テレワークを導入する目的とは?社会的背景や効果・目的が必要な理由

最終更新日時:2022/12/21

テレワーク

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近年、働き方改革や新型コロナウイルス感染症によって注目されているテレワーク。テレワークの導入を成功させるためには、必ず目的を明確にすることが大切です。本記事では、そんなテレワークを導入する目的について、必要性や効果などもあわせて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

テレワークが注目されている目的や社会的背景

テレワークが注目されるようになった理由は何でしょうか。その社会的背景や必要性は以下の3つが挙げられます。

  • 少子高齢化による慢性的な人材不足
  • デジタル化による環境への配慮
  • 地方の活性化

少子高齢化による慢性的な人材不足

日本は少子高齢化の影響による労働人口の減少が課題とされている中、テレワークを導入し、自宅でも業務に取り組めるようにすることによって、人材不足を解決することが可能になります。

労働人口の中には、子育てや親の介護などで通勤することが難しく、就職することができない人もいます。しかし、労働人口そのものが減少している近年、働くことが難しい状況にいる人も貴重な人材です。

このような状況でテレワークを導入することで、これまで働くことが難しい人材も採用することができ、人材の確保が可能になります。

デジタル化による環境への配慮

テレワークが注目されるようになった社会的背景には、デジタル化が環境への配慮に繋がることもあります。オフィスで業務するには通勤・退勤という移動が必要になり、自動車や電車を利用するでしょう。

これらの移動手段は二酸化炭素を多く排出するため、環境負担が大きいという課題がありました。

一方で、テレワークを導入し、自宅で業務に取り組むことで移動する必要がなくなり、二酸化炭素の排出量の低減も期待できます。

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地方の活性化

テレワークが導入される以前は、地方から都心に働きに出る人口が多いことから、地方では過疎化が進むことが課題とされていました。

しかし、テレワークを導入することで、地方に住んだまま仕事ができるようになるため、地方の活性化が期待できます。

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新型コロナウイルスの流行

新型コロナウイルスの流行がテレワーク需要拡大の大きな要因といえます。

コロナ前はテレワークという働き方自体珍しく、ほとんどがオフィスに出社して業務をするスタイルをとっておりました。

流行後はテレワークを働き方の選択肢の一つとして、様々な企業が導入をしはじめて、適応できた企業はそのままテレワークを採用し、適応できなかった企業は従来通りの出社型の勤務体系を採用しています。

テレワークを導入する5つの目的

ここからは本題であるテレワークを導入する以下の5つの目的についてそれぞれ詳しく解説していきます。

  • 生産性の向上
  • コスト削減
  • 働き方改革の推進
  • ワークライフバランスの推進
  • BCPへの対策

1.生産性の向上

テレワークを導入することで、従業員の生産性の向上を期待できます。テレワークが導入されていない頃は、オフィスへの通勤・退勤や顧客訪問の移動など、さまざまな場面で移動や待ち時間が発生し、非効率的でした。

一方で、テレワークを導入することでほとんどの業務がオンラインで可能に。オフィスへの通勤・退勤がなくなることはもちろん、顧客や取引先とのミーティングもオンラインで可能になるため、移動時間や待ち時間を大きく削減することを実現しました。

その結果、顧客との接点をこれまで以上に持つことが可能になり、さらにこれまでの移動時間を別の業務に当てることが可能になるため、従業員の生産性の向上に繋がります。

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2.コスト削減

オフィスの家賃や従業員の交通費、コピー用紙やインクなどは、経営において大きなコストになります。テレワークを導入することで、オフィスの規模を縮小することが可能になり、また、従業員の移動も減少するため、交通費の削減にも繋がります。

さらに、ミーティングのほとんどはオンラインに移行するため、紙を印刷する必要がなくなりました。これらの結果、コストの削減に大きく影響します。

3.働き方改革の推進

テレワークを導入することは、働き方改革の推進も実現されます。働き方改革の大きな目的の一つに、従業員それぞれが多様な働き方を選択する環境を作ることがあります。

テレワークを導入する前は、子育てや親の介護などで通勤することが難しく、就職することができない人もいました。少子高齢化による慢性的な人材不足が課題とされている現代、このような人材を確保できないことは、企業にとっても痛手となります。

一方で、テレワークを導入することで、子育てや親の介護をしながら働くことが可能になりました。このように、従業員が自分で働き方を選択できる環境が整えられ、働き方改革の推進に繋がるのです。

4.ワークライフバランスの推進

テレワークの導入による移動時間の削減は、ワークライフバランスの実現に大きく影響します。総務省統計局が行った社会生活基本調査によると、日本の平均通勤時間は片道39分という結果が出ています。

往復で見ると約1時間20分。1時間以上移動に使うことは、心身的にも大きな負担になるでしょう。

一方で、テレワークを導入することで、これまでの移動時間を家族と過ごす時間や自己啓発、休息に充てることが可能になります。平日の業務日であってもワークライフバランスを実現できるようになります。

