ビジネスフォン運用はダイヤルインを有効活用!回線数の節約のポイント

最終更新日時:2023/11/07

IP電話・ビジネスフォン

ビジネスフォンのダイヤルイン

オフィスの規模が大きくなれば、その分電話回線やビジネスフォンを増やさなければなりません。しかし、整備などで多くの費用がかかってしまいます。そんな時に役立つのがダイヤルインです。本記事ではダイヤルインについて説明し、他の回線との違いについても解説します。

ビジネスフォンのダイヤルインとは

ダイヤルインは、1つの電話回線で複数の電話番号を利用する仕組みのことです。企業が複数の電話番号を取得したいときに便利で、ビジネスフォンのサービスとしても広く普及しています。

特に大企業や多数の従業員を抱える組織では、多くの部署を持つため、外部からの通話を効率よく振り分けるためにダイヤルインが活用されます。ダイヤルインの採用により、顧客や取引先からの通話をスムーズに取り扱うことができ、業務の効率化に貢献するのです。

代表組とは

ダイヤルインが登場する前には、代表組という複数の電話回線・電話番号を統合するシステムがありました。企業内の番号を代表番号として1つにまとめ、いくつもの発着信に同時対応する仕組みです。

代表組の利点は、電話番号が代表番号1つに集約される点です。いくつもの番号を管理する必要なく、複数の電話に対応できるとして重宝されました。反対に、異なる電話番号を取得したいときには不向きとなります。

代表組の良さであった発着信の柔軟性に加え、複数の電話番号を取得できるようにしたのがダイヤルインです。ビジネスフォンの利便性をさらに向上させる機能として注目されています。

ダイヤルインの仕組み

ビジネスフォンの機能であるダイヤルインは、着信があった際に以下のような仕組みで電話を鳴らします。

  1. 着信を受ける
  2. PBX(主装置)が着信のあった電話番号を判別する
  3. 判別した番号をもとに、該当の電話機を鳴らす

PBXとは、着信を適切に振り分けるための主装置であり、着信があった電話番号を読み取って、鳴らすべき電話機に接続します。ダイヤルインで複数の電話番号を取得した場合は、PBXを介して着信が振り分けられるのです。

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ダイヤルインの種類

ビジネスフォンにおけるダイヤルインには、主に2つの種類があります。種類ごとの意味や特徴について、詳しく見ていきましょう。

代表ダイヤルインとは

代表ダイヤルインとは、代表組とダイヤルインを組み合わせて通信環境を構築する手段です。例えば、5個の電話番号を作った場合、各回線にも5つの番号を設定すると、どの番号にかかってきてもすべての回線で対応可能となるのです。複数の電話回線を使うことで、安定した同時通話の環境を構築できます。

代表ダイヤルインは、回線を増やした状態で複数の電話番号が使える、ビジネスフォンの主要な機能といえます。

追加ダイヤルインとは

ビジネスフォンの追加ダイヤルインでは、メインの契約番号とは別に追加番号を利用します。外部からの通話を契約番号に接続した後、さらに特定の追加番号をダイヤルすることで、通話を行う方式です。契約番号への着信は主装置によって追加番号の案内を受け、選択した番号に応じた電話機が鳴ります。

追加ダイヤルインで使う契約番号は電話回線に結びつく番号、追加番号は電話回線の存在しない番号です。回線を持たないことで、コストカットが図れるなどのメリットを得られます。番号を選ぶ手間は生じますが、少ない回線で効率的に着信を振り分けられる手法です。

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ダイヤルイン契約が可能な回線について

ビジネスフォンのダイヤルイン機能は、3種類の通信回線を利用して契約することができます。以下に、ダイヤルインが契約できる3つの回線について詳しく説明します。

1.アナログ回線

一般的なアナログ回線であれば、ダイヤルイン契約が可能です。モデム信号またはプッシュ信号を使う方式で導入できます。ごく親しまれた回線であるため、すでに利用中の企業も多く、導入ハードルは低いでしょう。

アナログ回線でダイヤルインを使う際は、電話回線と追加番号の総合数で契約するのが通常です。いずれも契約条件を満たす数であるか、自社のビジネスフォンとの適合性を確認しましょう。

2.IP回線

IP回線は、インターネットプロトコル(IP)を用いて音声やデータを送受信する通信経路です。ビジネスフォンのダイヤルイン機能では、VoIP技術が用いられ、インターネット回線を使うことでパソコンやアプリの機能と連携しやすいのがメリットです。

ダイヤルインの契約にあたっては、固定電話回線とIP電話の各番号のどちらかしか利用できません。ビジネスフォンとして両方を使っている場合、ダイヤルイン機能では併用はできず、片方を選択する必要があるため注意しましょう。

