テレワークはずるい?在宅勤務でよくある社員の不満の理由と対策について

最終更新日時:2022/06/03

テレワーク

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同じ組織内で、テレワークをする社員と、業務上オフィス勤務が必要な社員が混在している場合、テレワークに対して「ずるい」という感情を抱く人もいるようです。本記事では、テレワークをずるいと感じる理由や、不公平感を生じさせないための対策を解説していきます。

全面的な導入がまだまだ難しいテレワーク

新型コロナウイルス感染症の予防対策として、テレワークを導入した企業は多いのではないでしょうか。

ただし、テレワークを実施している企業においても、全社員の完全なテレワーク化は難しく、部署や業務など範囲を限定した上で実施している企業が多いようです。

また、このようなケースでは、業務上の理由からテレワークが実施できない社員が不公平感を抱くなど、さまざまな課題が生じている場合があります。

テレワークができない業務も多いのが実態

テレワークができないことに不満を抱く社員がいるのであれば、全社的にテレワークを導入すれば良いのではないか、と考える方もいるでしょう。

しかし、実情としてテレワークへの移行が難しい業務は多々あります。特に、医療や介護、美容業界などの対面での接客が必須となる業種や、建設業、配送業などは現場での勤務が求められることになるでしょう。

そのほかにも、業務のシステム化やペーパーレス化が推進されていなければ、経理業務や労務業務、契約業務などもテレワークが困難なはずです。

このように、業務の特性、業務フローなどの問題から、テレワークができない業務は多いのです。

会社がテレワーク推進に消極的なケースも多い

テレワークが普及しつつある今でも、会社がテレワークの推進に消極的なケースは珍しくありません。

経営層や管理職の立場においては、「コミュニケーション不足」「勤務状況の把握の難しさ」「生産性の低下」といった、テレワークによって発生する可能性のあるデメリットへの懸念が大きくなる傾向にあります。

そのほかにも、テレワーク導入時のコスト面の負担の大きさから、テレワーク推進に消極的になることもあるようです。

テレワークだからといってずるいわけではない

そもそも「テレワーク=ずるい」わけではないはずです。テレワークをしても業務量が減ったり、労働時間が短くなったりするわけではなく、オフィスワークと同じように仕事をする必要があります。

さらに、テレワークの場合、対面でのコミュニケーションに比べて、業務におけるやり取りやナレッジ共有の利便性が低くなりがちなため、手間が増えるといったデメリットすらあります。

そのほか、オフィス勤務時であれば必要のなかった日報などの提出を求められることもあるのではないでしょうか。

業務上「ずるい」と感じる要素はないにもかかわらず、なぜそのような見方をされることがあるのか、その理由について、次章にて詳しく解説します。

テレワークがずるいと感じる5つの理由

テレワークをずるいと感じてしまう理由には、主に以下の5つが考えられます。

  • 合間の時間を有意義に使える
  • 通勤時間が短縮される
  • 会社で対人関係ストレスがなさそう
  • 楽な仕事しかしていないと勘違いしてしまう
  • サボりやすいと勘違いされてしまう

合間の時間を有意義に使える

自宅でのテレワークの場合、休憩時間に家事を済ませることも可能です。

しかし、あるアンケート調査によれば、テレワーク中のランチ時間に関しては、約6割の人がオフィス勤務時に比べて減ったと答えています。

家事ができる状況にあっても、「オンオフの切り替えがしにくい」「ご飯を食べる時間がない」といった理由から、実際は、就業時間中の合間時間を有意義に使うほどの余裕はないことが伺えます。

通勤や移動の時間が短縮される

ひと口にテレワークといっても、働く場所は、自宅やコワーキングスペース、カフェなどさまざまです。しかし、テレワーク時の通勤時間については、総じて短縮されるのではないでしょうか。また、取引先とのミーティングもオンラインを利用するのであれば、移動も不要です。

その時間は、仕事はもちろんのこと、家族と過ごす時間にあてたり、趣味や習い事などのプライベートを充実させたりもできるようになるでしょう。この点については、確かにテレワークとオフィス勤務で、ワークライフバランスに差が出てしまいます。

テレワーク社員が大半となるような状況であれば、オフィス勤務の社員には、通勤手当のほかに「出社手当」を支給したり、「特別有給休暇」を付与するなどの不公平さを解消する取り組みが必要となります。

会社で対人関係ストレスがなさそう

テレワークは会社での対人関係ストレスがなさそうと考える方もいるのではないでしょうか。しかし、会社で働く以上は社員同士のコミュニケーションは、必ず発生します。

テレワークでは、メールやチャットツールなどのテキストでのコミュニケーションが中心になります。これらは、記録を残せたり、自分のタイミングで対応できる便利さがある一方、細かいニュアンスが伝わりにくいデメリットもあります。

感情が伝わらず、相手が意図せぬ捉え方をしてしまうこともあり、対人関係ストレスが悪化する可能性もあるのです。そのため、テレワーク特有のコミュニケーションの取りづらさが、新たなストレスとなることもあります。

「テレワーク=楽な仕事」という思い込み

オフィス勤務と違い、上司や同僚など、周囲の目がない場所で仕事をする「テレワーク」は、何をしているのかわからない、と思われがちです。

そのような環境が「テレワークは楽」という思い込みを生じさせてしまうこともあります。このような勘違いを放置してしまうと、不公平感を抱く社員とテレワーク社員の人間関係を悪化させる原因にもなりかねません。

