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DXプロジェクトの進め方とは?重要性や成功させる秘訣を紹介

2022/04/15 2023/04/05

DX

DX

DXプロジェクト

DXが注目されている昨今、様々な企業でDXプロジェクトが進行しています。しかし、成功には多くの課題が残っているのも事実です。本記事では、そんなDXプロジェクトについて、推進のコツやマネジメントについてなど詳しく解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

福本大一

監修者 福本大一 株式会社kubellパートナー  アシスタント事業本部|ユニット長 大学卒業後、toC領域のWEBメディア事業で起業。事業グロースに向けたSEO戦略から営業・運用広告に従事し、約2年間の経営を経て事業譲渡。2021年3月からChatwork株式会社(現:株式会社kubell)に入社し、カスタマーマーケティングやアライアンスを経験した後、メディア事業・運用広告事業の責任者としてミッションを遂行する。現在は、DXソリューション推進部のマネージャーとして新規事業領域のセールス・マーケティング・アライアンス・メディア事業を統括。

DXプロジェクトとは?

DXプロジェクトとは、端的にはDXを推進するためのプランです。具体的には、組織マインドや新しいプラットフォームの活用など企業内部の変革を行いながら、新しいビジネスモデルによって顧客に提供する価値を創出し、競争優位性を確立するためのプランを指します。

そのため、単に業務やシステムのデジタル化をゴールにするのではなく、より良い顧客価値を創造し、競争優位性を確立することが目的である点を忘れてはいけません。

また、一度きりで終わるプロジェクトではなく、継続的な変革が必要です。

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DX推進が注目される背景について

DX推進が注目されている背景として、企業が組織や市場の急速な変化や多様化するニーズに対応できる組織づくりを進めなければ、企業の競争力は徐々に失われていく状況が予測されている点が挙げられます。

ITやネットが普及している昨今において、これまでに利用していたシステムやツールとは違った最新のものが数多く開発されて世の中に浸透しています。これらのツールを先んじて取り入れていかないと競争力という視点で同業他社に置いてかれてしまいます。

また、2025年を境に21年以上使われている基幹システムが6割を超える・著名な基幹システムのサポートが終了するなどの側面もあり、DX推進が急務となっているのです。

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DXプロジェクト推進の重要性

上記のとおり、DXプロジェクト推進の背景については、著しいビジネス環境の変化が関係しています。ここでは、DXプロジェクトを推進する重要性を次の3つのポイントに沿って紹介していきます。

  • 将来的に蓄積したデータの活用ができなくなるため
  • 技術的負債増加するため
  • IT分野でリスクが高まるため

将来的に蓄積したデータの活用ができなくなる

近年、物理的または仮想的にモノがつながるインフラ(IoT)が普及していることなどから、企業が取り扱うデータは、質・量ともに爆発的に増加したといわれています。「ビッグデータ」と呼ばれるこれらのデータは、すでに多くのビジネスにおいて活用され、顧客体験の最適化や業務の効率化などその効果を発揮しています。

しかし、現在利用している既存のツーrやサービスがブラックボックス化してしまうと、これまでに蓄積してきた数々のデータを使えなくなってしまいます。

特に2025年の崖でも示されているように2025年を境に既存のツールやシステムは使えなくなると言われており、DXを推進していない状況が続くと多大な経済損失を被るリスクがあります。

このようなリスクが生まれないためにも、DXプロジェクトを推進して企業間の競争に勝ち抜いていかなければならないのです。

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技術的負債増加するため

経済産業省が公表したDXレポートでは、多くの企業がレガシーシステムを抱えており、DX推進の足かせになっているという点を取り上げています。(原資料は一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)

7割程度が、「レガシーシステムがデジタル化への進展への足かせ」になっていると回答。9割以上が、「レガシーシステムからの脱却・更新の必要性」を感じている

[出典:一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会「デジタル化の進展に対する意識調査(2017.05.15)」]

なお、レガシーシステムは一般的には古い技術要素で構築されたシステムを指しますが、具体的には、複雑で業務遂行や改善に支障があるシステム、また、ドキュメントが整備されておらず、属人的な運用・保守が行われているシステムなどが挙げられます。

