DXが進まない大企業の課題とは?現状や推進するための改善方法を解説

記事更新日:2022/06/08

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大企業のオフィスとDX推進

中小企業だけでなく大企業も、DXが進まないことがあります。その課題はどこにあるのでしょうか。本記事では、大企業のDX取り組みの現状やDXが進まない大企業ならではの課題を紹介します。大企業のDX成功事例も紹介するので、参考にしてください。

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大企業のDX推進の現状について

既存のITシステムの老朽化や複雑化、ブラックボックス化により、2025年前後に多くの大企業が多大な損害を出す可能性があるといわれています。その対策としてDXの推進が急がれていますが、実際にはなかなか進展していないのが現状です。

DXに取り組んでいる大企業の割合

一般社団法人「中小企業個人情報セキュリティー推進協会(※)」が2021年に行った調査によると、大手企業(従業員数300名以上)の管理職216名のうち、82.9%が「社内でDXに取り組んでいる」と回答しています

この結果からも、大企業のほとんどがDXの推進に取り組んでいることがわかります。では、推進状況はどのような状況なのでしょうか。

[※参照:一般社団法人中小企業個人情報セキュリティー推進協会 「大手企業におけるDX推進」の実態調査]

2025年の崖とは?経産省のレポートの要点やDX推進のシナリオについて

大企業におけるDXの推進状況

同調査で「DXに取り組んでいる」と答えた人に対し、自社におけるDX推進状況を尋ねたところ、「非常に取り組んでいる」が48.0%、「一部の部署などでやや取り組んでいる」が44.7%という結果でした。

約半数の企業が重要事項としてDXに取り組んでいる一方、一部の部署の取り組みに留まっている企業も多いことがわかります。

また、「DX推進で課題と感じることは何か」という問い(複数回答可能)に対しては、「DX推進のための人材不足」が63.7%、「DX推進のアイディアや企画・戦略立案が難しい」が58.1%、「データが適切に管理できるか、情報漏洩しないか不安がある」が43.0%と回答されています。

以上のように、DXの推進に課題や不安を感じている企業も多いのです。

日本のDX推進の現状とは?海外との比較や遅れている理由について

DXが捗らない大企業ならではの課題

多くの大企業がDXに取り組んでいる一方で、推進が捗らない大企業ならではの課題も浮き彫りになっています。大企業が抱える主な課題について確認していきましょう。

(1)DXの目的がわからないままなんとなく進めてしまう

DXの目的は、デジタル技術を活用して組織やビジネスの変革を行うことです。ただ単に、最新のテクノロジーを導入することが目的ではありません。そのため、自社が「どのようにビジネスを成長させたいのか」、「なぜDXをしなくてはならないのか」を目的を明確にする必要があります。

しかし、実際には目的が明確になっておらず、なんとなく進めているという企業も少なくありません。大企業だと会社規模も大きい為、DXを行う本来の目的が薄れてしまうことがあります。DXの本質や必要性を理解しなければ、取り組みが進まないのは当然のことだと言えるでしょう。

(2)多大なエネルギーが発生する

大企業には、これまで事業を拡大してきた成功体験があるため、現状を維持したいという意見が潜在的に存在します。

また、自分の業務にかかる負担や影響を考える人も多く、自然と抵抗する力も大きくなりがちです。会社をあげたDXへの取り組みには、大きなエネルギーが必要になることも、課題の1つと言えるでしょう。

(3)DX推進組織を立ち上げるだけで終わってしまう

社内でDXを推進する組織を立ち上げただけで終わってしまうのも、大企業ならではの課題です。組織を立ち上げたものの、後は丸投げしてフォローや支援を怠るケースは少なくありません。

DXは組織全体を抜本的に変える改革なので、経営層の判断が必要になる場合も多いです。そのため、経営層の継続的な働きかけは欠かせません。

(4)DXの必要性を感じていないため挑戦しない姿勢がある

DXの目的は前例に捉われることなく、根本からビジネスモデルや組織を変化させていくことです。そのためには、新たなテクノロジーの導入も必要になります。

しかし、大企業ほど部署や部門が多く、DXを推進することでどのような変化があるのかすぐには可視化できず、そもそもDXを推進していくことに必要性をあまり感じないケースもあります。よって、新たなテクノロジーへの挑戦やDX推進に意欲的ではない姿勢が強いようです。

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企業規模に関係なく起こるDX推進に対する課題

DX推進における課題の中には、大企業に限らず日本の企業が共通して抱えている課題もあります。詳しく見ていきましょう。

(1)経営戦略が定まっていない

DXの推進には、企業ごとの明確な目的が必要です。つまり、経営戦略を定めなくてはなりません。しかし、DXを活用した経営戦略を定められていない企業が多いです。

テクノロジーやAI導入によって、「どのように組織を変えていくか」「どんなビジネスを展開していくか」など、経営層が戦略を明確に策定し、コミットメントする必要があります。

(2)IT人材不足

日本のIT分野においては、企業が外部ベンダーにシステム運用や改修を委託する下請け構造が主流です。この下請け構造によって、社内に高いITスキルを持った人材を育成する機会が失われ、結果としてDXが進まない大きな要因になっています。

さらに、労働人口の減少やIT人材の需要ギャップによる根本的な人材不足も深刻です。DXの推進を加速させる優秀な人材の確保が、より一層難しくなっていくと予想されています。

