個人事業主・フリーランスの正しい請求書の書き方!注意点やツールを紹介

記事更新日:2022/11/16

請求書発行システム

請求書と事務用品のイメージ

個人事業主やフリーランスは、請求書発行をどのように行うのが正しいのでしょうか。本記事では請求書の書き方や注意点、法人との書き方の違いなどについて解説します。請求書作成時に便利なツールも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

個人事業主・フリーランスが請求書発行をしなければならない理由

個人事業主やフリーランスが事業を行い、その代金や報酬を支払ってもらうためには、一般的に取引先に対して請求書を発行します。請求書の発行は法律で定められた義務ではなくあくまでも任意ですが、なぜ多くの個人事業主やフリーランスは請求書を発行しているのでしょうか。

請求書が発行される理由にはさまざまなものがありますが、まず挙げられる理由として、掛取引をしているという点が挙げられます。掛取引というのは、先に商品やサービスを提供し、後からその代金を決済する取引です。

商品の引渡しやサービスの提供が完了した時点で、取引先に対して代金を請求できる権利(債権)が発生します。その権利(債権)を行使する方法の1つが、請求書の発行・交付なのです。

他にも、請求書はその取引事実を明確に示すという役割があります。どのような商品やサービスを提供し、いくら請求したのかという取引を対外的に示すことが可能です。これにより、もし取引先が代金を支払わない場合にも、請求原因があること、そして請求した事実をもって法的手段にうったえることができます。

また、消費税においては、請求書に記載された取引事実をもとに、課税事業者が納付する消費税額を計算することとされています(区分記載請求書等保存方式・適格請求書等保存方式)。

[出典:国税庁「適格請求書等保存方式の概要」]

【請求書の書き方】必要な項目を紹介

それでは個人事業主やフリーランスに向けて、請求書の書き方を紹介します。請求書に必要な項目は、一般的に次のとおりです。

  • タイトル・題名
  • 宛名
  • 請求書発行日
  • 作成者の氏名
  • 取引内容
  • 請求金額
  • 支払期限
  • 振込先
  • 請求書番号(必要に応じて)

(1)タイトル・題名

請求書はビジネス文書の一種であり、ビジネス文書にはタイトルや題名が付けられるのが一般的です。請求書の場合には、「請求書」や「ご請求書」というように題名を付けます。

継続的に取引をしている取引先であれば、1ヶ月ごとに代金の計算を締め切って、翌月末に支払いをするというケースも多いでしょう。その場合には、「4月分ご請求書」というように題名を付けても問題ありません。

(2)宛名

宛名とは、請求書を発行し交付する取引先のことです。消費税法においては、「書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称」とされています。宛名は、「株式会社◯◯ 様」や「株式会社◯◯ 御中」などと記載するのが一般的です。取引先が個人事業主であれば、氏名や屋号を記載しましょう。

[出典:e-Gov 消費税法第30条第9項第1号]

(3)請求書発行日

請求書の発行日は、一般的には月末など請求金額を締め切って計算する日(締日)とすることが多いようです。ちなみに、消費税法においては「課税資産の譲渡等を行つた年月日」を記載するのが原則で、1ヶ月ごとにまとめて請求書を作成している場合などはその期間を示すこととされています。

(4)作成者の氏名

作成者の氏名や名称も忘れずに記載しましょう。もし作成者を明確にしない場合には、誰が請求しているのか書面上ではわからないという問題が生じます。

(5)取引内容

取引内容は、請求の原因を示す重要な部分です。消費税法においては、「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」として記載が求められています。一般的には商品やサービスの品目名を記入するだけでなく、その単価や数量、金額を記載します。

(6)請求金額

請求金額は、取引先に対して支払いを請求する金額のことで、消費税を含む税込金額で記載することが一般的です。なお源泉徴収の対象所得である場合は、請求書において源泉所得税の額を計算・記入し、源泉所得税を控除した金額を請求金額として記載することとなります。

#1: 金額・消費税の書き方

請求書における金額や消費税の書き方に悩む人もいるかもしれません。例えば、次のように金額を記載することがあります。

  • ¥100,000-
  • 金10,000円

どちらの方法をとっても問題はないので、好みに応じて選ぶと良いでしょう。消費税については、2年前の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主やフリーランスの場合、納税義務は免除されます(免税事業者)。

免税事業者であっても、課税取引である以上は取引先に対して消費税を含めた金額で請求すること自体に問題はありません。

消費税を請求する方法は大きく分けて「税別(代金+税)」と「税込(内税)」の2つに分けられます。仮に1万円(税抜)の取引代金を請求する場合、それぞれ次のような書き方です。

