DXがもたらすメリット・デメリットとは?具体例を用いてわかりやすく解説

記事更新日:2022/06/06

DX

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DXとデジタル・AIによるメリット

昨今注目されているDXですが、そもそもDXを推進するメリット・デメリットはどのような点なのでしょうか。本記事では、DXを推進するメリットを6つ・デメリットを4つ解説します。DX推進の成功事例も紹介していますので、デジタル変革を行いたい方はぜひ参考にしてください。

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?

DXとは「Digital Transformation」の略語で、日本語では「デジタルによる変革」と訳されます。スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が、「デジタル技術が浸透することで、人々の生活により良い影響を与える」という考えから提唱したものです。

日本では、2018年に経済産業省が作成した「DX推進ガイドライン」で、DXについて次のように明記されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

出典:経済産業省「DX推進指標(サマリー)

DXを推進する目的

DXを推進する目的は、「競争優位性の向上」と「業務効率化」です。それぞれを詳しく解説していきます。

(1)競争優位性の向上

競争優位性とは、DXの推進により得られた技術やデータを活用し、競合他社よりも優位に立つことです。

デジタル技術の普及により、顧客の行動や嗜好にも変化が生まれています。変化する顧客のニーズや市場に柔軟に対応するためには、新たな技術やビジネスモデルを採用し、企業自体が大きく変わらなくてはなりません。つまり、変化なしには今後の厳しい市場では生き残れないのです。

DXの活用により新たなビジネスモデルを確立し、顧客との関係性が強化されれば、競合他社からシェアを奪う競争力の獲得にもつながるでしょう。

(2)業務効率化

DX推進においては、業務効率化も大きな目的の一つです。DX化する過程において、アナログからデジタルへの切り替えが必要になります。

また、アナログ作業をデジタル化することで、人為的ミスの削減や精度の向上、長時間労働の是正なども実現します。これにより、人手不足の解消や生産性の向上へ、さらにはその先にあるビジネスモデルの変革や組織改革へとつながります。

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DXを推進する6つのメリット

DXを推進することで、企業は多くのメリットを得られます。本記事では、以下の具体的な6つのメリットを確認していきましょう。

  1. 業務改善と生産性の向上
  2. 新たな商品やサービスの創出につながる
  3. 環境の変化に適応しやすい
  4. 働き方改革の推進につながる
  5. レガシーシステムからの脱却ができる
  6. BCPの充実が可能

(1)業務改善と生産性の向上

DXの目的でもある業務効率化により、業務改善と生産性の向上を実現します。DXに不可欠な業務のデジタル化は、作業時間の短縮や人員削減などに大きな効果があります。

既存のプロセスそのものをデジタル化することで、本来人的リソースを割くべき業務にリソースを割ける状態となり、企業全体の生産性が向上するのです。

(2)新たな商品やサービスの創出につながる

DXの推進により、これまで以上に顧客情報の収集や分析・解析が可能になります。例えば、SFAやCRMといったシステムを導入することで、部門間を横断して一元管理を実現し、精度の高い分析と施策へのフィードバックが可能になります。

これにより、変化する顧客のニーズを常に可視化し、把握することが可能です。顧客の購買情報や行動データ、定性データを活用すれば、今まで見えなかったニーズの発見や施策の立案、さらには新しい商品やサービスの創出にもつなげられる可能性が高くなるでしょう。

(3)環境の変化に適応しやすい

新型コロナウイルスの拡大で、急速に世の中を取り巻く環境が変化し、リモートワークを導入する企業が急増しました。このリモートワークの導入やスムーズな運用には、DXの推進が不可欠です。

コミュニケーションや業務管理などをツールを活用してデジタル化しておくことで、従業員が自宅などの離れた場所にいても生産性を低下させずに業務が進められます。このような、社会環境の急速な変化に適応できるのもDXを推進するメリットといえるでしょう。

(4)働き方改革の推進につながる

働き方改革が推進され、ワークライフバランスの観点が注目されるようになり、長時間労働の是正や多様な働き方が推奨されています。多様な働き方を実現するには、これまでのように全員が同じ時間に、同じ場所で仕事をするという前提の概念を変えなくてはなりません。

そのためには、チャットツールやタスク管理ツール、勤怠管理システムや電子契約システムなど、新たなデジタルツールの導入が必要不可欠です。このようなデジタルツールを活用したDXの推進は、働き方そのものの変革や長時間労働の是正による働き方改革の推進に大きな影響をもたらします。

(5)レガシーシステムからの脱却ができる

長期間に渡り刷新をしておらず、老朽化してしまった、あるいは担当者の変更等で詳細の運用がブラックボックス化したシステムを「レガシーシステム」と呼びます。

このレガシーシステムを利用し続けることで、メンテナンスや保守に無駄なコストが必要になる、あるいは適切なメンテナンスが実施できずトラブルに対応できないといったリスクを抱えてしまう問題があります。

このレガシーシステムを放置していると、2025〜2030年の間で最大12兆円の経済損失が出ると政府が示唆しており、「2025年の崖」と呼ばれ、問題視されています。

