メルマガ配信の正しい効果測定とは?指標となるKPIと分析方法を解説!

最終更新日時:2022/11/07

メール配信システム

None

メルマガ配信には効果測定がつきものですが、どのようなKPIと基準で効果測定を行うのが適切なのでしょうか。本記事では、メルマガの指標となるKPIや分析方法、効果測定と改善例などを解説します。

メルマガ効果測定の重要性

メルマガは、業界を問わず多くの企業が実践するメールマーケティング手法の1つです。

しかし、「メルマガ配信」が目的になってしまい、費用対効果や効果的な内容・方法の検証ができていないケースは多々あります。

そこで重要となるのが、配信したメールがどのくらい読まれているのか、そして、商品ページへの遷移および購入など、本来の目的である何らかの「アクション」につなげられているのかを測る効果測定です。

効果測定をすることで、最適な配信時間や頻度、コンテンツの内容などの改善が行えます。ユーザーに合わせたメルマガの最適化が可能になるため、成果の向上につながるのです。

メルマガのKPIになる7つの指標

そもそもKPIとは、組織の目標を達成するために必要な業務・業績の評価を行うための重要な指標となるものです。

そして、メルマガ配信におけるKPIには、主に7つの項目があり、それらを分析することによって効果測定を行います。それぞれの指標を詳しくみていきましょう。

(1)開封率

開封率は、配信されたメールを開封したユーザーの割合を指します。せっかくメルマガを配信しても、開封されなければ当然意味がないため、メルマガのKPIの中でも重要な項目です。

メール配信システムを提供するアメリカのBenchmark社が2020年に行った調査では、以下のような結果が報告されています。

業種平均開封率平均クリック率平均配信停止率
広告・マーケティング・デザイン21.94%3.35%0.16%
コンサルタント・HR・人材25.92%3.23%0.18%
保険21.38%2.58%0.10%
小売・消費サービス27.29%3.42%0.16%
テクノロジー・通信25.33%3.26%0.22%
観光・エンターテイメント26.86%3.36%0.18%

[出典:Benchmark Email「平均メール開封率レポート 【2022年版】 業種別・地域別(国別)の最新情報」]

業種によって平均開封率は異なりますが、概ね20%~30%が一般的な開封率となっています。これらの平均値よりも開封率が低い場合は、配信時間や配信頻度を検証し直す必要があるほか、ユーザーの興味・関心を惹きつける件名の工夫などが求められます。

(2)URLのクリック率

URLのクリック率とは、メールを開封したユーザーが、コンテンツ内にあるURLをクリックした割合のことです。

クリック率は、メルマガの内容が配信リスト(ユーザー)のニーズに合っているかどうかを測る一つの指標となります。そのほか、URLの位置などによっても左右されるため、最適な導線を検証する上でも、有効な指標となるでしょう。

細かく分析を行うためには、複数のURLを記載することがポイントです。1つのコンテンツの中に複数のURLを記載することで、どのURLのクリック率が高いのか、ユーザーの動向を知ることが可能になります。

(3)コンバージョン率

コンバージョン率とは、メルマガ内に設置したURLからWebサイトを訪れ、商品の購入・問い合わせ・資料請求などの行動にまで至ったユーザーの割合を指します。メルマガ配信の本来の目的であるため、効果測定の上でも、必ず確認すべき項目です。

クリック率は高いのにコンバージョン率は上がらない場合の原因は、遷移先のWebサイトにあることがほとんどです。主な理由としては以下のような内容が考えられるでしょう。

  • Webサイトの内容がユーザーのニーズに合致していない
  • 表示速度が遅い
  • モバイル対応していない
  • 申し込み・登録フォームがどこにあるのかわからない
  • 入力フォームの項目が多すぎる

コンバージョン率は、売上に直結する要素でもあるため、早急な対処が必要になります。

(4)解約率

解約率とは、メルマガを受信するユーザーのうち、配信停止を行ったユーザーの割合のことで、前出のBenchmark社の調査では、平均配信停止率はおおよそ0.1%~0.2%となっています。

配信停止時にアンケートを設置することで、解約に至った原因の把握はできますが、停止するユーザーにとって、解約時のアンケートは、煩わしいと感じてしまうことがほとんどです。設置する際には、内容や項目数に配慮するようにしましょう。

