DX推進は3段階のフェーズがある?各プロセスの定義や進め方について

記事更新日:2022/08/06

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3段階のフェーズ

DX推進は「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デシタルトランスフォーメーション」の3段階に分かれます。本記事では各フェーズの定義やプロセス、効果について詳しく解説していきます。具体的な施策も紹介しているので、参考にしてください。

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DX推進には3段階のフェーズがある

経済産業省が、2020年12月に公表した「DXレポート2 中間取りまとめ(概要)」において、DX推進は「DX成功パターンの策定」として以下3段階のフェーズを示しています。

  1. デジタイゼーション
  2. デジタライゼーション
  3. デジタルトランスフォーメーション

上記の3ステップは基本的には「1.デジタイゼーション」から「3.デジタルトランスフォーメーション」に向かって進行します。ただし、必ずこの順序に囚われて実行しないといけない訳ではありません。

DXの構造と3段階のフェーズ
[出典:経済産業省「DXレポート2 中間とりまとめ(概要)」]

「DXレポート2」では、企業ごとに「2.デジタライゼーション」や「3.デジタルトランスフォーメーション」などの異なるゴールを設定した上で、そこから逆算して今後の取り組みを検討する際に参照することを想定しているため、3段階のフェーズを示しています。

これを受けて企業は、自社の現状に応じたDX成功パターンを選択、組み合わせなども検討した上で、自社におけるDX推進戦略の立案に活かすことを期待されています。

今後のDXの重要性も踏まえ、アクションを起こして行きたいと少しでも考えている方は、ぜひDX相談窓口にお気軽にお問い合わせてください。DXアドバイザーが専任で担当し、完全無料でヒアリングからご提案まで実施いたします。

第1段階:デジタイゼーション

ここでは、第1フェーズの「デジタイゼーション」について解説します。なおこのフェーズは「アナログ・物理データの単純なデジタルデータ化」と定義づけられています。

デジタイゼーションとは、企業におけるこれまでの紙媒体をベースとしたアナログな業務プロセスに対し、IT技術を活用してデジタル化することで、業務の効率化や品質の向上を確立しようとするフェーズを指します。

また、デジタイゼーションは企業におけるIT技術を用いたドラスティックな業務改善のみを指すわけではありません。これまでに多数の企業が行った既存業務のシステム化やペーパーレス化など、アナログ情報をデジタル化することはその大小にかかわらず全てデジタイゼーションに包括されます。

デジタイゼーションの具体的な施策

デジタイゼーションの具体的な施策には、以下のようなものがあります。

  • ITデバイスの導入
  • 紙媒体のデジタル化
  • コミュニケーションツールのデジタル化
  • 業務システムの導入

デジタイゼーションの代表的な施策としては、テレワークなどで活用できるノートPCやタブレット、スマートフォンなどのITデバイスの導入が挙げられます。

ここからさらに横への広がりを見せるものとして、紙媒体のデジタル化にあたる「ペーパーレス化」や、ビジネスチャットやWeb会議ツールの活用などにおけるコミュニケーションツールのデジタル化があります。

これらのデジタイゼーションによって普及した「テレワーク」をする上で、勤怠管理などの「業務システムの導入」もデジタイゼーションにおける施策の一つです。

デジタイゼーションの進め方とプロセス

前述の「DXレポート2 中間取りまとめ(概要)」において、DX成功パターンとして以下の「DXフレームワーク」が提唱されています。

DXフレームワーク
[出典:経済産業省「DXレポート2 中間とりまとめ(概要)」]

これは「デジタイゼーション」を始めとした3段階のフェーズにおける具体的なアクションを示されたものであり、「ビジネスモデル」「製品/サービス」「業務」「プラットフォーム」など4つのデジタル化と「DXを進める体制の整備」の取り組み領域が整理されています。

デジタイゼーションのフェーズでは、「ビジネスモデル」を除く3つの「デジタル化領域」と「DXを進める体制の整備領域」において具体的アクションが示されています。レガシーシステムからの脱却を図るとともに、スピーディなソフトウェア開発を可能にする内製化に向けて準備するフェーズと言えるでしょう。

