DXとデジタル化は何が違う?それぞれの正しい意味や目的・重要性を解説

2022/4/12 2022/06/06

DX

DX

デジタル化とDXの関係性について

DXとデジタル化は似ているワードですが、具体的にどのような点が違うのでしょうか。実は、DX化を進めるために実現するのがデジタル化であり、両者は密接に関係している言葉になります。本記事では、DXとデジタル化それぞれの違いや正しい意味、関係性を紹介します。

DXの正しい意味とは

DXとは、「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略語で、2004年にスウェーデンの大学教授により提唱されました。「デジタル技術が浸透することで、人々の生活によりよい影響を与える」という考えです。

日本では経済産業省が2018年に「DX推進ガイドライン」を作成し、DXを以下のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

出典:経済産業省「DX推進指標(サマリー)

DXの目的

DXの目的は、業務やそのプロセスを単純にデジタルやIT技術に置き換えることではありません。デジタル技術を活用して、根本からビジネスモデルや組織、企業文化などを変化させていくものです。

これにより、経済産業省の定義にもあるように、企業の競争力を向上させることを目的としています。

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デジタル化の正しい意味とは

デジタル化とは「既存のプロセスにデジタル技術を導入して効率化すること」を指します。簡単に言うと「アナログをデジタルに置き換えること」です。

例えば、ITシステムが導入される前の情報伝達方法は、電話やFAX、書類などが主でしたが、現在ではメールやチャット、ビデオ会議などが利用されています。

デジタル化の目的

デジタル化の目的は、ビジネスプロセスにおいて、ITシステムやツールの活用により業務効率化をはかることです。業務の負荷を軽減し、コスト削減や生産性向上のために行います。

DXとデジタル化の違いと関係性

DXはデジタル技術によって既存の業務プロセスやビジネスモデル、企業文化を変革すること、デジタル化は既存のプロセスのなかでデジタル技術を導入することで効率化を図ることです。

すなわち、DX推進のためにはまず、ワークフローや既存業務をデジタル化することが前提となり、関係性としては、デジタル化はDXの一部であり、DXを「ゴール」とするのであれば、デジタル化は「スタート」だと考えることができるでしょう。

デジタイゼーションとデジタライゼーションとは

DXを実現するには、デジタル化の「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」の2段階が必要です。よく似た言葉ですがそれぞれの言葉の概念は異なります。

デジタイゼーションとは、先述したデジタル化の意味である「アナログをデジタルに変えること」です。ペーパーレス化などはデジタイゼーションと言えます。

デジタライゼーションとは、「業務プロセスをデジタル化し新しいサービスなど付加価値を付けること」です。電子化した請求書を会計システム上で管理したり、売上データを利用して顧客満足度の向上に活用したりすることを指します。

分かりやすい具体例ではCD、DVDのレンタルサービスが、動画配信サービスに転換することもデジタライゼーションにあたります。

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DXの重要性について

なぜDXは重要とされ、企業は積極的に取り組むべきなのでしょうか。主な4つの理由について解説していきます。

(1)市場競争力の強化

DXは、企業が市場競争力を強化するために非常に重要です。これまで市場を牽引してきた企業でも、既存のビジネスプロセスのままでは、変化が激しい昨今の世の中だとシェアを保ち続けることが困難です。

先進的なデジタル技術を取り入れた新規参入企業が現れた場合、一気にシェアを奪われてしまう可能性もあります。DXに取り組むことは、日本市場はもちろん、グローバル市場において優位性を持続的に保つために今後欠かせない観点になります。

(2)レガシーシステムからの脱却

企業がDXに取り組むべき理由として、レガシーシステムからの脱却があげられます。老朽化、複雑化してしまった既存のシステムを「レガシーシステム」と呼び、使い続けていると、システムの運用や保守などに多くのコストやリソースが割かれ、実務効率も悪化するリスクを孕んでいます。

特に、2025年前後にはレガシーシステムの割合がこのままだと6割程度になると見込まれており、改善されないままだと2025年〜2030年の間で最大12兆円の経済損失が出ると考えられています。

これは、「2025年の崖」と言われており、政府も警鐘を鳴らしています。そのため、DX推進によってレガシーシステムから脱却することは企業にとって重要なのです。

(3)変化する消費者ニーズに対応できる

IT技術の普及により、消費者のニーズは常に変化しています。特に現代は、多くの情報が得られることもあり、変化の速度そのものが非常に早くなっています。その変化に対応するためにも、DXの推進は欠かせません。

古いシステムでは対応できなかった、顧客情報の分析や解析、管理を実現することで、消費者のニーズに合わせた最適なマーケティングが実現します。データを蓄積し、活用していけば、さらに細かい消費者一人ひとりに寄り添った1to1アプローチも可能になり、マーケティングや営業活動の精度も格段に向上するでしょう。

(4)多様な働き方の実現

従業員のライフスタイルに合わせた、多様な働き方を実現させるためにもDXは重要です。ビジネスコミュニケーションツールや勤怠管理システムの導入をすれば、働く場所や時間の制約をなくすことができ、リモートワークやフレックスタイム制といった柔軟な働き方が可能になります。

また、さまざまなデジタルツールの活用により、業務が効率化され、長時間労働の是正にもつながるでしょう。

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中小企業こそDXが重要?

