テレワークで企業が実施すべき社員の健康管理とは?リスクや対策法を解説

最終更新日時:2022/11/25

テレワーク

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あなたの会社では、テレワークで働く従業員の健康管理をどのように行っていますか?オフィスでの業務と異なり、働く人と顔を合わせることのないテレワークにおいて、従業員の健康管理を行うことは難しいと考えられていますが、本記事では、テレワークでも対応できる従業員の健康管理の方法をご紹介します。

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テレワークでの健康管理は難しい

テレワークを導入すると、従業員の働く様子を確認できないため、健康管理が難しいという声が聞こえるようになってきた昨今。

これまでは基本的に、従業員がオフィスに出社することを前提とした健康管理が行われてきました。

しかしテレワークの導入が一気に加速した今、従業員の健康管理対策について、多くの企業が模索しているのが現状です。

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テレワークにおける健康管理の重要性

オフィスワークと同様に、テレワークにおいても働く人の健康管理は重要です。さらに、在宅勤務で顔が見えないテレワークこそ、従業員の健康を守るために十分な注意を払う必要があるともいえるでしょう。

また、労働に関する最低条件を定めた「労働基準関係法令」がテレワークにも適用されることも、テレワークにおける健康管理が重要な理由の一つとされています。

労働基準関係法令がすべて適用される

テレワークによって、就業場所がオフィスから自宅に変わっても、労働基準関係法令は適用されます。

具体的には「労働基準法」や「労働安全衛生法」などがこれに該当しており、それぞれの概要は以下のとおりとなっています。

労働基準法

労働三法の一つである労働基準法は、主に下記の労働条件における最低基準を定めたものになります。

  • 労働契約
  • 賃金
  • 労働時間
  • 休日および年次有給休暇
  • 災害補償
  • 就業規則

もし、テレワークをしている従業員の労働時間が把握できておらず、従業員が休日や休み時間も仕事をしていれば、長時間労働となる可能性が生じます。

場合によっては労働基準法に違反し、企業が過重労働をさせているとみなされる恐れがあります。

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労働安全衛生法

労働安全衛生法とは、従業員の安全や健康を確保し、快適な職場環境にするために制定された法律で、具体的には以下のようなルールがあります。

  • 定期健康診断結果報告書の提出
  • ストレスチェックの実施

これらの法律はオフィス勤務者だけでなく、テレワークで働く従業員にも該当するものです。

重要視される「安全配慮義務」とは?

テレワークにおいて重要視すべきと考えられているのは、「安全配慮義務」です。

安全配慮義務とは、「従業員が労働する際に健康や安全を確保する」といった企業の義務を定めたもので、労働契約法第5条に記されています。

例えば長時間労働を続けている従業員には、医師による面接指導を行わなければなりません。企業がこうした取り組みを行うことで、働く人の健康が守られ、安全配慮義務を果たすことができるとみなされているのです。

これはオフィスワークに限らず、従業員の顔が見えないテレワークにおいても必要な取り組みでしょう。

テレワークで感じる健康リスクへの影響

テレワークを行うことで、以下のような健康リスクが発生することが懸念されています。

  • 運動不足や筋力の低下
  • 肩こりや腰痛がひどくなる
  • 生活習慣病への影響
  • メンタルヘルスへの影響

無理な働き方をしている従業員に対して指導などの対応をしていない場合は、体調不良に繋がる懸念があります。

特に、働く人の顔が見えないテレワークで、従業員の健康を維持することは難しいため、企業はあらかじめテレワークのリスクを知っておくことが大切です。

運動不足や筋力の低下

テレワークにより、自宅で仕事をするようになると運動不足に陥りがちです。オフィスに通勤していた頃とは違って、駅まで歩いたりフロア内を移動したりする機会が減り、運動量が不足するためです。結果として、肥満や筋力の低下などに繋がることも懸念されます。

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肩こりや腰痛がひどくなる

テレワークによって、肩こりや腰痛がひどくなるケースも少なくありません。その原因は2つ考えられます。一つ目は適度に体を動かしたり休憩したりする時間が少なくなるからです。

オフィス勤務の頃は、お昼休みに外に出かけたり、同僚と立ち話をしたりする機会などがあったでしょう。

しかしテレワークの場合、昼食は自宅で済ませる人が多いでしょうし、席から立って動く機会や、歩く距離の減る人が少なくないでしょう。長時間、座っている姿勢が続くことで、肩こりや腰痛を発症してしまうのです。