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5.BCPへの対策

BCP(Business Continuity Plan)とは「事業継続計画」を指します。事業継続計画とは、企業が自然災害やテロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合に、メインの事業の継続または早期復旧を可能にするための手段や方法を取り決めておく計画です。

2020年から流行している新型コロナウイルスの影響により、BCPがさらに重要視されるようになりました。このような感染症対策としてテレワークを導入することでBCPへの対策が可能になります。

テレワーク導入の目的は企業によって異なる

テレワークを導入する目的は一つではなく、企業によって異なり目的は多岐に及びます。

そのため、重要視すべきなのはテレワークを導入する目的を明確に定めるという点で、目的が不明確だと導入によってマイナスの効果を生んでしまう可能性も十分に考えられます。

様々な目的を考えるのは良いですが、まずは自社に目を向けて、テレワークを導入してどうなりたいのか目的を明確化しましょう。

テレワークを導入すると得られる効果・メリット

テレワークを導入することで、以下の7つの効果・メリットを得られます。

  • 人材の確保
  • 事業継続性の確保
  • 業務体制改善の実現
  • 従業員のモチベーションアップ
  • 従業員の業務効率アップ
  • 地域の活性化
  • 環境への負担軽減

人材の確保

テレワークを導入することで、人材を確保することが可能になります。近年、少子高齢化により慢性的な人材不足が課題とされています。また、子育てや親の介護などで就職できない状況にある人も。

しかし、テレワークを導入することで、オフィスに出勤する必要がなくなるため、場所を選ばずに人材を採用することが可能。また、海外から優秀な人材を採用することも可能であるため、自社の発展が期待できます。

事業継続性の確保

従来の働き方の場合、自然災害やテロ攻撃、感染症のパンデミックなど、企業の存続が危険になり、事業継続が不可能になる可能性があります。

一方で、テレワークを導入することで、災害やパンデミックに対応できるようになるため、事業継続性を確保することが可能になり、緊急時の会社の存続にも大きく役立ちます。

業務体制改善の実現

従来の働き方では、業務プロセスのブラックボックス化や印刷や移動などで業務体制が非効率な状態でした。しかし、テレワークを導入し、タスク管理のツールやシステムを導入することで、ブラックボックス化を解消することが可能です。

また、ペーパーレス化により印刷をする必要がなくなるため、業務体制の改善が実現されます。

従業員のモチベーションアップ

テレワークの導入によりワークライフバランスが実現されるため、従業員はこれまで以上にモチベーションをアップさせることができるでしょう。また、満員電車により心身のストレスも解消されるため、気持ちに余裕を持って働けるようになります。

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従業員の業務効率アップ

テレワークを導入することで、移動時間をはじめとする生産性の低い時間を減らすことが可能になり、その時間で別の業務に取り組むことが可能になります。また、業務中の急な対応も減るため、従業員の業務効率をアップさせることができます。

地域の活性化

テレワークを導入する以前は、会社に出勤するために地方から都心部へ移り住む必要がありました。このような状況は、地方の過疎化に繋がるため、活発性が失われていく一方です。

しかし、テレワークを導入することで、地方に住みながらも仕事をすることが可能になります。地方の人口が増え、休日は地方が開催する行事に参加することができるなど、地方の活性化に繋がります。

環境への負担軽減

テレワークの導入は、環境への負担軽減にも繋がります。オフィスに出勤する際、車で移動している人も多いでしょう。車での移動は多くの二酸化炭素を排出するため、環境に良いとは言えません。

一方で、テレワークを導入することで、移動する機会が減少するため、自ずと車の使用機会も減ります。その結果、二酸化炭素の削減に大きく影響し、環境への負担を軽減させられます。

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テレワーク導入における企業の課題

テレワークを導入することには課題もあります。テレワーク導入における企業の課題は以下の6つが挙げられます。

  • セキュリティ対策
  • 勤怠管理
  • 人事評価
  • 従業員の健康管理
  • 情報管理
  • 必要な設備導入のコスト

セキュリティ対策

テレワークを導入することは、社内のデータを自宅に持ち込むことになるため、セキュリティ対策は万全にする必要があります。また、カフェや公共施設で仕事をする場合は、さらにセキュリティ対策に力を入れなければなりません。

テレワークにおけるセキュリティ対策の具体例としては、「パソコン画面に覗き見防止フィルターを貼る」「無料Wi-Fiを使用しない」などが挙げられます。

公共施設で仕事をする場合、誰がどこから見ているかわからないということは常に意識しなければなりません。また、無料Wi-Fiはハッキングの可能性もあるため、できる限り使用せず、モバイルWi-Fiやスマホのテザリングを使用するようにしま

しょう。

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勤怠管理

テレワークを導入すると、勤怠管理が難しくなります。オフィスに出社する場合は、目視で社員が通勤しているか判断できるため、容易に勤怠管理をすることが可能でした。

一方で、テレワークを導入すると従業員の動きが見えなくなります。そのため、勤怠管理ツールやシステムの導入や、始業・終業時にメッセージを送るなど、仕組みを構築しておく必要があります。

