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DXとUX・CXとの違いとは?関連性や混同しやすい類義語も解説

2022/05/13 2023/05/22

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ビジネスシーンではDX・UX・CXなどデジタル化に関連する略語が飛び交っています。意味を把握していても、いざ違いや関連性について詳しく説明するとなると困惑する方も多いのではないでしょうか。本記事ではDXとUX・CXについての違いや関連性を詳しく解説します。

DX・UX・CX について

さまざまなビジネスシーンでDXという言葉が使われるようになりましたが、なんとなく使っている人も少なくないようです。DXを漠然と「デジタル化」という意味で使っている人もいますが、それではDXを理解しているとは言えません。

ここでは、DXと併せてUXとCXについて概要やそれぞれの関係性を解説します。

DXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、データとデジタル技術を活用し、従来の企業と社会のありかたを変革する取り組みです。2004年、スウェーデンのウメオ大学の教授であるエリック・ストルターマン氏によって初めて提唱された概念です。

IT化が推進された1990年代から30年の間に、さまざまな業務がIT化してきました。紙媒体から電子媒体への移行、計算ソフトでの高速処理などで、従来では考えられない効率で作業を進めることが可能になりました。しかし、それらはあくまで作業の効率化をしただけであり、業務目的や組織体制のような大枠自体はあまり変わっていません。

DXはデジタル技術の利用をさらに促進し、ユーザーのニーズに応えるために、ビジネスモデル、業務や組織、企業文化などを変革することで、競争上の優位性を確立する取り組みです。

経済産業省が推進しているデジタルトランスフォーメーションに向けた研究会の設置を皮切りに、日本でもDXが注目されるようになりました。

デジタルトランスフォーメーションはなぜDXと略される?"X"が指す意味とは

UXとは?

UXはUser Experience(ユーザー体験)の略称で、ユーザーが製品・サービスを通じて得る体験のことです。

製品・サービスの使用感をイメージするかもしれませんが、UXはより広い範囲を含んでいます。具体的には、製品やサービスを認知・購入・利用、そしてまた購入したいと感じるところまでがUXとされています。

UXはしばしば、UI(User Interface)と混同されますが、UIはユーザーと製品・サービスの接点を指します。たとえば、WEBサイトのデザイン、メニューバーのような、見た目や形状といったデザインをイメージするとわかりやすいでしょう。

優れたUIはユーザーに快適な利用体験を提供するため、UXの向上に繋がります。そのため、UIはUXのための一要素と捉えることができます。

CXとは?

CXはCustomer Experience(顧客体験)の略称で、製品・サービスの利用に関連する顧客の体験を指します。

UXと混同されがちですが、UXは製品・サービスから得た直接的な体験を指します。CXはそれにくわえ、価格、サポート体制、接客、アフターサービスなど、ユーザーが企業に対して抱く体験までも包括しています。

そのため、CXを改善するには、マーケティング、営業、接客、カスタマーサポート部門などが部門の枠を超えて協力する必要があるでしょう。

マーケティングDXとは?参考にしたい7つの成功事例と推進するポイント

DXとUXの関係は?

ここでDXとUXの関係を見てみましょう。この2つは非常に近い関係にあるため、混同しないように注意が必要です。

DXとUXの違い

DXはIT技術を駆使した、ビジネスモデル、組織、業務や企業文化などの、企業全体の変革を指します。そのため、影響を与える対象は企業ないし社会全体となります。

対して、UXは特定の製品・サービスを通して得られる体験を意味しますので、影響を与えるのはユーザーに限定されます。このように、DXとUXでは注目する部分が異なっています。

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DXとUXの関連性

DXとUXは非常に密接な関係にあります。DXの目的である企業の変革のためには、ユーザーや従業員がデジタル技術とどのように接して、そのような体験を得るかということを考えなければなりません。その際に重要になるのがUXです。

ユーザーのニーズに応えるにはどうすべきか、どのような形でユーザーは製品・サービスに触れるのか。UXを考えることは、そのようなユーザーと製品・サービスとの繋がりを明確にするプロセスでもあります。

そのため、DXの推進のためには、UXの向上が必要不可欠と言えるでしょう。

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DXとCXの関係は?