そしてこのレガシーシステムの中には、短期的な目線で開発され、長期的に見てコストが高騰しているものも多いのが現状です。このようなコストは技術的負債と呼ばれ、攻めのIT投資にリソースを向けにくい要因のひとつだと指摘されています。

当然、技術的負債を負うことは避けるべきであり、このような点も考慮しつつDXプロジェクトを推進していくべきでしょう。

レガシーシステムとは?DX推進を阻む原因や放置するリスクについて

IT分野でリスクが高まるため

IT分野で高まるリスクとして、レガシーシステムに対応できる人材がいなくなるリスク(危険)が挙げられます。というのも、取り扱いに関するドキュメントが整備されず属人的に運用されてきたシステムは、時間の経過によってブラックボックス化し、誰も手を付けられなくなるからです。

今後、老朽化したシステムの仕様を把握している人材がリタイアしていくため、そのメンテナンスのスキルを持つ人材が枯渇していくことから、どのようにメンテナンスしていくかという課題もある。

[出典:経済産業省「DXレポート」]

そもそも日本では、システムの管理はベンダー任せの企業も多く、ユーザー企業にはIT分野のエンジニアが不在なケースは珍しくありません。そのため、社内にノウハウが蓄積しにくいという課題を抱えていました。

それに加え、終身雇用を前提とした日本の雇用文化では、ノウハウをドキュメントにまとめて残すという作業が行われにくいのです。

2025年の崖とは?経産省のレポートの要点やDX推進のシナリオをわかりやすく解説

DXプロジェクトを成功に導く進め方

DXプロジェクトを成功に導く進め方は、次のとおりです。順に解説していきます。

  • STEP1:DX推進の目的を正しく認識
  • STEP2:綿密な計画の立案
  • STEP3:現状の可視化
  • STEP4:迅速な問題解決
  • STEP5:評価・フィードバック

STEP1:DX推進の目的を正しく認識

まずは、DX推進の目的を正しく認識することが重要です。そもそもDXにおける具体的な目的を立てることは簡単ではありませんが、当然、一定のゴールを見据えないとプロジェクトは開始できません。

なお、DXは単に「改善」や「業務効率化」と捉えられることもありますが、経済産業省のDXレポートで紹介されている定義によると、その本質はイノベーション(変革)をもたらすことにあります。

そのため、「DXに成功した」と捉えるにはビジネスモデルを変革させるほどのインパクトが必要といえます。

STEP2:現状の可視化

まずは、現状の課題や業務フローの棚卸しを行います。現状を可視化することでデジタル化を導入すべき業務や優先順位が明らかとなり、正確な計画の立案が可能になります。

現状の課題の可視化ができていないと、DXプロジェクトの目的や推進していく上での指標が立てにくく、途中で頓挫してしまったりイメージしていたような結果を得られないなどのリスクが考えられます。コストと人員を投入した意味合いがなくなってしまうので十分に注意しておく必要があります。

STEP3:綿密な計画の立案

目的が設定されたら、綿密な計画の立案を行いましょう。計画立案におけるポイントは次のとおりです。

  • どのような作業が必要なのか
  • どのような順序で行うべきか
  • 誰を担当とするか
  • いつからいつまで行うか

もちろん、ヒトやカネといったリソース面から実現可能なものとしなければなりません。立案した計画が不透明なものになってしまうと、プロジェクトが大幅に遅れてしまうリスクが考えられます。

また、いつまでにおこなうかという項目は非常に重要な項目であり、立てた計画に対して時間が大幅にかかってしまうと、メンバーのモチベーションや推進する目的が不透明になります。

実現可能な目的を立てた上で現実味のある期日を設定するようにしましょう。

STEP4:迅速な問題解決

DXプロジェクトの推進においては、問題解決に至るまでの期間を短縮する必要があります。そもそもDXでは、環境変化に対してスピード感を持って対応することが求められているからです。

発生した問題に対しての対処が遅くなってしまうと、DXプロジェクトが中々進まないリスクも十分に考えられます。問題解決へのフローはあらかじめ整理しておきましょう。

STEP5:評価・フィードバック

DXプロジェクトの進捗は、都度、評価・フィードバックを行いましょう。DXの推進は、必ずしも計画通りに進むとは限りません。

評価とフィードバックを定期的に行うことで、プロジェクトが計画から乖離するようなことが発生しても、迅速に対策を講じることができ、大きなトラブルへの発展を防ぐことができます。

企業がDX推進に失敗する5つの原因|成功させるための秘訣と事例を紹介!