  • 税別:税抜1万円+税1,000円=合計11,000円
  • 税込:11,000円(内消費税1,000円)

(7)支払期限

支払期限は、取引先とあらかじめ合意した内容を記載しましょう。例えば、月末締め翌月払いという支払条件で合意している場合はそのとおりにします。特に、合意内容よりも早い支払期限を設定すると取引先とのトラブルにつながるおそれもゼロではないため、注意しておきましょう。

(8)振込先

振込先は、取引先から支払期限までに代金を振り込んでもらう金融機関の口座情報を記載します。具体的には次のような項目です。

  • 金融機関名
  • 支店名
  • 口座の種類(普通・当座)
  • 口座番号
  • 口座名義人

(9)請求書番号(必要に応じて)

多くの取引先を抱える個人事業主やフリーランスの場合、請求書に番号を付けるケースもあります。番号を付けておくことで、管理しやすくなり、取引先から問い合わせがあった場合などにすぐに参照できるなどのメリットもあります。

個人事業主・フリーランスと法人とで書き方に違いはある?

個人事業主・フリーランスと法人とでは、請求書の書き方に違いはありません。しかし、取引先によっては個別の請求・支払いルールが求められることもあります。

例えば、「押印のない請求書は受け付けていない」といったケースです。このような場合もあるため、取引先と事前に請求書の書き方などについて協議しておくと良いでしょう。

請求書を作成する際の注意点

請求書を作成する際には、次のような注意点があります。それぞれ解説していきますので、スムーズに取引を進めるためにもぜひ参考にしてみてください。

  • 印鑑が必要か確認する
  • 源泉徴収があるかどうか確認する
  • 振り込み手数料はどちらが負担するか明確にする
  • 発行日を適切に記載する
  • 宛名に様や御中をつけているか
  • 電子データの場合はPDFで

(1)印鑑が必要か確認する

請求書への押印は、法律で義務付けられているものではありません。ただし取引先によっては押印を求められるケースもあるため、事前に押印の必要性の有無について確認しておくと良いでしょう。

(2)源泉徴収があるかどうか確認する

業種によっては、所得税の源泉徴収があるかどうか確認しておくことも重要です。原稿料や講演料、デザイン料などは源泉徴収の対象であり、取引先が法人であれば、源泉徴収義務者として源泉徴収することが義務付けられています。

一方、取引先が給与の支払者でない個人の場合は、源泉徴収されないことがあります。

[出典:国税庁「No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは」]

(3)振り込み手数料はどちらが負担するか明確にする

振込手数料をどちらが負担するのかについて、あらかじめ明確にしておくと良いでしょう。ちなみに、民法では支払者が負担するのが原則とされています。

(弁済の費用)

第四百八十五条 弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

[出典:e-Gov 民法 第458条]

ただし当事者同士が合意して請求者側の負担にすることに問題はありません。取引の事情に応じて、請求者側が負担することもあるでしょう。

(4)発行日を適切に記載する

請求書によっては、発行日を空白にしたり、実際に発行した日とは異なる日付が記載されていたりすることもあるようです。たしかに消費税の計算をするにあたっては、数日単位で発行日が実際と異なっていても大きな問題にはなりません。

ただし発行日を適切に記載していない場合、取引先との認識に齟齬が生じトラブルに発展する可能性もゼロとは言い切れません。発行日は取引先と相談しながら、適切に記載するようにしましょう。

(5)宛名に様や御中をつけているか

宛名に「様」や「御中」をつけ忘れていないか確認しておきましょう。担当者名の後には「様」、会社名や部署名の後には「御中」を付けます。なお「様」や「御中」は、1つの請求書で併記することはありません。

(6)電子データの場合はPDFで

近年では、請求書などの取引文書を電子データでやり取りするケースも増えてきました。電子データの場合には、容易に編集ができてしまうWordやExcelファイルで送るのは避けましょう。原則的に、編集や改ざんができないPDFファイルで送信します。

個人事業主・フリーランスが請求書を発行するのに便利なツール

個人事業主やフリーランスが請求書を発行する際に活用したいのが、請求書発行機能を備えた便利なツールです。ここでは次の5つのツールを紹介します。

(1)ツカエル見積・請求書オンライン

ツカエル見積・請求書オンラインは、株式会社ジョブカン会計が提供する、オンラインで「かんたん」「きれい」に請求書を作成できるクラウドサービスです。

シンプルで簡単に作れることを重視したサービスで、初めて請求書を作る人にもおすすめできます。料金は初月無料で、2ヶ月目以降は月額550円(税込)という低コストで利用可能です。

