ERPコンサルタントとは?役割や必要なスキル・年収を紹介

最終更新日時:2023/06/14

ERP(基幹システム)

ERPコンサルタント

ERPシステムの導入を指南・サポートするERPコンサルタント。しかし、ERPコンサルタントのコンサルティング内容や必要なスキルを知らないという方は、多いのではないでしょうか。そこで本記事では、そんなERPコンサルタントについて、役割などを徹底解説していきます。

ERPコンサルタントとは?

ERPコンサルタントとは、企業のさまざまな経営課題を解決するために、ERPを取り入れ、システムの構築や実際の導入・運用をサポートする人です。

ERPコンサルタントが解決に取り組む具体的な課題は、以下のようなものです。

  • マーケティング管理
  • 営業支援
  • 顧客管理
  • 財務会計管理

ERPとは?

「ERP」とは、Enterprise Resources Planningの略称で「企業資源計画」を意味します。

経営資産とは「ヒト・モノ・カネ」で、会社のキャッシュをはじめとする金融資産・会社で働く人材・情報などです。

これらの資産を適切に管理し、無駄なく効率的に活用しながら社内のあらゆる業務を効率化していくことがERPの基本的な考え方です。

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ERPとは?意味や基幹システムとの違いを簡単にわかりやすく解説

ERPコンサルタントの役割|コンサルティング内容

実際にERPコンサルタントとはどのような役割を担っているのでしょうか。ここでは、ERPコンサルタントの役割やコンサルティングの内容を4つ解説します。

クライアントの課題分析

ERPコンサルタントには、クライアント企業の経営課題を明確化し分析する役割があります。

経営者や各部門にヒアリングを行い既存の業務内容や業務プロセスを把握することで、ERPの必要性や解決方法の検討が可能です。

また、ERPを導入することで期待できる効果や課題を解決することで得られるメリットまで、道筋を立てて提示・提案する必要があります。

システムの要件定義

明確化した課題を解決するために、必要な施策やシステムの要件を定義することも役割の一つです。

高性能なシステムでも、経営課題を解決できなければ意味がありません。ERPの導入自体が目的にならないように、どのようなシステムでどの課題を解決するか紐づけながら、正確な要件定義を行う必要があります。

ERPの開発・導入

提案した内容にクライアントの要望を反映させ、ERPシステムの設計・開発・導入を進めます。ここで開発・導入するERPは、導入形態や解決したい経営課題によって異なります。

これらの過程で開発チームと密にコミュニケーションを取り、一連のプロジェクトのマネジメントを行うのもERPコンサルタントの役割です。

導入後のサポート

導入後は、システムのメンテナンスや計画通りに運用されているかといったフォローもERPコンサルタントの役割です。

目的はあくまでも経営課題の解決なので、ERPの導入は手段でしかありません。そのため、導入企業にとって使いやすいシステムか、順調に定着しているか業務効率化は進んでいるかなどのチェックが必要です。

システム上の問題が発生した場合やアップデートが必要な場合は、その対応を行いながら経営課題の解決を目指します。

ERPコンサルタントに必要なスキル

今後経営課題を解決するために、ERPコンサルタントを目指そうと考えている方も多いはずです。ここでは、ERPコンサルタントに必要な具体的なスキルを5つ紹介します。

ERPシステムに関する知識

各企業の経営課題にあわせたERPを導入するには、ERPシステムに関する幅広い知識が必要です。

ERPシステムにはさまざまな種類があるため、金額や高性能という理由だけで導入しても期待する成果は得られません。各システムの特徴・機能・活用できるシーンを考慮して、クライアントの課題に即した最適な提案ができる知識が求められます。

論理的思考力

ERPコンサルタントは、現状の把握・課題の明確化・解決策の設計・導入と段階的に業務を進める必要があるため、物事を体系的に考える論理的な思考力が必要です。

クライアントの多くは、問題意識のみで原因や解決策が明確ではないケースがほとんどです。そのため、クライアントが理解・納得できる形で一つひとつ筋道を立てながら伴走する必要があります。

コミュニケーションスキル

ERPコンサルタントには、コミュニケーションスキルも欠かせません。

課題を明確化するために経営者や各部門から丁寧にヒアリングを行い、ERPシステムの開発や導入の過程で何度も折衝を繰り返す必要があるためです。

業務をスムーズに進めていくうえでも、クライアントと良好な関係を築けるコミュニケーションスキルが求められます。

税務・会計に関する知識

どのような企業でも税務・会計は関わるため、専門知識があるとより幅広いニーズに対応できます。下記のような資格や関連する知識があると、クライアントとのコミュニケーションに役立つでしょう。

  • 簿記
  • MBA
  • 税理士
  • 中小企業診断士
  • 公認会計士

プレゼンテーション能力

経営課題の分析結果と解決方法を提示して実際に案件を受注するには、説得力のあるプレゼンテーション能力も求められます。

的確な内容だったとしても、相手の心を動かせなければ「このコンサルタントに任せれば安心」「解決できそうだからやってみよう」とはならないでしょう。

そのため、魅力的な話し方・伝え方を学んだり、実際にトレーニングしながらプレゼンテーション能力を磨いたりする必要があります。

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ERPコンサルタントの年収

ERPコンサルタントの年収は、おおよそ以下のとおりです。

  • 20代半ば~30代前半:約500~800万円
  • 30代前半~30代後半:約800~1100万円
  • 30代後半~40代前半:約1100~1500万円

ただし、所属する会社やスキルなどによって大きく異なるため一概には言えません。しかし、優れたコンサルタントであれば同年代のほかの職種に比べて高い報酬を得るチャンスがある職種でしょう。

ERPコンサルタントの将来性

ERPコンサルタントの需要は、今後ますます高まると言われています。

日系企業・外資系企業に関わらず、さまざまな業界で組織の再編やM&Aが活発化していることが要因です。企業が経営統合・組織の再編を行う際は、既存の業務システムやプロセスの見直しは避けられません。

また、クラウドシステムの普及もその理由です。既存のシステムをクラウドに置き換える動きも増加傾向にあるため、ERPコンサルタントの活躍が見込まれるといえます。

ERPコンサルタントにおすすめの資格

ERPコンサルタントになるために、特別な資格は必要ありません。しかし、自身の知識やスキルを客観的に証明するという意味で、資格を取得していたほうが有利になる可能性があります。

ここでは、ERPコンサルタントにおすすめの資格を2つ紹介します。

ORACLE MASTER

ORACLE MASTERとは、Oracle社が提供している認定資格です。ORACLE MASTERを取得することで、Oracle社が開発・販売する「Oracle Database」シリーズを扱える証明になります。

Oracle社の製品はERP市場で高いシェア率があるため、クライアント企業からの高い信頼にもつながるでしょう。

SAP認定コンサルタント

SAP認定コンサルタントは、ERPパッケージ市場で世界No.1のシェア率を誇る認定資格です。

SAP社の製品は日本企業でも幅広く活用されているため、認知度が高く非常に有用な資格といえます。

ERPパッケージがクラウド化されたことで中小企業にも導入しやすくなったため、SAP認定コンサルタントの有用性は今後ますます高まるといわれています。

ERPコンサルタントの役割や必要なスキルを押さえておこう

ERPコンサルタントは、企業が抱えるさまざまな経営課題の解決に役立ちます。必要性や利便性が高まっており、導入する企業は年々増加の傾向です。

その中で、ERPコンサルタントの活躍の場は今後ますます広がっていくことが予想されます。本記事を参考に役割や必要なスキルを押さえて、ERPコンサルタントにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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