大規模なプロジェクトを管理するにはどうすべき?円滑に進める秘訣と成功の秘訣

最終更新日時:2023/08/10

プロジェクト管理ツール

大規模なプロジェクト管理

プロジェクトの規模が大きくなれば、管理対象や把握内容が多くなるため、プロジェクト管理の難易度が上がります。プロジェクトを成功させるには、どのような方法で管理すると良いのでしょうか。大規模なプロジェクトを円滑に管理する秘訣や、成功のポイントを解説します。

大規模プロジェクトの定義

大規模プロジェクトに明確な定義はありませんが、影響範囲やリソースの使用量などで分類するのが一般的です。具体的には、多数の人員と多大な費用が投じられ、長期間にわたり実施されるプロジェクトを指します。

大規模プロジェクトはその性質上、多くのリスクを伴うのも特徴です。管理や運営は、小・中規模のプロジェクトよりも複雑な傾向にあります。大規模プロジェクトは重要なビジネス目標を達成するため、または組織の戦略的な変革を推進するために行われます。

大規模なプロジェクトが失敗する要因

比較的大きな規模のプロジェクトは失敗しやすい側面があります。なぜ大規模なプロジェクトが失敗しやすいのか、要因を紹介しましょう。

コミュニケーションが取りづらい

大規模プロジェクトには多くの人間が関与するため、コミュニケーションが難しくなることがあります。情報の伝達が不十分だと誤解や混乱が生じ、プロジェクトの進行に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

大きな案件ほど、他部門やステークホルダーとの連携が必要となります。連絡を取り合うだけで時間がかかってしまい、密なコミュニケーションに至るまでのコスト増は避けられません。人数が多いため会議やMTGの準備そのものに手間がかかり、肝心の情報共有がおろそかになる恐れもあるでしょう。

品質の標準化が難しい

関係者の多い大規模プロジェクトでは、品質の標準化が難しくなることがあります。担当者ごとの認識違いや、要件定義が正確に伝わらないなどの問題が起きやすいためです。多くの人々が関与する企画ならではのトラブルといえるでしょう。

一貫した品質を維持するためには、明確なガイドラインと品質管理プロセスが欠かせません。メンバー間における認識の統一や正確な情報共有を心がけ、最低限の品質基準を設定する必要があります。

スケジュールが管理できていない

スケジュール管理の難しさも、大規模プロジェクトが失敗する要因です。多くのタスクとマイルストーンを適切に管理しないと、プロジェクト全体のスケジュールが遅れる可能性があります。

大規模であるがゆえに情報共有に時間がかかり、予定や要件の変更を伝えるのにもタイムラグが生じやすいでしょう。タスクの漏れや重複のほか、納期に間に合わないといった問題にも発展しかねません。スケジュール管理は的確に行うほか、定期的な見直しや素早い共有が不可欠です。

プロジェクトのスケジュール管理方法!進め方や管理する際のポイント

大規模なプロジェクトの進め方

大規模なプロジェクトの進め方については、以下の手順が参考になるでしょう。手順の詳細を理解して、計画成功に役立ててください。

  1. ビジョンを見据えて計画を立てる
  2. タスクを徹底的に洗い出す
  3. 定期的な確認のもとプロジェクトを進める
  4. プロジェクトの振り返りを行う

1. ビジョンを見据えて計画を立てる

大規模プロジェクトは、企業スケールの壮大な目標達成に向けて進めていきます。目標のビジョンが不明瞭だと何をやるべきかがわからず、計画がとん挫する恐れもあるのです。方向性や目標は明確に見据えるほか、すべてのチームに周知させて計画を立てましょう。

2. タスクを徹底的に洗い出す

プロジェクトを始める前に、タスクを徹底的に洗い出しましょう。プロジェクトをタスクまで分解して工数や作業内容を明確に定義することで、タスクを洗い出せば必要な作業が明瞭になり、無駄の削減にもつながるのです。

可視化したタスクの優先順位も決めておくと、業務を的確に進められます。タスクの洗い出しや優先順位の設定により、プロジェクトの円滑化が可能です。

プロジェクト管理とタスク管理の違いとは?特徴や正しい使い方

3. 定期的な確認のもとプロジェクトを進める

案件がスタートしたら、定期的に確認をしながら進行します。大規模プロジェクトの失敗要因となる、スケジュール管理や品質標準化におけるトラブルを防ぐ意味でも重要です。

定期確認を行うポイントは、進捗状況の見える化にあります。例えば、タスク管理ツールでメンバーの進捗を可視化すれば、プロジェクトの把握がスムーズになるでしょう。

4. プロジェクトの振り返りを行う

企画が一区切りついたら、プロジェクトを振り返りをしましょう。培ったノウハウや、今後に活かせる情報の共有を行います。大規模プロジェクトはリスクが大きいぶん、得られるメリットも豊富です。完了したままにせず、プロジェクト内容を見つめ直すことで次回の改善へとつなげてください。

