メルマガの作り方ガイド!初心者向けの基本知識からよくある失敗例まで
メルマガはどのように作れば良いのでしょうか。本記事では、初心者向けにメルマガの作り方の流れや、成果が出るコツを紹介します。メルマガを配信する前に知っておくべき基礎知識や、よくある失敗例も記載しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
知っておくべきメルマガの基礎知識
メルマガを配信する前に、知っておきたい基礎知識をご紹介します。
(1)テキストメールとHTMLメールの2種類の形式がある
メルマガにはテキストメールとHTMLメールの2種類の種類があります。どちらを選ぶかは、両者の特徴をしっかり把握した上で考える必要があります。
テキストメールとは?
テキストメールは、装飾のない文字だけのメールのことで、普段やり取りするような一般的なメールなどは、テキストメールにあたります。
高度な技術がなくても、比較的簡単に作れるというメリットがあります。また、シンプルなデザインなため、パソコンやスマホなど、デバイスによって見え方が変わることが少ないことが特徴です。
その一方で、テキストメールには特殊な機能を持たせることができないというデメリットがあります。たとえば、メール開封率を測定するためのWebビーコンなどは、テキストメールに乗せることはできません。
デザインもシンプルになるので、装飾で見栄えをよくしたメルマガに比べれば、どうしても見劣りしてしまいます。
HTMLメールとは?
HTMLメールは、文字装飾や画像・動画といったコンテンツなど、さまざまな装飾や機能を盛り込める形式です。
Webページ作成に用いられるHTMLというプログラミング言語を用いて作成します。
くわえて、HTMLメールはユーザーのメール開封を検知して送信元に知らせてくれるといった高度な機能も用意されています。
HTMLメールは非常に便利ではありますが、作成に高度な知識が求められるというデメリットがあります。メルマガ配信ツールを利用すれば、ある程度は自動化できますが、それでも学習時間が必要です。
その他にも、容量が大きくなるので受け手の通信を圧迫する、メールソフトや設定の影響を受けて表示がうまくされないことがある、といったデメリットもあります。
▷HTMLメールの作り方とは?基本の作成方法や配信効果・注意点を解説!
(2)メルマガ内に配信停止の方法を入れる義務がある
メルマガ内には、必ず配信停止できる手段と方法を記載しなければなりません。
「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」によれば、メルマガの配信停止のために、以下の項目の表示義務が課されています。
- 受信拒否ができる旨
- 受信拒否を受け付けているメールアドレス、またはURL
表示義務違反となった場合は、総理大臣・内閣総理大臣による命令を受け、命令に従わない場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。加えて、法人の場合は3000万以下の罰金になる可能性があるので、注意が必要です。
受信拒否の受付方法は、メールでの受付、WEBフォームからの受付の2種類があります。
停止処理を手動でおこなう場合は労力もかかる上、ミスが発生する可能性があります。人間が対処せずに済むよう、メルマガ配信ツールなどを利用して自動化しておくとよいでしょう。
[出典:e-Gov 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第三条]
(3)送信元と問い合わせ先を記載する必要がある
「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」では、送信元と問い合わせ先を記載する義務が課されています。
具体的には、以下の項目です。
- 送信者の名前、もしくは法人名
- 送信者の住所
- 問い合わせを受け付ける電話番号、メールアドレス、URL
住所と問い合わせ先については、直接メルマガに記載せずに、詳細を記載したリンクでもかまいません。
送信者の情報を記載しなかった場合も表示義務違反となるので、1年以下の懲役・100万以下の罰金・法人の場合は3000万円以下の罰金が科されるおそれがあります。
[出典:e-Gov 特定電子メールの送信の適正化等に関する法律第四条]
▷特定電子メール法とは?メルマガを安全に配信するためにポイントを解説
【初心者向け】メルマガの作り方を順番に紹介
ここでは、実際にメルマガを作る手順を、初心者向けに解説します。
(1)メルマガ配信の目的を明確にする
はじめに、メルマガ配信の目的を明確にしましょう。
なんとなくメルマガをやってみよう、という曖昧な状態では、効果的なメルマガは作れません。
メルマガの目的としては、たとえば以下のようなものが挙げられます。
- 商品をアピールして、販売につなげる
- セミナーなどのイベントの参加者を増やす
- 自社に愛着や親密感を持ってもらう
目的によって、メルマガの内容が大きく変わります。
最初に目的を決めることで、作成中の脱線を防ぐことができます。内容の修正や書き直しなどが発生しないよう、はじめにメルマガの目的を明確にしておきましょう。
(2)メルマガの配信ツールを選ぶ
メルマガの配信ツールを決めましょう。