中小企業にとって、DXを推進することは費用やIT人材の不足などからハードルが高いと思われがちです。しかし、中小企業こそDXの推進が重要だとも考えられます。

DXを導入することで業務が効率化し、生産性の向上につながるためです。これは同時に、最小限の人材リソースで成果を最大化する手段でもあり、人材不足の問題の解消にもつながります。

最近では、低コストで導入できる便利なデジタルツールも増えているため、予算に限りがある中小企業でも、DX推進のハードルは徐々に下がってきています。

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デジタル化の重要性について

DXを推進するには、デジタル化は欠かせないステップです。ここからは、デジタル化の重要性を理解するために、デジタル化のメリットについて確認していきます。

(1)手続きが円滑になる

デジタル化が進めば、業務に関するさまざまな手続きが円滑になります。書類がデジタル化されれば、対面でのやり取りの省略が可能になり、メールやチャットで簡単に共有できたり、オンライン上で共同で編集することも可能です。また、内容の確認や承認作業のスピードが格段に向上します。

また、電子契約サービスを導入すれば、契約に関わる手続きもオンライン上で完結できます。取引先に出向いたり、スケジュールを調整したり、ハンコを押すためだけに出社するといった手間が省けるため、非常に便利です。

(2)多様な働き方の実現

コミュニケーションツールやタスク管理ツールなど、さまざまなデジタルツールの活用により、多様な働き方が可能になります。これまでのように、全員がオフィスにいなくても、円滑にコミュニケーションを取り、互いの業務の進捗具合を確認しながら、滞りなく仕事が進められるためです。

また、勤怠管理システムや経費精算システムなどのバックオフィス業務をデジタル化すれば、リアルで今まで目視で確認していた勤怠状況や領収書などを提出して管理していた経費精算業務をオンライン上で実現できるので、テレワークの実現に大きく貢献するでしょう。

(3)業務効率化による生産性向上

業務の効率化が図れるのは、デジタル化の大きなメリットです。例えば、紙ベースの書類をデータ化すれば、整理や管理の手間が大幅に削減できます。さらに、入力や集計を自動化すれば、手作業よりも迅速かつ正確に業務を進めることが可能です。

また、書類の紛失リスク、人為的な入力ミスや計算間違いも減少します。デジタル化により業務効率が上がれば、重要な業務にリソースが割けるため、生産性の向上につながるのです。

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DXに向けて実現すべきデジタル化の例

DXに向けて、具体的にどのようにデジタル化を進めていけば良いのでしょうか。ここでは、3つの例をご紹介します。

(1)電子契約を導入する

まず実現すべき例として挙げるのは、電子契約サービスの導入です。ペーパーレス化や脱ハンコによる業務効率の改善という観点から、契約手続きが円滑になる電子契約の導入は重要です。

紙ベースの書類によるやりとりが不要になるため、契約業務のための取引先へ訪問や出社、契約書類の郵送・管理によって発生する手間や時間・コストの削減になります。

昨今では大手企業はもちろん、中小企業でも電子契約サービスの導入が加速しています。他者のDX化に取り残されないためにも、電子契約サービスの導入を積極的に検討しましょう。

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(2)リモートワークを実現

リモートワークへの移行は、労働環境のデジタル化でもあります。リモートワークの実現には、さまざまなワークフローや労働環境のアナログからデジタルへの切り替えが不可欠だからです。

リモートワークへの移行を検討すればさまざまなデジタル化の課題が把握できます。例えば、コミュニケーションの改善のためにチャットツールの導入や、膨大な書類のデータ化のためにオンラインストレージの導入、ナレッジの蓄積・共有のためにマニュアル作成ツールや文書管理システムの導入など、さまざまな課題に対して多くのソリューションが考えられます。

リモートワークを実現させることは、DXを推進する上で大きな一歩になると考えられるため、ぜひ本腰を入れて進めてみてはいかがでしょうか。

(3)クラウドサービスによるデータ連携

クラウドサービスによる社内データの連携は、取り組みやすいデジタル化の1つです。例えば、マーケティング部門と営業部門が別で管理している顧客情報を、クラウドツールで連携すれば、より精度の高い顧客分析や施策改善が実現できます。

他にも、勤怠管理システムと給与計算システムを連携すれば、入力作業や集計が自動化でき、業務の効率化が可能です。クラウドサービスは導入のハードルが低く、効果も見えやすいため、比較的取り組みやすいのでぜひ検討してみてください。

 

DXとデジタル化の違いや関係性を理解して推進へ

これからの変化の激しい市場で勝ち抜いていく競争力を企業がつけるには、DXの推進が必要不可欠になります。そして、DXを実現するには、まず第一歩としてデジタル化が欠かせません。

DXとデジタル化は混合されがちですが、それぞれ別の意味があり、ステップが異なります。本記事でお伝えした、正しい意味や両者の違い・関係性をきちんと理解して、DXを積極的に進めていくことが重要です。

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