サテライトオフィスとは?導入メリット・デメリットや注目されている背景

記事更新日:2022/06/28

テレワーク

サテライトオフィス勤務の女性

働き方改革で注目を集めるサテライトオフィス。本記事では、サテライトオフィスの解説や注目されている背景、導入のメリットやデメリットについて解説しています。サテライトオフィスの活用事例も紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

サテライトオフィスとは?定義について

働き方改革や新型コロナウイルス感染症の影響で注目を集めているサテライトオフィス。

総務省もサテライトオフィスの推進を行っており、このサテライトオフィスの定義は「企業または団体の本拠から離れた所に設置されたオフィス」とされています。

サテライトオフィスは設置されている場所により、下記の3つに分かれます。

それぞれにどのような特徴があるのかを解説をしていきますので、サテライトオフィスについて気になっている人は参考にしてみてください。

(1)都市型サテライトオフィスとは

都市部に設置され、営業活動を中心とした業務効率化のための拠点となっている都市型サテライトオフィス。主に交通アクセスの良い主要拠点に設置されています。

都心にクライアントを多く持つ企業の拠点が地方にある場合、クライアントの多い都市部にサテライトオフィスを置くことで、営業活動などが容易になるでしょう。また、サテライトオフィスの設置は、移動時間や費用の削減にも繋がります。

(2)郊外型サテライトオフィスとは

郊外型サテライトオフィスとは、都市部から離れた郊外に設置されたオフィスです。ベッドタウンなどに居住する従業員が通いやすいように設置されています。

郊外型のサテライトオフィスは、通勤費や通勤にかかる時間の削減などを目的として設置されています。また、従業員のライフワークバランスを維持したいと考える企業が郊外型サテライトオフィスを採用しているケースも多くあります。

郊外型サテライトオフィスの利用は、郊外の顧客を回るケースなどにもおすすめです。

(3)地方型サテライトオフィスとは

主に都心部に本部を持つ企業が、地方に設置しているオフィスです。総務省も、地方型サテライトオフィスを推奨しており「お試しサテライトオフィス事業」を実施しています。

この事業は、企業の移転計画の実施を後押しする目的も持っており、サテライトオフィスを拠点とするテレワーク導入の補助金制度も導入されています。

地方にオフィスを設置することにより、自然災害時のリスク分散や感染症流行のリスク分散、従業員のストレス軽減効果なども期待できます。

サテライトオフィスが注目される背景

サテライトオフィスが注目を集めるようになった4つの理由を、下記にあげてみました。

  1. テレワークなどの働き方の多様化
  2. 新型コロナウイルス感染を防ぐため
  3. 地方創生
  4. デジタルツールの普及・ICT環境の充実

それぞれの背景について詳しく解説をしていきます。サテライトオフィスの背景が気になる人は必見です。

(1)テレワークなどの働き方の多様化

「少子高齢化に伴う人口の減少」や「働き手のニーズの多様化」などの状況に直面している影響もあり、厚生労働省は働き方改革を推奨しています。

中でも特に、テレワーク推奨に注力。自宅やコワーキングスペースなどを活用し、時間や場所にとらわれない働き方を取り入れることで、働きやすさや業務の効率化を促すことを目的としています。

他にも、働き方改革によって、時間外労働の上限規制をはじめとした働き方改革法ができたことにより、企業は限られた時間内で生産性を高めることが求められています。

また、通勤時間やコストの削減、従業員のモチベーションの維持といったさまざまな課題をクリアするために、サテライトオフィスを拠点としたテレワークの導入を行う企業が増えているのです。

(2)新型コロナウイルス感染を防ぐため

2019年の12月以降、世界各国で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症。この拡大を防ぐためには、人との接触機会を避けなければいけません。

サテライトオフィスやテレワークであれば「密」を回避することも可能です。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を最小限に抑えられるといった期待からも、サテライトオフィスは注目されています。

(3)地方創生

少子高齢化の影響もあり、働き手の数は年々減少傾向にあります。しかも人口は都市部に集中し、東京への一極集中が問題になる一方で、地方の過疎化問題は申告です。

そのため、地方の魅力に触れることで働き手を確保することも目的とされ、地方型サテライトオフィスを拠点としたテレワークの導入・実施が推奨されているのです。

(4)デジタルツールの普及・ICT環境の充実

昨今、多くの企業がデジタルツールの開発を行っており、離れた場所からでも業務の効率を落とすことなく、働ける社会になりつつあります。

さらに、ICT環境の充実を背景に、デジタルツールが活用され、サテライトオフィス勤務であっても、本社と変わらない環境で仕事をすることも可能です。

デジタルツール・ICT環境が充実してきたことが、サテライトオフィスを導入する企業が増加している背景にあります。

サテライトオフィスのメリット

新型コロナウイルス感染症の流行や、働き方改革によって取り入れる企業が増えているサテライトオフィス。サテライトオフィスを導入するメリットは下記の6つです。

  1. 移動にかかるコストを削減できる
  2. 災害など不測の事態に備えられる
  3. 育児や介護などと両立ができる
  4. 地方の優秀な人材を採用できる
  5. 通勤時間が減りストレスが緩和され、生産性も向上する可能性がある
  6. 人手不足を改善できる

