DXの成功事例15選!先進企業から学ぶDX推進を成功させるポイント

2022/4/14 2022/08/06

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DXと成功した企業事例

デジタル技術によって企業変革を目指す「DX」に取り組む企業が増えています。日本企業の中にもDXによって業務効率化を図ったり、新ビジネスを創出している企業があります。本記事では、国内外の成功事例を15個紹介し、DX化を成功させるポイントも解説します。DX推進を助けるテクノロジーも合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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DX推進がもたらす効果やメリットとは

DXとは、「Digital Transformation」の略で、「デジタル技術を用いてビジネスや生活に変革を起こす」取り組みのことです。具体的には、ITシステムを利活用して、新しいビジネスモデルやサービスを創出したり、業務や組織などを改善して企業価値や企業の競争力を高めることなどが挙げられます。

すでにDXを推進している企業も多くあり、取り組んでいる内容や効果は企業によってさまざまです。ここでは、DX推進がもたらすメリットについてご紹介します。

(1)業務効率化ができる

企業活動においては、顧客管理や経理業務など、労力やコストが掛かる業務は少なくありません。DX推進により、そのような業務を効率化することが可能です。

例えば、CTIによるオペレーションの自動化や、MAツールやCRMなどによる顧客情報の一元管理などが挙げられます。

その他、企業内には会計システムや承認システムなどさまざまなシステムが存在しており、幅広い業務に対してIT技術を活用することで効率化を図ることが可能です。

(2)働き方改革の促進

DX推進により業務効率化が進めば、結果として働き方改革にもつながります。例えば、申請・承認業務を電子化することにより、自宅やコワーキングスペースなど外部から、時間を問わず処理が可能になります。またRPAの導入による自動化で業務を効率化できれば、労働時間の削減効果が期待できます。

(3)古いシステムからの脱却

企業内でDX推進を行うことは、古いシステムからの脱却にもつながります。古いシステムの場合、改修が繰り返されていくうちに複雑化・ブラックボックス化していることも少なくありません。そのため、運用や管理において、余計な手間や費用がかかってしまいがちです。

DX推進は、既存システムやレガシーシステムなどを見直す機会ともなり、無理や無駄の多いシステムからの脱却につながります。また、新システムの導入に合わせて社員に効率化の重要性を再認識させることで、社員の意識改革も期待できるでしょう。

(4)新しいビジネスが創出できる

DXの推進によってシステム化や効率化が実現されると、新しいビジネスモデルやサービスの創出に着手できるようになります。

複数のシステムと連動することでより多くのデータからニーズを分析できるようになるので、新たなビジネスのヒントやアイデア創出につながります。さらに、DXによる業務改革や組織改革が進めば、新しい部署や部門を設置するための人的リソースも確保しやすくなります。

新しいビジネスモデルが確立されることにより、企業価値や国内外での優位性が高まる可能性があります。

デジタルトランスフォーメーションはなぜDXと略される?”X”が指す意味とは

先進企業のDX成功事例15選を紹介

ここでは、IT技術や新システムを導入し、人件費削減や業務効率化を実現させたDX成功事例を15個厳選してご紹介します。

(1)国内企業

日本国内では、2018年に経済産業省がDX化の遅れに対して警鐘を鳴らすレポート(『DXレポート』)を発表しました。その後、数年の間に徐々に大手企業を中心にDX化が浸透してきています。ここでは、日本国内企業11社による事例を見ていきましょう。

#1: 株式会社セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスは、2021年から5年間にわたり「ラストワンマイルDXプラットフォーム」を実施しています。

ラストワンマイルDXプラットフォームとは、コンビニ商品を顧客に届けるまでの配送ルートを、AI(人工知能)で最適化するなど、IT技術を駆使して物流を変革させる取り組みです。コンビニ商品にとどまらず「e.デパチカ」などのデパートのIT化も推進し、多様化する顧客ニーズへの対応を図っています。

2022年3月現在、まだ効果は実証されていませんが、配送距離を最大約40%、車両台数を約45%削減するのが目標です。

#2: 日本郵船株式会社

日本郵船も、2018年からDX推進により新しい取り組みを実施しています。

例えば、フィリピン企業と共同開発した「MarCoPay(マルコペイ)」により外国でも利用可能な電子通貨プラットフォームを実現。船員とその家族の生活を支える新たな基盤作りを進めています。

