最も簡単な方法は、テンプレートを使用することです。
さまざまな仕様の無料テンプレートが存在しますので、自社の請求内容などを考慮しながら選ぶのがおすすめです。
(2)関数で必要項目を設定した雛形を作る
Excelの関数で必要項目を設定すれば、請求書の雛形を自社で作ることもできます。
また、請求書の雛形を作成したら、同じExcelファイルの中に別シートを作り、そこに取引先や内容を入力して請求書の記載項目部分に反映させることもできるようになります。
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請求書発行をExcel管理する方法
ここでは、請求書発行をExcelで管理する方法について、順を追って解説していきます。
(1)請求先マスタを作成する
請求書発行をExcelで管理するために、まずは請求先マスタ(請求先の一覧)を作成します。
取引先の住所や会社名、部署名や担当者名など、自社の担当者が使いやすいように項目を分けておくと後々便利です。取引先別に発注内容を区分してまとめておけば、さらに見やすくなります。
(2)請求書の雛形を作成する
請求書マスタの作成ができたら、次に請求書の雛形を作成します。
請求先マスタと対応させて請求に必要な項目を設けることで、より使いやすい雛形を作ることができます。
(3)請求書保管用フォルダを作成する
次に、請求書管理のための保管用フォルダを作成します。
顧客名や案件名などでファイルを分けておくと一目で確認しやすくなり、管理もラクになります。
▷請求書の保存期間は?基本の知識や個人事業主と法人の違いも解説
(4)請求書を作成しフォルダに保管して管理する
保管用フォルダが作成できたら、実際に請求書を保管して管理していきましょう。
請求書にあらかじめ分類番号や通し番号などを振っておくと、より管理がスムーズにおこなえます。
請求書の管理をスムーズに行うためには、見やすく分類されていることが最重要ポイントです。
担当者が複数いる場合は、誰が見てもわかりやすいようにしておけば、共同での管理もしやすくなります。自社の状況に最適な方法を採用して、請求書の管理を行いましょう。
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請求書発行を簡単にする無料テンプレート
Excelを使って請求書を発行する場合、テンプレートを使用することでより作成が簡単になります。ここでは、おすすめの無料テンプレートをご紹介していきます。
(1)board
中小企業向けの業務管理システムboardのテンプレートです。
請求書の作成はもちろん、見積書や営業管理、支払い管理やキャッシュフロー予測などの業務や経営も一元管理できます。
(2)Misoca
Misocaが作成している3ステップ簡単に請求書や見積書・納品書が作成できる便利なテンプレートです。シンプルなデザインで機能性も高く、記入漏れやレイアウト崩れの心配がありません。
(3)Microsoft Office
Microsoft Officeが作成している無料テンプレートです。Microsoft OfficeのワードやExcelとの互換性の高さはもちろん、種類が豊富なのも魅力的です。
請求書発行をExcelで行うメリット
ここでは、請求書の発行をExcelで行う場合、どんなメリットがあるのかご紹介していきます。
(1)導入コストがかからない
自社内でオフィスソフトを使用している場合、特に新たなソフトを入れるという必要がないため、導入コストがかからないというメリットがあります。
(2)操作に慣れているため現場に混乱がない
もともとExcelでの請求書管理を行っている場合は、新たな操作を覚える必要がないので、スムーズに請求書発行を始めることができます。
(3)無料テンプレートが豊富である
こちらの記事でも紹介しているように、Excelで請求書を発行するための無料テンプレートが豊富にあることもメリットのひとつです。新たなコストや時間をかけることなく、請求書を発行することができます。