DXプロジェクト推進における課題・失敗する例

DXプロジェクトを推進する重要性を紹介してきましたが、実際にDXプロジェクトを推進してきた企業が簡単に成功しているわけではありません。

DXプロジェクト推進には、以下のような多くの課題が存在します。ここでは、それぞれを詳しく解説していきます。

  • 要件に正解がない
  • 実績の少ない技術の使用
  • 多様な人材によるコミュニケーションの難しさ
  • 多くの変化への対応が必要になる
  • 責任者を担えるDX人材の不足
  • 正確な計画を立てにくい

要件に正解がない

DXプロジェクトにおいて、要件に正解はありません。そもそもDXプロジェクトは、新しいビジネスモデルによって顧客に提供する価値を創出して競争優位性を確立するためのプランです。

企業によって具体的にどのような変革をするのか、その結果どのような競争優位性を確立するのかといった具体的なプロセスやゴールは変わります。

いざDXプロジェクトを推進しようとしても、目指すべきゴール(ビジョン)を明確にすることは容易ではないでしょう。

DX推進には不可欠なビジョンとロードマップ策定の重要性について

実績の少ない技術の使用

AIやIoT、ビッグデータといった先端IT技術は、日々進化しているため、DXプロジェクトの推進においては、実績の少ないデジタル技術を使用する機会もあるかもしれません。その場合、すでに確立されたモデルに比べ、どうしても不確実性(リスク)が大きくなりがちです。

経営者からすると先進的な技術を活用したサービスを導入したいと考えますが、実際に実績のない技術を実用化するためには、多くの困難があることも把握しておくべきでしょう。

DX実現に不可欠な7つのテクノロジーとは?担う役割や活用事例を紹介

多様な人材によるコミュニケーションの難しさ

DXプロジェクトは、全社を挙げて取り組んでいくプロジェクトです。しかし、比較的小規模の企業ならまだしも、大企業の場合はコミュニケーションは難しくなってしまいます。

経営層だけでなく、各事業部門の担当者まで「新たな挑戦を積極的に行う」というマインドセットとカルチャーの形成が必要です。また、コストとリソースを投じてDXプロジェクトを進めていくことになるので、社内の理解を得る必要もあります。

社内の多くの社員を巻き込んで進めていく必要があるので、プロジェクトを進める前の段階である程度の周知をしつつ円滑なコミュニケーションを取れるようにしましょう。

多くの変化への対応が必要になる

DXプロジェクトにおいては、これまでの常識を覆すことが重要です。そのため、その変化を受け入れ難いと感じる社員もいるかもしれません。

スムーズなプロジェクトの推進にあたっては、社内外に向けたDX実現によるメリットへの理解や社員の意識改革が必要となるでしょう。実際の導入に際しては、既存の業務の棚卸や業務フローの見直しも求められます。

責任者を担えるDX人材の不足

DXを進めるうえで、責任者を担えるDX人材の不足は大きな問題です。

当然、DXプロジェクトの推進にはDXを推進できる人材が必要となりますが、ひと口にDX人材といっても、真に必要なDX人材は企業が掲げるビジョンによって異なります。

DX人材に求められる、ITの基礎知識、自社組織の現状や事業・市場への深い理解を兼ね備えた人材を見つけ出すのは簡単なことではありません。

DX人材に必要なスキルや知識とは?育成方法やマインドセットも解説

正確な計画を立てにくい

DXプロジェクトの推進は、正確な計画を立てにくいことも課題として挙げられます。DXの推進は、「未知の領域」である要素も多く含まれるため、従来どおりのプロジェクトの立て方が通用しないこともあるためです。