DXとCXの関係についても見てみましょう。これらを混同してしまうと、それぞれの目的が不明瞭になり混乱する原因になってしまいます。

DXとCXの違い

DXは例えるなら「手段」です。ただDXを推進しても、ゴールが明確でなければ努力の大部分は徒労に終わってしまいます。そのため、DXを推進する上では、何を達成すべきかという目的が必要になります。

その「目的」がCXの向上です。多くの企業がデジタル技術を駆使して、顧客のニーズに応えるシステムを導入してきました。

たとえば、UNIQLOはチャットボットを開発して在庫状況の確認やコーディネイトアドバイスを自動化し、ユーザーが知りたい情報をすぐに提供できるようにしました。

また、Amazonは商品を購入したユーザーに対し、同じ商品を買った他ユーザーが買ったものをレコメンドしてくれます。このレコメンド機能によって、ユーザーは自身が潜在的に必要にしてるものがわかるようになります。

これらの企業はユーザーによりよい体験を提供しCXを向上させました。そして、その体験を実現するために、業務や組織体制を変革しておこなう仕組みづくりがDXです。言い換えれば、DXは「手段」、CXは「目的」ということになります。

DXとCXの関連性

CXはUXに比べて、より大きな枠組みでDXをサポートしています。具体的には、カスタマーサービスや広告、サポート体制など、顧客にかかわるあらゆるものがCXに含まれます。

近年、AIの発達やスマートフォンの普及により、プラットフォーム上で様々な機能を実装し、ユーザーに提供できるようになりました。たとえば、サポートのチャットボット化による高速化、ユーザーの行動履歴をもとにしたおすすめ商品を自動表示などです。

このような変化は社会全体に波及しており、CXは市場での勝敗を左右する重大な要因になりつつあります。

CXの向上のためには、局所的な小さい改善では不十分です。CXはマーケティング、営業、接客、サポートなど、さまざまな部門を横断した戦略を必要とするためです。そのためには、CXを下支えするためにDXの推進が求められます。DXとCXは両輪であり、互いに影響を与え発展していくものと言えるでしょう。

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CXが重要視される背景

CXの重要性は年々高まっています。一体なぜ、CXが重要視されるようになったのでしょうか。その理由は大きく以下の3つがあります。

  • モノの価値から体験の価値への変化
  • サブスクリプションサービスの普及
  • 情報社会における消費者との関係性の変化

それぞれについて細かく解説します。

モノの価値から体験の価値への変化

近年は商品の差別化が難しくなり、体験の価値が重視されるようになっています。

従来の市場では、商品そのものに価値がおかれていました。しかし、新しいものが生まれても、すぐに似たような商品が溢れる現代の市場では、商品の差別化に頼った戦略が通用しなくなるという問題が発生しています。

顧客からすると、どの商品もとりわけ秀でたものではなくなり、商品そのものでは判断が難しくなってしまっています。このような状況下で、顧客は商品を通じて得られる体験に価値を見出すようになりました。商品の機能ではなく、心地よさやワクワクなどの心理的な面を大切にしはじめたのです。

このように、顧客が体験に注目し始めたことにより、CXの重要性が大きくなりました。

サブスクリプションサービスの普及

継続利用型のサブスクリプションサービスの普及も、CXの重要性を上げた大きな要因です。

サブスクリプションサービスは、顧客側には初期費用を抑えられるというメリットがあります。また、企業側からすると、長期的な売上を安定して確保できるというメリットがあります。この両者のメリットから、サブスクリプションサービスはさまざまな分野で採用されています。

サブスクリプションサービスの注目すべき特徴は、顧客側と企業側が継続的な関係を築いていくということです。そのため、常に顧客が快適な体験ができるように、CXに気を配らなければならなくなりました。

これは、商品さえ手に入ればよかった、従来の買い切りの販売形態ではあまり見られなかった特徴です。サブスクリプションサービスの拡大は、今後もCXの重要性を高めていくでしょう。

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情報社会における消費者との関係性の変化

消費者の影響力が大きくなったことにも、注目しなければなりません。

インターネットの普及により、個人でも多人数に情報を発信できるようになりました。個人が企業をしのぐ影響力を持つことも、決して珍しいことではありません。

これは有名人やインフルエンサーに限った話ではなく、名前の知られていない個人にも同様のことが言えます。たとえばTwitterのようなSNSでは、影響力の少ないユーザーのつぶやきであっても、他のユーザーに注目され爆発的に情報が拡散される、いわゆる「バズる」という現象が起きます。

「バズる」つぶやきはTwitterの枠を超え、他SNSやブログ、ニュースサイトなどに広がり、企業の広告活動を圧倒する影響力を持ちます。従来の企業からの一方的な情報発信モデルでは、考えられないような事態です。

現在の市場は、SNSやブログなどの個人の意見に大きな影響を受けます。そのため、顧客と企業の関係は非常に重要なものになりました。顧客によりよい体験を提供し、良好な関係を構築するためには、CXは欠かせないものとなっています。