一番簡単な方法は、メールクライアントで購読者へ一斉送信する方法です。普通のメールと同じ方法なので、感覚的にもわかりやすいでしょう。
しかし、この方法はおすすめできません。宛先の更新が手作業になるため、ミスが発生するおそれがあるからです。
メルマガ登録したのに届かない、停止依頼を受けたのにメルマガを送ってしまう、といったトラブルは避けなければなりません。
メルマガ配信には、メルマガ配信ツールの利用をおすすめします。メルマガ配信ツールは、メルマガ配信に必要な作業を自動化したものです。
メルマガの購読者登録、停止を自動でおこなうため、登録管理が非常に楽になります。また、高度な技術が必要なHTMLメールも、ツールを利用すれば感覚的に作れることも魅力です。
ユーザーのアクション検知機能などは、機能理解のために学習が必要ですが、ツールなしで作成するよりも、実装のハードルは大きく下がるでしょう。
メルマガ配信ツールは、規模や機能などで価格が大きく変わります。自社にあったサービスを選ぶようにしましょう。
▷メール配信システムの選び方は?必要な機能やメリット・注意点を解説
(3)配信リストを用意する
配信リストの作成を行いましょう。目的に応じてメルマガを送信する対象は変わってきます。
居住地・性別といった顧客の基本情報・購入履歴や関心・自社サービスの利用頻度など、分け方はさまざまです。
最初に決めた目的に合ったターゲットにしなければ、思うような効果は得られません。リストづくりはじっくりと検討しながらおこないましょう。
(4)テンプレートを作る
次におこなうのがテンプレート作りです。目的やターゲットに応じて、適切なテンプレートを考えるようにしましょう。
テンプレートはコンテンツに比べて軽視されがちですが、非常に重要な役割を持ちます。というのも、テンプレートは読者の視点移動や、画面に入る情報量に影響を与えるため、コンテンツの受け取り方に大きな影響を与えるからです。
よいテンプレートを作ることで、読者がメルマガを読み進めるストレスを軽減し、最後まで読んでくれる確率を向上できるでしょう。
(5)メルマガのコンテンツを用意する
次に、メルマガのコンテンツを用意します。
メルマガで提供するコンテンツは、読者が読んでよかったと思えるオリジナリティの高いものが理想で、自社の強みを活かしたコンテンツを目指しましょう。
自社の強みがわからない場合は、3C分析といった自社分析がおすすめです。3C分析とは、顧客・市場(Customer)・競合(Competitor)・自社(Company)、という3つの要素から、市場における自社の立ち位置を分析する手法です。
自社の強みを見つけたら、キーワード調査をおこないましょう。キーワード分析サイトなどで、自社と関連の深いキーワードを入力することで、関連ワードを取得できます。
関連ワードはキーワードをより具体的にしたものや、隣接しているワードである可能性が非常に高いです。そのため、コンテンツ作りのヒントになるでしょう。
また、社内の情報を利用するといった方法もあります。社内向けにまとめられた情報が、顧客にとっても有益な情報であることも少なくありません。そのような情報は他社にはないものなので、大きな強みになります。
オリジナリティのある良質なコンテンツを作ることで、読者は今後もメルマガを継続して読みたいと考えるようになるでしょう。
▷メルマガの最適な文字数とは?ユーザーに読まれる文面作成のコツ
(6)テストメールを送る
メルマガが完成したら、必ずテストメールを送るようにしましょう。
いきなり本番配信をおこなってしまうと、設定ミスやチェック漏れなどで、想定外のトラブルが発生する可能性があります。特に、HTMLメールは設定が複雑なため、入念なテストが必要です。
メールは想定通りに送られているか、メールの内容は正常に表示されているか、その他漏れはないか、などを確認しましょう。
また、メールの確認は、さまざまな種類のメールクライアントで確認しましょう。すべてのメールクライアントで確認することは現実的ではないので、シェアの高いものをピックアップします。
また、パソコン、スマホ、タブレットなどの複数のデバイスでの確認も必須です。パソコンで作成したメルマガが、スマホでは読みづらくなってしまう、というのは珍しくありません。
チェックリストなどを用いて、しっかりとテストをおこなうようにしましょう。
メルマガでよくある失敗例
ここでは、メルマガで起こりがちな失敗をご紹介します。メルマガを運用する際は、以下のような失敗が起こらないよう、注意するようにしましょう。
(1)配信時間の設定を誤る
メルマガを配信する時間を誤ってしまうと、メルマガの効果が薄くなったり、クレームの原因になってしまいます。
配信時間によって、メルマガへの反応は大きく変わります。受け取ったメールをすぐに読める時間であれば、メルマガの開封率は大きく向上し、最後まで読んでもらう可能性も高くなります。
出社前の時間帯・昼休憩の時間・定時頃であれば、購読者のメルマガ開封率向上が見込めます。
逆に、配信時間が適切でなければ、開封は後回しにされて、そのまま忘れられるかもしれません。
それどころか、深夜にメルマガを配信するようなことがあれば、購読を解除されたり、非常識な企業だと思われて顧客が離れてしまう可能性もあります。
そのようなことがないように、配信時間設定は慎重に確認しましょう。
▷メルマガの最適な配信時間とは?読者が開封する曜日や時間帯を徹底解剖!
