タスク管理に役立つ知っておくべきフレームワーク7選とツールを紹介!

最終更新日時:2022/06/07

タスク管理ツール

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タスク管理やタイムマネジメントでお悩みはありませんか?仕事を上手く進めるにはフレームワークの活用がおすすめです。本記事ではタスク管理に役立つフレームワークと便利ツールをまとめて紹介します。ぜひ業務の効率化にお役立てください。

タスク管理のフレームワークとは?

フレームワークとは、基本的に「枠組み・骨組み」のことを意味します。ビジネスにおいては、共通で用いることのできる戦略立案・課題解決・分析などに用いることのできる考え方を指します。

タスク管理が複雑で上手くいかない人も、フレームワークをタスク管理に用いることで、雑然・漫然としがちなタスクが簡単に整理でき、次のようなメリットが得られます。

  • 管理にかかる工数の削減
  • タスクの抜け漏れ防止
  • スケジュール管理の効率化
  • チーム内での情報共有の効率化

フレームワークでは必要な項目や手順がパターン化されているため、タスク管理にかかる工数の削減が可能です。また、タスクを体系的に整理できるため、抜けや漏れなどのミスが防げます。

さらに、情報を定型化して可視化できるので、メンバーによって認識が異なる、あるいは把握していないなどの状況が少なくなり、情報共有が効率化されチーム全体の生産性を向上させることができます。

タスク管理に役立つフレームワーク7選

タスク管理に役立つフレームワークはさまざまありますが、ここでは特に代表的な7つのフレームワークをご紹介します。

(1)アイゼンハワー・マトリクス(緊急・重要マトリクス)

アイゼンハワー・マトリクスは、タスクを「緊急度」と「重要度」で分類し、実施すべきタスクの優先度を管理するためのフレームワークです。アメリカ第34代大統領ドワイト・D・アイゼンハワーにちなんで名付けられました。

アイゼンハワー・マトリクスでは、タスクを以下の4つに分類します。

  • 第1象限…重要かつ緊急
  • 第2象限…重要だが、緊急ではない
  • 第3象限…重要でないが、緊急
  • 第4象限…重要でも緊急でもない

第1象限は誰が見ても真っ先に取りかかるべきタスクですが、問題は第2象限と第3象限のタスクです。

仕事の成果が上がらない人ほど、第3象限のタスクを優先しています。第2象限は緊急性が低いため、後回しにしてしまうのです。

しかし、将来的に大きな成果を出すには、第2象限のタスクが大切になります。アイゼンハワー・マトリクスは、後回しになりがちな第2象限のタスクを「見える化」し、第3象限のタスクで埋もれてしまうことなく重要なタスクを進められるのです。

また、取り組む必要のない第4象限のタスクを浮き彫りにし、業務の効率化が図れます。

(2)ロジックツリー

ロジックツリーは、情報整理系フレームワークの中で最も基本となるものです

抱えているタスクを一旦全て書き出した後、大きなタスクの下に紐づくタスクを位置づけるという形で整理していきます。これにより、仕事の全体像把握、タスクを階層に分類することが可能です。

また、タスクどうしの関連性が理解でき、同時に進めるべきものが漏れなく実行できます。

(3)PERT図

PERT図とは、目的達成のために必要なタスクとかかる時間を洗い出し、業務の流れを図式化するためのフレームワークです。

PERTとは、「Program Evaluation and Review Technique」を略したもの。最短で実行した場合の時間と、最も時間に余裕をもって行った場合の時間がわかるため、限られた時間の中でも余裕をもってタスク実行が行えます。

また、タスク進行の流れや重点を置くべき箇所も見やすくなるので、優先度を見失いにくく、着実に達成率を上げて行けます。プロジェクトなど、ひとつの目標に向かってタスク管理を行うのに便利なフレームワークです。

(4)GTD

GTDは「Getting Things Done」を略したもので、頭の中に思いつくタスクやToDo、気になることをすべて書き出し、具体化して整理するためのフレームワークです。

頭の中に気になることが放置されたままでは、ストレスが溜まり整理できなくなります。GTDの手法では、気になることはすべてを書き出し、以下のようなフローで振り分けていきます。

  • これは何か
  • 行動を起こすべきか
  • 次に取るべき行動はどれか
  • 2分以内にできるか
  • 自分でやるべきか
  • 特定の日付にやるべきことか

GTDでは、フローに移る前にすべての気になることを「インボックス」へ一時保管する過程が最も重要です。

メモ用紙やノート、付箋、デジタルツールなど、自分に合ったものなら何でも構いません。頭の中から曖昧な「気になること」を出してしまうことで、すっきりと目の前の業務に集中できます。