請求書発行をExcelで管理する際に発生する課題
Excelの応用力を活かせば、請求書発行の管理がスムーズに行えます。
しかし、請求書の件数が増えるにつれて、さまざまな問題が生じるかもしれません。ここでは、請求書発行をExcelで管理する際に発生する問題点について解説していきます。
(1)管理するファイルの量が膨大になる
自社の取引先や案件が増えると管理するファイルの量が膨大となり、担当者の対応許容量を超えてしまう恐れがあります。
また、請求書に記載する情報は、基本的には1件ずつ手作業での入力となります。作業量が増えることで、記入漏れや二重請求といったミスやトラブルが発生することも懸念されます。
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(2)関数やマクロを扱える担当者に属人化する
Excelの関数を扱える担当者が社内に少ないと、修正などを行える人が限られてくるため、属人化しやすいという問題が生じます。
さらに、関数を扱える担当者が休暇でいないときや退職した場合などは、数式を消されるなどのトラブルに即座に対応できなくなり、業務に支障が生じてしまいます。
(3)オンライン共有が難しい
Excelはオンライン対応していません。そのため、オンラインでの社内共有が難しいというのも、請求書発行をExcelで管理する場合の問題点のひとつです。
オンラインに対応しているスプレッドシートを使用するという方法もありますが、Excelと比べて慣れていないと操作性に問題があります。
▷請求書発行システムとは?導入するメリットやデメリットも解説
(4)共有ファイルでの入力ミスが起こる
請求書発行をExcelで管理する際にパソコンが苦手な社員がいると、共有ファイルでの入力ミスが起こることがあります。
また、営業担当者など社内にいる時間が短い人との連携がとれないことで、担当者の入力や確認作業がスムーズに進まなくなることも大いにあります。
締め切り日などに担当者が一気に大量に入力作業をすることになれば、ミスが起こる可能性も高くなります。
(5)誤ってファイル削除をする可能性がある
共有ファイルでの入力ミスと同様に、請求書発行をExcelで管理する際にパソコンが苦手な社員などがいると、誤ってファイルを削除してしまう可能性が生じてくるでしょう。
万が一Excelのファイルを誤って削除してしまった場合も復元するのが難しく、業務に支障をきたしてしまいます。
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請求書のExcel管理の問題点を解決するにはシステム導入がおすすめ
Excelの応用力や操作性は魅力的ですが、作業量が増えれば増えるほど問題点も生じてきます。
このような問題点を解決し、正確で効率的な事務作業を実現するには、請求書発行システムの導入がおすすめです。
ここでは、請求書発行システム導入をおすすめする理由をご紹介します。
(1)クラウド上で効率よくファイル管理ができる
クラウド型の請求書発行システムを利用すれば、クラウド上で効率よくファイルを管理することができるようになります。
さらに、請求書作成から入金確認までの一連のプロセスをまとめて管理することもできるので、最小限の手間で迅速に事務作業を完了できます。
(2)入力が簡単で操作しやすい
請求書発行システムを導入することで、共有フォルダのように同時に操作することがなくなり、誤入力などが起こりづらくなるという利点があります。
(3)クラウド型ならオンラインでも操作できる
クラウド型の請求書発行システムであれば、オンラインでの操作が可能となります。
営業先や移動中などのパソコンがない状況でも、スマートフォンやタブレットで作業状況がリアルタイムに確認できるようになり、社員個々の管理範囲も広がります。
▷請求書発行システムの選び方ガイド!選定ポイントや注意点を解説!
