DX推進の鍵となるアジャイル型組織とは?重要な理由やメリットについて

記事更新日:2022/06/06

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DXとアジャイル型組織

DX推進にあたり、組織の見直しが必要となっている中、従来の組織体系からアジャイル型組織へと移行する企業が増えています。本記事では、アジャイル型組織について、メリットやデメリット、組織を移行する際のポイントなどを詳しく解説していきます。

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

アジャイル型組織の説明の前に、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する理解が必要です。

DXとは、企業がデータとデジタル技術を活用して、自社サービスの内容やビジネスモデルそのものを変革させることです。DX化を進めることで、劇的に変化するビジネス環境に対応し、顧客のニーズを満たすことができます。

DX推進は、サービス内容のみならず、ビジネスモデルや会社の風土、企業文化にも変革をもたらし、市場における競争優位性を確立することも目指します。

DXが重要となる「2025年の崖」

多くの企業がDX推進に注力するようになった背景には、2018年に経済産業省が発表した「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」にある「2025年の崖」が大きく影響しています。

「2025年の崖」とは、既存システムが部門ごととに構築されているために全社横断的なデータ活用できなかったり、システムの老朽化・ブラックボックス化への対処が遅れた場合、2025年以降年間12兆円の経済損失が発生する可能性があるという警告です。

また、「2025年の崖」が発表された背景には以下のような、企業が直面している経営課題があります。

  • 21年以上稼働している基幹系システムが6割を超え、システム維持管理費に多くの予算をつぎ込むことになる
  • 既存システムの維持・保守に人員が割かれているため、DX分野の人材確保が困難になっている

このように、DX推進を実施せず、現状維持を続けると大きな経済損失が発生する可能性があります。これからの企業は、社会の変化やニーズに応じて、DXを軸とした変化が求められているのです。

[出典:経済産業省「DXレポート〜ITシステム『2025年の崖』克服とDXの本格的な展開〜」(サマリー)]

2025年の崖とは?経産省のレポートの要点やDX推進のシナリオについて

アジャイルとは?

アジャイルとは、直訳すると「素早い」、「機敏な」、「頭の回転が早い」などの意味があります。

「アジャイル開発」や「アジャイル開発プロセス」という言葉もあり、効率的にシステムを開発することで、素早いシステムの提供を目指します

また、効率と素早さを追求するため、プロジェクトを開発する際はシステムを大きな単位ではなく、小さな単位で区切り、実装・テストを繰り返し進めます。

アジャイル型組織とは?

アジャイル型組織とは、「アジャイル開発」の概念を組織に当てはめたものです。アジャイル型組織はトップダウンではなく、意思決定の権限が従業員に振り分けられているため、意思決定のスピードが早く、柔軟かつ効率的に業務を進められます

企業に求められているDX化を進める際、業務部門とIT部門など、所属が異なる複数のメンバーで協業することになります。

部門が異なるメンバーをうまく活かすためには、自律性やスピード感に優れたアジャイル型組織が必要になるのです。

DX推進においてアジャイル型組織が重要な理由

DX推進においてなぜアジャイル型組織が重要視されているのでしょうか。その理由の1つに、DX推進によって生産性向上が期待できるという点が挙げられます。

DX推進をする際、ビジネスモデルや会社の風土、組織構造など、大きな変革をもたらすことになります。これらを実行するためには多くの工数が発生し、これまで通りの方法では時間と手間がかかってしまうため、生産性を向上させるための見直しが必須になります。

このような状況でアジャイル型組織を導入し、意思決定の権限を従業員に分散させることで、従業員のモチベーション向上・効率化・自律化が可能になり、結果的に生産性向上につながります。

アジャイル型組織は、よりスピード感を持ってDXに取り組めるようになるため、現代のビジネス環境下で優位性を確立する際に役立つ手法と言えます。

DXプロジェクトを成功させるには?推進のコツやマネジメントについて

従来のピラミッド型組織とアジャイル型組織の違い

従来の企業は「ピラミッド型組織」であることがほとんどでした。一方、DX化のためにはアジャイル型組織の導入が効果的です。

ここでは、ピラミッド型組織とアジャイル型組織にはどのような違いがあるのか、それぞれの特徴を比較しながら解説します。

ピラミッド型組織

ピラミッド型組織とは、組織体制が文字通りピラミッドのような形になっている組織のことを指します。

三角形の頂点は経営層、その下で部や課が機能となりプロジェクトを実現していきます。また、指示はトップからの一方通行、いわゆるトップダウンで意思決定がなされます。

ピラミッド型組織は縦のつながりが意識されたものであり、横のつながりはほとんど考慮されていません。

そのため、ほとんどの行動が上からの指示で自発的にできず、モチベーションが上がらない従業員が多いという特徴があります。

アジャイル型組織

アジャイル型組織とは、円の中に部・課・ヒトが混ざっているイメージです。円の中では機能ごとに分けられていますが、それらが協力し合って業務を進めます。

また、意思決定権は分散されるため、素早く、かつ効率的に業務が進むようになります。

アジャイル型組織では横のつながりを重要視しています。従業員それぞれに責任と権限が付与されるため、自発的に取り組むことができ、従業員のモチベーションアップにつながる組織体制です。