それぞれのメリットについて解説をしていきますので、サテライトオフィスの導入について検討している人は参考にしてみてください。

(1)移動にかかるコストを削減できる

ある企業では、多くの従業員が自宅から近い距離にある郊外型サテライトオフィスを利用しています。通勤時間が短くなり、プライベートな時間を充実させることができるようになったといいます。

通勤手当が削減できるため、企業にとっても利益は大きく、通勤手当の負担が大きい企業は、サテライトオフィスを導入することで、コストの削減を可能とします。

(2)災害など不測の事態に備えられる

日本は地震大国とも呼ばれていますが、近年、東北地方を中心に地震が多発しており、多くの被害を受けています。内閣府でも、災害対策の一環としてBCP(事業継続計画)対策を促進しています。

サテライトオフィスの設置はBCP対策にもなり、災害や不測の事態が発生した際のリスク分散に繋がります。

本部が災害などに巻き込まれた際は、サテライトオフィスを拠点として、従業員の安否確認や必要な業務を継続することも可能です。

(3)育児や介護などと両立ができる

サテライトオフィスの利用には、通勤時間を短縮できることから育児や介護に時間を割きやすいといった利点があります。柔軟な働き方ができるという点からもワークエンゲージメントを高く維持しやすく、従業員の定着率も上がります。

自由な働き方が注目されてきたこともあり、育児や介護などとの両立がしやすいという点からも、サテライトオフィスの利用には、多くのメリットがあるといっても過言ではありません。

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(4)地方の優秀な人材を採用できる

首都圏をはじめとする都心に本部がある場合、その周辺で人材を探す企業が多いでしょうが、地方にサテライトオフィスを設けることにより、そのエリアの優秀な人材を採用することが可能です。

本部との距離があってもデジタルツールを活用することで、同じ空間にいるかのような業務を行うことが可能です。地方でも採用活動ができることは、企業にとっても大きなメリットといえるでしょう。

(5)通勤時間が減りストレスが緩和され、生産性も向上する可能性がある

サテライトオフィスでは、移動時間を短縮できるため、従業員の負担を減らし、生産性の向上を図ることも可能です。通勤時間が長いとその負担から疲労が溜まりがちで、パフォーマンスの低下が気掛かりです。

サテライトオフィスを利用することによって、通勤時間の短縮など多くのメリットが得られるため、サテライトオフィスを導入する企業が増えているのです。

(6)人手不足を改善できる

都心部は地方と比べると労働人口が多い一方で、優秀な人材の取り合いになるので人手不足に陥りやすいといった側面もあります。

しかし、サテライトオフィスを導入することで、地方の人材を雇用できるようになるため、人手不足の解消にも繋がるでしょう。人手不足で悩んでいる企業は、サテライトオフィスの導入を検討してみましょう。

サテライトオフィスのデメリット

サテライトオフィスのデメリットは下記の4つです。

  1. セキュリティ面のリスクがある
  2. コミュニケーションが減る
  3. 労働時間の管理が大変
  4. オフィスごとに知識の差が発生する可能性がある

長所と短所の両方を理解した上で、サテライトオフィス導入の検討を行うために、デメリットについてもしっかりチェックしておきましょう。

(1)セキュリティ面のリスクがある

サテライトオフィスは情報が分散してしまうため、セキュリティ面に関するリスクが生じます。セキュリティに関するリスクを減らすためにも、IT機器などのセキュリティを強化する対策が必要です。

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(2)コミュニケーションが減る

従来のオフィスと異なり、サテライトオフィスでのコミュニケーション方法はビジネスチャットや電話・メールになるため、どうしてもコミュニケーションが減ってしまいます。

コミュニケーションが疎かになると、密な連携が取りにくい上に伝達不足などで大きなミスにつながってしまう危険性も否めません。

コミュニケーション問題を改善するためにはWeb会議システム・ビデオ通話サービスなどを活用し、コミュニケーションを円滑にしていくことが必要です。

テレワーク中のコミュニケーション方法を解説!よくある課題と対策法とは

(3)労働時間の管理が大変

サテライトオフィスでの勤務は、誰がいつ、どれだけ仕事をしているのかといった労働状況がわかりづらい傾向があります。

この課題についてはテレワークでの勤務時にも挙げられるものですが、従業員と対面して勤務していないサテライトオフィスでは、評価の査定が行いづらいのが現状です。

サテライトオフィス勤務の場合は、誰がいつどれだけ働いているのかを把握できるよう、勤怠管理システムを導入することをおすすめします。

テレワーク中の正しい残業管理とは?よくある問題や残業が増える原因

(4)オフィスごとに知識の差が発生する可能性がある

本部にいると従業員間の情報共有がスムーズにできます。従って、業務に関する情報や知識の偏りは生じにくいですが、サテライトオフィスの拠点が複数ある場合は、オフィスごとに情報量の格差が広がる懸念があります。

その対策として、例えば本社で行う研修にサテライトオフィス勤務者が参加できない場合は、Web会議システムを活用してセミナーを受講するなど、情報の共有化を意識することは大切です。

