組織作りとは?目的や5つの原則・必要なことを徹底解説!

最終更新日時:2023/07/26

組織・マネジメント

組織作りとは

組織運営における課題の1つである、「組織作り」。組織を持続的に発展させるためには強固な組織を作ることが重要ですが、そもそも組織作りとは何でしょうか。本記事では、組織作りの目的や組織作りの基本となる5つの原則、必要なことを徹底解説します。

組織作りとは?

会社という組織が発展するためには、リーダーによる明確なビジョンや戦略の提示が不可欠です。さらに、それに基づく企業文化の醸成、人事体制の構築などを行い、従業員が同じ方向を目指して動けるようにすることが必要です。

このように、理念に根ざし、持続的に成長し発展する組織を作ることを「組織作り」といいます。

組織作りの目的

組織作りの目的は、会社組織の目標達成に向けて、従業員がパフォーマンスを最大限に発揮して働ける環境を整備することです。

従業員は、企業経営において欠かすことのできない資源です。しかし、いくら従業員に能力があっても、働く環境が整っていなければ力を発揮することができません。これは、組織にとっては大きな損失です。

そのためにも、組織作りには大きな意味があるといえます。

組織作りによって得られる成果

組織作りに取り組むことによって得られるのは、強固な組織構築ができる点です。従業員が組織の一員として働きがいを感じれば、組織全体の生産性が向上し、業績向上も見込めます。また、組織の成長と従業員の成長がリンクするという好循環も生まれます。

目標を共有した組織は、イノベーションを生み出す土壌を育むことにも寄与するでしょう。

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組織作りの5つの原則

組織作りにあたっては、意識しておきたい以下の5原則があります。

1.専門化の原則

専門化の原則は、職務を分業体制とし、特定の職務や役割を専門的に受け持たせるという原則です。

この原則により、従業員は、専門分野に特化したスキルアップが可能となります。スキルアップを重ねながら能力を最大限に発揮できるようになれば、確実に生産性は向上するでしょう。

また、従業員一人ひとりの役割、成果が見えやすくなるため、業務に対するモチベーションアップも期待できます。

2.権限責任一致の原則

権限責任一致の原則は、任された職務や役割に対する責任を果たすために必要な権限を与えるという原則です。

業務を割り振られても、責任を果たせるだけの権限がないと担当者は責任の重さに押しつぶされかねません。逆に、権限ばかりを与えすぎても、職権乱用などで組織が機能不全に陥る恐れがあります。

権限と責任を一致させることは、健全な組織を作る上で欠かせない原則です。

3.統制範囲の原則

統制範囲の原則は、マネージャーなどの管理者にとって、適切に指導・監督できる部下の数には限界があるという原則です。部下が多すぎると、一人ひとりの業務を管理することが困難になり、効率的な組織運営がしにくくなります。ミスが生じてもフォローができず、トラブルに発展しかねません。

一般的に、1人が部下として管理できる人数は、5~10人程度とされています。

管理者の能力も見極めながら、管理する側、される側の人数を調整しながら組織作りを進めることが大切です。

4.命令統一性の原則

命令統一性の原則は、指示を出すのは、決められた1人に統一すべきという原則です。

複数の担当者から指示が出たのでは、従業員は誰に従えばよいのかわからず、業務に混乱をきたします。現場がやる気をなくせば、生産性も落ちてしまうでしょう。

このような状況を回避するのが、命令統一性の原則です。

5.権限委譲の原則

権限委譲の原則は、管理者は自身の定型業務を部下に任せ、非定型業務に専念すべきという原則です。任せた業務に関しては、細かい判断の権限も部下に与えるという点がポイントで、管理者は戦略や重要事項の迅速な意思決定が可能となるでしょう。

ただし、権限を委譲する際は、業務内容や成果を具体的に提示し、部下の合意を得ることを忘れないようにしてください。

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強固な組織の条件

組織作りがうまくいくと組織が強固になります。では、強固な組織は、どのような条件を備えているのでしょうか。

企業文化が醸成され社内に浸透している

企業文化は組織のアイデンティティであり、価値観、規範、行動規範などの土台となります。企業文化を浸透させ、全員が理解することで、目標やビジョンも共有しやすくなるでしょう。組織のメンバーが一体となって動き、生産性を向上させるための強力な動機づけにもなります。