また、船舶技術と先端技術を持った人材を育成する「NYKデジタルアカデミー」など、中長期的なDX推進にも取り組んでいます。

その他、液面計測器「Honesty」の開発では、タンク内液体の計測作業時間を従来比で約75%削減させるなど、DXによって業務効率化を加速させています。

#3: アサヒグループホールディングス株式会社

2015年から7年連続でDX銘柄として選定されているアサヒグループホールディングスは、DXの理念をもとにBX(ビジネス・トランスフォーメーション)を目指しています。

特に、自社内の人材育成に力を入れており、2020年にはValue Creation室(VC室)を設立してデジタル分析を行える人材を育成しています。社内研修には500名以上が参加し、データ分析の基礎からAI・機械学習など専門的な知識を学習しています。

#4: 株式会社ベネッセホールディングス

50年以上教育業界に携わってきたベネッセホールディングスもDXを推進しています。

200万人以上の学習履歴や内容をAIで分析してタブレットで配信することで、教室外でも良質な教育を受けられるシステムを確立。また、オンライン学習のプラットフォームを使った社員教育で、効率の良い人材育成を実現しています。

オンライン学習サービス「Udemy」では、自治体へ行政DX人材育成プログラムを提供し、利用した自治体職員のうち67%が「DX施策の検討ができるようになった」と回答しています。

#5: 凸版印刷株式会社

印刷や包装のみならず、ICカードなど幅広いジャンルに関わってきた凸版印刷もDX事業を新しく設立しました。

凸版印刷では、IoT機器をクラウドで運用する上でのセキュリティ通信の安全を守るサービスとして「トッパンセキュアアクティベートサービス」を提供しています。同サービスは、2019年にImpress DX Awardで準グランプリ(ネットワーク部門)を受賞しています。

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#6:株式会社りそなホールディングス

りそなホールディングスは、DX推進によりイノベーションを起こしています。

2018年にバンキングアプリ「りそなグループアプリ」をリリース後、約2年半で300万人以上が利用するサービスに成長しました。

同社はアプリの活用で、顧客に「いつでも」「どこでも」「簡単・便利」なサービスを提供。顧客接点の強化によって、ニーズを掘り起こし新しい価値の提案を目指しています。

また、CEO自らDX担当を統括してIT人材育成に積極的な姿勢を見せるなど、DX推進に注力しています。

#7: 株式会社ワコールホールディングス

大手インナーメーカーのワコールでは、3D計測サービスの「3D Smart&try」を提供しています。

顧客は、3D Smart&tryによって正確な体型が把握できるようになり商品選びの利便性が向上。ワコールは同サービスによって顧客データの収集が可能になり、搭載するAIで顧客に最適な商品を提案できるようになりました。

#8: 株式会社Mobility Technologies

日本交通の関連会社であるMobility Technologiesは、配車アプリ「JapanTaxi」と、その後継アプリ「GO」を提供しています。

世界中で利用されている「Uber」の日本版とも言えるサービスで、顧客はアプリ上で配車手配と決済(GO Pay利用の場合)が可能です。2021年10月時点で「GO」のダウンロード数は500万を突破し、国内最大規模のタクシーアプリとなりました。

今後同社は、IT技術を活かしてさまざまな情報の収集・活用を行うことで、「日本社会を支える基幹インフラの一つであるモビリティの発展をテクノロジーで牽引していく」ことを目指していきます。

#9: ブラザー工業株式会社

愛知県の電気メーカーであるブラザー工業は、IT技術により開発コストの削減に成功しました。

「プリンターIoTプロジェクト」では、社内外で集めたデータをデータレイクというシステムで一元的に管理し、AI分析に使用しています。

これまでは不具合の解消をイベントドリブン的に行っていたのに対し、DX化によって事前に原因の解消が可能になったことで、機械の不具合と改修にかかるコストを大幅に削減しました。

#10: 株式会社トライグループ

家庭教師のトライでお馴染みのトライグループは、​​中学生・高校生向け映像授業サービス「Try IT」の提供によって、個別学習のスタイルを変革させています。

「Try IT」は場所を選ばずいつでも利用できる無料サービスです。授業内容だけでなく自身の進捗管理も行えるのが特徴。

今まで対面で行っていたサービスをオンライン化することで「いつでも」利用可能となり、無料化することで経済的・地理的要因で教育を受けられなかった子どもたちも学習できるようになるなど、教育業界において新たな価値の創出に成功しました。

