【最新】CRMのシェア・市場規模は?人気システムやトレンドを解説!
CRMの市場規模は年々拡大し続け、2021年の国内売上額ベースは2,000億円に迫っています。市場が拡大している背景にはどのような要因があるのでしょうか。この記事では、CRMにおける2022年最新の国内外の市場規模や拡大している背景、活用されている部門を解説し、国内で人気のCRMも10個ご紹介します。
目次
2022年最新CRMの国内外市場規模と今後の見通し
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客と良好な関係を築くことで企業の収益につなげるマネジメント手法です。
顧客のニーズは年々多様化し、顧客情報を管理することが難しくなってきています。そんなときに役立つのが、顧客情報管理をシステム化し、効率よく運用できる「CRMツール」です。近年、さまざまな業界でCRMツールの導入が広がっています。
ここでは、CRMの国内外の市場規模についての最新事情と、今後の予測について解説します。
(1)日本国内でのCRMの市場規模
IDC Japanの試算によると、国内CRMアプリケーション市場規模(売上額ベース)は年々拡大しており、2021年時点の市場規模は前年比13%増の1,812億1,800万円となりました。
今後も市場規模の拡大が期待されており、同社によると2020年〜2026年の年間平均成長率は10%で推移し、2026年には2,917億9,000万円に達すると予測されています。
[出典:IDC Japan「国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア/CRMアプリケーション市場予測を発表」]
(2)世界でのCRMの市場規模
世界全体に目を向けてみると、CRMの市場規模はさらに急速に拡大しているのがわかります。Fortune Business Insightsの調査によると、世界全体のCRM市場規模は2021年で578億3,000万ドル(約7.8兆円)となり、前年比10%以上の成長率を見せています。
2022年から2029年の世界のCRM市場規模の年間平均成長率は12.5%と試算され、国内外でCRM市場の二桁成長が続くと推測されています。
[出典:Fortune Business Insights「Customer Relationship Management(CRM)Market」]
(3)世界シェアトップは15万社以上が導入したSalesforce社
2021年4月にIDC社が発表した「Worldwide Semiannual Software Tracker」によると、世界のCRM市場におけるシェアトップは8年連続でSalesforce社となり、そのシェアは19.5%(同社HPより)に達しています。
世界15万社以上、国内でも5,000社以上の企業で導入されている実績があり、国内外でCRM業界のトップをけん引し続けているのです。
[出典:Salesforce「【抄訳】セールスフォース・ドットコム、 8年連続で世界No.1CRMプロバイダーに選出」]
[出典:Salesforce「世界No.1のCRM、Salesforce Customer 360で顧客のあらゆるニーズに対応しビジネスの成長を促進」]
(4)2029年には市場規模19兆円に届く見通し
先ほどのFortune Business Insightsの調査では、世界のCRM市場規模は2021年時点で約8兆円に到達しています。さらに、2022年には639億1,000万ドル(約8.6兆円)、2029年には1,457億9,000万ドル(19.7兆円)という予測もあります。
今後の市場予測として10%以上の平均成長率が見込まれていることからも、CRMはさらに拡大が期待されるツールなのです。
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CRM業界の市場が拡大している背景
CRM業界のマーケットが伸びている背景には、顧客の価値観やニーズの多様化、さらに企業側の働き方の変化などがあります。ここでは、3つの視点から市場拡大の背景について確認していきましょう。
(1)コロナ禍でネットマーケティングの需要が増大
新型コロナウイルスの感染拡大により、ステイホームやリモートワークが要請され、企業は顧客と接触せずに関係を築き、デジタルによって新たな顧客体験を提供する必要性が出てきました。
その流れを受け、コロナ禍で対面での営業活動が難しくなる中、顧客情報の管理・分析にCRMの導入を検討する企業が増えたことが市場の成長につながっているのです。
IDC社の試算によると、新型コロナウイルス感染症の影響が具体的に見えていなかった2020年5月時点では、2020年の日本国内の市場規模は1,786億4,100万円と予測していました。しかし1年後の再試算では、2020年の市場規模は1,871億7,300万円と当初の予測を大きく上回りました。
新型コロナウイルスの感染拡大は、CRM市場にさらなる追い風をもたらしていることがわかります。
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(2)テレワーク需要によりクラウド型がトレンド
従来CRMは、サーバーを社内に設置するオンプレミス型が主流でした。しかし、近年はオンライン上で顧客の情報管理を行うクラウド型がトレンドになっています。
背景には、コロナ禍での在宅勤務の普及や、働き方改革などによるテレワークの需要の高まりがあります。CRMツールの多くはマルチデバイスにも対応し、どこでも情報共有できるクラウド型が主流になったことから、市場の拡大スピードが加速しているのです。
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(3)ユーザー理解が鍵|2022年以降もCRMはマストに
CRMの導入によって、顧客情報をもとにしたセールスプロセスの構築や顧客対応の効率化が期待されています。そのため、正確な顧客情報や追加の必要情報など「ユーザー理解」を深めることがCRM活用の鍵となるでしょう。