DXの推進により、この「レガシーシステム」と呼ばれる老朽化したシステムからの脱却を図ることが可能です。

(6)BCPの充実が可能

BCPとは「Business Continuity Plan」の略語で、日本語では「事業継続計画」と訳されます。地震や台風といった自然災害や、テロなどの非常時にも重要な業務を継続できるようにするための計画です。

DXを推進することで、状況や場所に左右されず、業務が進められる体制を構築でき、非常時における重要な業務が止まってしまうリスクを軽減することができます。

具体例を挙げると、例えば、自然災害によってオフィスに出社できない状況になったとしても、テレワークで業務を遂行できる体制を構築していれば対応は可能です。他にもペーパーレス化によって書類データ等をオンライン上に保存していれば、災害や火災などで紛失してしまうリスクもなくすことができます。

なぜ多くの企業はDX推進に失敗するのか?その理由や成功の秘訣とは

DXを推進する際の4つのデメリット

DXの推進には、メリットだけでなくデメリットもあります。DXを推進する前に、以下で解説する4つのデメリットについて理解しておくことが大切です。

  1. 初期費用やランニングコストが発生する
  2. 全社的な協力が必要
  3. システムの移行が困難なこともある
  4. 短期的に結果は出ない

(1)初期費用やランニングコストが発生する

DXに取り組むためには、システムやツールの導入が必要不可欠です。そのため、導入時には比較的高額な初期費用が必要となり、また継続的に維持するためのランニングコストも発生します。

この費用は、今までだと形としては必要なかったコストになるので、予算を渋ってしまうケースも少なくありません。特に中小企業では、予算の捻出が大きな課題になるでしょう。

あくまで、前提としてDXの目的やメリットとして非効率な業務の改善や新たなビジネスモデル・優位性の創出といった大きな効果があることをきちんと認識した上で予算設計をすることが重要です。

(2)全社的な協力が必要

DXを推進するには、会社全体に協力を求める必要があります。経営者だけが先走っても成功しないですし、逆に現場がいくらDXを進めるニーズがあっても経営陣にその意識があれば推進は不可能でしょう。

DXは、経営者を率先として、ITシステム担当者だけではなく、各部門の現場の声なども吸い上げながら全社的に進めていかなければ成功しません。

そのため、綿密に計画を立て、まずは各従業員にDXをなぜ進めるのか、なぜ大事なのかといった正しい理解を得なくてはなりません。その上で、一朝一夕では完了するものではなく、長期的に協力を仰ぎながら一丸となって推進できる体制を構築することが重要になります。

(3)システムの移行が困難なこともある

既存システムの利用期間が長い場合、業務の依存度が高く、新たなシステムを導入してもスムーズな移行ができない、あるいはシステム移行そのものが厳しい場合があります。

特に、ブラックボックス化したレガシーシステムの場合は、注意が必要です。データのフォーマットの統一やデータの正確性の確認、統合プロセスの精査など多くの順序を踏んでシステム移行を進めていかなくてはなりません。

このようなケースでは、システムの移行に膨大な時間と労力が必要になるだけでなく、専門性の高いIT人材がいないとそもそも対応できないといったケースもあるので、注意が必要です。

(4)短期的に結果は出ない

DX推進は、短期的にわかりやすく結果が出るというものではありません。効果が出るまでには、平均3〜5年が必要と言われています。

DXは企業戦略にとって必須要素になりつつありますが、まだ比較的新しい概念であり、「これをやれば必ず成功する」といったわかりやすい方程式は存在しません。

そのため、常に試行錯誤しながら自社の状況や予算、さらにはミッションに合わせたDX戦略を掲げて推進していくことが大切です。

DX化を推進する際のよくある課題

DXの推進には、多くの企業が直面する課題があります。代表的な5つの課題について解説していきます。

(1)人材の確保が困難

DXを推進するためには、最新のIT技術に関する知識が必要です。自社にデジタル技術に強い人材がいない場合には、新たに人材を確保しなくてはなりません。しかし、日本では少子高齢化に伴う労働力人口の減少が懸念されています。

なかでも、IT人材は需要に反して充分に育っておらず、人材不足は企業規模を問わず大きな課題です。自社でITに強い人材の育成を行う、あるいは外部のリソースを活用するなどの対策が必要になるでしょう。

DX人材に必要なスキルや知識とは?育成方法やマインドセットも解説

(2)IT投資が進まない

DXの推進には、新たなシステムやツールなどの導入が不可欠です。しかし、日本企業は、世界的に見てもIT投資にそれほど積極的ではありません。

欧米ではITを活用したビジネスモデルの変革のため、「攻めのIT投資」を行います。一方の日本では、業務効率化やコスト削減が目的の「守りのIT投資」が多いのが特徴です。DXの推進に欠かせない、IT投資への意識も課題の一つと言えるでしょう。

(3)経営戦略が曖昧

DXを推進するためには経営戦略が不可欠です。新しいデジタル技術を活用し、どのようにビジネスを成長させていくかを経営層が示さなければ、DXは進展しません。しかし、経営戦略が曖昧なまま機械的にデジタル化を進めている企業が多いです。