情報格差が生じると社内での温度差が生まれやすいため、このことを回避し、コミュニケーションを円滑にするため、定期的なWeb会議などを開催しましょう。

サテライトオフィスを導入する際の注意点

メリットやデメリットとともに、サテライトオフィスを導入する際に意識するべき注意点が4つあります。

  1. コミュニケーションを大切にする
  2. セキュリティ対策をする
  3. 従業員のメンタル面に気を付ける
  4. 評価基準をしっかりと定める

それぞれの注意点について解説をしていきますので、サテライトオフィスの導入を検討している人は必見です。

(1)コミュニケーションを大切にする

サテライトオフィス勤務者は、ほかの事業所の従業員と対面する機会が減ってしまうことから、社内でのコミュニケーション不足に陥りやすいといったデメリットがあります。

ビジネスチャットツールやビデオ会議システムを活用することによって、コミュニケーション不足を解消することは可能ですが、従業員の勤務状況やプロジェクトの進捗具合など、把握しづらいといった課題があります。

そこでデジタルツールを導入し、離れていてもお互いの状況が分かるようにして定期的にコミュニケーションを取るようにすると、問題の発生を抑制するでしょう。

(2)セキュリティ対策をする

複数の企業が共同で利用する「共用型」のサテライトオフィスではとくに、セキュリティ対策をしっかり行うことが重要です。情報漏洩を防ぐため、情報の権限設定を行うなど対策を取りましょう。

また、機密情報の取り扱いはもちろん、ビデオ通話やWeb会議を行っているときの会話が周りに聞こえてしまうことも考えられるため、注意することが大切です。。

(3)従業員のメンタル面に気を付ける

コミュニケーションの重要性と共通しますが、対面での接点を持つことができないサテライトオフィスでは、従業員の体調やメンタルケアの変化に気付きにくいため、注意する必要があります。

本部の従業員が定期的にサテライトオフィスに足を運ぶかWeb会議システムなどを活用し、定期的な面談を行うといいでしょう。

(4)評価基準をしっかりと定める

企業の拠点から離れたサテライトオフィスでは、従業員の仕事に取り組む姿がわかりづらく、評価が難しいといった課題があります。

そのため、勤労時間や勤務姿勢での評価だけでなく、成果に合わせた評価なども取り入れることで、基準を明確にした評価設定を行いましょう。

評価基準が定まっていないと、場合によっては従業員のモチベーションの低下に繋がってしまうため、サテライトオフィスを導入する際は、評価基準の再設定を行うようにしましょう。

サテライトオフィスの活用事例

次は実際にサテライトオフィスを活用している事例について、4社を例に挙げて解説していきます。

  • 日立グループ
  • アラタナ
  • 富士通
  • あしたのチーム

各社がサテライトオフィスを導入した経緯や、その効果についてご紹介します。

(1)日立グループ

日立グループでは全国に88拠点のサテライトオフィスを設置。月間の利用者は、グループ全体で月間5~6万人になるとしています。

サテライトオフィス導入のために、会議のオンライン化やペーパーレス化など、クラウドサービスも活用してデジタル環境を構築。場所にとらわれない多様な働き方を重視した取り組みは企業側、働く人それぞれに大きなメリットをもたらしているといえるでしょう。

(2)アラタナ

ECサイトの運営やサポートを行っている株式会社アラタナ。宮崎県に本社を持つ同社では、東京の表参道にサテライトオフィスを設置し、二地域就業を展開。働き方改革と顧客ニーズのどちらも意識した取り組みを実践しています。

同社では、東京と同じレベルの仕事を宮崎にいながらにしてできることは、従業員にとっても大きな魅力になるとして、地元の出身者を積極的に採用しています。

(3)富士通

日本の総合エレクトロニクスメーカーとして知られる富士通株式会社は、全国各地に郊外型サテライトオフィスを設けています。

出張中でも業務を行えるスペースがほしいといった社員の要望から、柔軟な働き方と多様性を促進することを目的として、サテライトオフィスを設置。

オフィス内には休憩スペースや健康器具を完備。従業員が、より過ごしやすい拠点作りを行うことで、エンゲージメントの向上も図っています。サテライトオフィスは、効率的に仕事ができるとして、社員の利用が増えているといいます。

(4)あしたのチーム

東京に拠点を持つ株式会社あしたのチームは、地方型サテライトオフィスとして徳島に拠点を設置。

地方から若く優秀な人材が流出しやすい中、地方にサテライトオフィスを設けることで、「地元で働きたい」という優秀な若者を確保することに成功しています。

人材の確保・育成や研修もこのサテライトオフィスで実施。東京本社に集まって行う必要がない点も大きなメリットとなっています。

サテライトオフィスを活用して多様な働き方の実現へ

新型コロナウイルス感染症の影響や働き方改革の影響により、サテライトオフィスを導入する企業が増えています。

サテライトオフィスを設置することで、多様な働き方を実現できるとともに、地方の優秀な人材を雇用しやすく、人材不足に陥りにくいことなどメリットも豊富です。

企業の業務効率を高めていくためにも、ぜひサテライトオフィスの導入を検討してみましょう。

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