特に2020年からは、コロナ禍で生活様式や価値観も大きく変化し、顧客のデジタルシフトがさらに進んでいます。そのため、企業は日々変化する顧客ニーズを、正確に把握し素早く対応していかなくてはなりません。
AI(人工知能)を用いたCRMシステムは、こうした変化に対し高い対応力があり、売り上げに貢献してくれるツールなのです。
CRMが活用されている業務部門
CRMはこれまで、顧客との関係性が強い営業部署を中心に活用されてきました。
しかし、近年は顧客情報を社内で共有するシーンが増え、顧客接点のあるさまざまな部署で活用が進んでいるのです。ここでは、CRMの活用が目立つ3つの部門を紹介します。
(1)営業部門
営業部門は顧客接点の強化が求められる部署です。そのため、多くのCRMは営業活動をサポートするようにシステムが構築されています。
CRMツールは、顧客の氏名、所属企業、役職などの基本情報に加え、商談の履歴や案件の進捗状況などあらゆる情報の一元管理が可能です。
組織内で散在していたデータをCRMに集約することで、売上管理から行動管理までチーム全体の情報の連携がスムーズになります。
これにより、組織全体の生産性の向上が実現するのです。また、埋もれていた見込み顧客が可視化され、営業チャンスの拡大につなげることもできるでしょう。
▷営業部門のDXにCRMが重要な理由は?導入効果や最新の活用事例を紹介
(2)マーケティング部門
CRMには、マーケティングオートメーション機能をもつツールもあります。顧客の基本情報に加え、購買履歴や行動履歴なども記録しデータ化することで、マーケティング戦略の立案や分析に活かせるのです。
また、イベントの管理機能やメール配信機能もあり、アフターサポートの精度向上も期待できます。潜在的な顧客の離反を防止し、既存顧客へとつなげられるのです。
▷CRMマーケティングとは?基本知識から成果を上げる戦略の考え方について
(3)カスタマーセンター
企業と顧客の関係性づくりに欠かせないカスタマーセンターでも、迅速な顧客対応のためにCRMの導入が進んでいます。
特にコールセンターでは、CRMの必要性が注目されています。CTI(Computer Telephony Integration)という電話とPCを連携させた独自のシステムとCRMを連携させることで、顧客満足度の向上を図れます。
システム化を図ることで、カスタマーセンターに問い合わせがあったときに電話番号などから即座に詳細な顧客情報の確認が可能になるのです。
さらに、問い合わせやクレーム内容も顧客情報に紐づけて蓄積できます。その結果、顧客ニーズに沿った対応が迅速に行えるため顧客満足度の改善や向上にも貢献するのです。
▷コールセンター向けおすすめCRM7選!主な機能や導入メリットを解説!
2022年最新版!国内でシェアが伸びている人気のCRM10選
ここまで、国内外の市場規模や市場が拡大している背景、実際の運用部門について解説してきました。ここからは、国内でシェアを伸ばしている人気のCRM10選をご紹介します。
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(1)Salesforce
Salesforceのソリューションは、CRM業界を牽引する代表的なサービスと言えるでしょう。営業、マーケティング、カスタマーサポートなど、ニーズ別で総合的に使えるアプリケーションが用意されていて、企業の課題にあったものを選択することが可能です。
社内SNSやメール配信機能もあり、企業全体で利用できる機能の豊富さも魅力の一つです。ユーザーがサービスを使いこなすための、スキルアップコンテンツやコミュニティなども整備されています。
提供元 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン |
※年間契約の場合 |
導入企業数 | 15万社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(2)HubSpot
HubSpotは、「顧客に自社をみつけてもらう=インバウンドマーケティング」を提唱している企業で、無料のCRMツールも提供しています。
無料ツールでも100万件のコンタクトを保存できますが、マーケティングツールのMarketing Hub、SFAツールのSales Hubなどと連携させることでより効果的な営業・マーケティング活動が可能になります。
まずは無料で使い、段階的にCRMの機能を拡張させていきたい企業におすすめです。
提供元 | HubSpot Japan |
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初期費用 | プランにより異なる |
料金プラン | Marketing Hub
※無料ツールあり |
導入企業数 | 15万8000社以上 |
機能・特徴 |
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URL | 公式サイト |
(3)Zoho CRM
Zoho CRMは、リーズナブルな価格設定ながら、その機能の豊富さや柔軟なカスタマイズ機能で世界25万社以上の導入実績を誇ります。無料のモバイルアプリも提供しており、場所を選ばずに、情報共有できる便利さも魅力です。
導入支援や利用トレーニングなどのサポート機能も充実しているので、CRMを初めて利用したい企業でも安心して導入できるでしょう。
提供元 | ゾーホージャパン株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン | 年間契約
月間契約
※全て1ユーザーあたりの金額 |
導入企業数 | 25万社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(4)kintone
kintone(キントーン)は、ソフトウェア会社サイボウズが提供する、業務アプリを構築するクラウドサービスです。CRMを含むさまざまなアプリを手軽に作成できるサービスが特徴です。
プログラミングなどの知識がなくても、自社の業務に合わせて独自のCRMを構築できます。コストは抑えながらも、カスタマイズ性に優れたツールを使いたい企業におすすめです。30日間の無料期間があるので、導入前にじっくりと試運用できます。