ただITシステムを導入しても、具体的な戦略がなければDXを推進しているとは言えません。デジタル化はあくまでも目の前の手段でしかなく、DXの推進では、自社のビジネスをどのように変革していくのかが大切な視点になります。

(4)テクノロジーに対する理解が浅い

近年、世界的に利用される新しいテクノロジーは、アメリカや中国などのIT先進国で開発されています。そのため、新しい技術や概念に関する情報が、英語でしか公開されていないケースも珍しくありません。

この情報を遅れることなく得るためには、英語力が必要です。しかし、日本には英語力に長けた人材が不足しており、日本語で情報を手に入れようと考える傾向にあります。その結果、情報に触れる機会を失ってしまう、あるいは情報に触れるスピードが遅くなってしまい、理解が浅いまま他国のグローバル企業に優位性を確保されるといったケースが発生します。

DX実現に不可欠な7つのテクノロジーとは?担う役割や活用事例を紹介

(5)システムがブラックボックス化している

部門ごとに異なるシステムを使っていると、各部門で使いやすいようにカスタマイズされ、システムが複雑化してしまうケースが多いです。さらに、属人化された運用により、運用がブラックボックス化してしまったレガシーシステムになってしまう可能性があります。

システムがブラックボックス化してしまうと、新たなシステムへのデータ移行が困難です。ブラックボックス化したシステムの仕組みの解明やデータの整備には、膨大な時間やコストがかかるため、DX推進の障害になってしまうのです。

DX推進に成功した具体的な事例5選

DXの推進には、メリットだけでなくデメリットや課題があることがわかりました。しかし、DXの推進に取り組み成果を出した企業も多くあります。ここでは、5つのDX成功例をご紹介します。

(1)ファミリーマート

ファミリーマートはDXの推進により、無人決済システムを実用化しています。仕組みは、店内に設置されたカメラで客が手に取った商品をリアルタイムで認識し、レジの前に立つと商品をスキャンしなくても金額が表示されるというものです。

決済方法は現金以外にも、クレジットカードや交通系ICカード、電子マネーなども対応しています。また、カメラの設置により、無人店舗の懸念とされる万引きや未成年飲酒の発生率も低いようです。

通常の店舗では従業員が最低2名必要だったところ、最低1名での営業が可能になり、人件費の削減にも成功しました。無人決済対応店は2021年3月末からオープンし、2024年度末までに1,000店を目標に出展を加速させています。

(2)ソフトバンク

ソフトバンクでは、大量の書類処理の業務効率化を実現しています。これまで、携帯電話を落としたとき、警察署などから届く「落とし物通知依頼書」をシステムへ転記する作業を、コールセンターで行っていました。

一日200件ほど届く依頼書を10人体制で転記していましたが、システム導入後、1人で作業が完結できるようになったのです。正確に書類を読み取れるため、従業員の負担が軽減され、ミスも減りました。その結果、他業務のリソース確保、人件費の削減を成功させています。

(3)メルカリ

DXにより個人間の売買システムを可能にしたメルカリでは、オンライン上にフリーマーケットを構築することに成功しました。従来のネットオークションではPCでの取引が一般的でしたが、スマホで簡単に売買できるシステムにより、個人間での取引のハードルが低下しました。

インターネット上で取引が完結し、場所や時間にとらわれず利用できる利便性が評価され、またたく間に普及。2019年以降、「メルペイ」というスマホ決済サービスにも新規参入し、サービスを拡大しています。

(4)日本郵便

日本郵便では、ドローンや配送ロボットを連携して郵便物などを配送する試みを開始しました。ドローンの活用により、輸送コストのかかる山間部や離島などの地域でも、迅速・安全な配送を目指しています。

ネット通販の拡大により、物流量は増加する一方です。それに伴い、人手不足や配達員の過度な負担が課題になっています。ドローンや配送ロボの活用により、人手不足の解消や配達員の負担軽減が期待されているのです。

また、陸路では輸送に時間がかかってしまう場所でも、ドローンが空から直線距離で移動することで、時間短縮が見込まれます。

(5)JTB

旅行会社JTBでは、ナビタイムジャパン、日本マイクロソフトと共同で外国人旅行者向けのアプリ「JAPAN Trip Navigator」を開発しました。日本全国の観光スポット情報を1万件以上見ることができ、詳細な経路検索やアクティビティ・飲食店予約機能など、訪日外国人に必要な機能を多数搭載しています。

アプリを利用した訪日外国人の、行動や嗜好のデータを分析することで、インバウンド戦略に取り組む企業をよりサポートできるようになりました。

メリット・デメリットを把握した上でDX推進へ

DX推進の成功は、企業に大きな利益と躍進をもたらします。しかし、DXの推進の実態は、まだまだ企業の課題も多く、簡単に実現するものではありません。まずは、メリット・デメリットを含めて、DXについて正しい理解を深めることが大切です。

その上で、DXが必要な理由や目的を明確にし、自社に沿った最適な戦略を立て、小さな第一歩からDX推進を進められるようにしましょう。

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