(2)セグメントのミス
メルマガをターゲットごとに個別に作成している場合、セグメントの間違いには十分に注意しておきましょう。
たとえば、20代女性向けのメルマガを60代男性に向けて送ってしまうと、期待した効果は得られないでしょう。大部分にとって興味のないコンテンツを配布してしまうことになるからです。
もし誤ってメルマガを送信した場合は、再度適切なメルマガを送り直すことになります。その場合、購読者に悪い印象を与えてしまったり、メルマガの開封率などのデータに悪影響を与えるなど、さまざまなデメリットを引き起こすため、注意が必要です。
セグメント分けのミスは些細なことで起こってしまい、担当者がセグメントをよく理解せずに設定していると、うっかり誤ってしまう可能性があります。
なぜセグメントを設定しているか、間違えるとどのような問題が起きるかをしっかりと周知しましょう。
▷セグメント配信とは?重要性やメルマガの効果UPに繋がる配信方法を解説
(3)CTAやリンク先を間違えている
CTAやリンクを間違えてしまうと、顧客の次の行動への導線が切れてしまいます。
CTA=Call to Actionの略称で、ユーザーが行動を起こすためのボタン・リンクを意味します。
「資料の問い合わせはこちら!」「より深く知りたい場合はこちら」というように、メルマガを読んだ読者が次の行動に移すよう誘導することがCTAの役割です。
CTAやリンクを間違えてしまうと、そこで読者の行動が止まってしまいます。メルマガの目的が「読者が商品に興味を持って、資料請求する」だった場合、資料請求ボタンやリンクにミスがあればメルマガの目的達成は不可能になってしまうでしょう。
このような致命的な不備は、読者からの信用を低下させてしまいます。基本ができない企業と思われてしまうと、自社の商品・サービスへの不信感につながるかもしれません。
CTA・リンク先が適切ではないケースにも注意
また、CTAやリンクが適切でないというパターンも考えられます。たとえば、メルマガからの誘導文言と、誘導先がうまくマッチしていないと、読者は騙されたような気分になります。
「詳細なノウハウを知りたい方はこちら!」というボタンのリンク先が、商品の購入画面だった場合は、すぐにノウハウを読めると思った読者は、期待外れと感じてしまうでしょう。
このようなすれ違いは、メルマガを作っている時は気づきにくいものです。気づいたとしても、「違和感はあるが、間違いではない」と思って見過ごしてしまうかもしれません。
大事なことは、読者の視点に立って考えることです。他の人に意見を求めるなどして、適切なCTAを考えるようにしましょう。
(4)迷惑メールに振り分けられてしまう
配信したメールが迷惑メールと判定されてしまうと、「迷惑メールフォルダ」に振り分けられてしまいます。
迷惑メールフォルダに入ったメルマガは、怪しいものに見えたり、そもそも受信に気づかれなかったりするため、メールの開封率は大きく下がってしまうでしょう。
迷惑メールと判定される条件は、メールクライアントによってさまざまです。一般的には、以下のような特徴があると、迷惑メール扱いされる危険があります。
- アダルトやギャンブルなど、怪しいキーワードが含まれている
- 件名や本文が空欄
- 画像の割合が高い
- 短縮URLを利用していて、本来のリンク先がわからない
- 評価の低いドメインを利用している
このような項目に該当していないか、事前にチェックをおこないましょう。
また、なりすましメールと判断されないように、SPFレコードを記述することも有効です。SPF(Sender Policy Framework)は、送信元のドメインを詐称していないと証明する技術です。
ただしくSPFレコードを記載することで、なりすましをしていない証明になります。
▷メルマガが迷惑メールに判定される原因は?今すぐできる対策17選!
▷なりすましメールとは?仕組みや見分け方・有効な対策方法まで解説!
