CRMとCMSの違いとは?各機能や役割・連携メリットなど徹底解説!
皆さんはCRMとCMSの違いをご存知でしょうか。文字の列びを見ると、CRMとCMSはよく似ていますが、実は役割が大きく異なるのです。本記事では、CRMとCMSそれぞれの機能や役割、そして両者を連携するメリットを詳しく紹介します。
目次
CRMとは?
CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、顧客との良好な関係を構築・維持するためのシステムです。
顧客の属性情報や購買・行動履歴、アンケート回答などの各種データを一元管理し、分析することでマーケティング戦略や経営戦略に活かし、顧客満足度や売上アップを目指します。
CRMでは、顧客情報を管理・分析するだけでなく、メールマガジンの配信やアンケートの送付なども可能です。顧客に必要な情報を適切なタイミングで提供したり、ニーズの吸い上げをしたりすることで、より顧客に寄り添ったアプローチや課題の解消につなげられます。
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CRMとCMSの機能・役割の違い
CRMとよく似た略語に「CMS」があります。CMSとは「Contents Management System」の略で、Webサイトを構成するコンテンツの内容、デザイン、レイアウト情報などを一括管理できるシステムのことを指します。
CMSを使うことで、HTMLやCSSなどのコーディング知識がなくてもWebコンテンツの更新が可能です。近年、インターネット上のWebサイトから情報収集する顧客は多く、Webマーケティングに自社サイトやオウンドメディアを利用する企業も増えています。
つまり、CRMで顧客のニーズや課題を吸い上げ、CMSでニーズや課題に沿ったWebコンテンツを作成すれば、より顧客への訴求力が高いWebサイトやオウンドメディアの作成が可能です。
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CRMの主要な機能一覧
CRMは顧客情報を一元管理し、分析するためのシステムです。ここでは、CRMの主要な機能を6つご紹介します。
コンタクト管理
CRMで最も重要なのは、顧客(コンタクト)の情報を一元管理する機能です。氏名・会社名・メールアドレスなどのユーザーデータ、購買・行動履歴などのほか、顧客とのメール・電話、商談などを通じたコミュニケーションの情報もまとめて管理することで、顧客に合わせたアプローチが可能になります。
また、各種属性データを紐づけておくことで、地域や年代・同じ商品を購買したユーザー、BtoBなら企業のタイプや規模などのセグメントによる分類やリストアップもできます。
このように、特定のセグメントに属する顧客データを抽出して分析すれば、ターゲットを絞ったマーケティング戦略の策定に役立てられるでしょう。
データの自動収集
CRMを使えば顧客とマーケター・営業担当者などのコミュニケーション履歴を自動的に記録できます。
オンラインミーティングツールなどの機能があるCRM、または外部のオンラインミーティングツールと連携できる場合、会議時間や電話番号、メールアドレスなどの情報を手動で回収する必要がありません。そのため、人的ミスや手間の削減につながります。
取引のトラッキング
CRMでは、顧客がリードナーチャリング(見込み顧客を育成すること)のどの段階にあるか、カスタマージャーニーのどのステップかも分析・記録しておくことができます。
これにより、購買意欲の高い顧客のみを抽出し、ホットリードとして営業へのトスアップが可能になります。購買意欲の高い顧客に絞って営業活動を行えば、契約成立につながりやすくなるでしょう。
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コンテンツリポジトリー
コンテンツリポジトリーとは、リードナーチャリングの段階で行う見込み顧客とのコミュニケーションをテンプレート化したものです。
リードの購買意欲を高めやすい、良質なコミュニケーションをテンプレート化し、マーケティング活動のクオリティを高い水準で均質化できます。コミュニケーションを一から考える手間の削減や時間の節約も可能です。
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レポートの作成
顧客とのコミュニケーション履歴、収集データなどをわかりやすくレポートとして出力できる機能を持ったCRMもあります。
レポート機能を使えば、ビジネス全体としての傾向をマクロ的に把握できるため、進捗管理や各種目標達成、KPI設定などに役立ちます。
SFA・MAとの連携
CRMは、SFAやMAなど他のマーケティング・営業ツールとの連携が可能です。それぞれの特徴は次の通りです。
SFA | Sales Force Automationの略。営業部門において顧客を獲得し、売上につなげるための業務を効率化するためのツール。 |
MA | Marketing Automationの略。マーケティング部門において顧客の創出、リードナーチャリング業務を効率化するためのツール。 |
