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【簡単解説】組織の意味とは?目的や定義・良い組織を作るためのポイント

2024/01/19 2024/01/23

組織・マネジメント

組織の意味とは

「組織」はビジネスでも頻繁に使用されている言葉ですが、その意味を深く理解すればより良い組織を構築することが可能です。本記事では、これから会社に所属する方やチームを構成しようと思っている方向けに、組織の定義や目的、良い組織を作るポイントなどを詳しく解説します。

この記事の要約

・組織とは共通の価値観や目的を持った人が集まって強力関係を築いた集団のこと
・組織の目的は、「意義目標」「成果目標」「行動目標」の3つに分類される
・組織の存続には「共通目的」「協働意思」「意思疎通」という3要素のバランスが重要

組織の定義とは?

組織とは、共通の目的や価値観を持つ人々が集まり、協力関係を築いた集団のことです。

組織は複数の人材から成る集合知の活用に加え、役割分担などで個人の弱点を補い合うことで、成果を最大化できます。

これにより、個人では達成が難しい目標であっても、協力と結集によって成し遂げられるのが組織の特長です。

ドラッカーが提唱する組織論とは

マネジメントの体系化に多大な影響を与え、「現代経営学の父」とも呼ばれるピーター・ドラッカー氏が提唱する組織論において、組織は社会に貢献するための3つの役割があるといわれています。

役割概要
自らの組織に特有の目的と使命を果たす独自のビジョンやパーパスに準じた事業活動を行うこと
仕事を生産的なものにし、働く人たちに成果を上げさせる生産性と社員のモチベーションの向上を両立すること
自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会的な貢献を行う社会を害さないためのあらゆる対策を講じる責任を果たすこと

これらは組織に対する社会と人間の関係性を表しており、組織が長期的な成功を収めるうえで不可欠な要素です。

どれか1つでも欠けてしまうと組織のパフォーマンスが落ちるリスクがあるため、3つの役割をバランスよく注視することが求められます。

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組織を構築する3つの目的

優れた組織ほど、目的に対する共通認識を持っています。この共通の目的を持つためには、各レベルでの目線合わせが重要です。

そのうえで組織の目的は、Aimの法則に基づき「意義目標」「成果目標」「行動目標」という3つの種類に分けることができます。

意義目標

意義目標とは、社会に対する組織のあるべき姿を表すものです。経営理念やビジョンなどとも連動しており、組織全体の指針として機能します。

意義目標では将来像の具体性よりも、なぜその目標を達成したいのかという背景が重視されます。したがって、意義目標は社員に納得・共感されるものでなければ意味がありません。

成果目標

成果目標とは、意義目標の達成度を可視化するため、部署や社員ごとに設けられる数値目標です。

意義目標と行動目標をつなぐ役割を持ち、主にSMARTの法則(Specific:具体性、Measurable:計量性、Achievable:達成可能性、Relevant:関連性、Time-bound:期限)などの指標に沿って設定されます。

例えば、「今期は◯万円を売り上げる」といった目標が成果目標の例の一つです。

行動目標

行動目標とは、社員が具体的に取り組むべき行動の方向性を決めるためのものです。社員を適切に評価するためにも、社員1人ひとりの業務内容と組織の成果目標を接続し、行動目標を立てることが求められます。

例えば、「今月は◯件営業する」「今月は◯件の契約を成立させる」などが行動目標の具体例です。

バーナードが提唱する組織構成の要素

組織が健全に機能できる状態を維持するためには、いくつかの条件があります。その条件を定義したのが、アメリカの経営学者であるチェスター・バーナード氏です。

バーナードの組織の3要素として世の中に広まった組織論では、組織の存続には「共通目的」「協働意思」「意思疎通」という3要素のバランスが重要であるといわれています。

共通目的

共通目的とは、組織の存在意義や指針など、全ての社員が共有する目標や理念のことです。例えば、経営理念やビジョンなどがあげられます。

共通目的が明確化されることで、社員は自身の役割や責任を理解しやすくなることに加え、個々の意思決定やアクションに一貫性が生まれます。

これにより、組織としての一体感や協力関係が醸成されていき、効率的かつ効果的な活動の推進ができるのです。

協働意思

協働意思とは、目標達成に向けて組織全体が一丸となるためのモチベーションのことです。

組織は社員同士の協働により、単独では成し遂げられない目標を達成することができます。しかし、組織に対する個々の貢献意欲が弱く、義務的な協力関係が築かれている場合、組織はパフォーマンスを最大化できません。

だからこそ、共通目的による目線合わせや協力関係を築くための制度・環境整備などを通じて、社員のモチベーションを高めていくことが重要です。

意思疎通

意思疎通とは、共通目的に向かって社員同士が協力するために必要な情報共有のプロセスです。

社員同士が効果的に協働するためには、情報の欠落や誤解が生じることを防がなければなりません。コミュニケーションの障害を取り払い、互いの立場や考え方の理解を経て信頼関係を築くことで、建設的な提案や迅速なトラブルシューティングができるようになるのです。