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DX・UX・CXと混同しやすい類義語

この記事でご紹介したDX・UX・CXと混同されやすい言葉を紹介します。

IT

IT(Information Technology)は、情報を取得・加工・転送する技術です。IT化とDXはしばしば混同されがちですが、この2つは目的が違います。

IT化の目的は業務の効率化です。たとえば、従来紙でおこなっていた業務を電子化する、計算を自動化して正確にするなどは、IT化の一貫と言えます。これらは業務を短時間で正確におこなえるよう改善はしていますが、業務の役割自体はそのままです。

対して、DXはビジネスモデルや業務の変革をおこないます。たとえば、社内データを活用する業務フローを作る、リモートワークを可能にして働き方を変えるなど、企業を大きく変えるようなことはDXと呼べるでしょう。

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CS

CSはCustomer Satisfaction(顧客満足度)の略称で、顧客が製品・サービスに対してどれだけ満足したかを測定する指標です。CXとしばしば混同されがちですが、両者の役割は違っています。

CSは顧客からアンケートなどのフィードバックをもとに、細分化して評価をおこないます。対して、CXは顧客の商品購入・利用にかかわる一連の体験を評価します。そのため、CXの方がより俯瞰的に見ていると言えるでしょう。

UI

UIとはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略称で、ユーザーと製品・サービスの接点を意味します。

代表的なものは、商品WEBサイトのデザインです。見やすいレイアウト、探しやすいメニューなど、ユーザーが目で見るものはUIに分類されます。

UXと似ていますが、UXはユーザーの体験に注目しています。UIがよければユーザーによりよい体験ができるため、UX向上には良いUIが欠かせません。

BX

BXはBrand Experience(ブランド体験)の略称です。

企業は巨大化し社会への影響度が上がると、その地域、国、世界で自社がどのように見られているかが重要になってきます。そのような状況下では、ユーザー以外の人々の体験についても考えなければなりません。

BXはUXのように対象を製品・サービスを利用するユーザーに限定せず、社員、社会環境、業界までも含む考え方です。BX的な視点で自社を見ることで、企業のあり方や理念など、より高い視点をもとに戦略が立てられるようになります。

AX

AX(Advertising Transformation)とは、広告の価値を最大化するための取り組みです。DXの中でも、広告に焦点を置いた考え方と言えます。

デジタル技術の発展に伴い、広告のクリック率や成約率、ユーザーの特性など、詳細なデータをリアルタイムで取得できるようになりました。また、従来のテレビCMや新聞広告などではむずかしかった、即時改善も簡単にできるようになっています。

このような広告の進化により、高速でPDCAを回して広告の価値を向上させることが可能になりました。AIの進化により、情報の分析・判断が高速かつ正確になると予想されています。それに合わせて、AXの重要性は今後も高まっていくでしょう。

XR

XR(Cross Reality)は、VR(Virtural Relity)やAT(Augmented Reality)などの、仮想世界と現実世界をつなぎ合わせる技術の総称です。

XRの発展は今後、私達の生活に劇的な変革を与えると期待されています。たとえば、現在でもVRゴーグルを装着して、自宅にいながらバーチャル空間で仕事をすることが可能です。

Meta Platforms, Inc.では、VRを利用したバーチャルオフィス”Horizon Workwrooms”を発表しています。この空間では、ミーティングをおこなう、ホワイトボードを利用するなど、現実でのオフィスと同じようなことができてしまうのです。

バーチャルオフィスはVRゴーグルが重いため長時間の利用がむずかしいなど、さまざまな課題があります。しかし、技術の発展により問題が解決されることで、将来的には住む場所を選ばずに仮想オフィスで働ける未来がくるかもしれません。

VRに加えて、AR技術も今までにはない体験を提供しています。IKEA International Groupは家具の設置シミュレーションアプリIKEA Placeを公開しています。スマホカメラを利用して、仮想的に自分の部屋に家具を置くことで、見た目や採寸を確認することが可能です。

ARはスマホさえあれば利用できるハードルの低さから、ショッピングサイトやゲームなど、さまざまな場所で普及しています。

XRの発展は企業の働き方と、ユーザーの体験を大きく変革すると考えられています。DXの推進でも、XRは無視できない技術になるでしょう。

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DX・UX・CXの違いや関連性を理解しよう

DX・UX・CXとは何か、それぞれの違いと関係性について説明しました。

デジタル技術の発展・普及に伴い、さまざまなことが可能になりました。ユーザーは家にいながらショッピングができ、ニーズに合った商品がおすすめされ、安価で質の高いサービスを受けられます。そのような利便性の向上の裏には、ユーザーのニーズを満たすために企業全体の変革がおこなわれます。

このような市場の変化に対して、従来の業務形態、ビジネスモデル、組織体制のままでは対応しきれません。そのため、DXを推進して会社を変革し、市場での優位を獲得しなければならないのです。顧客に良い体験を提供し、良好な関係を築いていくために、DX・UX・CXはますます重要なものになっていくでしょう。

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