アジャイル型組織のメリット

アジャイル型組織を導入することには、以下の3つのメリットがあります。

  • 柔軟に変化できる
  • 意思決定までの時間を短縮できる
  • 従業員のモチベーションを向上させることができる

柔軟に変化できる

アジャイル型組織にすることで、状況や環境に合わせて柔軟に変化できるようになります。

アジャイル型組織の特徴には、計画を立ててから実行するまでのスピードが早いことが挙げられ、環境や顧客ニーズの変化に合わせて柔軟に変化することが可能です。

DX推進には、事業内容やビジネスモデル、会社の風土などを変革することが求められており、競争優位性を確立するためには実行するスピードが重要になります。

アジャイル型組織の導入によって、柔軟かつスピーディーなビジネス展開が可能になることで、市場環境や顧客ニーズに対応したサービスの提供や、新規ビジネスの創出なども期待できます。

意思決定までの時間を短縮できる

アジャイル型組織によって、意思決定までの時間を短縮できます。

アジャイル型の組織では、意思決定権が従業員一人ひとりに分散されます。そのため、意思決定をする際に無駄な会議や承認待ちの時間を省くことが可能になります。

また、プロジェクト全体に関する会議では、皆が意思決定権を持っているため、意見を発言しやすく、活発的な議論が期待できます。迅速な意思決定は、より良い商品・サービスのスピーディーな開発も可能にします。

従業員のモチベーションを向上させることができる

アジャイル型組織を導入することで、従業員のモチベーションアップを図れます。

アジャイル型の組織では自律性が重視されます。一人ひとりに意思決定権を分散させることで、役割が明確になり、責任感が持てるようになります。責任感を持つことは、モチベーションの向上につながります。

やる気の向上は集中力やパフォーマンスにも直結し、各人の生産性向上やチーム全体の業績アップにもつながるという良いサイクルができあがります。

このように、アジャイル型組織の導入は、個人のパフォーマンスだけでなく組織全体への波及効果も期待できます。

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アジャイル型組織のデメリット

ここまでアジャイル型組織のメリットを紹介しましたが、デメリットもあります。アジャイル型組織を導入することのデメリットは以下の3つです。

  • 自律性が求められる
  • マネジメント体制が構築しづらい
  • スキルギャップが埋めづらい

自律性が求められる

アジャイル型組織を導入することで、従業員一人ひとりに自律性が求められるようになるのは人によってはデメリットになり得ます。

アジャイル型組織では一人ひとりに意思決定権があるので、責任や権限が増します。そのような状況で自律性がないメンバーが多数を占める場合、意思決定が他人任せになり、従来のピラミッド型のような組織構造に戻ってしまいます。

そのため、これまでピラミッド型で組織運営していた場合は、まずは従業員の自律性の確立から着手することが必要になります。

この工程を省くと、アジャイル型組織の導入メリットが得られず、結果的に組織変革に失敗してしまう可能性があります。

マネジメント体制が構築しづらい

アジャイル型組織の導入には、マネジメント体制が構築しづらいというデメリットがあります。

アジャイル型組織ではメンバー同士の関係がフラットに近づくため、「マネジメント」という概念が希薄になってしまう恐れもあります。

マネジメント体制が構築されていないと、メンバー間の統制や業務の分配などがうまく機能しない可能性があります。アジャイル型組織を導入する際も、マネジメント能力に長けた人材の配置などを意識する必要があります。

スキルギャップが埋めづらい

アジャイル型組織を導入すると、スキルギャップが埋めづらくなります。

組織には、経験豊富で多数のスキルを身に付けているメンバーと、経験が浅くこれからスキルを身に付けていくメンバーが在籍しています。アジャイル型組織の場合、教育する機会が少なくなるため、スキルギャップが埋まりづらくなります。

また、スキルギャップが埋まらないまま業務を進めていくと、スキルのある人材に業務が集中してしまうリスクもあります。そのような状態で有力なメンバーが抜けてしまうと、組織が機能しなくなります。

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アジャイル型組織への移行を成功させる6つのポイント

アジャイル型組織への移行を成功させるには、以下の6つのポイントを意識する必要があります。

  • コミュニケーション能力を高める
  • 自律性を教育する
  • 挑戦する組織文化を構築する
  • パイロットチームから広げていく
  • スモールスタートを意識する
  • 全てをアジャイル型にする必要はない