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人事評価

テレワークを導入することで、人事評価はこれまで以上に難しくなるでしょう。テレワークの中で人事評価をする際、評価できるのが売上などの「数値」だけになってしまいます。

しかし、数値のみを評価した場合、売上が立ちにくい部署や新規事業を担当している従業員から不満の声が出てしまうでしょう。そのため、従業員からの不満の声が少なくなるように人事制度を改定する必要があります。

従業員の健康管理

テレワークを導入すると、従業員同士で顔を合わせる機会が減少するため、健康管理が難しくなります。体調の変化は自分でも気が付くことができますが、心理的な健康は自分ではなかなか気が付けないものです。

テレワークを導入する際は、健康診断を義務化したり、1on1の機会を多くしたりするなどの仕組みを作ることが重要です。

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情報管理

テレワークを導入することは、情報をデジタル化することになります。そのため、情報管理について社内でルールを改める必要があります。

テレワークを導入している会社の多くは、社内のサーバーやクラウドサービスを利用して情報を管理しています。また、その整備や責任者など事前に取り決めておくことが重要です。

必要な設備導入のコスト

テレワークを導入するにあたって、これまで紙で行っていた業務をデジタル化することになるため、ツールやシステムなどの設備を導入することになります。ツールやシステムなどの設備は導入費用や月額料金が発生するため、コストがかかってしまいます。

しかし、テレワークの導入はこれからのデジタル化の流れに乗るためにも重要になるでしょう。また、テレワークを導入することで従業員のパフォーマンスアップ、会社の売上向上が期待できます。

これからの会社の成長のためにもテレワークの導入が不可欠となるため、コストを割く価値は十二分にあるといえるでしょう。

テレワークの導入事例6選

最後にテレワークの導入に成功した事例を6つ紹介します。

日本マイクロソフト株式会社

ソフトウエアおよびクラウドサービス、デバイスの営業・マーケティングを行う「日本マイクロソフト株式会社」。従業員のワークライフバランスを充実させることを目的に、2007年から在宅勤務制度を開始しました。

制度開始時は在宅勤務をするべき理由がある従業員のみが対象でしたが、2016年の就業規則の変更により、全社員がテレワークで業務に取り組むことが可能に。

また、フレックスタイム制度のコアタイムを廃止したことでより柔軟な働き方を実現しています。日本マイクロソフトがテレワークを導入した結果、女性の離職率が大幅に減少しました。

日本ヒューレット・パッカード合同会社

BtoBに特化した、サーバ、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアの開発や提供、DX導入のコンサルティングなどを手掛ける「日本ヒューレット・パッカード合同会社」。社員の自律性をより高めることを目的にテレワークを導入しました。

日本ヒューレット・パッカードはテレワークを導入する前から、オフィスのフリーアドレス制の導入を実施し、従業員がより働きやすい環境作りに注力。そして、2007年に週4日までという制限はあるものの、テレワークの導入を開始しました。

テレワークを導入したことで従業員の心身のストレスが軽減され、業務効率の向上の成果も実現しています。

Chatwork株式会社

中小企業向けのビジネスチャットツール「Chatwork」を運営する「Chatwork株式会社」。家庭のさまざまな環境に適応した働き方やいかなる時でも事業が継続できるようにすることを目的にテレワークを導入しました。

テレワークをする中で従業員同士のコミュニケーションや情報共有は自社ツールである「Chatwork」を使用。テレワークの導入により、地方に在住する優秀な人材の確保や離職率防止に大きく役立っています。

株式会社みずほ銀行

大手金融機関である「株式会社みずほ銀行」。テレワークの実践している人から取ったアンケートをもとにテレワークを改善。3年で2,000名以上の従業員がテレワークに移行しました。

みずほ銀行はワークライフバランスの推進を目的にテレワークを導入。特に注意する必要があるセキュリティに関しても、従業員が使用するデバイスに仮想デスクトップを搭載することで対策に成功しました。また、2018年からは私用のパソコンからでも仕事をすることが可能になりました。

三井住友海上火災保険株式会社

損害保険業や保険業に係る事務の代行などを手掛ける「三井住友海上火災保険株式会社」。従業員の柔軟な働き方の実現を目的として、2017年から全従業員を対象に在宅勤務制度を開始しました。

セキュリティ面に関しても、全従業員にシンクライアントPCを配ることで対策。また、テザリング用のスマホを配布することで、カフェで仕事をする際のハッキング防止も可能にしています。

このようなテレワークを導入した結果、一人あたりの残業時間を10%削減することに成功。また、その他コストの削減にも大きく役立てています。

株式会社イーライフ

総合広告代理店として、WEB広告や印刷広告、不動産広告などを行っている「株式会社イーライフ」。移動時間の短縮や従業員の生産性の向上、人材の確保などを目的として2010年からテレワークを導入しました。

また、従業員の柔軟な働き方を実現するために、普段オフィスに通勤している従業員でも、いつでもテレワークに切り替えることを可能としています。平成29年度には「テレワーク先駆者百選」にも認定されています。

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これからテレワークの導入を検討している企業は、導入前に自社の目的を明確化することを意識しつつ進めていくことが必要です。

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