(4)押印が不要になりテレワーク推進に役立つ
電子印鑑に対応している請求書発行システムであれば、実際に請求書に押印する必要がなくなります。そのため、押印するためだけにわざわざ出社するというムダがなくなり、テレワークの推進にも役立ちます。
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(5)操作ログが残るため誤操作・改ざん防止になる
請求書発行システムであれば、ログからファイルを取り出せるように設定することが可能となります。
例えば、作業に慣れていない社員が請求書などのファイルを削除してしまっても、ログをたどって復活させることができるので安心です。
さらに、何者かにファイルを改ざんされた場合も、ログをたどることで該当者を特定できるようになります。
▷【2024年最新】請求書発行システムおすすめ21選比較!メリットや選び方も解説
Excelから切り替えやすい請求書発行システム
ここからは、Excelから切り替えやすい請求書発行システムをご紹介していきます。自社の状況に合ったシステムを選ぶ際に参考にしてください。
(1)CLOUDSIGN
CLOUDSIGNは、電子契約サービス市場において、売り上げシェアや契約送信件数などで高い実績を誇るサービスです。
無料で利用できるフリープランから、複数の部署での利用にも適したものまで4種のプランがあります。
提供元 | 弁護士ドットコム株式会社 |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
【送信費用】
|
導入実績 | 130万社以上 |
機能・特徴 | 書類の作成・送信、電子署名、英語・中国語対応、AI契約書管理機能、テンプレート、導入サポートなど |
URL | 公式サイト |
(2)楽楽明細
楽楽明細は、電子帳簿の保存やインボイス制度に対応するクラウド帳票発行サービスです。請求書はもちろん、支払い明細書や納品書などの帳票発行もできます。
提供元 | 株式会社ラクス |
初期費用 | 11万円(税込)~ ※詳細は要問い合わせ |
料金プラン | 27,500円(税込)~ ※詳細は要問い合わせ |
導入実績 | 5,000社以上 ※2022年11月時点 |
機能・特徴 | 個別ファイル送信、一括同封機能、API連携、帳票レイアウト、即時発行、インボイス制度対応、ダウンロードURL発行など |
URL | 公式サイト |
(3)Misoca
Misocaは、会計ソフトの「弥生会計」を提供する会社の請求書発行システムです。
一覧画面で請求や入金のステータス管理ができます。料金プランは請求書の作成枚数ごとに設定されているので、自社に適したプランがわかりやすいのも魅力です。
提供元 | 弥生株式会社 |
初期費用 | 無料 |
料金プラン |
|
機能・特徴 | 会計ソフトとの連携、テンプレート、取引先登録、CSVインポート、ステータス管理、ロゴ・印影挿入など |
URL | 公式サイト |
(4)freee会計
freee会計は、請求書や決算書の作成機能が実装された会計ソフトです。
全国の銀行と連携できるため、入金の手間が削減できます。サポート体制も充実しているので、初めて請求書発行システムを利用する人にもおすすめです。
提供元 | freee株式会社 |
初期費用 |
|
料金プラン | 【月額プラン】
【年額プラン】
|
導入実績 | 33万社以上 ※2021年12月末時点 |
機能・特徴 | 書類作成、入金管理、経費精算、電子帳簿法対応、経営レポート作成、資金管理、権限管理など |
URL | 公式サイト |
(5)マネーフォワード クラウド請求書
「マネーフォワード クラウド会計」と連携することで、請求書情報を自動反映できるクラウド型請求書発行システムです。
入力作業の手間を省いて、業務の効率化が図れるほか、ランニングコストも比較的安価となっています。
提供元 | 株式会社マネーフォワード |
初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン | 【個人向け】 ■パーソナルミニ
■パーソナル
■パーソナルプラス
【法人向け】
■ビジネス
■クラウド請求書Plus:要問い合わせ |
機能・特徴 | 各種帳票対応、定期発行、ロゴ・印影登録、PDF対応、書類変換対応、取引先自動入力、CSV一括作成、書類管理、レポート、ステータス管理など |
URL | 公式サイト |
Excelでの請求書発行に限界を感じたらシステムを導入しましょう!
この記事では、請求書発行をExcelで実施するメリットや、システム導入の必要性について解説してきました。
Excelでの請求書発行は、もともとオフィスソフトを使用していれば導入コストもかからず、無料のテンプレートが利用できるというメリットもあります。
Excelの応用力や操作性は、事務作業を進めるうえではとても魅力的ですので、実際にExcelを活用しているという企業も多いでしょう。
しかし作業量が増えるにつれて、Excelでの請求書発行や管理に問題点が生じてくるのも事実です。これらの問題を解決するために、近年では請求書発行システムの導入が進んでいます。
クラウド型の請求書発行システムであれば、効率よくファイル管理ができ、オンラインでも作業が可能となるなど、メリットも多数あります。Excelでの請求書発行や管理に限界を感じたら、請求書発行システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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