プロジェクト管理で重要な見える化とは?進めるコツや見える化するための秘訣

大規模なプロジェクトを成功させる秘訣

リスクを伴う大規模プロジェクトですが、うまくいけば企業に多大な利益をもたらします。大規模なプロジェクトを成功させる秘訣は、主に以下のような点です。

定期的に進捗状況を把握する

プロジェクトの進行状況を定期的に確認し、必要に応じて調整を行うことが重要です。大規模なプロジェクトではスケジュール管理の難易度が高いため、進捗の把握フェーズを設けて精度を上げましょう。細やかに作業を確認していれば、ミスやタスク漏れの予防につながります。

決まったタイミングで進捗会議を開き、情報を共有するのも有効です。会議内容の議事録をとっておけば、伝達ミスや失念の防止策にもなります。ミーティングツールやスケジュール管理アプリを使うと、よりスムーズに進捗状況の把握ができるでしょう。プロジェクトの進み具合を可視化することで、問題が発生しても早期に対応可能となります。

チーム間でもコミュニケーションを取る

プロジェクトの成功には、チーム間のコミュニケーションが不可欠です。人数の多さに適応し、部署をまたぐ連携を可能とするためにもコミュニケーションを活性化しましょう。

大規模案件におけるコミュニケーションには、専用のツールを活用するのがおすすめです。メッセージのやり取りで意思疎通を促したり、データ共有を容易にしたりするメリットがあります。

チームリーダーの役割も重要です。メンバー間の関係を取り持つほか、チームを横断したコミュニケーションにも率先してかかわりましょう。明確なコミュニケーションを通じ、全員が同じ目標に向かって努力できる体制を敷くことが大切です。

具体的なスケジューリングを行う

具体的なスケジュールの作成と遵守は、大規模プロジェクトをスムーズに進めるのに欠かせません。スケジュールは、プロジェクトの目標達成に向けたロードマップの役割を果たします。

スケジューリングにはタスクの明確化が必須です。本当にやるべき作業だけを洗い出せば無駄が減り、リソースに余裕を持って予定が組めます。スケジュールは進捗とあわせて管理し、見える化することで把握を容易にしましょう。

PMBOK®に基づいて管理をする

PMBOK®Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクト管理のベストプラクティスをまとめたものです。PMBOK®に基づいてプロジェクトを管理することで、大規模な案件でも成功率を高めることができます。

PMBOK®は、プロジェクトを「立ち上げ」「計画」「実行」「監視・コントロール」「終結」の5つのプロセスに定義分けします。各プロセスに沿うと、PMBOK®の目的である「QCD(品質・費用・納期)」の管理ができる仕組みです。

規模の大きなプロジェクトほど、一連の管理にさまざまな問題が生じやすくなります。PMBOK®という明確な基準に則せば、大きな計画の足並みをそろえるのに役立つでしょう。品質は高く、費用や納期はできる限り抑えたプロジェクト管理に近づけます。

プロジェクト管理におけるリスク管理の鉄則!基礎知識や実行内容

大規模なプロジェクト管理に役立つツール

大規模なプロジェクト管理に役立つツールについては、以下のようなものがあります。料金や性能を比較し、自社に最適なものを選択してください。

Trello

Trelloは、視認性に優れたタスク管理ツールです。ボード、リスト、カードを使用して、プロジェクトの進捗を一目で確認できます。タスクの割り当てや納期の設定、業務に必要なデータの共有なども可能です。チームメンバー間のコミュニケーションを助けるツールとして重宝するでしょう。

提供元Atlassian Pty Ltd
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■月払い

  • FREE:$0USD
  • STANDARD:$6USD/月
  • PREMIUM:$12.50USD/月
  • ENTERPRISE(50ユーザー~):年払いのみ