デジタイゼーションの効果

デジタイゼーションにより得られる効果には、以下のものがあります。

  • 業務の効率化
  • 生産性向上
  • 業務スピードのさらなる加速
  • ヒューマンエラーの削減

デジタイゼーションの推進により、個々の作業や業務プロセス全体に要する時間が削減され、生産性の向上が見込めます。多くの業務において自動化の恩恵があるため、業務スピードが向上するとともにヒューマンエラーの削減にもつながります。

デジタイゼーションの課題

一方で、デジタイゼーションにおける課題には、以下のものがあります。

  • IT技術に対する投資配分最適化
  • 開発体制の外注化

DX推進の大きな課題として、既存システムの保守運用コストがあります。企業においては「IT関連費用の半分以上を、現行システムの維持管理が占める」と言われており、今後DXを推進するにあたり、デジタル技術への投資が困難となる課題に直面しています。

また、業務に必要な基盤整備やシステム開発を、業務委託などで外注化するケースが多いことも課題として挙げられます。これにより、実際の業務システム稼働までに時間を要するため、企業はDX推進におけるスピード感が損なわれてしまいます。

DXとデジタル化は何が違う?それぞれの正しい意味や目的・重要性を解説

第2段階:デジタライゼーション

ここでは、第2フェーズの「デジタライゼーション」について解説します。なおこのフェーズは「個別業務・プロセスのデジタル化」と定義づけられています。

デジタイゼーションとは、第1フェーズのデジタイゼーションでデジタル化された業務プロセスを踏襲した上で、ITで業務を代替・自動化させることを通じてさらなる業務効率化を実現するフェーズを指します。

またRPAなどのツールも活用し、部署間におけるワークフローのデジタル化を目指すことからも、デジタライゼーションは「攻めのデジタル化」と称されます。

デジタライゼーションの具体的な施策

デジタイゼーションの具体的な施策は、業種別・業務別それぞれにおいて以下のようなものがあります。

業種別

小売業と物流業におけるデジタライゼーションの具体的な施策は、以下のとおりです。

【小売業】

  • POSレジによる売上・販売管理の自動化
  • 発注における欠品・余剰在庫の最適化

【物流業】

  • 業務プロセスがワークフローとして統合
  • 各プロセスで用いる伝票の統一化
  • 荷物の状況をリアルタイムで管理

業務別

マーケティングとセールスの業務におけるデジタライゼーションの具体的な施策は、以下のとおりです。

【マーケティング業務】

  • MA(Marketing Automation)ツールを用いた見込み客の管理、素早いアクション

【セールス業務】

  • 商談管理システムを用いた商談進捗状況のデータ管理、タイムリーな顧客対応
  • オンライン商談ツールを用いたトップ営業マンにおける業務の水平展開

デジタライゼーションの進め方とプロセス

デジタライゼーションは、以下の通り「DXレポート2 中間取りまとめ(概要)」が提唱している「DXフレームワーク」において、デジタラゼーションに続く第2段階のフェーズとなっています。

DXフレームワーク
[出典:経済産業省「DXレポート2 中間とりまとめ(概要)」]

デジタライゼーションのフェーズでは、第1フェーズ同様「ビジネスモデル」を除く3つの「デジタル化領域」と「DXを進める体制の整備領域」において具体的アクションが示されています。

ここでは、デジタイゼーションで推進したデジタル化をさらに推し進めつつ、DX推進のゴールを見据えていくフェーズになります。

デジタライゼーションの効果

デジタライゼーションの推進により得られる効果には、以下のものがあります。

  • 既存製品やサービスにおける付加価値の創出
  • 自動化による時間とコストの削減

製品のあらゆる場面でビジネスプロセスがデジタル化されるとともに、リアルタイムなモニタリングが可能になることで業務の効率化がさらに進みます。他方で業務プロセスの自動化も進むことにより人的作業の減少や時間短縮、さらにはヒューマンエラーの軽減などの効果があります。

第3段階:デジタルトランスフォーメーション(DX)

ここでは、第3フェーズの「デジタルトランスフォーメーション(DX)」について解説します。なおこのフェーズは「全社的な業務・プロセスのデジタル化、顧客起点における価値創造を目的とした事業やビジネスモデルの変革」と定義づけられています。