#11: 株式会社LIXIL

建材大手のLIXILも、社内業務や製造などにDXを活用しています。

非接触IoTに対応した建材を開発し、玄関のドアに触れることなく開閉できるアプリ「DOAC(ドアック)」を提供。リモコンやスマートホンなどで簡単に開閉ができるので、高齢者や車椅子利用者など誰でも安心して使えます。

社内業務の変革ではRPAとOCRを導入して、数百枚にも及ぶ帳票の処理を自動化し、作業効率化とミス防止を実現させました。

他にもIoTを中心に新規ビジネスに進出する計画もあるなど、DX化を加速させています。

DX推進にRPAは欠かせない?違いや関係性・活用ポイントを解説!

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(2)海外企業

次に、海外企業のDX事例を4つ紹介します。

#12: BMW

BMWは、AR(拡張現実)を利用してDXを進めています。

BMWはアプリ「BMW i Visualiser App」によって、新たな顧客体験を提供しています。同アプリを使うことで、顧客はカスタマイズされた自動車を実寸大で確認できるようになりました。

またアプリで自動車のライトやラジオなどの操作もできるので、よりリアルな映像をもとに購買判断が下せます。

BMWはデジタルチャネルの強化に加えて、販売・マーケティング活動のデジタル化によって、新たな顧客層の開拓も実現しています。

#13: Netflix

オンライン動画配信サービスとして有名なNetflixは、もともとはDVDを自宅まで届ける郵送サービスを行っていました。

DVDレンタル業界の低迷を受け、2007年からDVDのオンデマンド方式によるストリーミング配信を実施。2015年には日本にもストリーミング配信を展開し、今では世界中でNetflixのサービスが配信され、動画視聴のスタイルを変革させました。

#14: Amazon

Amazonは、通信販売サービスを中心にIT技術を用いて世界中のユーザーを巻き込んでいます。

ワンクリックで商品が購入できる利便性や、AIを活用したレコメンド機能など、これまでの消費者の購買行動を大きく変えました。他にも動画配信サービスや最先端テクノロジーを駆使した無人店舗なども展開してます。

Amazonは一般ユーザー向けにとどまらず、開発者のためのAWSサービスも展開し、エンジニアをサポート。消費者だけでなくビジネスシーンにも大きな影響を与え続けている数少ない企業です。

#15:Shake Shack

Shake Shackはニューヨークに拠点を持つハンバーガーチェーンで、デジタル技術を駆使したマーケティング活動に注力することで成果を出しています。

同社はオンラインで注文できる自社アプリを開発し、レコメンドやクロスセルなどのマーケティングを強化、さらに、ターゲット顧客に向けたキャンペーンなどで売上を着実に伸ばしています。

DX推進はどう始める?進めていく手順や成功させるためのポイント

DXを推進する際の障壁

DXを推進するにあたり、多くの企業で障壁となり得るのが、「社員の理解と協力」「システムの移行」「成果が出るまでの期間」という点です。それぞれについて見ていきましょう。

(1)全社的な協力が必要

DXの導入は、IT・情報システム部門のみならず、営業や商品開発、流通や製造など、社内の全部門が関連する取り組みです。そのため、全社員がDX化の目的と業務変革について理解し、協力する必要があります。

また、社員にDX化の目的を浸透させるためには、経営陣が率先して行動することが重要です。

(2)既存システムからの移行作業

改修やメンテナンスを重ねた既存システムは、仕様や運用方法、連携しているシステムなどが不明瞭になりがちです。新システム移行後に、業務に予測していなかった影響が出ることもあります。

このようなトラブルを回避するには、全部署から業務プロセスや使用しているシステム・ツールなどの情報を収集する必要があります。

(3)結果が出るまでに時間がかかる

DX化によって新システムやツールを導入して、早ければ1ヶ月ほどで業務効率の向上といった結果が確認できることもあります。一方、売上や利益、顧客数や市場占有率などは、すぐに結果として現れるものではありません。

DXは基本的に中長期の取り組みです。実際に、大手企業においてもDX実現までに3~5年といった期間を設けています。年単位のプロジェクトであることを念頭に置き、資金や人的リソースを確保しておくことが必要です。