(5)WBS

WBSとは「Work Breakdown Structure」のことで、日本語では「作業分解構成図」と訳されるフレームワークです。

プロジェクトや目的達成のため、作業全体を段階的に細かなタスクに分解して、ツリー構造にまとめます。大きな作業から小さなタスクへと分解することで、完了に至るすべての作業を、抜け漏れなく洗い出せるのです。

WBSは、ロジックツリーと同じように階層構造になっています。トップダウン式にタスクを洗い出すため、何をすべきか、どの順番で処理すべきか明確に把握しやすく、工数を正確に見積もったり、進捗管理に利用することができます。

WBSによってタスクが具体化され、整理されれば、個人で行うタスク管理だけでなく、チーム全体での管理・運用もしやすくなります。

(6)ガントチャート

ガントチャートは「スケジュール表」「工程表」とも呼ばれ、工程管理に使われる表のことを指します。

タスク管理にガントチャートを利用すれば、タスクを「誰が」「いつまでに処理するか」という役割分担や期限、さらに進捗状況の可視化・共有がひと目で可能です。

プロジェクト全体のタスクが把握できるため、遅れやトラブルが出た場合の対処も迅速に行えます。チームで仕事を進める場合に、最適なフレームワークのひとつです。

(7)HIROEN・SMARTの法則

HIROENとは、以下の英単語の頭文字を取ったもので、ある業務にどのくらいの工数がかかるか、関連する人や業務はないか把握するためのフレームワークです。

  • H(Hear)…誰かに聞くべきこと
  • I(Inform)…報告、連絡、相談をすること
  • R(Request)…誰かに依頼すること
  • O(Operate)…作業をするべきこと
  • E(Examine)…調査・検討の必要があること
  • N(Negotiate)…交渉すべきこと

SMARTの法則とは、業務の目標を具体的に設定するためのフレームワークです。以下の英単語の頭文字を取ったもので、業務をやるべき意味や、業務の方向性を決定づけられます。

  • S(Specific)…業務の内容を具体化する
  • M(Measurable)…回数、時間などを数値化し、定量的な計測が可能な状態にする
  • A(Achievable)…理想は高くしすぎることなく、達成可能な範囲で設定する
  • R(Relevant)…目標を達成した後、達成する要素など、目標に関連する内容を把握する
  • T(Time-bound)…期日をしっかり定める

最初にSMARTで業務の意味や方向性を決定した後、HIROENで工数や関連業務を洗い出す順で行うと、タスクを抜け漏れなく可視化しやすくなるでしょう。

フレームワークでタスク管理を最適化するツール7選

フレームワークでタスク管理を行うにあたり、最適化できるツールを7つご紹介します。ツールによって活用しやすいフレームワークが異なるので、参考にしてください。

(1)Trello

Trelloはカンバン方式のタスク管理プラットフォームです。Trelloの拡張機能「Matrix for Trello」を使うと、「アイゼンハワー・マトリクス(緊急・重要マトリクス)」が使いやすくなります。タスク管理用のボードにそのまま、アイゼンハワー・マトリクスの適用が可能になるからです。

無料版でも基本的なアイゼンハワー・マトリクスは使えますが、グリッド色のカスタマイズや、軸の名前変更などは、有料版への登録が必要です。

(2)XMind

Xmindは、代表的なマインドマップ作成ツールです。マインドマップでは、起きている問題の結論を中心に設置し、その周囲に細かく分けた要素を放射線状に配置するレイアウトがとられます。

しかし、結論を端に配置して一方向へ枝を伸ばしていけば、ロジックツリーと同じ形に整えられます。同様の方法で、WBSにも適用が可能です。

無料プランはベーシックなマインドマップやツリーのみのため、画像の貼り付けやWordやExcelにエクスポートしたい場合は有料プランの利用をおすすめします。

(3)TeamHack

TeamHackはツリー型のタスク管理ツールで、全体の状況を即座に把握できます。タスクごとにチャットで関連する人が連絡を取り合えるため、誰がどの作業をしているか、チームメンバー全員が把握しやすいツールです。

チームでのタスク管理に必要な「全体像」と「連絡」の2点に絞ったシンプルなツールなので、チームメンバーのITリテラシーに関わらず導入できます。

TeamHackはツールの形状から、ロジックツリーやWBSの作成に向いています。前述のXmindは主に個人のタスク管理がメインの場合、TeamHackは主にチームでの共有タスク管理がメインの場合と使い分けるのがおすすめです。

無料プランの他、制限のないビジネスプラン(月額1,200円※税抜)やフリーランスプラン(月額1,500円※税抜)もあります。

(4)Lucidchart

PERT図でタスク管理したいときは、「Lucidchart」がおすすめです。PERT図専用テンプレートが豊富で、多彩なライブラリから自分に合ったものを選べるほか、一からPERT図の図形を作る手間もありません。