また、広告・宣伝を目的としたメールには、解約方法(配信停止方法)を、わかりやすく記載しておく義務が法律で定められています。配信停止を防ぐために、設置しなかったり、方法を複雑にしたりすることは、違法となる可能性もあるため注意してください。

(5)エラーメール率

エラーメール率とは、配信したメールが何らかの原因でユーザーに到着しなかった割合のことで、メール不達率やバウンス率などと呼ばれることもあります。

アドレス変更や受信ボックスの容量オーバー、「受信拒否」の設定をしていたなどが考えられる主な原因です。

受信されないメールを送り続けることは、コスト面においても避けなくてはなりません。配信先のリストを更新するなど、より精査された顧客リストの作成が可能になります。

(6)登録者数の推移

登録者数を常に把握し、どのような推移を辿っているのかを分析することは、コンテンツの見直しのために重要です。

例えば、登録数が同じ2,000人だとしても、解約と新規登録による登録者の「入れ替え」は起きているはずです。そのため、ユーザーのニーズや動向が、ずっと同じとは限らないのです。

また、配信時間・頻度による登録者数の変動を注視しておくことで、最適なタイミングを探るための判断基準ともなるでしょう。

(7)リンク先ページの直帰率

リンク先ページの直帰率とは、メルマガから誘導先のページに飛んだものの、何もアクションを起こさずに離脱したユーザーの割合を指します。

こちらもコンバージョン率と同様、直帰率が高い場合には、Webサイトの内容に原因があることが考えられるでしょう。また、メルマガとWebサイトの内容にギャップがある場合も離脱の原因となります。

メルマガの効果測定と分析方法

ここからは、メルマガの効果測定と分析方法について紹介していきます。

(1)メール配信システムで分析する

メール配信システムは、メールの作成や管理された配信リストへの一斉配信だけでなく、メルマガの効果測定も行うことができます。

開封率・クリック率・コンバージョン率などの効果測定機能のほか、開封分析、クリック分析、A/Bテストやヒートマップ分析などの分析機能を搭載しているシステムもあります。

いずれもメール配信システムの効果測定・分析は、多くが自動で実行されるため、リアルタイムで可視化される上に、測定や分析の作業を効率化できることがメリットです。

(2)MAツールで分析する

MAツール(マーケティングオートメーションツール)は、マーケティングのプロセスを自動化し、マーケティング業務全般を支援するツールです。中でもメール配信機能はMAツールの主要な機能の1つといえるでしょう。

ただし、メール配信システムよりもコストがかかる傾向にあるため、リード管理やSFA・CRMシステムとの連携など、他のマーケティング活動と併用して導入されるケースがほとんどです。より多角的にメルマガの効果測定を行いたい企業におすすめのツールといえるでしょう。

(3)パラメータとGoogle Analyticsを使う

Google Analyticsは、Googleが提供するWebサイトのアクセス解析ができる無料のツールです。Google Analyticsでは、Webサイトにおけるユーザーの行動について、属性・訪問したページ・成果の達成率・広告効果などを分析できます。

そのため、Google Analyticsで認識されるパラメータをURLに付与することで、アクセス計測を行うことも可能です。何よりも無料で利用できる点は大きなメリットでしょう。メール配信システムとの連携ができるパターンもあります。

▼各種効果測定でメールによるコミュニケーションを改善!メール配信システム「blastmail」▼

メルマガの効果が出やすい改善ポイント

最後に、メルマガの効果について、思うような成果が出ない時の3つの改善ポイントをお伝えします。

(1)件名

1つ目の改善ポイントは、メルマガの件名です。まずは、件名の文字数が適切かを見直しましょう。件名が長すぎて可読性に欠けてしまう、短すぎて内容が伝わらないというケースでは、そもそも開封される可能性が下がってしまいます。

具体的には、効果的な見出しの法則と言われる以下の「4U」を意識した件名を、30文字以内を目安に作成しましょう。

Useful(有益性)読み手に「有益」であることが伝わる
Urgent(緊急性)⚪︎⚪︎限定!〜日まで!などの「緊急性」をアピールする
Ultra-Specific(超具体性)実数値などを盛り込んだ具体的な表現
Unique(独自性)商品・サービスの優位性を独自の表現で伝える

