デジタル化の目的とは?改めて考える必要性や得られる効果について

記事更新日:2022/06/08

デジタル化

デジタル化イラスト

デジタル化の目的にはどのようなものがあるでしょうか。本記事では、デジタル化の目的や必要とされる背景を紹介します。デジタル化によって得られる効果もお伝えしますので、デジタル化による業務や事業の改善を検討される際に、ぜひお役立てください。

デジタル化の目的とは

企業におけるデジタル化の目的には、業務の効率化や人的リソースの最適化、また効果的なマーケティングによる利益の拡大などが挙げられるでしょう。つまり、単にアナログからの脱却がデジタル化の目的・目標ではないのです。

また、DX(デジタルトランスフォーメーション)とデジタル化やIT化が、同意語として捉えられてしまうことがありますが、デジタル化やIT化は、DXを実現するための、あくまで一手段にすぎません。組織やビジネスの変革による企業優位性の獲得を目的としたDXとは、明確な違いがあることを認識しておく必要があります。

例えば、「人件費の削減」という目的があった場合、業務のデジタル化によって、人的ミスの削減、作業スピードの向上、「人の手、人の目」で行う作業の軽減が実現でき、その結果、人件費を削減することにつながるはずです。

コスト削減は、デジタル化による目的の一例であり、そのほかにも、生産性向上や業務の最適化など、さまざまなメリットが得られるのです。

デジタル化そのものを目的にしてはならない

先にお伝えした通り、デジタル化は、業務をデジタル化すること自体が目的ではありません。では、デジタル化を実行する際には、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。

あくまでもデジタル化は「手段」と捉えるべき

デジタル化において大切なのは、デジタル化によって、どのようなメリットや結果を得られるかにあります。

手段と目的を履き違えてしまった場合の失敗例には、業務の効率化を図るため、ITツールを導入したものの、機能が足りなかったり、はたまた、仕様が複雑すぎて、逆に業務効率が低下してしまったというケースがあります。

上記は、手段が目的となってしまい、真の目的である「業務の効率化」が達成できなかったデジタル化の「悪い見本」といえます。

デジタル化は「前提」になりつつある

近年、テレワークを導入する企業が増えていますが、テレワークを実践する上では、業務のデジタル化が必要不可欠となります。

また、デジタル化は、DXの手段であるとお伝えしましたが、そもそもDXは、デジタル技術を活用して組織やビジネスに変革をもたらすものです。

そのため、企業におけるデジタル化は、年々変化のスピードを増す市場において、企業が競争力や優位性を確立し続けるための絶対条件であり、「前提」として考えることができるのではないでしょうか。

デジタル化が注目される4つの背景

デジタル化が社会やビジネス界で注目されている理由としては、さまざまな背景があります。ここでは、主に4つの背景について詳しく解説します。

(1)日進月歩の技術発展

近年、デジタル化が進む背景には、デジタル技術の急速な発展が影響しています。

IoT(モノのインターネット)、人工知能(AI)、5G(第5世代移動通信システム)といった、先端IT技術の進化は、日常生活でも触れる機会が多いため、進化のスピードを身近に感じることできるでしょう。

その昔、ガソリン自動車が大衆化されるには約100年近い歳月を要したと言われていますが、スマートフォンは登場からたった5年ほどで普及に至っています。

このようなデジタル技術の変化スピードは、市場ニーズにも直結しており、デジタルの利便性を活かしたサービスや商品を求める傾向は高まるばかりです。そのため、企業にもデジタル技術を活用したビジネスモデルの創出が求められるようになったのです。

(2)ライフスタイルの多様化による働き方の変化

健全な労働環境の実現や多様化するライフスタイルに対応するための「働き方改革」に加えて、新型コロナウイルス感染症の影響により、ここ数年でテレワークという働き方は、急速に社会に浸透しました。

テレワークとは、オフィス外で、場所や時間にとらわれずに仕事ができる柔軟な働き方のことを意味します。そして、このテレワークを円滑に行うには、インターネットや、業務のシステム化、ペーパーレス化が必要となります。