ドラッグ&ドロップで簡単に図を作成できるので、タスク管理自体に時間を取られすぎることもありません。

リアルタイムでチームメンバーと情報共有や編集できるなど、プロジェクト管理のためのタスク管理ツールとしても使えます。チャット機能もあり、情報共有もわざわざアプリやソフトを変えることなくそのまま行えます。

基本無料ですが、無制限に編集できて1,000以上のテンプレートを使える有料プランもあります。

(5)Todoist

Todoistは、フレームワークのうちGTDに特化したタスク管理ツールです。GTDでは、上記でご紹介したようなフローを「収集」「処理」「明確化」「整理」「実行」「レビュー」に分けた6つのステップが提唱されています。

Todoistでは、タスクをこれらのステップに分けて行いやすいよう、シンプルで無駄のない設計がなされています。

(6)Asana

Asanaは直感的で操作性が高いWBSツールで、プロジェクトの工程からタスクを洗い出し、見やすく整理した上で期日や担当者を割り振ることができます。

繰り返しの作業には自動化機能を使ったり、担当者のステータス・進捗状況・工数などを一目で把握したりすることも可能です。

(7)Backlog

Backlogは国産の高機能ガントチャートが使えるタスク管理アプリです。プロジェクト管理に必要な機能がこのツール1つで全て揃っているため、チームのタスク管理・進捗把握が効率的に行うことができます。

国内のさまざまな大手企業にも導入実績があり、モバイル・タブレットアプリを使ってさまざまな端末からいつでもどこでもタスク管理ができるのも大きな特徴です。

おすすめのタスク管理ツール比較一覧表

上記7つのおすすめタスク管理ツールを一覧表にまとめました。ぜひ、ツール導入を考えている方は参考にしてください。

ツール名使いやすさユーザー数価格特徴
Trello約2,000万人基本無料(有料版あり)・カンバン方式のタスク管理が可能

・多様な4象限マトリクスが使える

・マトリクスでタスクの並べ替え可能

XMind数百万人基本無料(有料版あり)・シンプルなマインドマップ作成ツール

・ロジックツリー、WBSなどに最適(個人)

TeamHack基本無料(有料版あり)・機能を2つに絞ったタスク管理ツール・ロジックツリー、WBSなどに最適(チーム)
Lucidchart基本無料(有料版あり)・PERT図作成に特化したタスク管理ツール・ドラッグ&ドロップの図作成、豊富なテンプレートで時短
Todoist600万人基本無料(有料版あり)・シンプルでGTDフレームワークに特化したタスク管理アプリ・GoogleカレンダーやDropboxなど、さまざまなアプリとの連携が可能
Asana基本無料(有料版あり)・直感的な操作ができるWBSツール

・繰り返し作業の自動化可能

・カンバン、ガントチャート、リストなどさまざまな表示ができる
Backlog基本無料(有料版あり)・国産の高機能ガントチャートが使えるタスク管理ツール

・カンバンボード、バーンダウンチャートで視覚的な進捗管理が可能

※2022年2月時点の情報です

 

タスク管理でフレームワークを使う際の注意点

タスク管理にフレームワークを使う際には、注意点もあります。次の2点に注意しながら、フレームワークを使用するようにしましょう。

(1)視野を広める

フレームワークの活用は視野を狭くする可能性があるので注意が必要です

フレームワークの形式にこだわりすぎたり、大枠に必要なことを当てはめることに慣れすぎたりすると、自分で考えて物事を進めるという意識が低くなってしまいます。

思考にブレーキをかけず、イノベーションを生み出すためにも、フレームワークはあくまでもベースのツールだと認識しておきましょう。独自の仮説や検証を忘れず、視野を広める意識をもつことが大切です。

(2)フレームワークの数を増やしすぎない

活用するフレームワークの数を増やしすぎないことも重要です

フレームワークは多くの種類があるため、ついついあれもこれもと手を出してしまいます。しかし、フレームワークごとにルールや図式を覚える必要があるため、活用までに時間が取られてしまうのです。

いくつか試してみることは問題ありませんが、最終的に活用するフレームワークは、1つか2つに絞り込むようにしましょう。

フレームワークを取り入れてタスク管理を効率化!

フレームワークを活用すれば、タスク管理がより効率的に行えます。フレームワークの種類は多くあるので、業務内容やチームの人数、自分の性格などを考慮しながら、最適なものを選んでください。

また、ここで紹介したツールを使えば、さらにタスク管理が効率化でき、仕事がスムーズに進められます。ツールによっては、無料で利用・トライアル利用ができるので、一度試してみて最適なツールを見つけてください。

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