デジタルトランスフォーメーションとは、Digital Transformationm(DX)の略語で、デジタル技術を用いることによって、ビジネスや生活が変容することを指します。

デジタルトランスフォーメーションの「DX化」の類似用語である「IT化」とよく混同されます。「IT化」とは、デジタル技術によって業務の効率化を図ることを指し、デジタル化が目的であるのに対して、「DX化」とは、IT化を手段の一つとして捉え、ビジネスモデルやプロセスに変革をもたらすことを意味します。

デジタルトランスフォーメーションはなぜDXと略される?”X”が指す意味とは

DXの必要性

デジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性として、以下のものが挙げられます。

  • 既存システムの老朽化に対する見直し
  • グローバル化への対応
  • 2025年の崖

デジタルトランスフォーメーション(DX)のフェーズでは、老朽化した既存システムやグローバル化への対応が必要になりますが、これらの対応は決して容易なことではありません。

しかし、既存システムの見直しによって機能の整理が実現できたり、DX化による変革によって結果的に市場のグローバルに対応できたりといった利点を生むこともあることを理解しておきましょう。

一方、経済産業省では、2025年に発生するレガシーシステムの老朽化における課題に警鐘を鳴らしています。具体的には、2025年までに改訂が行われない場合、年間で12兆円の経済損失が生まれると想定されており、レガシーシステムを保持する企業の約6割以上が、この課題に対する早急な対応が求められています。

[出典:経済産業省「D X レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~ (サマリー)」]

DXの進め方とプロセス

デジタルトランスフォーメーション(DX)の進め方を検討するにあたり、ここでは大まかな枠組みとプロセスを紹介します。以下を参考に、どのような取り組みをすべきか検討していきましょう。

  • DXの進め方①:DXを進める上での目的を決定
  • DXの進め方②:組織における責任者の同意を得る
  • DXの進め方③:DX戦略へ落とし込む
  • DXの進め方④:現状をより正確に把握
  • DXの進め方⑤:具体的な優先度を決定
  • DXの進め方⑥:組織全体のワークフローをデジタル化
  • DXの進め方⑦:ビジネスモデルや事業をデジタル化
  • DXの進め方⑧:長期でPDCAを実行

なおDX推進にあたっては、あらゆる組織に上記の進め方が合致するわけではありません。現在の立ち位置をしっかりと把握した上で、自社によって最善の方法を模索しましょう。

DXのメリット

デジタルトランスフォーメーション(DX)の企業におけるメリットは、以下の通りです。

  • 生産性向上と業務の効率化
  • コストの削減
  • 市場の変化に対し、柔軟な対応が可能に
  • 新しい商品やサービスの開発

デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進において、ワークフロー改訂による生産性向上や業務効率化の促進は計り知れず、結果的にコストの削減にも結びつきます。また、市場の変化に対して柔軟な対応が取れる環境が構築され、新しい商品やサービスの開発につながります。

DX化を進めないリスク

一方で、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しない場合に生じるリスクは、以下の通りです。

  • システムの複雑化
  • システムのブラックボックス化
  • 市場の変化に対する柔軟性低下

DX化を推進しない場合における最大のリスクは、レガシーシステムにあると言っても過言ではありません。長期間にわたってシステムを利用するなかで、度重なる改修によるシステムの複雑化や、リリース時に担当していた従業員の退職によるシステム構成のブラックボックス化などのリスクが生じます。

同様にレガシーシステムへ固執することによって、市場の変化に対する柔軟性が低下する恐れもあります。

日本におけるDXの課題とは?推進を阻む問題点や解決策を徹底解説

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各フェーズを正しく理解して段階別のDX推進へ

今回は、DX推進における3段階のフェーズと各プロセスの定義や進め方について解説しました。DX推進においては、各フェーズの正しい理解が必要不可欠になります。また各フェーズを理解できたからといってDX化が急速に進むと考えるのは避けるべきです。

DX成功の鍵は、3段階ある各フェーズの正しい理解にくわえて段階別のDX推進にあります。まずは自社の現状を確認し、自社が目指すべきゴールをしっかり見据えた上で、DX推進へ向けて踏み出しましょう。

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