このような社会背景も、デジタル化への関心が一気に高まった要因の一つといえるでしょう。

(3)2025年の崖

「2025年の崖」とは、2018年に経済産業省が発表したレポートに記載された、「DX」が、2025年までに多くの企業において推進しないことにより発生する、市場競争力の低下や最大12兆円の経済損失などを表現した言葉です。

DXの進捗状況については、世界各国の企業と比較して日本国内の企業の取り組みは後れをとっているとみられており、早急な対応が求められています。

(4)蓄積されたデータが価値になる時代

デジタル化することで、多種多様な形式のデータの蓄積および分析が可能になります。

顧客情報一つをとっても、氏名や年齢、性別といった静的なデータだけでなく、閲覧履歴や購買履歴、位置情報による移動経路といった動的なデータに消費行動に深く関わる天気や気温、季節といったデータを掛け合わせて分析することにより、無駄のない効率的なマーケティング活動が行えるようになります。

つまり、蓄積したデータは、利益の拡大に直結する情報であり、高い価値を持つ企業資産なのです。

デジタル化が必要とされる3つの要因とは?

デジタル化の必要性は年々高まっています。では、なぜ現代社会においてデジタル化が必要なのでしょうか。

ここでは、その主な要因を3つ解説します。

(1)生産性の向上

業務のデジタル化により、定型業務の自動化によるヒューマンエラーの削減、また、人的リソースのコア業務への集中などが実現できるため、大幅な生産性の向上が期待できます。

業務のデジタル化による、作業時間や質の改善は、実際に多くの成功事例も存在します。

また、コア業務に集中できる環境づくりは、社員の仕事に対するエンゲージメントやモチベーションの向上といった、相乗効果も見込めるでしょう。

(2)BCP対策としての重要性

業務をデジタル化し、テレワークなど場所を問わず業務を遂行できる環境を整えておくことは、BCP対策としても有効です。

そもそも、BCPとは事業継続計画(Business Continuity Plan)を意味し、企業がテロや災害、システム障害、不祥事の発生などといった危機的状況下に置かれても重要な業務を継続するための計画を指します。

コロナ禍において、テレワークの導入により、社員の安全を確保しつつ、重要な事業を継続した企業は多いのではないでしょうか。このようなことからも、デジタル化が緊急事態にも柔軟に対応できる対策の一つとなるのです。

(3)多様な働き方への対応

デジタル化はテレワークの推進や定着化を後押しするだけでなく、業務の効率化による長時間労働の是正や、短時間労働の実現にも大きく貢献します。

人材不足が年々深刻化する現代社会においては、柔軟な労働環境の構築による優秀な人材の確保および人材流出の防止は、最重要課題であるともいえる上、これら課題の有効な解決策となり得るのです。

デジタル化はどんな課題が解消できるのか?

次に、デジタル化によって解消できる課題について、いくつかの課題例をピックアップし解説します。

増大するコストの削減

デジタル化はすなわち、テレワークの実現やペーパーレス化の基盤となる取り組みです。

テレワークやペーパーレスを実現することにより、交通費や紙代、印刷にかかるコストを大幅に削減できるようになるでしょう。

また、テレワークを定着させるのであれば、オフィスの縮小やオフィス設備の簡素化も可能です。オフィス管理費の削減は、企業にとっても大きなコスト負担の軽減につながるはずです。

情報共有の手間やリードタイムの発生

対面や書類のやり取りによる取引やコミュニケーションは、どうしても情報共有のスピード感が低下し、郵送などのリードタイムも発生してしまいます。

一方で、オンラインストレージやオンラインサービスを活用した情報共有や取引であれば、共有の手間やリードタイムを削減することにより、業務のスピードアップを図ることが可能です。