2025年の崖とは?経産省のレポートの要点やDX推進のシナリオについて

DX推進を成功させるポイント

DX推進は、経営や事業の目的を達成してはじめて成功といえます。成功のポイントは「経営層」「具体性」「人材」です。それぞれについて見ていきましょう。

(1)経営層がコミットメントする

自社のDX戦略を決定するのは、経営層です。自社の経営戦略や事業戦略などをもとに、自社にとって最適なDX戦略を考案します。そのため、DX戦略の必要性は、経営層が最も理解しているはずです。

そこで、経営層が率先してコミットする姿勢を見せ、社員へメッセージを発信していくことが大切です。経営層が全部門の全社員をリードし、よい意味で巻き込みながらDXを進めて行くことが大切です。

(2)具体的な経営戦略や施策を作る

DX推進で経営戦略や事業戦略を目標に挙げていても、DXで得られるメリットや効果が経営戦略と連動しないようでは、DXを推進する意味がありません。また、DX推進そのものが目的となってしまっては本末転倒です。

そのため、経営層は経営戦略に関連するDX戦略を打ち立て、DX推進の目標を明確かつ明瞭にしなければなりません。特に定量的な指標や、具体的なツール・システムなどの提示が必要です。

(3)DX推進できる人材を確保する

そもそもIT人材が不足傾向にあることから、DX人材の確保は大きな企業課題になっています。そのため、ITエンジニアを自社内で育成するところから始める企業も見られます。

また、DX推進にかかわるリーダーやマネージャーなども育成する必要があります。さらに、一般社員に対しても、DXの基礎知識やツールの使い方などを教育しなければなりません。DX戦略の中で、このような教育を実施するための体制・環境の構築も同時に進めていくことも重要です。

DX人材に必要なスキルや知識とは?育成方法やマインドセットも解説

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DX推進を助けるテクノロジー

DX推進では、さまざまなシステムやツール、アプリなどを活用することになります。中には高度なIT技術を用いているものも少なくありません。ここでは、DX推進を助けるテクノロジーをご紹介します。

(1)AI

AI(Artificial Intelligence、人工知能)は、人間の思考をモデルとしており、膨大なデータをもとにした予測や判断、傾向や規則性の発見などが可能になります。AIはさまざまなシステムに搭載されており、音声認識や画像認識、予実予測なども可能です。

なお、AIにさまざまなデータを提示してパターンを学習させることを「機械学習」といいます。

(2)AR

AR(Augmented Reality、拡張現実)は、現実の風景と仮想の画像やアニメーションなどを重ねて表示する技術です。エンタメコンテンツで多く活用されており、ARを用いたスマートフォンアプリでは「Pokémon GO」が有名です。

(3)VR

VR(Virtual Reality、仮想現実)は、構築された仮想空間のみで完結する技術です。ゲームなどのエンタメ業界の他、医療や航空といった分野での教育シミュレートシステムにも採用されています。

(4)量子コンピューティング

量子コンピューティングとは、量子力学をもとにした「量子ビット」を用いたコンピューターを開発・活用することです。既存のコンピューターよりも高速かつ大量な処理が可能となります。

すでに一部の企業で実用化しており、住友商事株式会社では物流システムに量子コンピューターを活用し、既存業務の効率化や、エアモビリティにおける最適航路や運航ダイヤの設計などを進めています。

(5)ビッグデータ

ビッグデータとは、さまざまな種類や形式で集められたデータのことです。ビッグデータの取得では、とくに以下の3要素が重視されます。

  • Volume(量)
  • Variety(多様性)
  • Velocity(速度やタイミング)

なお、総務省のサイトでは、「スマートフォン等を通じた位置情報や行動履歴、インターネットやテレビでの視聴・消費行動等に関する情報、また小型化したセンサー等から得られる膨大なデータ」などが例として挙げられています。

[出典:総務省「情報通信白書 平成29年版」]

(6)RPA

RPA(Robotic Process Automation)は日本語に訳すと「ロボットによる業務プロセスの自動化」となります。RPAにおけるロボットとは、機械的な設備ではなく、システムやITツールを指します。

RPAの代表例として、帳票への入力や集計、転記といった定型の事務作業をツールで自動化することが挙げられます。

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先進企業の事例を参考にDX推進を成功させよう

経済産業省では「競争力維持・強化」のためにDXの推進が必要としています。DXは各企業によって最適な戦略が異なるので、まずは自社が取り組むべき課題を把握し、目的を決めることから始めなければなりません。

自社のDX戦略が定まらない場合は、先進企業の事例を参考にするのもひとつの方法です。中長期的な視点を持って全社で取り組み、DX推進を成功させていきましょう。

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