■年払い

  • FREE:$0USD
  • STANDARD:$5USD/月
  • PREMIUM:$10USD/月
  • ENTERPRISE(50ユーザー~):$17.50USD/月 ※$210.00USD/年/ユーザーあたり
導入実績200万チーム以上
機能・特徴
  • 公開ボード管理
  • カスタムフィールド
  • 2要素認証
  • TRELLOテンプレート
  • ワークスペーステーブルビュー など
URL公式サイト

Time Krei

タスク管理と時間追跡を一体化したツールが、Time Kreiです。プロジェクトの進捗と労働時間を同時に管理できます。これにより、プロジェクトのスケジューリングとコスト管理を容易にするでしょう。経営層、管理職、作業者のいずれの視点からも活用でき、多角的に大規模プロジェクトを管理可能です。

提供元株式会社テンダ
初期費用要問い合わせ
料金プラン要問い合わせ
導入実績累計1,100社以上
機能・特徴
  • プロジェクト管理
  • 予定・実績管理
  • 各種データ分析
  • グループウェア機能
  • プロジェクト原価管理機能 など
URL公式サイト

Redmine

Redmineはオープンソースのプロジェクト管理ツールで、複数のプロジェクトを同時に管理することが可能です。「チケット」にタスクを登録し、コメントや担当者の設定が行えます。チケットの状況はステータス表示画面から把握でき、タスクごとの進捗状況が一目瞭然です。イシュートラッキング、ドキュメント管理、タイムトラッキングなどの機能も備えています。

提供元ファーエンドテクノロジー株式会社
初期費用無料
料金プラン無料
※別途クラウド版(有料)あり
機能・特徴
  • チケット
  • ガントチャート
  • Wiki
  • リポジトリ
  • ロードマップ など
URL公式サイト

Backlog

プロジェクト管理とバグトラッキングを統合したツールに、Backlogがあります。GitやSubversionといったバージョン管理システムのリポジトリ機能があり、ソースコードの共有も簡単です。開発チーム間における情報の連携はもちろん、非開発チームとのコミュニケーションも支援するでしょう。ガントチャートによる計画の可視化や、大規模プロジェクトに欠かせないチームコラボレーション機能も搭載しています。

提供元株式会社ヌーラボ
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■月払い

  • スターター:2,970円(税込)/月
  • スタンダード:17,600円(税込)/月
  • プレミアム:29,700円(税込)/月
  • プラチナ:82,500円(税込)/月

■年払い

  • スターター:82,500円(税込)/年
  • スタンダード:20万640円(税込)/年
  • プレミアム:33万8,580円(税込)/年
  • プラチナ:94万500円(税込)/年
導入実績有料契約件数13,000件以上(※2022年12月末時点)
機能・特徴
  • カンバンボード
  • バーンダウンチャート
  • モバイルアプリ
  • ファイル共有
  • IPアドレス制限 など
URL公式サイト

Lychee Redmine

Lychee Redmineは、Redmineをベースにしたプロジェクト管理ツールです。見やすいUIや多機能なダッシュボードなど、Redmineの機能が強化されています。チケット管理やガントチャートといった、大規模プロジェクトの成功に欠かせない機能が豊富です。指揮を取るリーダー層から現場で実務に携わる社員まで、幅広く活用できるのも魅力でしょう。

提供元株式会社アジャイルウェア
初期費用要問い合わせ
料金プラン

■クラウド版

  • フリー:0円(税込)/月/1ユーザー
  • スタンダード:990円(税込)/月/1ユーザー
  • プレミアム:1,540円(税込)/月/1ユーザー
  • ビジネス:2,310円(税込)/月/1ユーザー

※購入は10ユーザー単位

■オンプレミス版

  • スタンダード:880円(税込)/月/1ユーザー
  • プレミアム:1,650円(税込)/月/1ユーザー
  • ビジネス:2,530円(税込)/月/1ユーザー

※購入は10ユーザー単位

導入実績7,000社以上
機能・特徴
  • ガントチャート
  • カンバン
  • EVM(出来高管理)
  • コスト算出
  • タイムマネジメント など
URL公式サイト

大規模な計画の成功には丁寧なプロジェクト管理が必要

大規模な計画の成功には、丁寧なプロジェクト管理が不可欠です。タスクの洗い出しや優先順位の明確化など、適切な手段を用いる必要があります。大規模プロジェクトが失敗する原因を理解し、正しいプロジェクト管理によって失敗を防ぎましょう。

大がかりなプロジェクトを成功させるには、管理に役立つツールを活用するのもおすすめです。事業計画の進め方と成功の秘訣を知り、大規模プロジェクトを完遂に導いてください。

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