2つ目の原因は、筋力の低下です。上記でも触れたように、テレワークによって運動する機会が減ると、筋力が落ちてしまいます。背骨を支える背筋が衰えると姿勢が悪くなり、肩こりや腰痛に繋がるのです。

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生活習慣病への影響

テレワークで運動する機会が減ると、肥満のリスクが高まることも心配されています。「肥満は万病のもと」といわれますが、肥満は以下のような生活習慣病の発症リスクを高めます。

  • 糖尿病
  • 高血圧
  • 脂質異常症

さらに、持病がある場合はこれらの症状が引き金となり、元々持っている病気が重症化する危険性もはらんでいます。このように、テレワークによる運動不足がもたらす健康へのダメージは大きいと考えるべきでしょう。

メンタルヘルスへの影響

テレワークが長期化すると、身体面だけでなく精神面で不安定になる従業員が増えることも危惧されています。

外に出る機会が減ったことによる運動不足や生活リズムの乱れ、そしてコミュニケーションの不足や孤独感などによるストレスが、メンタルヘルスの不調をきたす要因と考えられています。

ストレスが解消されない状態が続くと、仕事に影響を及ぼすこともあるでしょうし、さらにモチベーションを低下させることにも繋がりかねません。

このような悪循環を招くことのないよう、早い段階で何かしらの対策を取ることが望まれます。

従業員へのテレワークにおける健康管理の課題

テレワークで目の前に従業員がいないことで見えづらい、健康面の問題ですが、主に下記の課題があげられます。

  • 環境の変化によるストレスへの対処法がわからない
  • 働く人の顔が見えないテレワークでは、従業員の健康変化に気が付きにくい
  • 家庭で労働環境を整えることが難しい

企業がこれらの課題を認識することで、何らかの対策を講じることは十分可能でしょう。それではここで、テレワークによる健康面の課題について、いくつかの例をご紹介します。

環境の変化によるストレスへの対処法がわからない

企業がテレワークを導入してまだ年月が経っていないことから、在宅で勤務する従業員へのストレスケアをどのようにすればよいのかわからないといった声も聞かれます。

企業として、何かしら手を打たなければならないことを理解しつつも、何ができるのかわからないといったジレンマを抱える担当者も少なくありません。

従業員の健康変化に気が付きにくい

テレワークの場合、従業員が働く様子を確認できないので、健康の変化に気が付きにくいといった難点があります。

オフィス勤務の頃は対面でコミュニケーションを取ることができ、顔色や言動から、従業員の体調の変化を察知することができました。

ところがテレワークに移行すると、どうしても物理的なコミュニケーション不足が生じてしまいます。従業員によっては、顔色が悪くても「少し体調が悪いくらいで休んではいけない」と無理をして仕事をしてしまう人もいます。

オフィスで勤務していれば、周囲の人が気が付いて声をかけることもできますが、テレワークではそのようなことも不可能です。働く人の顔が見えないテレワークでは、従業員の健康を気遣うことがとても難しいといえるでしょう。

家庭で労働環境を整えるのは難しい

企業が、従業員の家庭での労働環境を整えることが難しいという課題もあります。家庭はプライベートな空間でもある一方で突如、仕事場にもなっているような状況です。

ネットワーク環境が整っていなかったり、Web会議中に子どもが走り回っていたりして集中できないといった声もよく聞かれます。

テレワーク環境を整えるための通信費・光熱費や、デスクワークのための机や椅子などの購入費を支給している企業もありますが、テレワーク環境の整備には企業の担当者も頭を悩ませていることでしょう。

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企業が実施できる健康管理への対策法

上記で紹介した課題を解決するには、以下のような対策が有効です。

  • 健康情報の発信やオンラインセミナーの実施
  • 健康管理アプリの導入
  • オンラインによる産業医の相談会の創設

上記のような対策を取り入れることは、従業員の健康を守るといった企業の義務を果たすことにも繋がります。ここでは、それぞれの対策について解説していきます。

健康情報の発信やオンラインセミナーの実施

企業はオンラインセミナーなどを活用し、従業員に向けた健康情報を発信しましょう。企業が情報を伝えることで、働く人のヘルスリテラシーを向上させることが、この活動の狙いです。