(2)CTA

「Call To Action」の頭文字であるCTAは、日本語で行動喚起と訳されます。メルマガにおけるCTAは、メルマガ経由でWebサイトを訪れたユーザーを「とって欲しい行動」へと誘導することを意味すると覚えておくといいでしょう。

具体的には、商品購入や資料請求、会員登録へとつながる導線などが、CTAやCTAボタンと呼ばれ、コンバージョン率につながる重要なポイントになります。

CTAの結果が思わしくない場合は、CTAの設置位置や設置数、デザインの視認性、クリックしたくなるようなキャッチコピーや紹介文などを見直さなければなりません。

コンテンツの充実度もCTAに大きな影響を与えるので、効果測定を行い、PDCAサイクルを回すようにしましょう。

(3)配信時間

配信時間の検証も、比較的、即効性が期待できる改善ポイントです。Benchmark社が2021年に行った調査では、開封されやすい時間帯が以下のように報告されています。

1位2位3位
仕事用メールアドレス12:00~15:00~9:0010:00~11:00
プライベート用メールアドレス21:00~23:0019:00~21:0012:00~15:00

[出典:Benchmark Email「メールマガジン購読状況調査 2021年度版」]

上記の統計とターゲットとなるユーザーの特性を照らし合わせつつ、配信時間テストなどで効果測定を実行するのもおすすめです。

KPIを定期的にチェックしてメルマガの成果向上へ

メルマガの成果を向上させるためには、ご紹介した7つの指標をもとにした、定期的なKPIの検証と、効果測定が欠かせません。

適切な効果測定によるデータの収集は、的確な改善策の前提となるものです。効果測定の効率化やより多角的なメール配信の分析を目指すのであれば、ツール活用も視野に入れつつ、メルマガ配信の最適化を実現してみてはいかがでしょうか。

おすすめのセミナー視聴

メール配信システムの記事をもっと読む

メール配信システムの記事一覧

ビズクロ編集部
「ビズクロ」は、経営改善を実現する総合支援メディアです。ユーザーの皆さまにとって有意義なビジネスの情報やコンテンツの発信を継続的におこなっていきます。

おすすめ関連記事

無料の人事管理システムおすすめ8選比較!選ぶ際のポイントやメリット・有料製品との違い

最終更新日時:2024/03/27

人事評価システム

最終更新日時:2024/03/27

人事評価システム

福利厚生は節税効果を得られる?仕組みや要件・種類について解説

最終更新日時:2024/03/26

福利厚生サービス

最終更新日時:2024/03/26

福利厚生サービス

一人当たりの採用コストの平均とは?内訳や計算方法・削減するポイント

最終更新日時:2024/03/26

採用管理システム

最終更新日時:2024/03/26

採用管理システム

人事・採用担当者におすすめの資格10選|難易度や取得するメリットを解説

最終更新日時:2024/03/27

採用管理システム

最終更新日時:2024/03/27

採用管理システム

ホームページ作成にかかる費用相場とは?費用の早見表や安く抑えるポイント

最終更新日時:2024/03/26

ホームページ制作

最終更新日時:2024/03/26

ホームページ制作

Web会議を録音する方法|メリットや録音する際の注意点を解説

最終更新日時:2024/03/26

Web会議システム

最終更新日時:2024/03/26

Web会議システム

ウェビナーの開催方法まとめ|やり方や手順・成功のポイント、必要なアイテムを紹介

最終更新日時:2024/03/25

ウェビナーツール

最終更新日時:2024/03/25

ウェビナーツール

新卒採用の目的とは?メリット・デメリットやフロー、中途採用との違いを解説

最終更新日時:2024/03/25

採用管理システム

最終更新日時:2024/03/25

採用管理システム

360度評価(多面評価)とは?目的やメリット・デメリット、導入ステップを解説

最終更新日時:2024/03/25

人事評価システム

最終更新日時:2024/03/25

人事評価システム

人事評価制度の種類まとめ|役割や特徴・制度を運用する際の注意点を解説

最終更新日時:2024/03/25

人事評価システム

最終更新日時:2024/03/25

人事評価システム