成果が出るメルマガ作りのコツ
メルマガを作る上で成果が出るコツを紹介します。
- 改行や句読点を適切につけて読みやすくする
- タイトルは4Uの法則を守る
- テーマは1つに絞る
- ユーザー目線を忘れない
▷ユーザーを虜にする人気のメルマガとは?最新事例も踏まえて解説!
(1)改行や句読点を適切につけて読みやすくする
読みやすくするために、改行や句読点を適切に打ちましょう。
一文が長く、文字が敷き詰められるようなメルマガは、一目見ただけで敬遠されてしまいます。また、パソコンだと読みやすいものでも、スマートフォンの画面では見にくい場合もあるので、デバイスの違いも意識しなければなりません。
一般的に、改行は40文字程度でおこなうのが理想です。3行~5行で余白をつけることで、話の区切りがついて理解もしやすくなるでしょう。
読点(、)は「文章の息継ぎ」と呼ばれており、適度に打つことで読みやすさを向上させます。あまり多すぎると一文が複雑になるため、一文に2つ、多くて3つまでが理想です。
文章の確認方法として、声に出して読むこともおすすめです。読んでて辛いなと思った文は、改善の余地があるかもしれません。
(2)タイトルは4Uの法則を守る
タイトルは読者がメルマガを読むかを決める重要な要素です。読者に訴求できるタイトルを作るために、4Uの法則を守りましょう。
4Uの法則とは、興味関心を惹くタイトルの持つ特徴を表した法則です。
4Uの種類 | 詳細 | 例 |
Urgent(緊急) | 今すぐに読みたい、ほしいと思わせる | 本日締め切り・今すぐ知るべき |
Unique(ユニーク) | 他にはない魅力を伝える | 我が社の独自ノウハウ・業界一位の企業に聞いた |
Ultra specific(超具体的) | 数字や固有名詞で、明確なイメージを伝える | 99%が満足・12月13日まで・3分でわかる |
Useful(有益) | 読むことで得られるメリットを伝える | 基本が身につく・必要な保険がわかる・失敗を回避できる |
4Uの法則をまもることで、読者が読みたくなるような魅力的なタイトルが書けるでしょう。
(3)テーマは1つに絞る
メルマガに有用な情報をたくさん入れると、その分読者は喜んでくれると考える人がいますが、これは正しくありません。
テーマが複数になると、タイトルに惹かれて読んだ読者が、「期待していた内容が少ない」と感じてしまうからです。
また、テーマが複数あると、情報量が増加してしまい、メールという媒体では読むことが困難になるという問題もあります。
テーマを一つに絞ることで、タイトルと内容が合致した、読みやすいメルマガを作れるようになるでしょう。
(4)ユーザー目線を忘れない
メルマガを作る上では、ユーザー目線は忘れないようにしましょう。
メルマガを作る目的は「顧客を増やす」「商品の販促をおこなう」といったものですが、これらはメルマガ配信者目線のものです。
商品の宣伝を前面に押し出したり、セミナーに参加させるために情報を出し惜しみしたりすると、読者は読んでいてストレスを感じたり、読む価値を感じなくなってしまいます。
メルマガを読むのはユーザーなので、コンテンツ作りはユーザーにメリットを与えるものでなければいけません。
メルマガを読んで満足し、有益な学びにつながったと読者が思えば、今後も継続してメルマガを購読してもらえるでしょう。
商品の宣伝などは、ユーザーのメリットを崩さない範囲で、適切におこなうのが理想です。
▷どんなメルマガがうざいと思われるのか?ユーザーの心を掴むためのコツ
▷【必見】メルマガ登録者を増やす方法14選!登録されない原因を解決しよう!
メルマガの作り方や失敗例を知り、効果的なメルマガ運用を!
メルマガの作り方、注意点、コツなどを解説しました。メルマガは発信できる情報量の多さやコスト面で優れているため、積極的に利用していきたい情報発信方法です。
しかし、なんとなくメルマガ作りを始めてしまうと、何を伝えたいのかよくわからない、内容の薄いものになってしまいます。
そのようなメルマガは、受信フォルダに溜まった大量の不要なメールと同じように削除されてしまい、そのうち購読も解除されてしまうでしょう。
メルマガでもっとも大事なことは、読者が読みたくなるほど有益な情報を提供する、ということです。読者にメリットを提供することで、メルマガをしっかり読もうという気持ちになるからです。
そのような読者の信頼を得て初めて、商品宣伝やセミナー紹介などの活動が効果を発揮します。
メルマガを作るにあたっては、常に読者目線を意識しましょう。読者のためのメルマガを作ることで、継続的な関係構築が可能になります。
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