稟議書等の決裁が滞りやすい

これまでの一般的な決裁フローは、書類を順番に回覧し、各承認担当者の押印やサインを得る形式が多いのではないでしょうか。

しかしこの方法の場合、承認担当者は在席中にしか業務に対応することができず、フローが滞りがちです。また、複数の承認担当者が設定されているケースでは、今、書類がどこにあるのか、どこで止まってるのかの確認がしにくくなってしまいます。

このような決裁業務を、デジタル化することができれば、承認者は出先の隙間時間にも決裁業務に対応することができ、さらには、承認状況もオンライン上ですぐさま確認することができるようになります。

デジタル化によって得られる効果

企業のよくある課題解決にも役立つデジタル化ですが、得られるメリットは、それだけではありません。

デジタル化により得られる7つの効果・メリットについて、さらに詳しく見ていきましょう。

優秀な人材の流出を防ぐ・採用をしやすくする

デジタル化の推進により、業務のオンライン化や効率化が進めば、テレワークの定着化や労働時間の短縮も実現できるようになります。

このような柔軟な働き方の推進は、優秀な人材の確保や、ライフスタイルの変化により退職を余儀なくされてしまう、既存社員の離職の防止策としても有効といえるでしょう。

また、テレワークによるオフィスへの通勤を前提としない採用であれば、全国各地、ひいては海外に居住している人材も視野に入れた採用活動が可能となります。

様々な手続きが簡単に

決裁業務だけでなく、経費精算や勤怠管理などもデジタル化により、手続きを簡単に、そしてスピーディーに行うことができるようになります。

特に、経費精算においては、テレワーク社員が、領収書の提出や精算のためだけに出社するといったフローを残している企業も多いのではないでしょうか。

これらの業務をデジタル化することにより、オンライン上で全ての手続きが完結するため、無駄なコストの削減だけでなく、時間を有効に使うことによる生産性の向上にも役立ちます。

データの保管や共有が簡単になる

デジタル化が進めばデータの保管や共有も簡単になります。

オンライン上のデータは、当然ですが、わざわざプリントアウトして回覧したり、メールに添付して送付したりすることなく共有が可能です。また、保管する際も、物理的な保管場所を要することはなく、検索性が高いこともメリットであるといえるでしょう。

人手不足の問題解消につながる

デジタル化は、あらゆる分野の業務の効率を改善することができます。

例えば、ルーティンワークを自動化することにより、その作業に掛けていた時間と手間をコア業務に集中することで、人員配置を見直すことも可能です。その結果、人手不足の問題の緩和も期待できるでしょう。また、業務の自動化は、人的ミスの削減といったメリットを得ることもできます。

ペーパーレス化が可能

デジタル化は、ペーパーレス化の土台となる取り組みです。

ペーパーレス化は、消耗品コストの削減や業務の効率化といったメリットを得ることができます。それだけでなく、近年は持続可能な社会の実現に向け、環境問題への配慮の側面からも、企業が重要視すべき取り組みであると考えられています。

企業競争力や顧客満足度を上げられる

デジタル化は、企業競争力の強化や顧客満足度の向上にもつなげることができます。

前述の通り、蓄積したデータの活用は、既存ビジネスモデルの利益の拡大に直結するものです。さらには、データ分析により顕在化していないニーズを的確に洗い出すことも可能となるでしょう。

デジタル化によるデータの活用は、既存ビジネスの成長や、新たなビジネスモデルを創出する上で、欠かせない要素であるといえるのです。

デジタル化は「目的・目標」を正しく把握することが大切

デジタル化の必要性やメリットについて解説しました。デジタル化によるメリットを享受するには、単にアナログ業務のデジタル化を目的にするのではなく、デジタル技術の導入によって、どのような目標を達成したいかを明確にしておくことが大切です。

また、その目標は「人手不足の解消」「生産性の向上」「利益の拡大」といった、企業の最重要ともいえる課題の解決を目指したものであることが理想であるといえるでしょう。

デジタル化のメリットは企業により異なるため、まずは、適切な目標を策定した上で、自社に合ったデジタル化推進のロードマップを作成し、段階的に進めることをおすすめします。

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