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3.ISDN回線

ダイヤルイン契約が可能な電話回線に、ISDN回線があります。デジタル通信技術を用いて高音質な通話ができる仕組みで、ダイヤルインでは専用の通信制御回線によってコントロールされます。この制御により、ビジネスフォンに不可欠な複数の同時通話を実現可能です。

自社でISDN回線を使っている場合で、かつアナログ回線も利用中なら、ダイヤルインにおけるいくつかのデメリットを把握しておきましょう。たとえば、電話がかかってくると必ずアナログ回線から着信するので、均等な振り分けができない恐れが考えられます。ナンバー・ディスプレイに対応していないと、タイムラグの発生や着信番号が確認できないという問題も生じるのです。

ISDN回線とダイヤルインを組み合わせる場合は、アナログ回線の混在に気をつける必要があります。

ダイヤルインのメリット

ダイヤルインを導入することにより、ビジネスにおける電話通信の効率が大幅に向上します。コミュニケーションのスピードやコストパフォーマンスにも関わる、ダイヤルインの主なメリットについて見ていきましょう。

コストの削減につながる

ダイヤルインをビジネスフォンに導入すれば、複数の電話番号を使う場合のコスト削減が可能です。電話回線を引いて番号を増やすと、1件ごとに月額料金がかかります。回線が増えるほど料金も増すため、通信にかかる固定費の増大につながるのです。

ダイヤルインを使えば、電話回線を増やすことなく電話番号を追加できるため、回線にかかる費用負担を回避できます。追加番号に対する料金は電話回線よりも安く、コストを抑えて番号の増設が行えるのです。

複数の電話番号を所有できる

ダイヤルインの特徴として、1つの電話回線で複数の電話番号を所有可能です。小規模の回線で数百件以上の番号を持てることから、各部署や役職ごとに専用の番号を設定できます。外部からの問い合わせが特定の部署に集中するような場合、それぞれの番号を持つことで、効率的な対応や問い合わせの分類が容易になるでしょう。

ビジネスフォンのダイヤルイン機能で複数の電話番号を持てば、業務の効率化に大きく貢献します。

直通電話を設定できる

直通電話が使えることも、ダイヤルインの利点です。内外線からの通話を特定の追加番号に直接つなぐことで、担当者や部署へ迅速にアクセスできます。転送や待機時間の減少に役立ち、コミュニケーションの速度と効率が大きく向上するのです。

ダイヤルインの直通電話機能は、顧客とのやりとりを円滑にするだけでなく、従業員同士の通話もスムーズにします。着信履歴がわかるため、折り返し連絡も効率的です。ビジネスフォンの重要な機能として活躍するでしょう。

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ダイヤルインの注意点

ダイヤルインの導入は数多くのメリットをもたらしますが、それを最大限に活かすためには注意が必要なポイントもあります。注意点を理解し、ダイヤルイン導入の失敗を防ぎましょう。

市内局番と電話回線を統一する

代表ダイヤルインを使用する際、追加番号の市内局番を統一しましょう。番号が違ってよいのは下4桁のみです。局番の統一については、以下の例を参考にしてください。

市内局番が統一している追加番号の例

  • 03-1111-2222
  • 03-1111-3333

市内局番が統一していない追加番号の例

  • 03-1111-2222
  • 03-1111-3333

代表ダイヤルインの構築には、追加番号における市内局番の一致が前提条件です。異なる局番では追加できないので、把握しておきましょう。ただし、一部の通信サービスにおいては、例外的に違う市内局番同士の追加番号を組めるケースもあります。事前にプランを確認し、ニーズに合ったビジネスフォンサービスを選んでください。

回線数や電話機に余裕を持つ

ダイヤルインシステムを導入する企業は、回線数や電話機の数に余裕を持つことが求められます。回線数が少なすぎると、同時通話が困難になるためです。

そのため、同時に通話が発生することを想定し、電話回線や端末を十分に揃えておくのが理想です。ビジネスフォンの利用頻度を考慮して、過不足が大きくならないよう適切に対応しましょう。

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ビジネスフォンはダイヤルインを活用して回線数を節約しよう

ダイヤルインを導入することで、回線数を削減しながら複数の電話番号を所有できるため、コスト削減や通話の効率化が期待できて社内外における円滑なコミュニケーションに寄与するでしょう。

導入の際は、ダイヤルインの種類や注意点を理解し、メリットを最大限得られるよう準備することが大切です。ビジネスフォンのダイヤルイン機能を適切に活用することで、よりスムーズな業務運営を実現できるでしょう。

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