1.コミュニケーション能力を高める

アジャイル型組織を構築する上では、円滑なコミュニケーションが図れる環境づくりも大切です。

アジャイル型組織では、さまざまな人材が集結して事業を進めるため、チーム内・チーム間で密にコミュニケーションを取ることが重要になります。

コミュニケーションがとれていない場合、プロジェクトの停滞や遅延、品質の低下などが発生する可能性があります。

アジャイル型組織への移行を成功させるためにも、プロジェクトが始動する前に関係構築を済ませておくことが重要です。また、コミュニケーションを促進させるようなシステムやツールを導入するのも効果的です。

2.自律性を教育する

アジャイル型組織では移行を成功させるには、自律性を教育することも求められます。

アジャイル型組織では、一人ひとりに責任と権限が与えられます。そのため、業務を進めて行く上で、個人個人の自律性が必要不可欠になります。

自律性がないメンバーで組織が構成された場合、アジャイル型組織は機能しなくなってしまいます。アジャイル型組織へ移行するにあたって、発言する機会を増やしたり、責任のある業務を任せたりすることで、自律性を育みましょう。

3.挑戦する組織文化を構築する

アジャイル型組織では、挑戦する組織文化の構築もポイントになります。

アジャイル型組織には計画から実行までのスピードが早いという特徴があります。しかし、組織に挑戦する文化がない場合、リスクばかりに気を取られて実行までに時間がかかることもあります。

このような状況ではアジャイル型組織が機能せず、意思決定に時間を要してしまいます。挑戦できる文化を醸成するために、失敗した場合にすぐフォローできるような体制づくりなども並行して実施するようにしましょう。

4.パイロットチームから広げていく

徐々にアジャイル型組織への転換を図るためには、パイロットチームから広げていくこともおすすめです。

組織全体を一気にアジャイル型組織へ移行させるのは非常に難しく、賛成する人もいれば、反対する人も出てきます。しかし、全員から賛成をとりつけるまで移行を始めないのは時間を無駄にしてしまうことになりかねません。

まずはパイロットチームを作り、試験導入を始めるのが良いでしょう。そして、パイロットチームから成功体験を作り、徐々に理解者を増やすことで組織全体に広げていくのです。

そうすることで、より自律性の高いチームが構成されるようになります。

5.スモールスタートを意識する

パイロットチームでの運用とリンクしますが、最初はスモールスタートを意識することが重要です。

初手から大規模な変革を目指した場合、アジャイル型組織への理解度が低い、共感していないなどの理由から反発が生まれ、うまく機能しない可能性が高くなります。

組織の機能不全を起こさないためにも、最初は数名のチームでスモールスタートさせましょう。成功事例を積み上げていき、それを発信することで理解者を増やしていきます。

理解者やキーパーソンなどを巻き込んで、少しずつ規模を大きくしていくことによって、効果的に移行できるようになります。

6.全てをアジャイル型にする必要はない

アジャイル型組織へ移行する際、全ての部署や課、機能をアジャイル型にする必要はありません。

工場での業務や荷物の運搬、デリバリーなどはアジャイル型を導入することで逆に非効率になる可能性があります。

また、組織変革に時間や手間がかかり顧客に迷惑がかかってしまうことは避けましょう。組織の特性や会社の状況によっては、無理にアジャイル型を導入する必要はありません。

DX推進において核となる部署や、変革が求められている部署など、必要に応じてアジャイル型組織の導入の可否を検討しましょう。

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アジャイル型組織の成功事例

最後に、アジャイル型組織への移行に成功した代表的な企業である「Spotify」の事例を紹介します。Spotifyは世界178か国で3億8,100万人が利用する音楽配信サービスを提供してます(2021年11月時点)。

インターネットビジネスは変化が激しいことから、同社は柔軟かつスピーディに対応できるアジャイル型組織を採用。

大きな方向性は経営トップが示すものの、実行に関するほとんどの意思決定を従業員に任せています。その結果、運営コストを抑えながら、市場の変化に柔軟に対応できる組織作りを行いました。

Spotifyはサブスクリプションモデルを確立したことで、それまでの音楽の視聴スタイルを変革し顧客に対して新たな価値を提供することに成功。組織変革によるDX化を遂げたことで、世界最大の音楽配信サービスへと成長しました。

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DXに向けてアジャイル型組織への移行を検討

競争優位性を確立するために企業のDX化が求められる中、アジャイル型組織への注目度が増しています。

アジャイル型組織はDXを進めるにあたって、非常に役立つ組織体制です。市場や顧客ニーズへの柔軟な対応や従業員のモチベーションアップも期待できます。

今後DX推進を強化する企業の方は、ここで紹介した6つのポイントを意識した上で、アジャイル型組織への移行を検討してみてはいかがでしょうか。

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