会社の経費立替で貯まるポイントは利用OK?横領罪になるリスクも解説

最終更新日時:2023/08/08

経費精算システム

経費立替で貯まるポイントの利用

クレジットカードの付帯サービスとしてよくある「ポイント還元」ですが、経費立替で貯めたポイントは、個人で使用しても問題ないのでしょうか。本記事では、経費立替によって貯まったポイントの法律的な正しい所有者や使用に関する横領罪のリスク、正しい使用方法などを解説します。

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経費立替で貯まったポイントについて

クレジットカードに付帯されている、よくあるサービスのひとつに「ポイント還元」があります。これは、カード利用額の一部が金銭的な価値のあるポイントとして使用者に戻ってくるサービスのことです。

また、利用額に対して、何%がポイントとして付与されるのかは、「ポイント還元率」によって決まり、この割合は、カード会社によって異なります。

経費の立替で、クレジットカードの還元ポイントが付与されるケースには、会社のカードを利用した場合と個人のカードを利用した場合が考えられます。それぞれについて詳しく確認していきましょう。

会社のカードのポイント

会社のカードとは法人契約のクレジットカードのことで、法人カードやビジネスカード、またはコーポレートカードなどと呼ばれます。このような会社のカードの場合、ポイントの還元率は0.5〜1.0%程度が一般的です。

会社が契約しているカードのため、原則として業務以外に使うことはできません。経費の支払いを一本化できるので、社内の経費処理が楽になるというメリットがあります。

個人のカードのポイント

個人のカードも、カード会社によってポイント還元率に幅があります。ただ、一般的には、会社のカード、いわゆる法人カードと同様の0.5〜1%であることが多いでしょう。

ただし、年間の利用金額やカードのステータスなどにより、還元率が1.5~5.0%以上になることもあります。

当然ではありますが、個人で契約するカードで会社の経費を立替した際にも、ポイントは貯まります。そのため、このときに貯まったポイントの扱いについて、疑問が生じるケースがあるのです。

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会社のカードに貯まったポイントの使用

会社のカードに貯まったポイントの使用には注意が必要です。どのような点に気をつけるべきかを見ていきましょう。

会社のカードのポイントは会社の資産

会社のカードのポイントは、会社の資産として扱われます。例え、名義人として個人の名前がカードに刻まれていても、あくまでカード会社と契約しているのは会社(法人)であり、引き落としも法人口座であることが一般的のため、例外とはなりません。

したがって、利用に応じて貯まったポイントも会社の資産の一部なのです。

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私的利用は横領罪に問われることも

会社の資産である法人カードのポイントを私的利用した場合は、以下の刑法第253条、業務上横領にあたり、罪に問われる可能性があります。

(業務上横領)第二百五十三条 業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

[出典:e-Gov 刑法第二百五十三条]

この業務上横領罪とは、簡単に言うと、会社のものを自分のものにしてしまうということです。例えば会社のパソコンやタブレット、備品などを勝手に持ち出し、業務以外の目的で私的に使うことは許されません。これと同様に、会社のカードに貯まったポイントも私的に使用してはいけないのです。

法人カードのポイントを有効活用する方法

では、企業側として、法人カードに貯まったポイントは、どのように使うことができるのでしょうか。有効な活用方法を2つご紹介します。

社員全体に還元する方法

ひとつ目は、社員全体に還元する方法です。具体的には、次のような方法があります。

(1)オフィス用品と交換

法人カードには、貯まったポイントを事務用品や電化製品などと交換できるサービスを提供しているものもあります。

交換できるアイテムはさまざまですが、加湿器や時計、電子レンジや掃除用品といったように、オフィスで利用できる商品もあるため、そのような商品と交換すれば、職場環境の整備や改善につながるでしょう。また、会社の経費を抑えられるというメリットも得られます。

(2)社内交流会の景品

ポイントを社内交流会の景品に交換するのも、社員へ還元するひとつのアイデアです。ポイント交換用のアイテムには、電化製品やお米、ドリンク、商品券などの商品もあります。

社内行事の際に、このような商品がもらえる企画を立てれば、社員からも喜ばれるでしょう。

経費の代替として使う方法

物品に交換するだけでなく、経費の代替として使う方法もあります。主なものは、次のふたつです。

(1)宿泊券・航空券

従業員の出張が多い企業の場合は、宿泊券や航空券(航空会社のマイル)に交換するのも良いでしょう。

カード会社によって異なりますが、提携先の宿泊施設や航空会社でポイントが利用できることがあります。マイルに交換できることも多く、経費節減にも効果が期待できるでしょう。

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(2)ギフト券

ポイントは、ギフト券への交換が可能です。金券であれば、接待時の飲食費や取引先への贈答品の購入など、さまざまな場面で利用できます。

ポイントに利用期限があり、使用用途が決まらない場合などは、ひとまずギフト券に交換しておくのもおすすめです。

(3)現金にキャッシュバック

貯めたポイントを現金でキャッシュバックしてくれるカード会社もあります。現金として受け取ることができれば、ギフト券以上に自由な利用が可能です。必要に応じて経費の代替として活用できるでしょう。

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個人のカードに貯まったポイントの使用

法人カードがない会社では、個人のカードで経費を立て替えることも珍しくありません。では、その際に貯まったポイントの使用についてはどう判断すれば良いのでしょうか。

個人のカードの経費によるポイントは会社のルールに従う

個人のカードで経費の立替をした際に貯まるポイントは、会社のルールに従って使いましょう。

交通費や宿泊代、飲食費など、個人のカードで経費立替をすると、会社の経費に利用した金額分のポイントが個人のカードに貯まります。立替した経費は、会社から払い戻ししてもらえるので、実質0円で付与されたポイントを個人が得られることになるのです。

このポイントに対して、現状は会社側は関与しないケースが多いといえます。しかし、会社に規程がある場合には、それに従いましょう。私的利用が禁じられている場合には、ポイントの取り扱い方も決まっているはずです。トラブルを避けるためにも、事前に確認しておきましょう。

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今後「ポイント」が課税対象になる可能性もあり横領になることも

会社の経費立替で得たポイントは、今後、課税対象となる可能性があります。

これは、経費の立替により個人が得た金銭的な価値のあるポイントは、会社が支給する報酬と同様の見方をするべきであるという専門家の意見があるからです。

つまりは、今後、付与されたポイントが「給与所得」として見なされる可能性もあり、そうなった際には、当然ですが課税対象となります。もし課税対象となれば、会社も経費の立て替えによって得たポイントに関して、その取り扱いを社内規定にて明確にするはずです。

社内ルールによっては、経費の立て替えによって個人のカードに付与されたポイントを私的利用した場合、業務上横領に問われる可能性もあるため、取り扱いには十分注意しましょう。

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個人カードの経費立替のポイントは会社のルールに従おう

法人カードの利用で貯まったポイントは、会社の資産であり、私的な使用は認められません。場合によっては、業務上横領の罪に問われる可能性があるので注意が必要です。

一方で、個人のカードで経費立替をした際に得たポイントの扱いについては、現状「グレーゾーン」となっており、会社によって異なります。しかし、会社の経費で個人的な利益を得ていることに変わりはありませんので、会社のルールを確認した上で、従うようにしましょう。

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