これはDX人材の不足に起因する課題ともいえますが、実際に「何から着手すべきなのか」、「自社の何がDX化できるのか」が分からないケースは少なくはありません。

DXのビジョンや段階的な計画が明確になっていなければ、多額の予算を投資しても思うようなDXの効果が得られないこともあるのです。

DX推進は3段階のフェーズがある?各プロセスの定義や進め方について

DXプロジェクトを成功させるアイデア

次に、DXプロジェクトを成功させるアイデアを以下のポイントに絞ってご紹介します。

  • 経営陣に協力を仰ぐ
  • 役割を明確にする
  • DX人材を育成する
  • コミュニケーションの機会を増やす
  • スモールスタートで実施していく
  • 必要なツール・システムを導入する

経営陣に協力を仰ぐ

DXプロジェクトは全社を挙げて取り組むべきものですから、経営陣の協力がなければ成功は困難となります。経営陣が最初の旗振りを行ったとしても、進捗は「聞くだけ」の状態となっている場合にも成功しにくいといえるでしょう。

そのため、経営陣の積極的なコミットメントはプロジェクトの成功に向けて必要不可欠な要素のひとつです。

役割を明確にする

組織として、プロジェクトを円滑に進めるためにはメンバーの役割を明確にすることが重要です。「やること」ではなく「役割」を共有し、プロジェクトを円滑に進めていきましょう。

特にDXプロジェクトを進めていく中では、抽象度が高い課題が発生するケースもあり、役割が明確に割り振られていないと課題を解決できずに滞ってしまうリスクもあります。

円滑に進めていくためにも、従業員のスキルや知見に応じて最適なポジションを用意しておくようにしましょう。

DX推進で経営者が担う役割とは?よくある課題や成功へ導く考え方

DX人材を育成する

DXプロジェクトは、DX人材がいなければ進められません。現時点ではDX人材を確保しているつもりでも、現時点の人材が将来にわたって確保できるとは限らないことに注意が必要です。

特に現代ではDX人材の不足が問題となっており、採用しようとしても中々良い人材に巡り会えないケースが考えられます。そのため、自社での育成や外注できそうな人材を見つけるなどの対応も重要です。

コミュニケーションの機会を増やす

DXプロジェクトは全社横断的な取り組みとなるため、コミュニケーションを取りつつ進めていくことが重要です。コミュニケーションの重要性をメンバーに認識させつつ、コミュニケーションを気軽に取れる仕組みを構築しましょう。

DX推進を成功させる組織とは?組織変革のポイントや成功事例を解説

スモールスタートで実施していく

DXプロジェクトは、できる限り小さい規模からスモールスタートで実施していくことがおすすめです。というのも、業務フローの大幅な変更や組織改革を伴うDXにおいては、混乱がつきものです。そのため、一気に推し進めてしまうと、多発したトラブルを収拾することができずに業務がストップしてしまうリスクもあるのです。

一部の部署や特定の社員を設定し、その社員とのディスカッションをして推進していくことで精度の高いDXプロジェクトが実現します。

必要なツール・システムを導入する

自社にとって必要なツールやシステムは積極的に導入を検討しましょう。「自社の業務にあったツール」ではなく、「自社の業務をツールにあわせる」ことで大幅な業務効率化が実現できるのか、という柔軟な視点を持つことも必要です。

なお、適していないシステムやツールを導入してしまうと、課題となっている部分のDXが進まずに失敗に終わってしまうリスクも考えられます。課題を明確にした上でどのようなツールを導入すれば良いのか考えてみましょう。

DX推進に役立つツールを一覧で紹介!比較ポイントや導入方法・注意点を解説

DXプロジェクト推進の重要性を理解して成功へ

本記事では、DXプロジェクトの重要性や成功させるためのコツなどを紹介しました。DXは、デジタル社会における企業の競争力維持に必要不可欠な取り組みであることがお分かりいただけたかと思います。

ぜひここでご紹介した内容を参考にしつつ、組織のDX化、および新しいビジネスチャンスの創出を実現してください。

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中小企業こそDX推進が重要?現状の課題や成功へ導くポイントを解説

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