30日間無料でトライアル利用できるため、一度使ってみて継続利用するかどうか判断しても良いでしょう。

提供元 株式会社ジョブカン会計
初期費用 無料
料金プラン
  • Proプラン(1ユーザーあたり):1,100円(税込)/月、11,000円(税込)/年
  • Stdプラン(1ユーザーあたり):550円(税込)/月、5,500円(税込)/年
機能・特徴
  • 「かんたん」「きれい」に請求書を作れる
  • 月額550円(税込)から利用できる
  • 30日間無料で試せる
URL 公式サイト

※2022年8月確認時点

(2)board

boardは、中小企業向けの業務管理システムです。請求書作成だけでなく周辺業務の効率化まで考慮して設計された業務管理システムであり、有料導入社数は4,200社、有料継続率は99%超という高い満足度を誇ります。

一般的な請求書作成サービスでは物足りないものの、中~大企業向けのシステムはコストが割高でオーバースペックと感じている個人事業主やフリーランスに適したサービスです。

提供元 ヴェルク株式会社
初期費用 無料
料金プラン
  • Personal:1,078円(税込)/月
  • Basic:2,178円(税込)/月
  • Standard:4,378円(税込)
  • Premium:6,578円(税込)/月
導入実績 4,200社
機能・特徴
  • 会計ソフトやビジネスチャットとの連携機能あり
  • 有料継続率99%超の高い満足度
  • 30日間無料で試せる
URL 公式サイト

※2022年8月確認時点

(3)RaQool

RaQool(ラクール)は、見積書や請求書を1分で簡単に作成できるクラウド型の請求書サービスです。PCだけでなく、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、さらにiPadなどのタブレットにも対応しているため、外出先からも容易にアクセスできます。

また、RaQoolは顧客登録数5件までなら月額料金無料で利用を継続できるのも大きな特徴です。

提供元 株式会社ソーシャルデザイン
初期費用 無料(オリジナルプランを除く)
料金プラン
  • フリープラン:無料
  • スタンダード:980円/月
  • オリジナル:応相談
機能・特徴
  • 見積書や請求書を1分ほどで簡単に作成できる
  • 顧客登録数5件までなら無料で継続利用できる
  • モバイル端末に対応しているので外出先からでも利用できる
URL 公式サイト

※2022年8月確認時点

(4)MakeLeaps

MakeLeaps(メイクリープス)は、リコーグループの一員であるメイクリープス株式会社が提供するクラウド見積・請求・入金管理ソフトです。

MakeLeapsでは、英語の請求書を作成でき、米ドルや英ポンドをはじめ、37種類もの通貨に対応しています。電子帳簿保存法やインボイス制度など、最新の法制度に対応している点も魅力の一つです。

提供元 メイクリープス株式会社(リコーグループ)
初期費用 無料
料金プラン
  • 無料プラン:0円/月
  • 個人プラン:550円(税込)/月
機能・特徴
  • 電子帳簿保存法やインボイス制度に対応
  • 英語書類や外貨に対応
  • 取引先上限3社の無料プランから始められる
URL 公式サイト

※2022年8月確認時点

(5)MISOCA

見積書から納品書・請求書へデータを変換して発行、メール送付・PDF発行・リンク共有・郵送がワンクリックで完了するなどの機能が搭載され、請求まわりの事務作業が包括的に効率化できます。

また、経理関連サービスで知られる「弥生」が提供するサービスのため、同シリーズの申告ソフトなど連携できるサービスが充実している点も特徴です。

提供元 弥生株式会社
初期費用 無料
料金プラン
  • 無料プラン:0円/月
  • 「プラン15」:880円/月(年額払の場合は8,800円/年)
  • 「プラン100」:3,300円/月(年額払の場合は33,000円/年)
機能・特徴
  • 「ずっと無料」プランあり(一部利用制限あり)
  • 書類へのロゴ・印影の自由設定
  • ワンクリックでPDF発行・郵送
  • 発行したデータをそのままメール送信
  • 売上レポート・受注管理機能
  • インボイス制度・電子帳簿保存法にも順次対応予定
URL 公式サイト

※2022年8月確認時点

個人事業主・フリーランスでも正しく請求書を発行すること

個人事業主やフリーランスが請求書を発行する際は、記載が必要な項目を把握したうえで、押印や源泉徴収の有無、振込手数料の負担など、注意点も心得ておく必要があります。

本記事で紹介したツールのように、取引先登録数が限定されているものの、無料で簡単に請求書が発行できるものもあります。請求書の発行業務その他を含め、取引を円滑に進めていくためにも便利なツールの導入を検討してみましょう。

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