CRMにおいては顧客情報の管理がメインであるのに対して、SFAとMAはいずれも営業やマーケティングの実務を効率化するためのツールです。それぞれの違いを理解し、連携することで、より効率的・効果的な業務が遂行できるでしょう。
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CMSの主要な機能一覧
CMSは、Webサイトの構築や更新、管理に必要な機能を備えたツールのことです。ここでは、CMSの主要な機能を7つご紹介します。
コンテンツ管理
CMSには、コンテンツを管理するための「バックエンド」と、コンテンツを公開してユーザーに活用してもらうための「フロントエンド」があり、両方が統合されています。
主に操作するのは、バックエンドの部分であり、コンテンツそのものの保存や整理、「フロントエンド」でどのように見せるかのデザイン・UIなどを管理します。
公開機能
管理しているコンテンツは、フロントエンドを公開し、ユーザーに閲覧・活用してもらう必要があります。そのため、CMSにはWebサイトやオウンドメディア、モバイルアプリなどの各チャネルに公開する機能が備わっています。
フロントエンドを直接操作できる機能があれば、ユーザーから見える状態を直接操作できるため、より見やすいページ作成が可能です。
テーマとテンプレート
テーマとは、Webサイトやブログなどの色、フォント、レイアウトなどの外観を設定する機能です。各種テーマはCMSにもともと付属しており、オンラインで追加購入することも可能です。
テーマと誤解されやすい概念に「テンプレート」がありますが、テンプレートの場合はページごとに種類別のレイアウトを用意するもの、と理解しておくとわかりやすいでしょう。
テーマ・テンプレートのいずれも、レスポンシブデザインに対応しているものだとパソコン・スマートフォン・タブレットのどのデバイスからでもサイトにアクセスしやすくなります。
特に、スマートフォンの普及率が高い現在においては、特別な理由がない限りレスポンシブデザインを採用しておくと良いでしょう。
Web・アクセス解析
Webサイトやオウンドメディアを公開したら、アクセス解析を行う必要があります。アクセスの詳細を解析することで、サイトやメディアの修正点や改善点が見えてくるからです。
CMSによっては、ページの閲覧回数や直帰率・ユーザー属性・閲覧に使われているデバイスなどを解析できる機能が備わっています。ただし、標準で組み込まれていないこともあるため、その場合は別の解析ツールとの連携が必要になります。
SEO対策
SEOとは「検索エンジン最適化」のことで、ユーザーがキーワードを検索した際に、自社サイトを上位に表示させるための対策です。
CMSには、SEO対策に有効とされる、XML形式のサイトマップ作成・メタタグやhタグ(見出しタグ)の簡易設定・リダイレクト設定などの機能が備わっています。
ただし、標準搭載されている機能はCMSによって異なります。SEO対策に有効な機能がどれだけ搭載されているかを、事前に確認しておきましょう。
ブログ作成ツール
ブログ作成ツールを使えば、オウンドメディアなどを簡単に作成できるようになります。Webマーケティングにおいて、ユーザーに有益な情報を提供し続けることは非常に重要です。
定期的にブログ作成ツールでコンテンツを更新することで、効果的なコンテンツマーケティングにつなげられます。
拡張機能
CMSによっては、各種拡張機能を備えている場合もあります。例えば、Web上で商品やサービスの販売を行いたい、ロイヤリティプログラムなどを推進したいという場合は、EC・会員機能などを追加すると良いでしょう。
SEO対策やUI強化を拡張機能として提供しているCRMもあります。マーケティングや営業活動に必要な機能があれば、追加するのも一つの方法です。
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CRMとCMSを連携させるメリット
ここまで、CRMとCMSの主な機能についてご紹介してきました。両者の機能を見てもわかる通り、この2つのツールは連携して使うのがおすすめです。
CRMとCMSを連携することによって、以下のようなメリットが得られるでしょう。
- CRMで統合した顧客データを分析し、顧客ニーズに合ったコンテンツをCMSで作成できる
- CMSで得られた顧客データをCRMに反映し、より効果的なマーケティング・営業に活かせる
CRMとCMSは相互に連携することで、顧客のニーズや課題に寄り添ったコンテンツやアプローチを、より効率的に行うことが可能です。そして、売上アップや顧客満足度の向上につながります。
CRMとCMSそれぞれの役割を理解して活用しよう
今回は、CRMとCMSの違い、それぞれの機能や役割などを詳しくお伝えしてきました。CRMは主に顧客情報の一元管理を、CMSは主にWebコンテンツや外観の管理を目的としたツールです。
これらのツールを互いに連携することで、顧客のニーズや課題に寄り添ったコンテンツの作成、顧客への有効なアプローチを行えます。それぞれの役割を正しく理解し、より効果的・効率的な活用につなげましょう。
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