ERPエンジニアとは?仕事内容や必須スキル・将来性を解説
ERPシステムの普及とともに注目が集まるERPエンジニア。転職市場でもERPエンジニアの需要が高まっていますが、そもそもERPエンジニアとはどのような職業なのでしょうか。本記事では、ERPエンジニアの仕事内容や必要なスキル、将来性を詳しく解説します。
目次
ERPエンジニアの仕事内容
ERPエンジニアは、ERPシステムの導入・運用・改善をサポートするIT分野の技術職です。
そもそもERPシステムとは、企業活動を行ううえで欠かせない基幹業務である、販売、生産、会計、財務、人事、労務などの管理業務や情報を一元化し、経営資源の効率的な利用を実現するシステムです。
ERPエンジニアは、このシステムの要件定義から設計、開発、テスト、そして、クライアントへの導入・運用までの一連の流れをサポートします。クライアントの業務環境や要望に応じてシステムの改善を行うこともあるため、幅広いITの知見だけでなく、業界や業務への理解も求められるなど、非常に重要な役割を担うことになるのです。
ERPエンジニアの平均年収
ERPエンジニアは、企業の業務プロセスを統合し、効率化するためのシステムを設計するため、会計、財務、製造、販売など、企業の基幹業務についての深い理解が必要です。
ERPソフトウェア以外の知識も求められることから、一般的なITエンジニアよりも給与水準が高い傾向にあり、平均年収は、概ね500万円〜800万円程度といわれています。さらに、高キャリアのERPエンジニアになると、平均年収を大きく上回る報酬を得ることも珍しくはないため、高収入を目指せるエンジニア職といえるでしょう。
▷ERPとは?意味や基幹システムとの違いを簡単にわかりやすく解説
ERPエンジニアの将来性
ERPエンジニアは、企業のDXを推進するうえで中心的な役割を担うことになります。
また、従来の需要だけでなく、新たにクラウド型ERPを導入する企業や、オンプレミス型からクラウド型へと移行する企業も増えていることから、ERPエンジニアの需要は、今後も増加傾向が続くと予測されています。
さらにIoTやAIなどの先進技術にも精通しているエンジニアは、需要の急拡大が見込まれることから、市場価値が飛躍的に高まることも考えられるでしょう。
ERPエンジニアに必要なスキル・知識
ERPエンジニアとしての価値を高めるには、特定のテクニカルスキルとビジネス知識が不可欠です。ここでは、その要点となるスキル・知識を簡潔に紹介いたします。
ERPシステムに関する深い知見
ERPエンジニアは、ERPシステムによってどのように業務プロセスの改善ができるのかを考えたうえで、クライアントのシステム開発・設計を行うため、ERPシステム自体の構造や機能に対する深い知見は必須のスキルとなります。
また、ERPシステムは多くの場合、財務、人事、サプライチェーン、営業など、企業内のさまざまな部門の情報や業務を一元管理し、サポートするシステムとして活用されます。したがって、各部門の業務プロセスと、それらをどのようにERPシステムと連携させるかを理解する際にも、ERPシステム自体の知識は不可欠といえるでしょう。
システムの設計・開発スキル
ERPエンジニアが持つべき中核的なスキルの一つが、システムの設計および開発スキルです。
これには、クライアントのニーズを具体的なシステムの仕様にして定義する設計能力と、それを基にプログラムを作成する開発能力が含まれます。具体的には、データベースの設計、ミドルウェアやAPIの選定・実装、フロントエンドやUIの構築などのスキルです。
また、ERPシステムは多くのモジュールから構成されるため、全体のアーキテクチャを理解し、各モジュール間の連携を効果的に設計する能力も求められるでしょう。エンジニアは、最新の技術動向やプログラミング言語、ツールを継続的に学習し、あらゆるビジネス環境に適応したシステムを構築できる能力が必要です。
マネジメントスキル
基幹業務を担うERPシステムは、場合によっては、大規模なシステム開発となることも珍しくはありません。
また、クライアントサイドの業務改革とともに進められることから、開発メンバー以外のさまざまなステークホルダーとコミュニケーションをとりながら、進行管理、リソース配分などのマネジメントをすることになります。
計画の立案から実行、タスクの優先順位の設定やチームメンバーのモチベーション管理、リスク管理など、ERPプロジェクトを成功させるには、技術力だけでなく、マネジメント力も併せた両面からのアプローチができる能力が必要です。
ERPエンジニアにおすすめの資格
最後に、ERPエンジニアとしてのキャリアアップにつながる資格を2つ紹介します。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、情報処理技術者の育成と、その能力の認定を目的に創設された情報処理技術者試験の一種で、合格することで「基本情報技術者」という国家資格が得られる試験です。
試験の内容は、以下のような項目に分けられ、基本的な知識を問うマークシート方式の試験と、応用的な知識と技術を問う記述式の試験で構成されています。
- ソフトウェア
- ハードウェア
- システム開発技術
- 情報システムの企画・運用
- 情報セキュリティ
- データベース
- ネットワーク
- 数学・統計・情報理論
基本情報技術者試験は、情報技術の基本的な知識や理解を評価する試験であることから、ERPエンジニアにとっても自身の知識やスキルを証明する一つの手段となるでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験も、情報処理技術者試験の一種であり、「応用情報技術者」の国家資格が取得できる試験です。
情報システムの企画、開発、運用などを行う上で必要な知識や技術、経験を有していることを証明するものであり、基礎知識だけでなく、実際の業務場面を想定したソフトウェア開発や課題解決、プロジェクトマネジメントに関する問題なども出題されます。そのため、基本情報技術者と比べて、より高度な知識を要する試験といえるでしょう。
一般的に基本情報技術者試験の合格率は約30~40%程度、応用情報技術者試験の合格率は約20~30%程度とされています。
スキルを身につけERPエンジニアとして飛躍しよう
今後、DXを軸にした業務改革は、大企業から中小企業へと、ますます広がっていくと考えられます。そのようなビジネス環境において、ERPエンジニアの需要や、役割の重要性はさらに高まっていくことになるでしょう。
資格取得や先進技術を含めた継続学習により、業界の変化に柔軟に対応できる十分なスキルと知識を身につけ、ERPエンジニアとしての飛躍的な成長を実現しましょう。
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