円滑な意思疎通によって成果を上げる土台を整え、効果的な組織活動を促進します。

代表的な組織構築の種類

組織は活動において重視するポイントに応じて、主に6種類の組織構造に分けられます。組織構造とは、組織の仕組みや構成を分類したものです。

  • 機能別組織
  • 事業部制組織
  • マトリックス型組織
  • ネットワーク組織
  • カンパニー型組織
  • チーム型組織

ここからは、代表的な組織構築の種類を詳しく見ていきましょう。

機能別組織

機能別組織とは、業務内容に応じて部門を分割する組織構造のことです。

営業部や商品開発部など、業務の特性を重視した部門を編成することで、部門の専門性や業務効率を高めやすい特長があります。

一方で機能別組織は部門間のコミュニケーションが不足しやすく、利害衝突などでの対立関係に発展しやすいことから、協働が弱まるリスクがあります。

事業部制組織

事業部制組織とは、製品別・顧客別・地域別のいずれかで部門をまとめる組織構造のことです。

事業部ごとに独立した運営体制を確立することで、専門性や市場ニーズへの適応性を高めることができます。

一方で、事業部制組織は事業部間のコミュニケーションが希薄化し、それぞれの部署が孤立してしまう点がデメリットです。また、ほかの事業部間で業務が重複することがある点にも注意が必要です。

マトリックス型組織

マトリックス型組織とは、機能別組織と事業部制組織を組み合わせた組織構造のことです。

機能別組織に所属しながら、別の事業やプロジェクトにも関与することから、マトリックス型組織では社員が2つの所属先を持ちます。

これにより、社員の有する知見やノウハウを活用しやすい反面、責任や権限の曖昧さによって社員の混乱を招きやすいのが難点です。

ネットワーク組織

ネットワーク組織とは、職位による上下階層を設けず、全ての社員がフラットな関係で連携する組織構造のことです。

社員同士が直接つながり、チームの編成や権限委譲などを現場主導で進めるため、柔軟性と創造性を兼ね備えた活動ができます。

しかし、個人や部門が自由に連携できるという特性上、組織全体の統制が難しく、組織として一貫性のある活動が保てなくなるリスクがあります。

フラット型組織とは?メリット・デメリットや事例・課題の解決方法について

カンパニー型組織

カンパニー型組織とは、事業部単位で責任者を立てて、1つのカンパニー(会社)として独立性を持たせる組織構造のことです。

事業部制組織と比べて裁量権が大きく、権利委譲によって重要な意思決定も事業部内で決めることができます。

しかし、カンパニー型組織は事業部内だけの局所最適に陥る可能性があり、組織全体としての最適化を拒むケースが出てきます。加えて部門ごとに異なる文化や価値観が生まれ、共通目的にズレが生まれやすくなるため注意しなければなりません。

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チーム型組織

チーム型組織とは、プロジェクト単位でチームを編成する組織構造のことです。

専門性の高い社員が集まるため、高い生産性と創造性をもってプロジェクトを遂行できる強みがあります。

一方で、短期間でチームの編成と解散を繰り返すことからコンセンサスの形成が難しく、専門人材の引き抜きが横行してチーム同士の対立を招くリスクがあります。

良い組織に共通している特徴

組織の状態によって最適な組織構造は異なるものの、良い組織には3つの共通点があります。

組織の存在価値が高い

組織の意義目標を達成するためには、社会にとって組織が有益な存在であると認められる必要があります。この点において、存在価値の高い組織は、社会から信頼や支持を得られている何よりの証明となるでしょう。

社会の信頼や支持が得られている組織は安定した収益を得ることができ、存在価値に共感する人材を集めやすくなります。

優秀な人材を確保できればさらなる成長が期待でき、組織としての価値を高めることにもつながるのです。

組織全体に活気がある

モチベーションやエンゲージメントの高い組織は全体的に活気があり、自発的なアクションが生まれやすく、生産性や創造性が向上しやすい傾向にあります。

そのうえで社員のモチベーションやエンゲージメントは、組織の制度や文化、人間関係などをきっかけに大きく変動するものです。

したがって、組織がいかに居心地の良い環境であるかが、組織としてのパフォーマンスを左右する要因になるといえます。

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利益を生み出し続けている

営利団体として存在する組織は、事業活動による利益がなければ存続できません。利益を生み出し続けることで組織は成長・発展し、変化に適応することができます。

だからこそ、良い組織には安定的な利益を生み出し続けているという前提条件があるのです。

良い組織を作るためのポイント

組織は社員ありきの集団であり、良し悪しを決める要因となるのも社員です。良い組織の土台には社員の意識があります。

そのうえで、社員の意識を醸成していくために3つのポイントを押さえましょう。

自社に適した人事評価制度を導入する

社員が高いパフォーマンスを発揮するためには、モチベーションの維持が欠かせません。

そのうえで、社員のモチベーションを安定化させるには、公平かつ透明な人事評価制度の導入が効果的です。

自分自身が正当に評価されていると社員が実感できるようになれば、モチベーションが高い状態が維持され、協働意思が芽生えていくでしょう。

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共通目的を社員に認識してもらう

良い組織にはアクションに一貫性があり、それを実現するための共通目的が浸透しています。

共通目的はトップダウンで発信すれば良いわけではなく、社員が文化や価値観を醸成していくために、共通目的を正しく認識することが重要です。

したがって、社員の理解・共感を得られるように内容を整理しながら、組織の共通目的をビジョンや理念というかたちで明文化しましょう。

社員向けの教育制度を築き上げる

評価の適正化や共通目的の浸透が進んだとしても、社員に組織の目的を実現するための知識・スキルがなければ望んだ成果は得られません。

そのため、社員のスキルアップを目的とした教育制度を整備することが大切です。

共通目的・協働意思・意思疎通の3要素に紐づく教育制度を築くことで、社員の知識・スキルの習得を支援しながら、組織の活性化を促すことができるでしょう。

組織の意味を理解して良い組織作りに励もう

個人では実現し得ないような目的も、同じ志を持つ仲間が集まり、組織として機能することで目的の実現が見込めるようになります。

しかし、組織の機能を最大限に活用するためには、組織の意味を正しく理解し、適切な組織構築に取り組むことが大切です。

本記事の組織論などを参考に、より良い組織づくりを進めていきましょう。

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