提供元 | サイボウズ株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入企業数 | 20,000チーム以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(5)eセールスマネージャー
eセールスマネージャーは、ソフトブレーン株式会社が提供するCRM/SFAツールです。営業シーンに合わせた仕様で開発されているため、現場での使い勝手の良さに定評があります。
また、導入から稼働・定着まで、専属チームによる徹底したサポートが受けられる体制も魅力です。同社によると、一般的なCRMは定着率20%であるのに対し、eセールスマネージャーは定着率95%に達しているといいます。
CRMの定着化に不安がある企業にとって、魅力を感じられるツールでしょう。
提供元 | ソフトブレーン株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入企業数 | 5,500社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(6)Knowledge Suite
Knowledge Suiteは、CRMをはじめ、問い合わせ管理や分析ツールなど、あらゆる機能が使えるオールインワンサービスです。すべての機能の中から、自社に必要な機能だけを選択して運用できます。
また、データ蓄積量に応じた従量課金型でアカウント数も無制限で利用可能となっているため、無駄なコストを負担する必要がありません。マルチデバイスにも対応し、場所や時間を選ばず情報共有できるため、テレワークを導入している企業にもおすすめです。
提供元 | ナレッジスイート株式会社 |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
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導入企業数 | 7,500社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(7)Microsoft Dynamics 365
Microsoft Dynamics 365は、WordやExcelなどのoffice製品との連携が良く、Windowsユーザーにとって使いやすいのが特徴です。
営業やマーケティングのアプリケーションはもちろん、財務や人事など顧客情報以外の企業資産も同じツールで管理できます。価格もアプリケーションごとに設定されているため、コストを抑えて必要な機能だけで運用可能です。
提供元 | Microsoft |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン(月額) | Sals分野
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機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(8)Active Campaign
Active Campaignは、170か国以上の企業で利用されているCRMです。Facebookなど870以上のシステムと連携可能で、メールマーケティングなどさまざまな自動化機能も備わっています。導入しやすいリーズナブルな価格設定も魅力です。
提供元 | Active Campaign |
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初期費用 | 無料 |
料金プラン |
※すべてコンタクト数が500個の場合 |
導入企業数 | 15万社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(9)Freshsales
Freshsalesは、中小企業に適したCRMサービスです。連絡先の管理から、リードの獲得までシンプルに設計されています。モバイルアプリも利用できるため、リアルタイムでの情報更新と共有が可能です。
無料プランもあるため、一度CRMツールを試してみたいという企業におすすめです。
提供元 | Freshworks |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン(月額) |
※すベて年払いの場合 |
導入企業数 | 15,000社以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
(10)Pipedrive
Pipedrive(パイプドライブ)は、営業担当者の目線で構築されたCRMプラットフォームです。営業現場のニーズを最優先させた、販売管理ツールを搭載しています。
ITの知識がなくてもシンプルで直感的に使えるUIに加え、モバイルアプリでも利用可能な使い勝手の良さが人気です。無料トライアル期間もあり、気軽に導入の検討ができます。
提供元 | Pipedrive |
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初期費用 | 要問い合わせ |
料金プラン(月額) |
※すベて年間契約の場合 |
導入企業数 | 10万チーム以上 |
機能・特長 |
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URL | 公式サイト |
世界で利用者が増えているCRMを取り入れましょう!
顧客ニーズの多様化により、マーケティングがより複雑化しています。そこで多くの企業が活用しているのが、CRMです。CRMの市場規模は急速に拡大しており、今やビジネスには欠かせないツールになっています。
CMRを導入すれば、顧客情報を一元管理できるだけでなく、各部門のスピーディーな情報共有など、企業全体の業務効率化が可能です。顧客満足度を高め、自社の利益増大につなげるためにも、CRMを取り入れましょう。
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