(3)IT投資が進まない

DX推進には、既存システムを見直し、新たなIT技術への投資が不可欠です。アメリカでは、ITを使った製品開発など、新しいテクノロジーへの投資が積極的に行われています。しかし、日本では新たな価値を生まない保守的な投資が多いのが特徴です。

その結果、日本企業の既存システムの深刻な老朽化を招きました。日本においては、IT投資への意識を根本から見直す必要があります。

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大企業のDXを推進をするために必要な改善方法

大企業のDX導入に難しさを感じている場合、どのように取り組みを行えば良いのでしょうか。大企業のDX推進をするために必要な3つの改善方法をご紹介します。

(1)経営トップがコミットメントする

DXとは、多数の部門を巻き込み、企業全体の組織を抜本的に変えるための働きかけです。大企業では実に多くの部署が存在しており、それぞれの部署でDXを行う目的や意味を見失いがちです。

そのためには、まずは経営トップが積極的にDX推進にコミットメントする必要があります。トップが目的意識を持ち、企業をどのように変革するかを明確にしなくては、会社全体が動くことはありません。

また、DXの推進により、従業員の業務内容がガラリと変わってしまうこともありえます。そのため、経営トップによる強力なリーダーシップと中長期的な視点を持って進めていく必要があるのです。

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(2)一貫性を持ったシステム構築をする

日本の企業の多くが、老朽化・複雑化したシステムを使い続けています。しかも、部門ごとに異なるシステムを使っていることが多い為、データを有効に活用できていません。多くの部署や部門が存在する大企業では情報の一元化をしなければ、売上や新規顧客の機会損失に繋がります。

DX成功のためには、一貫性を持ったシステムの構築が必要です。会社全体で情報やデータが活用できるシステムが構築できれば、企業として大きな競争力向上や他社との優位性に期待ができます。

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(3)DXを推進できるIT人材の採用・育成

日本企業では、IT分野に関して外部委託に頼ることが多く、IT人材の社内リソースが少ない傾向があります。DX推進においてIT人材不足は大きな問題であり、これを解決するためには社内にIT人材を採用し、育成することが急務です。

また、せっかく良い人材が現れても、適所に配置されず力を発揮できずに離職してしまうこともあります。経営トップがしっかりとリーダーシップを取り、IT人材が円滑に改革を進めるための環境整備をすることも大切です。

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大企業のDX成功事例5選を紹介

ここからは、DXに成功した大企業の事例を5つご紹介していきます。

(1)ソニー損保保険

ソニー損保保険は、AIを使ったスマホアプリで運転手の事故リスクを算出することを可能にしました。以前は、運転手のスキルや傾向を把握する手立てがなかったので、事故リスクを正確に測ることができませんでした。

しかし、スマホアプリを使って運転中のデータ収集を行うことで、事故リスクの算出が可能になったのです。これにより、AIが安全運転であると判断した運転手に対して、有利な条件を提示する「GOOD DRIVE」という画期的な保険商品の開発が実現しました。

(2)日本交通

日本交通株式会社はAIを使った配車システムを開発し、業務効率化や顧客満足度の向上を実現しました。従来のシステムでは、タクシーの需要が把握できず、稼働率が上がらないことが課題でした。

そこで、交通機関の状況やイベント情報、気象状況など、データをAI分析してタクシー需要を予測するシステムを開発したのです。その結果、大幅な稼働率の向上に成功。また、利用者もアプリで簡単に配車できるようになり、満足度が上がりました。

(3)富士フイルム株式会社

富士フイルムは、2000年代にDXの危機感を経験しているといえます。カメラ・写真におけるフィルムからデジタルへの変革期を経て、既存のビジネスモデルに縛られることの危険性を実感してきているからです。

そのため、富士フイルムは、積極的に新規事業に取り組んでいく重要性を理解しています。これまでの知見を活かしながら、「デジタル変革委員会」を設置し、新規事業を打ち出す取り組みを続けているのです。課題設定力がある社員が委員会に選出され、全社横断的に取り組むテーマを設定した上でDXを進めています。

(4)トヨタ株式会社

トヨタ株式会社が成功した取り組みは、営業システムのデジタル化です。トヨタの販売会社では、共通の営業支援システムを利用していました。しかし、全国に約280社ある販売会社では、各地域の特性に合った営業を行うため、個別のシステムも活用されていたのです。

そこで、既存の基幹システムと新たに導入したクラウド型CRMを連携させることで、顧客情報の一元管理を実現させました。さらに、クラウド型の特徴である柔軟性やリアルタイム性を活かして、全国の販売会社でデータを活用できる仕組みを整えたのです。

(5)Uber

UberはDXの代表的な成功事例の1つです。日本では、料理の宅配サービスとして浸透しているUberですが、もともとはアメリカで、配車サービスとして誕生しました。

Uberのサービスによって、運転手は空いた時間を活用して仕事ができるようになりました。また、ユーザーは、タクシーが普及していないエリアでも利用できるようになったのです。さらに、料金はすべてアプリ経由でUberに払うため、料金が明瞭になり、多様な決済方法に対応できるようになりました。

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試行錯誤を重ねながらDX推進と向き合うことが重要

DXの推進は、中小企業よりも事業規模や従業員が多い大企業の方が、難しい一面があるのも事実です。会社を根本から変化させることを、短期間で行うのは簡単なことではありません。実際に、DXが進展していないと感じている大企業が多いことが、それを示しています。

大企業がDXを推進するためには、経営層が目的を明確にし、力強いリーダーシップで長期的に取り組んでいくしかありません。試行錯誤を繰り返しながら、DX推進と向き合うことが何よりも重要です。

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