タスク管理による業務の可視化、日報の共有といった組織としての対応が必要となります。

サボっているのでは?と疑ってしまう

こちらもテレワークには「周囲の目」がないことを理由に起きる思い込みといえるでしょう。目の届く範囲であれば、たとえチャットやメールの返信が遅れていても、「他の作業に集中している」ことがわかります。

しかしながら、テレワークでは「サボっているのでは」という勘違いを生む要因になってしまいます。こちらもタイムスケジュールの共有などにより、業務の状況をお互いが確認しあえる工夫が求められます。

テレワークの導入で発生しがちな不満とは?

では、テレワークをしている社員と、テレワークをしていない社員は、それぞれ具体的にどのような不満を抱えているのでしょうか。

テレワークをしている側の不満

テレワークをしている社員の中には、オフィスでの作業の方が効率が良く、オフィス出社を希望しているにもかかわらず、会社の方針に従ってテレワークをしているケースもあるでしょう。

また、会社によっては、勤務状況の管理のため「テレワーク社員のみ」に日報といった業務報告書の提出を求める場合もあります。

仕事のしにくさやコミュニケーションの取りにくさ、報告書などの業務の増加、からテレワーク自体に不満を抱えている社員もいるのです。

テレワークをしていない側の不満

テレワークをしていない側の一番の不満は、やはり通勤時のストレスと通勤時間にあるのではないでしょうか。

勤務状況が見えないことにより発生する不満は、タスク管理ツールの導入などにより業務の可視化することで、その多くが解消されます。

しかしながら、「時間の不公平さ」については、先にお伝えした「手当」や「休暇」などの制度の策定が難しい場合、社員が不満を募らせてしまうことになるでしょう。

テレワークはずるいと不満を言われないための対策

では、テレワークはずるいといった不満を生じさせないためにはどのような対策を取るべきなのでしょうか。その対策は以下の4つがあります。

  • 業務の偏りがないか確認して見直す
  • テレワークにおけるルールや人事評価制度の刷新
  • 日頃から報連相を徹底する
  • 業務可視化ツールを導入する

業務の偏りがないか確認して見直す

これはテレワークに限ったことではありませんが、テレワーク導入をきっかけに、業務に偏りがないかを、改めて見直してみましょう。業務を割り振る際には、単にタスクの数で判断するのではなく、作業時間も考慮しながら配分するようにしてください。

また、同時に業務の可視化を進めることも大切です。「誰が」「今」「何を」しているのかが、社員間で容易に確認できるようになれば、業務の偏りに対する不満の多くが解消されるはずです。

テレワークにおけるルールや人事評価制度の刷新

テレワークはずるいと不満を言われないための対策として、テレワークにおけるルールや人事評価制度を刷新することも必要です。

たとえば、テレワークにおけるコミュニケーション活性化のルールとして、上長と部下の1on1や、テレワークとオフィス勤務のメンバー全員による、オフラインのブレストミーティングを定期的に実施するのは、テレワークを円滑に運用するための効果的なルールの一つです。

また、1on1のミーティングは、人事評価の判断材料ともなるでしょう。環境に合ったルールや評価基準を取り入れるだけでなく、刷新したルールや人事評価制度は社員全員に、その目的と効果について共有することも重要です。

日頃から報連相を徹底する

テレワークを円滑に進めるためには、報連相(報告・連絡・相談)を日頃から徹底することが重要です。テレワークは、お互いの状況がわからない環境下で仕事をするため、オフィス勤務時以上に、コミュニケーションの質や頻度に配慮する必要があります。

またコミュニケーションの手段としては、メールや電話だけではなく、チャットやビデオ会議といったコミュニケーションツールを積極的に取り入れることが望ましいでしょう。

業務可視化ツールを導入する

繰り返しになりますが、テレワークには、互いの業務内容や進捗が把握しにくいという課題があります。

「何をやっているのかわからない」状況は、サボっているのでは?といった不信感から人間関係をこじらせるだけでなく、当然ながら業務効率も低下させてしまいます。

業務可視化ツールにより、業務の進捗状況をリアルタイムで共有・把握できるようになれば、オフィス勤務の社員がテレワーク社員に不信感を抱くことはなくなります。また、生産性や業務効率の大幅な改善も期待できるでしょう。

テレワークの在り方を見直して不満や不公平感を無くそう

本記事では、テレワークとオフィスワークが混在している企業において、発生しやすい不満とその背景、また、不満を解消するための対策についてお伝えしました。

社員間における不満や不公平感は、放置してしまうと人間関係を悪化させ、適切な信頼関係が構築できなくなってしまいます。そのような関係の悪化は、業務効率や生産性の低下にもつながってしまうでしょう。

テレワークに対する思い込みの解消や、評価や制度といった管理体制の見直しは、企業が率先して講じるべき対策です。

社員の不満が大きく膨らみ、悪影響が顕在化してしまってからでは、立ち直すにも相応の時間と手間を要することになります。テレワークによる不満や不公平さは、しっかりと体制を整え「未然に防ぐ」ようにしましょう。

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