このような活動によって、従業員の健康管理意識を高め、大きな病気を発症したりストレスを抱えたりするリスクを軽減させることも可能でしょう。

健康管理アプリの導入

企業が従業員に、健康管理アプリを導入するよう勧めることも一案です。健康管理アプリには、本人が気付きにくい体調の変化などを通知してくれるものもあります。

アプリには以下のようなものがあるので、従業員のヘルスケアを担当する人は知っておくとよいでしょう。

  • 睡眠管理アプリ
  • 運動習慣管理アプリ
  • 体重管理アプリ
  • 食生活管理アプリ

睡眠を取ることは健康の基本です。睡眠管理アプリには、体の動きから睡眠を分析できたり眠りの浅いタイミングで起こしてくれるアラームの付いたものもあります。

運動習慣アプリは、ウォーキングなどの距離や速度、平均心拍数を計測することが可能で、運動不足に陥ってないかを管理できます。

また、体重管理アプリでは、筋肉量や体脂肪を記録できるほか、食生活管理アプリにはカロリー計算ができたり、AIトレーナーが栄養分析やアドバイスをしてくれるものもあります。

アプリには無料で利用できるものも多く、それぞれ機能が異なるので、目的に合わせて導入を検討してみるのもよいでしょう。

オンラインによる産業医の相談会の創設

オンラインで産業医に相談できる機会を設けることも、効果が高い取り組みでしょう。オンラインの場合、人目を気にせず相談することも可能です。

上司には話しにくいことでも、社外の産業医になら話せるということもあるでしょう。こうした対応で、従業員のメンタルヘルス問題などの早期発見と適切な対応に繋げていくことができれば理想です。

企業が健康管理に活用すべきケアについて

企業が働く人の健康管理を行う際は、心と体の両方をケアする必要があります。とはいえ、具体的にどのように行えばよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。

ここからは、企業が活用できる従業員の疲労度チェックリストや、健康課題対策ができるアプリについてご紹介します。

「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」

働く人の健康を守るために、従業員一人ひとりにどの程度の疲労が蓄積しているかを確認する自己診断リストは、本人が自覚していない疲れも客観的に把握することができます。

チェックリストの作成方法がわからない場合は、厚生労働省が公開している「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」を参考にしてください。このリストをベースに、自社独自のリストを作成してもよいでしょう。

ただし、個人情報でもあるこの結果の取り扱いは、厳格に行うことが大切です。他の従業員が閲覧できないようにするなど、セキュリティを強化した上で実施しましょう。

[出典:厚生労働省「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」]

メンタルヘルスポータルサイト「こころの耳」

「こころの耳」は、厚生労働省が展開しているメンタルヘルスのポータルサイトです。ここでは、企業で働くヘルスケアの担当者や従業員、そしてその家族に向けた情報発信と、相談窓口の紹介などがされています。

提供元厚生労働省
費用無料
機能・特徴相談窓口紹介

メンタルヘルスに関するコンテンツ

Q&A

URL公式サイト

こうしたコンテンツを通して、従業員が健康管理への意識を高めることができれば理想です。

また、コンテンツには各企業がどのようにヘルスケアに取り組んでいるかも紹介されています。他社の事例も参考にして、ヘルスケアに関する自社の取り組みにも繋げていきましょう。

健康維持のためのアプリ「オンド・ユー」

パナソニックホールディングス株式会社が提供している「オンド・ユー」は、個人の健康を管理する一般的なアプリとは異なり、家族や多数のメンバーの健康を管理できるアプリです。

提供元パナソニックホールディングス株式会社
費用無料
機能・特徴体温・体調管理

予防接種記録管理

体調のグラフ化

URL公式サイト

一つのグループで最大100名まで管理できるこのアプリは、企業が部署やチームで利用するのに適したアプリといえるでしょう。このような無料のアプリを試験的に導入してみてもよいかもしれません。

働く人の健康管理ができるアプリの利用は、コロナ禍で業務が増加しているヘルスケア担当者の負担の軽減にも繋がるでしょう。

テレワークにおいて従業員の健康管理対策は重要

この記事では、テレワークにおいて企業が実施すべき従業員の健康管理について紹介しました。

オフィス勤務だけでなく、対面でのコミュニケーションを取ることが難しいテレワークにこそ、ヘルスケア対策は重要です。健康管理を行うことによって従業員のビジネスパフォーマンスが向上し、それは企業にも還元されるでしょう。

あなたの企業で健康管理対策を実施するときは、この記事でご紹介した対処法やアプリを、ぜひ活用してみてください。

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