個々の役割が明確になっている

メンバーの役割と責任が明確にされていれば、例えばミスやイレギュラーな事態に遭遇しても、一人ひとりが自分の判断で適切な行動を取ることが可能です。

役割が重複して、無駄が生じることもありません。個々のパフォーマンスが発揮されれば、生産性の向上にも期待できます。

指示系統が明確かつ適切に機能している

強固な組織は、指示系統が明確に定義され、適切に機能しています。

指示や情報が迅速かつ効率的に伝達され、組織全体の一貫性が取れていれば、従業員はなすべき業務に集中できます。トラブルやミスがあっても迅速に対応でき、業績への影響も最小限に抑えられるでしょう。

個々のモチベーションが常に高い状態で保たれている

良い組織で働いてる従業員は常に高いモチベーションを持って業務に取り組んでいるのが特徴と言えます。やりがいを感じやすい、評価制度が整っている、有意義に働ける環境が整っているためです

モチベーションの高さは業務の品質や生産性などにも大きく影響する要素であるため、高いモチベーションで働けるように環境を整備しているのです。

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組織作りに必要なこと・具体的な施策

では、強い組織を作るためには、どうしたらよいのでしょうか。具体的な施策を見ていきましょう。

経営理念や組織の理想の将来像を社内に浸透させる

経営理念や組織の理想の将来像を全員が理解し、それに基づいて行動することは、組織の一体感を高め、進むべき方向性を統一します。社内報の活用、定期的なミーティング、研修、ワークショップなどを通じて、浸透を図りましょう。

これまで浸透していなかった組織では、少々時間がかかるかもしれません。しかし、丁寧に時間をかけて取り組めば、従業員も自然になじんでいきます。

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人事評価制度・人材育成の方法を見直す

公正で透明性のある人事評価制度と、個々の能力と潜在能力を最大限に引き出す人材育成は、従業員の満足度を高めます。

人事評価制度のポイントは、評価基準を曖昧にしないことです。ただし、全社統一の基準を設定すると、担当業務によっては不公平となる可能性があります。部署ごとに変える視点も持っておくとよいでしょう。

組織のリーダーを育成する

組織においては、企業理念を理解して行動で示せるリーダーが必要不可欠です。強い組織を作るためには、リーダーの育成も目指しましょう。

効果的な方法は、企業理念を理解し実践する研修を経て、現場で経験を積むことです。リーダー候補者に部下を配置して担当業務を割り振り、遂行の状況を確認します。これにより、リーダーとしての資質がチェックできるだけでなく、課題も見えてくるでしょう。

課題に対してアドバイスをすることが、リーダーとしての成長にもつながります。

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個々の能力にあわせた人材配置をする

従業員の能力にあわせた人材配置は、最高のパフォーマンス発揮を可能にします。

いわゆる「適材適所」という考え方です。実力を認められればやる気が出て、さらなる成長にもつながるでしょう。

人材配置は、市場の変化や社内の状況によって変化するため、定期的に人材配置を最適化していくのが大切です。企業理念、経営理念に照らしながら、従業員の能力が生かせる組織を作り上げていきましょう。

PDCAサイクルを意識しながら進める

組織作りは、社会情勢にあわせて常に改良する姿勢が大切です。そのために意識したいのが、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルです。目標設定(Plan)実行(Do)評価(Check)改善(Action)を周期的に繰り返すことで、より強固な組織作りが可能になります。

なお、PDCAサイクルを回すうえでは、「目的を明確にすること」「取り組むべき内容を可視化すること」「必要な工程は確実にこなすこと」「検証可能な記録を取ること」が大切です。

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具体的な施策を参考にし組織作りに取り組もう

組織作りとは、理念のもと、持続的に成長し発展できる組織を作ることです。その目的を理解し、組織を構成する従業員とともに、強固な組織を作り上げていきましょう。

組織作りの5原則を押さえ、強い組織の条件を見据えながら、具体的な施策に取り組んでみてください。なお、組織作りは、時代の変化とともに進化する継続的なプロセスです。定期的に見直しをかけながら、止まることのない事業拡大を目指しましょう。

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